●終われないものの歌 山奥。 舗装されていない、車が固めただけのような道の脇。 ゴミ捨て場ではないその場所に、幾つもの家電製品が転がっていた。 冷蔵庫、テレビ、炊飯器、スピーカー……古い型の、あるいは壊れて動かなくなった機械たち。 それらは風雨に曝され、時を経て……形を失っていく筈だった。 だが、そうは為らなかった。 稼働音のようなものを響かせながら、あるいは出力装置から音を発しながら。 機械たちは、形を変えてゆく。 本来あり得ざる形へと。 吼えるような、怒るような、音を響かせながら……E・ゴーレムたちは、誕生した。 ●終わらせるものの歌 「……不法投棄された粗大ゴミが、E・ゴーレム化します」 それを退治して欲しいというのが今回の依頼なんですが…… マルガレーテ・マクスウェル(nBNE000216)はそう言ってから、デスク上にコトンとそれを置いた。 マイクのような外見をしたそれは、幾度かこの世界を訪れた事のあるアザーバイドである。 既にフェイトを得ているらしく、異世界の存在ではあるもののこの世界を壊さない存在となっている。 その為、この世界に来訪したり滞在したりしているのだそうである。 「E・ゴーレムの方は数も多く、普通に戦うとかなりの強敵らしいのですが……」 テレパス系の能力や感情を調べる能力等でアザーバイドと意志の疎通らしきものを行った結果、E・ゴーレムたちに対処する為にマイクさんが協力してくれる事になりましたと、フォーチュナの少女は説明した。 「理論的な事は完全には分からなかったんですが、皆さんに歌ってもらう事でその力を変化増幅させてE・ゴーレムたちに干渉し、エリューションたちの力を変化させる……みたいな感じらしいです」 難しい事は分からないが要約すると、リベリスタ達の歌にアザーバイドの力を乗せて、E・ゴーレム達も歌いたい気持ちにさせ、歌う事によってエリューション的な力を全て出し切ってもらう……という感じらしい。 E・ゴーレムの中にスピーカーが元になったものがいた他、様々な偶然が重なって、可能……っぽくなったのだそうである。 「周囲への封鎖等は手配しますので、皆さんは歌だけに集中して下さい」 ゴーレムたちが歌によって全ての力を出し切るまでどれくらい掛かるか分からないが、時間は掛かるにしても直接戦うよりは消耗は少ないようだ。 そして、何より…… 「壊すのではなく、すべての力を出し切る形で消滅してもらいたい」 そう、アザーバイドは考えているようである。 「……私も、出来たら……そういうのが良いなって思います」 マルガレーテはそう言って、リベリスタたちを見回した。 「もし良かったら……皆さんの力で、ゴーレムたちを終わらせてあげてくれませんか?」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:メロス | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年11月28日(水)22:28 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●始まりの、前に (歌ってエリューションを倒すお仕事なんて楽しそう!) 「あ……でも、倒すってのとはちょっと違うのかな」 (成仏させる、って感じかなあ?) 『いつも元気な』ウェスティア・ウォルカニス(BNE000360) は少し考えてから、でも……と表情を和らげた。 「楽しく送ってあげるのがきっと良いよね」 のど飴と飲み物も持ってきたし、準備は万端だ! 「ヒトカラ6時間だって余裕で歌いきれる私に任せるといいよ!」 自信満々にそう言いきってから、彼女はあわてて付け加えた。 「──い、一緒に歌う友達が居ないわけじゃないんだからね……?」 