「――桜の花が咲く頃に迎えに来るね」 あの人はそう微笑みわたしの前から姿を消した。 まるでまるで春を彩る桜の花のように、泡沫だけれども鮮やかな微笑みをわたしに残し。 以来、わたしはここで待っている。 今日も夜桜の下で待っている。 あの人じゃない人が紛れ込むのを刈り取りながら。 終わらない、 終わらない、 季節が巡れば、そう口ずさむ。 終われない、 終われない、 年に一度、桜の花が咲く限り。 ● 「みんなは、嘘つきは好き? 私は……」 華奢な首を僅かに垂れて『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、しばし黙り、だが確固たる口調で言い切った。 「私は、嫌い。それが、たとえ優しい嘘だとしても」 そんな嘘がなければ、彼女の心は壊れなかったのかもしれない。 エリューションに、ならなかったのかもしれない。 でも。 いる。 このエリューションは既に存在している、だから消さなくてはならない。それがリベリスタの使命。 そして、伝えるのがフォーチュナーたるこの少女の、使命。 「見て」 イヴがキーボードに指を滑らせるとある地方の桜並木が画面に現れた。 名所ではないが、傍らの街の明かりを吸い輝くばかりの夜桜が特に見事だと、地元の者が足を運ぶ場所だ。 「もう10人、殺されてる。これから桜が綺麗になるごとに、更に増えるわ」 画然たる未来を変えて欲しいと、碧と薄紅、まるで桜のような双眸が皆をまっすぐにとらえた。 「彼女は現在フェイズ2、ただしあなた達の対応によってそのフェイズは、進む」 ――即ち、強くなってしまうと言うコト。 「ここに、彼女の待ち人のデータが、あるわ。好きに使って」 ・村瀬高志 25歳 ・7年前に都会の大学に入学、そこで出来た恋人を妊娠させて学生結婚、現在2児の良き父 ・現在地元の親類とは断絶状態、原因は親が決めた許嫁と結婚しなかったため ・許嫁の幼なじみに対しては親愛以上の感情は抱けず、だがそれを表に出すことも出来ない彼の少年~青年時代は精神的に不遇であった様子 「…………彼女には、夜桜の下にいけば、会える。はじめはまだ会話が、成立する」 彼女は桜の木の下に来た者が高志じゃない場合、必ずこう問いかける。 『高志さんから、美郷の事を聞いてませんか?』 「紛れ込んだ人は『知らない』とか、せいぜい『曖昧な返答』……それで、殺されている」 その場合は、真剣に立ち向かわねばリベリスタ8人であれど負ける可能性がある、それが彼女の基本スペック。 「それ以外は、あなたたちの答え方によって、彼女の状態が進むかもしくは……ある程度聞き分けて大人しく倒れて、くれるわ」 前者の場合は、死力を尽くさねば負ける公算が高いだろう。 後者の場合は、恐らくは彼女をこの世から解き放てる公算が高いだろう。ただし、この状態に持ち込むには、それだけ心を傾け向き合わねばならないだろうが。 「救いをどこに見いだすか、あなたたちに、任せるわ」 すべての資料を手渡して、小さな白の娘はそれっきり囀らなく、なった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:一縷野望 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年04月17日(日)02:33 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● ――まるで時が止まった街のよう。 讀鳴・凛麗(BNE002155)は澄んだ水色の瞳に睫の影を落としため息をついた。 溝を流れる濁った水臭い、行き交うのは若者よりは年配の人間……。 全てが澱み滞ったような街で、7年ただ待ち続けた美郷にどのような言葉をかければよいのか。 「胸くそ悪りぃ」 煙草をもみ消しながら『悪夢の忘れ物』ランディ・益母(BNE001403)は、高台の一際古く豪勢な家から肩を怒らせ出てきた。 崩したネクタイにサングラス、普段の粗暴さを遺憾なく発揮して演じたのは借金取りのごろつき。 「いかがでしたか?」 凛麗の問いに投げて寄越したのは上品な煌めき宿すネクタイピンだった。 無造作に机に押し込まれていたそれにサイレントメモリーを試み感じたのは、送り主の『受け取ってくれるだろうか?』という不安と期待、高志の感情は浮かばなかった。 「高志なんて息子はいないだとさ」 「そうですか……」 旧家の美郷の家に息子を婿入りさせて権力を固めたかった云々、政略結婚に使えなかった息子を切り捨てたのは、その噂を裏付けたに等しい。 