「イイゼェオウケェイフゥフゥー!! イカレタメンバーの恨みも何も吐き出させて、全部纏めてノセてアゲてヘヴンライドさせてやるよー!!」 やるんだってばよぉぉ!! そう叫んでから。 「いやまぁ向こうさんも出来上がってるから、自分がアガってないと不味いんじゃないのかと……違うの?」 『終極粉砕機構』富永・喜平(BNE000939)は……皆を見回した。 …… ……… 「何かを履き違えた感がある俺だが、めげない」 そう口にしつつ、表情を引き締める。 「毎回こんなならええのにな!」 『ビートキャスター』桜咲・珠緒(BNE002928)は素直な気持ちを口にしてから、笑顔でアザーバイドへと呼び掛けた。 「マイクさん、今日はよろしゅう!」 そう口にすれば、どこか嬉しげな音がマイクから響く。 「こんにちは、今回はご一緒できて嬉しく思います」 『シスター』カルナ・ラレンティーナ(BNE000562)が呼び掛ければ、懐旧の念を感じさせる音色が穏やかに響いた。 「もはやマイクさんもリベリスタといっても過言ではないのかもしれませんね」 語りかけ、少女は目を細める。 「いやはや、アザーバイドやエリューションにもいろいろな連中が居るもんじゃな」 『抜けば玉散る氷の刃』五郎 入道 正宗(BNE001087)は、どこか感心した様子で口にした。 「殴り合うのも大好きじゃがこういうノリも好きじゃぜわしは」 そう言って壮年は豪快な笑みを浮かべてみせる。 かくしてリベリスタたちは、人里離れた山奥へと足を踏み入れた。 ●山奥の音楽会 主道から離れた、舗装されていない道の脇。 もの哀しさを感じさせながらも、穏やかで美しいその景色の中に……幾つもの家電製品が、家電製品であったE・ゴーレムたちは、存在していた。 (まだ動けるにも関わらず、人間の都合でこのような所にうち捨てられ……) 「その怒りを体現しているのでしょうね」 遠くを見るような瞳で、カルナが呟く。 (だからこそ最後まで力を使うことで未練を無くすのでしょうか?) 「せめて、安らかに眠れますよう」 その言葉に、『贖いの仔羊』綿谷 光介(BNE003658)も同意するように頷いてみせる。 伴奏用にと用意したハーモニカを手に……小さく……けれど、確りと。 散々利用した挙句に最低限の義理(ゴミ処理場送り)も立てられず、不必要と断じられ捨てられる気持ちは如何程か? 「……とは俺の予想、見当違いの可能性もあるけどね」 肩を竦めるような仕草をしつつ喜平も呟いた。 とにかく、せめて、この瞬間……世界を救う為のパートナーとして。 (奴等の気の済むまで付き合ってやろう) そう思う。 「面白いアザーバイドもいた物だねぇ……」 (それにしても、不法投棄された粗大ごみのエリュ-ションか……) 『続・人間失格』紅涙・いりす(BNE004136)はマイクに一瞥をくれてから、彼者たちへと……視線を向けた。 壊れても。古くなっても。 「『まだ動ける。役目を果たせる』ってさ。そう言いたかったのかね?」 (何か親近感がわいちゃうね) 呟きつつ荷物を確認する。 防寒具を、暖かい飲み物。そして、のど飴。 拍子をとれるような楽器も用意して。 (どうせなら最後までベストな状態で送ってやりたいし) 「何だかんだで持久戦になるかもだしな」 その為に、長丁場になる可能性を考えて。 『ディフェンシブハーフ』エルヴィン・ガーネット(BNE002792)も、のど飴や飲み物を用意している。 (歌うことでエリューションの力と気持ちを出し切ってもらう、か) 「さすが、君らしい素敵な発想だ」 青年はそう言って、アザーバイドに微笑みかけた。 「よっしゃ、全力で歌って歌いまくって、気持ちよく彼らを送り出そう!」 ●合奏の始まり 「最近は吹いていなかったので、出来はお粗末なんですけど」 光介はそう言いながらハーモニカを構えた。 左手でしっかり掴んだら、右手を添えて包み込む。 そして、左手の隙間にマイクを挟めば…… (その昔、父に教わったブルースのフォーム) 「さて、せっかくですし、場を盛り上げていきたいですよね」 仲間が歌に入りやすくできる様に、伴奏を。 「後方支援はお任せください」 微笑んで、ハーモニカに口を近付けながら……光介はE・ゴーレムたちへと、ちらと視線を向けた。 (なんだか付喪神と宴をするみたいな気分です) そんな言葉が、ふわりと唇からこぼれる。 「てわけで、歌うよ!」 歌いまくるよ!! マイクを手にウェスティアが元気に宣言すると、合わせるように元気な音色が響き始める。 それに合わせる様に、光介がハーモニカを響かせ、珠緒もギターを弾き始めた。 アイドルっぽい、ノリの良い可愛い系の歌を…… 「あ、折角だからカルナと一緒に歌おうかな」 「……え……?」 「シンクロもってるから動き合わせるのも完璧だよね」 凄くいい笑顔で、そう言って。 あわてて、しどろもどろに何か言おうとする彼女の手を、その笑顔のまま掴んで引っ張る。 「いえ、お仕事の為ですし、する以上は勿論真面目にするのですが」 (するのですが……) そんな出だしではあったものの、いざ始まれば場の勢いに乗せられるようにして。 歌ったり、翼を羽ばたかせながら踊ったり飛んだり、元気で楽しげなウェスティアに引かれるようにして。 カルナも一緒に、楽しく歌う。 歌と音色は不思議に拡がり……E・ゴーレムたちは最初は怪訝そうにしていたたものの……やがて、ゆっくりと体を揺らしながら出力装置から音声を、あるいは自身の力で不思議な音を……響かせ始めた。 不思議で、ちょっとヘンテコで、けれど何処か楽しげで。 そして、カルナは1曲を歌い終えた後…… …… orz 「だ、大丈夫ですかっ!?」 あわてて尋ねた光介に大丈夫ですと頷いて、以後この話題には触れないで頂けると嬉しいです……と、お願いする。 首を傾げつつ少年は頷いた。 「まぁ、一気にやると慣れんひとは喉もたへんやろし」 気持ちを切り換えられるようにと、珠緒が交代を提案して。 喉が温まるまではとマフラーを巻いたまま、彼女は仲間たちの歌に合わせる様にして喉をふるわせ、弦を弾く。 (まずはギターとコーラスで場を支えていくで) 「全てを使って、1+1を4にも5にもしてやるんや!」 絶対音感と、声帯変化を活かした音域の広さを活用して。珠緒は場を盛り上げていく。 エルヴィンも一言入れてからシンクロを利用して声を重ね、歌の響きに厚みを加えた。 皆の歌が、奏でる音色が、アザーバイドの力によって形を変え、E・ゴーレムたちを包み込む。 歌に合わせる様に……エリューションたちは、その機械の体を、徐々に大袈裟に動かし始めた。 刺激しないようにと気を付けながら、いりすはそっと……そのゴレームたちへと手を伸ばす。 「どうせならエリュ-ションも、ベストな状態のがよさ気だよね」 音を出す部分にゴミ等が詰まっていないだろうか? よければ、掃除をしてやろう……そんな事を考えたのだ。 エリューション化してるなら、その辺はクリアされているのかも知れないけれど。 「気分的なモンもあるしな」 そっとE・ゴーレムたちの表面を磨いたりしながら、いりすは呟いた。 穏やかに葬ってやれるなら。それもいい。 (小生は、どっちかというと激しいのが好みだけど) 「こういうのもアリだろう」 ●やさしい、うたたち 「一人より皆で飲んだ方が旨いからのう……おっと、未成年はソフトドリンクで我慢せい」 希望する者に遠慮なく、と。正宗は酒を振舞いながら自身も器を傾けた。 飲んでも、決して飲まれずに。 「わしみたいなオヤジがこういう歌を歌うことで、若い連中の歌声が映えるというものじゃ」 マイクを手渡されると壮年は、低く響く渋い声で演歌を歌う。 