「シエル様達に知り得た情報をお伝えしておきますね」 手の平にのる小さな白のアンティークな置き電話の受話器を取り、凛麗は耳に当てる。 ● ――子供の動きはめまぐるしく変わる、それはこのニュータウンの明朗さそのもので。 休日の陽の光の元、作り立ての公園に子を遊ばせる若夫婦を横目に、『節制なる癒し手』シエル・ハルモニア・若月(BNE000650)は浮かない顔で携帯電話を切った。 「……」 促す『T-34』ウラジミール・ヴォロシロフ(BNE000680)の秘色に、シエルは藤の髪を揺らし頭を振る。 「美郷さんの一方的な恋慕だった可能性が高いです」 「そうか」 短く答えウラジミールは傍らのアパートを見上げる、つられシエルもそちらへ視線を向けた。 一方、『愛を求める少女』アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)は村瀬家を訪れていた。 「美郷さんの事で」 速攻で締まりかけたドアに無理矢理体を割り込ませ、止めた。肩の痛みは顔には出さずにアンジェリカは続ける。 望まぬ結婚に悩み本当の愛を見つけ結ばれた事を責めに来たわけではない、と。 「わかってるんなら帰ってくれッ」 「でも約束したんでしょ……?」 迎えに来るって。 言外にそう告げられて高志は怯えを顔に貼り付けた。 「そうでも言わないと逃れられなかった、勘弁してくれ……」 顔を覆いうなだれる先、ベビーベッドが見えた。天井から下がる玩具は手作りか、不格好な魚がゆらゆらり。 ここにあるのは、慎ましやかな彼の幸せ。 彼が欲しいのはそれだけ。 アンジェリカはアパートを辞した。手に提げたカセットデッキが、重い。 「先程はうちの物が失礼をした。すまなかったな」 安心させるため人目がある所での接触を考えていたが難しそうなので、ウラジミールはシエル達を伴い村瀬家を訪れた。 相手が警戒する前に、今の生活を壊す気がない事と亡くなった美郷に慰み物でもあればと口早に告げる。 「美郷さんはずっと待たれていたようなんです」 「きちんと自分の思いを告げる責任があったんじゃないのかな……」 先程伝えられなかった事を今度はしっかりと。 これは本心、この後退治するエリューションたる美郷が待っていた言葉を伝えてあげたい。 唇を噛み長く黙り込んでいたが、高志は立ち上がると一通の封筒を携え戻ってきた。 「墓前に供えるだけならこれを渡しても良い」 表書きには『中窪美郷様』とだけある薄い茶封筒。 「出そうとして出せなかったんだ……辿られるのが怖かった」 今でも怖い。 震える声には絶対にこの場所を知らせないと約束し3人は村瀬の家を辞した。 「美郷……すまない……」 消えそうな声に耳朶を撫でられながら。 ● ――夕焼けに染まる桜は、まるで血を吸ったように、赤く赫い。 「……あぁ、うぜぇ。そんなんだから逃げられたんじゃねぇのか?」 まだ少年の面影を残した『静灰の禊』甲府 修(BNE002200)が、徐々に闇色に染まる空に毒づけば、 「気があうな。正直、この手のタイプは男も女も大嫌いだ」 口元だけに感情を滲ませて、紅涙・りりす(BNE001018)この度のエリューションを嘲る。 感情移入は無理だと修が語れば、片付けやすくする手順だとりりすが返す。 「……」 そんなやりとりに『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)は一言も口を挟まず、像のように木にもたれ動かない。 ――彼女たちを救いたい。 恐らくは情報を集めている面々はそんな想いもあるのだろう。だが自分はどうしても持てなかった。 命を奪うことを『救い』だなんて、欺瞞だと心が告げるから。 だが。 夜闇が濃くなってもなお紅強い桜の木へ凛とした左の蒼を向ける。 ――もうこれ以上の犠牲者を出してはいけない。 誓い柄に指をかけたところで人の気配が、増えた。仲間が戻ったのだ。 「『思い出』は何時だって綺麗さ」 りりすは見せられた茶封筒を指で弾き肩を竦める。 「『過去』もそうだとは限らないけれど」 せいぜい綺麗な『思い出』が封じられていれば? いや、どうでも良い。 ● ――狭く古い町並みに継ぎ足し増え広がってきた、だが人の減少と共にそこは中身のない虚ろな迷路となり果てる。 一際大きく枝を広げる桜天蓋の下で、彼女は長い黒髪を風に弄ばれるままにして、居た。足下のカンテラが炎を頼りなく揺らし、かろうじてわかる顔立ちは温順な印象。 更に凛麗が寄せた懐中電灯の光で、誰が誰かの見分けは容易いぐらいの明るさを得る。 (さて……) りりすは結界を起動し、喰われる人が寄らぬよう細工する。どう転がろうとも待つのは彼女の死だ、正常領域の人に見られるわけには、いかない。 「こんばんは」 隠れた修以外の7人の顔を見て、娘は小さく会釈した。 控えめながら浮かぶ笑みは空の花が僅かに綻ぶ錯覚に陥るほどに、清楚。マトモな場所でマトモな対面ならば心安らいだかもしれぬ、が。 彼女はエリューション、既に10人を冥府に叩き込んでいる。 「初めてお会いするあなた方に伺うのもなんですが……」 体を完全に皆の方に向け、その笑みのままで問いかける。 「高志さんから、美郷の事を聞いてませんか?」 ……死神が大鎌を振りかぶる、運命の問いかけを。 口を開きかけた舞姫は零れそうな内容が余りに真実で残酷でしかない事を悟り、今は唇を閉ざした。 「存じております」 「なんとおっしゃっていましたか?」 淑やかな表情が僅かに濁る。興味を持ったふりで嘘を見透かした怜悧さが闇を注す。 「こちらを……」 シエルは一歩前に出て高志より預かった茶封筒を差し出した。美郷は指を伸ばし封じられた部分をはがす。 「……高志、さんの、字」 折りたたまれた便せんを開き、美郷は黒檀の瞳で行を追う。 しばし無音。 時折風が啼き、天蓋の薄紅をちぎって散らすだけで。 「………………」 くしゃり。 彼女は手紙を握りしめる。 閉じた唇は怨嗟に歪み、その瞳には悲哀に充ち満ちていた。 (やっぱ駄目か。ったく……面倒臭いな、色恋ごとは) 美郷至近の茂みの中で、修は力が籠もりすぎて白くなった指を眼前に肩を竦めた。踏み込み飛び出そうとつま先に力を込めれば、ランディの声が響き緩めることとなる。 「俺も心から好いた人がいるから思う、例え離れても幸せになって欲しい。それじゃ、いけねぇかな?」 くすんだ赤の瞳にも震える唇は止まらない。 「時の移ろいはときに残酷で……人をも変えていく……」 瞼を下ろし粛々と口火を切ったシエルの声に導かれるように、美郷の頬を涙が伝った。無音の慟哭に、それでも続ける。 「彼は……もういません……」 美郷の望む高志は、いない。 「でも、カタチをかえて貴方様との約束を守りました」 指さすのは見るも無惨な茶封筒。 「貴方が彼の事を愛されるならば。彼の言葉の意味を知り……」 噎せるように苦い台詞、されど伝えねばならぬと心を鬼にし凛麗。 「彼の為、貴方の為に、何かを諦める事もできる筈でございます。美郷様」 美郷の顔色に集中していたウラジミールは、諦観を宿した視線をりりすと草むらの修へ。 「わたしは、捨てられた……いえ、最初から愛されていなかったのですね」 桜の花びらが落ちる地面に止めどない雨が降る、狭い狭い彼女の立つスペースに。 ざわり。 黒髪が脈打つように四方に広がり始める。 「お二人の思い出は尊いもの、それを血で穢すのは悲しいです。死出の旅路のお手伝い……させて下さいまし……」 だがそんなシエルの声も聞こえないかのようにその面積と質量を増やす、髪。 「高志さんを許してあげてください。美郷さんが、こんなにも愛した人のことを!」 シエルと入れ替わるように前に出て、戦姫は叫ぶ。 恐らくは刃を交わす事は避けられない、だから回復手の彼女を庇うように前へ。けれどけれど、まだこの声が届くのならば、そう、願う。 「わ、わたしは……わたしは愛されなかったっ!」 願いを潰す、血を吐く叫び。 応えるように彼女を囲む桜の木がざわめき――蝕み力を帯びた花びらを散らす。その、前に。 「動くな」 白群の糸が彼女の華奢な躯を絡め取った、修だ。 虚を突かれた形の美郷に、駆け込んできたりりすの切っ先が突き刺さる。 「君だって、別に信じてたわけじゃないだろう?」 こぽり。 吐かれた血で染まる腕に陶然と頬を染め、痛みを与えるように刃を押し込めば笑みはますます深くなった。 「自分に都合の良いモノに縋り、現実から目をそらしていただけさ」 (例え苦しくても本当の彼を見つめて欲しい) それでもまだ言葉を交わしわかり合いたいと、凛麗は精神を尖らせ闘いに備える。明かりの位置には細心の注意を払う、味方が不利にならぬように。 「高志さん……高志さん、高志さんッ!!」 もはやメデューサの蛇の如くうねり伸びた髪は一端後方に引っ張られるように靡き、一気にりりすへ! そこへ割り込んだのはまだ至近に居たウラジミールだった。 「任務を遂行する」 剣で切り払い盾で受け流しながら、だが切り裂かれた肩から血が滲み精悍に鍛えられた彼の肉を灼く。 「すまねぇ」 ランディは紅髪の頭を垂れた。己が闘気を高めながら、心の傷に塩を塗り込む所行を悔いて。 