「早々にダウンしたら、手伝ってくれるマイクさんにカッコつかへんで!」 珠緒もハチミツとレモンを足した温かい紅茶を、一時休憩の者へと差し出す。 その時を間奏にするように、喜平もハーモニカを響かせた。 皆の歌や音色に合わせるように……スピーカーやテレビたちが音声を出力し、冷蔵庫や炊飯器がフタを開閉させながら音を発する。 少しの間を置いて、エルヴィンが歌い始めた。 優しく静かな、友情の歌。 もし君が孤独を感じた時は 立ち止まって振り返ってごらん ほら僕が側にいるから だから君はひとりじゃない ちょっと古いポップス。 むかしちょっとだけ流行った好きな歌。 その当時を思い出しながら。 もし君が寂しさにつぶれそうな時は 僕達と手をつなごう みんなで輪になって 一緒に歌を歌おう 小さくクスっと、青年の顔から笑みが零れる。 少し休みを入れたカルナは交代するように、明るくてテンポの良いゴスペルソングを歌い始めた。 最初は賛美歌をと思ったものの、皆で楽しく歌えるようなものが……そう考えたのである。 なるべく多くの人が知っていそうな有名なものを主にして、交代したり合唱したりしながら……彼女はさり気なく、歌に力を籠めた。 力はそのまま福音となって、仲間たちを癒す。 いりすは調子を取ったりして賑わわせながら、皆で歌える全体で楽しめそうな曲を選んでマイクを手に声を響かせた。 「え、ボクも、歌ですか?」 アカペラの時は演奏を控え、そうでない時はマイクや皆と音を響かせていた光介は……少し間を置いて。 「じゃあボクは……月の歌を」 月に思いを吐露する歌を、うたう。 少女が叶わぬ恋を、 少年が旅立ちの高揚を、 老人が見果てぬ夢を、 物言わぬ月に告白する歌を。 喉を震わせ、冬の寒気に、空に、伝え、響かせる。 (ジャズやブルースならば、月に歌うのは狼と相場が決まっているけれど) 「たまには羊が歌ってもいいかなって」 そう、呟いて。 ゴーレムたちが全てを吐き出せるように。 やさしい羊は、うたをうたった。 ●合唱と演奏会の終わり 「三高平学園音楽愛好会、桜咲・珠緒。いっちょやったるで!」 奏で、歌うは……もうすぐ時期の合唱定番な交響曲! 「ロックだけやと思ったか? 残念! うちらにジャンルの壁などない!」 彼女の音色に合わせるように、まるで彼女を指揮者とするように、家電製品たちも連れられるようにして一斉にそれぞれの音を立て始める。 雑多で、素朴で、何処か統一されたような……E・ゴーレムたちのオーケストラ。 「お、まだ歌い足りないってか。いいぜ、いくらでも付き合ってやるよ……!」 エルヴィンは楽しげに口にしながら、カルナとの合唱で天使の歌を響かせた。 歌いながら、演奏しながら。珠緒はレコーダーに、ちらと視線を向ける。 事件の報告書と一緒に、皆の歌をデータとして提出しようと思うのだ。 「うまくいったら、きっと凄いええ歌が聴けるし、マルガレーテさんにも聞いて欲しい!」 勿論、残すのがまずかったらちゃんと消去するつもりである。 そう思っての事だったが、それを耳にした瞬間……手拍子などをして盛り上げていたカルナの顔色が、文字通りなくらいに一変した。 一方、その辺の動揺は余所に正宗も若者たちに合わせて選曲し始めた。 「山籠もり中も夜にラジオを聴いていたから歌詞は頭に入っとるぜ」 選ぶ曲は、明るい楽しげな雰囲気の曲だ。 「いうてみればこれは送別会みたいなもんじゃ、笑顔で見送ってやりたいしのう」 そう言って彼も、それぞれの音や歌を響かせるE・ゴーレムたちへと暖かな視線を向けた。 喉が温まった珠緒はソロにも挑戦し、ウェスティアはゴーレムたちと共演するように歌い、踊る。 変形し大きくもなった冷蔵庫やテレビは気にもしない様子で、彼女を乗せてゆらゆらと身を揺する。 