「申し訳……ありません」 自分の言葉選びが不味かったから救えなかったと、うなだれるシエルをウラジミールは片手をかざし制した。 「大丈夫だ」 ……肩口の炎の勢いは鈍く、既に消えている。 その声が届く前に癒やしの風が彼を取り巻いた。 (ボクの言葉は、まだ届けられるのだろうか?) アンジェリカは静かに静かに影を伸ばしながら、じっと美郷を観察する。 「美郷さん。わたしはあなたを終わらせます」 噛みしめる声はゆっくりと、ただ身体は戦闘最適化のために神速を招き寄せ。通常人なら耐えられぬギャップの中で、戦姫は決意の言葉を彼女へ。 「必ず……」 ● ――迷路の終わりがないのは、苦痛。例え出口に絶望しかないのだとしても、 わたしはそとにでたいのです。 「おつらかったですよ……ね…………」 吐露された声に、ただただ寄り添い頷くシエル。 それしか出来ない。 けれどこの傾聴は、美郷の7年の孤独を解くに足る。 ――婚約を反故にされた時、両親は家の恥だと彼女をののしり、やがて2歳年下の妹にの気持ちを傾けるように、なった。 美郷はずっと、ひとりだった。 「恨んでもいいです。その代わり……あなたは心を失わないでください」 答えと言わんばかりに戦姫へ向かいかけた髪が、ひくりと止まる。 「浮気すんなよ、良い女が廃るぜ?」 クロースを翻し跳ねるように、修が視線を惹いたからだ。 「わたしは……ずっとあの人を一途に……」 「だから嫌われるんだろ? 辛気くさい女だな」 挑発し自分を打てと狡賢い狐の如き三日月笑みで彼は笑う。髪を斬り払い返す刀で彼女の腹を抉り、糸で動きを縛らんと巻く。 しゃんしゃん、と。 修が踊り刻むたび、彼を飾る細工が涼やかな音を奏でた。 「――」 そして。 高め練り上げた力を叩き込む内、リベリスタ達は確信する――錯乱し髪を伸ばす美郷が、一度も自分たちを炎に包めていない事に。 「貴方はもう、理解されているのではないでしょうか高志様の事を」 そして誰かを苛みたくないでしょうと、凛麗は彼女の動きを奪った。 「ずっと待ってた人がいた……ボクは耐え切れず追いかけてきたけど、あなたは待ち続けたんだね……」 影にあわせた技で傷つく彼女をアンジェリカはまっすぐに見据えた。瞳に宿るは素直な賞賛と赦罪。 「あなたは強い人……でも、もういいんだ……」 いいんだよ。 その言葉に僅かに首が揺れた感じが、した。 「美郷さん。あなたは高志さんを救うことが出来る」 もう息も絶え絶えの彼女に向けて剣を仕舞った戦姫がきっかりと語る。 「彼が幸せでいることを許してあげることで、高志さんは救われる」 この街の亡霊に過去に怯え暮らしていたと、アンジェリカから聞いた。 だが高志の実家は彼を見捨て、あとは……美郷の執念のみ。 その鎖を解きたい、2人のために――舞姫は真摯にそう願う。 あれほどざわめきたっていた桜は、本来の人を和ませる花へと還っていた。 「……」 血でつぶれた片眼を細め確かに美郷は笑った。 (あ・り・が・と・う) 「あの世で詫びがすんだら、生まれ変わって出直したまえ」 りりすは殆ど臓器もなく恐らくは痛みも感じないであろう脇腹を、黒刃で抉った。 「次は幸せになれるようにね」 それが止めと、なる。 「高志様へお伝えする事はございますか?」 凛麗の問いかけに美郷は閉じかけた瞳を開き、すっと息を吸う。 「――あなたの気持ちがわたしに向いていないのに気がついていました。もっとはやく解放してさしあげればよかった……ごめんなさい…………」 いまわの際とは思えぬほど明瞭に彼女はいだ。恐らくは伝えたくて仕方がなかった、心の音を。 やはり全て悟っていたのだ、この人は。 「どうか、愛する人達と幸せに」 そして。 幸いを祈れる程の強さも持っていたのだ。 ――目を閉じた、動かなくなった美郷の傍らで、ランディは大きなため息をつく。 もし彼女がフェイトに愛されてさえいれば、誰も殺めずにすんだのだろうか、と。 「死ねば躯。世界の事実より彼女がたどり着いた『真実』が全てだよ」 ウラジミールの言葉にランディは物言わず頷く。隣で悪役を演じた修がやりきれないと天を見上げた。 一面の桜。 この季節だけの、特別。 「次は普通に花見にでもこようぜ?」 この綺麗な場所に親しき人を誘い……そんな計画を口にすれば、固かったリベリスタ達に笑みが浮かぶ。 「……よし、戻るか。我らが愛しの方舟にな」 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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