エリューションはステージであり、観客であり、 (それでいて一緒に歌う仲間でありって感じで) みなで一緒に歌って、手を叩いて。 「こういう時はノリが大事だよね!」 わからない曲でも、ノッとけば楽しい。 「エリューションも私達もマイクさんも皆で一緒になって歌うの」 きっと凄く楽しいと思うんだよね? 幾つもの音が重なり合い、響き合って…… そして、そのひとつが……消えた。 冷蔵庫がゆっくりと形を失い崩れ、続いて電気ストーブが倒れて動かなくなる。 それに続くように、E・ゴーレムたちは次々と……形を失い、力を失い…… 静かに消滅し、あるいは元の家電製品へと戻っていき…… 演奏会は、終幕を迎えた。 ●始まり、終わり……そして、始まる 「ごめんね」 これまで頑張ってくれてありがとう。 「おやすみなさい」 全てのゴーレム達が消えたその場所に、歌声と音色が響く。 「普段は葬操曲奏でてばっかりだけど、今回くらいは鎮魂歌を歌おうかなって」 ウェスティアの言葉に頷いて、カルナも喉を震わせた。 「どうか、安らかに眠れますように」 鎮魂歌が、かつてゴーレムであった物たちを包みこむ。 「短い間じゃったが、わしらの友人と言って差し支えないじゃろうしな」 正宗もそう言って別れの歌で送りながら、墓でもと……カケラ達を集め始めた。 手向けの酒でも、かけてやりたい……それが彼の偽らざる気持ちだ。 マイク、アザーバイドも……まるで子守唄のような音色を、周囲へと響かせた。 「ところでマイク(仮称)に名前とかないの?」 そういえば……という感じで喜平が尋ねる。 「こんな平和的手段で世界を救ってみせるジェントルに、呼称がないのも何だかなぁー」 「そういやマイクさんて呼んでたかな」 喜平の言葉に珠緒が頷いた。 「外国のひとの名前みたいになってるけど。ボブとかジョージみたいな」 「そろそろお名前も決めてあげると良いのではないでしょうか」 え? 誰に言っているのかって? 「さあ、どなたでしょうね……」 カルナの提案に、幾つかの案がさっそく挙げられる。 マイクのままでいいんじゃないか? フレディなんて如何だろうか? 「ムジカってのどうだろう」 恐る恐る反応をうかがう様に、エルヴィンは聞いてみた。 「こっちの世界の言葉のひとつで、音楽って意味なんだけどさ」 そんな問いに答えるように、穏やかな音色をかえってくる。 辺りが静寂を取り戻しつつある、その中で……いりすは正宗と一緒に、ゴーレムであった物たちを集めていた。 「この街に、来たばっかで調度品も、何も無かったし」 何か直して使えそうな物があればもって帰ろう。そう思ったのだ。 (戦友みたいなもんだろ。一緒に歌えば) 「全部は無理でも……な」 あーくの技術力は無駄に(←)すごいと聞くし。 「ちょちょいと直してくれるんでないかしら」 ……大丈夫そうな物は、と。いりすは家電製品たちを確認する。 アザーバイドにお礼を言って、皆にのど飴を配りながら……光介は、E・ゴーレムだった物達へと想いを馳せた。 思いも力も空になるまで振り絞って、そっと人知れず眠れたならば。 (それって実は、幸せなのかもしれません) 思ってから、微かに頭を振る。 「よし、それじゃあ恒例行事」 そんな想いをふり払う様に、エルヴィンの声が響いた。 「帰ったらマルガレーテを誘って、カラオケに行こうぜ?」 呼び掛けに幾つもの頷きが応えて。 「もちろん俺のおごりでな!」 いりすも、その言葉に頷いて。 戦友たちのカケラを手に、立ち上がった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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