●誰にでも出来る簡単なお仕事です。 「仕事としては、すごく簡単。だけど、多分すごくつらい」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、しばらく目を閉じていた。 これからリベリスタが受ける苦しみを、わずかでもわが身に受けようと天に祈るかのように。 これからリベリスタを過酷な現場に送り出す自分に罰を請うように。 やがて、ゆっくり目を開けると、ぺこりと頭を下げた。 「お願い。あなた達にしか頼めない」 苦しそうに訴える高校生、マジエンジェル。 だが、断る。なんて、言えるわけがなかった。 ●お仕事内容は土木建築です。 「アフターフォロー、大事」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、モニターに射撃系リベリスタには知られた戦闘区域の写真を出した。 「天狗の鼻岩。E・ビースト『流れる海産物』現時点で唯一の狙撃可能ポイント」 放置すれば、集落・壇示に降り注ぎ、十人全員帰らぬ人になるだけではなく、現在壇示で小康を保っている地下に眠る神秘存在へ悪影響極大と推測される。 実際、壇示で急速な変化があったのは、『海産物』の一匹が墜落した後だったのだから。 写真は二枚。 「『海産物』到来前」 うん。天狗の鼻っぽいね。 「現在」 ほっそ! 「かつて、きつきつだったとはいえ12人乗れてた岩が、今やギリギリ8人。この間の戦闘で、更に削れた」 イヴは無表情。 「リベリスタの技量は大幅アップしているとはいえ、向こうの攻撃も苛烈。一人倒れた時のリスクが高い」 ということは。 「ならば、足場を再構築すればいいという結論に達した」 それはつまり。 「天狗の鼻岩に行って、楔を打ち込み、鉄筋を張り、速乾性のコンクリで特殊ブロック貼り付けてきて」 断崖絶壁ですよね? 行ったリベリスタの何人かは、あまりの高さに何も出来ずにうずくまるって言う難所ですよね? リベリスタでなくてはだめですか? 本職さんの方がよくないですか? 「ここ、大量の吸盤上の生体ミサイルが打ち込まれている。エリューションの一部。それが満遍なく打ち込まれたところに一般人をやった場合、影響を受けないという保障はない。神秘秘匿の件から行ってもどうかと思う」 つまり、次の戦闘のために。次の次の戦闘のために。 拠点の補強をしろということですね。 「壇示の鱗の主はまだ動いていない。今のうちに出来ることはしなくちゃならない」 待ったなし。 「戦闘にはならない。ばかばかしいと思うのもわかる。ストレスがたまると思う。でも大事な仕事」 イヴは、もう一度頭を下げた。 「お願い」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2012年11月12日(月)23:03 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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● 「先輩リベリスタの皆様は、簡単なお仕事から経験を積むものだとお聞きしました。簡単なお仕事と書いてあるからにはそういったお仕事でしょう! リベリスタとしての第一歩です。徹子、頑張ります!」 『娘一徹』稲葉・徹子(BNE004110)、新人が陥りやすい罠。 「\ヌリコンダー!/」 『正義の味方を目指す者』祭雅・疾風(BNE001656)、第一声。イケメンなのに……。 ● いい天気だ。 山々は真っ赤に染まり……ぶっちゃけむちゃくちゃ風が冷たいというか痛い。 辺りに、ばりっごそごそという連続した音が響く。 リベリスタが、携帯カイロの外袋を破り、自分の服の裏に張っているのだ。 「これで、全員分足りるかな……」 『刹那たる護人』ラシャ・セシリア・アーノルド(BNE000576)が持参のカイロを配っている。 それでも足りずにマフラーをきっちり巻く。寒さは首から入ってくるのだ。 「……さ。寒い……心頭滅却! あっこれ寒くなってしまいます! いまのなし!」 徹子は、凍えてしまうと作業が出来ませんから。と、真剣だ。 「誰かがやらないといけないってーならやらない訳にはいかないっすよね。損な役回りっすけど、その辺は諦めるっすよ」 『LowGear』フラウ・リード(BNE003909) 、男前。 『住所不定』斎藤・和人(BNE004070)は更に腰に命綱を巻く。 「何か出番がある気がするしな!」 出来れば使わないでおいていただきたいけど無理ですかそうですかそんな簡単な仕事クオリティ。 「場所が場所ですから、そう着こむわけにも行きませんし……」 徹子は、ふと辺りを見回した。 逃走しない意気込みを夏コンの衣装――着付けが女子の浴衣――で表そうとした『やわらかクロスイージス』内薙・智夫(BNE001581)が目に一杯の涙を浮かべている。 寒風にさらされた白い肌が真っ赤だ。 「何でっ!? 何で痛いのっ!?」 しもやけ、あかぎれ、ひび割れ? 出血BSついたら、自分で治すんだよ? 『むしろぴよこが本体?』アウラール・オーバル(BNE001406)はモルぐるみを着ている。 「寒いって言うから、モルぐるみ着てきたけど、全然暖かいじゃないか……。むしろ作業したら暑いし汗かくし、モコモコするし!」 動きにくいと思うけど、何で脱ぐの!? ちなみに、絶対者の守備範囲には氷結無効はあるが、それが寒冷無効と同義なのかは審議中。 この回は信じる者にはプラシーボ効果として処理する。 疾風が着ているのは 、『コンクリ怪人ヌリコンダー』の着ぐるみ。 とある特撮番組に登場し、劇中のヒーローをコンクリート固めにして苦戦させた、映画での再生怪人候補No.1。 アクション前提なので案外動きやすいって、なぜ着ぐるみ! 現実逃避の末の思考迷子。防寒具としても使えるし。って、ここが山奥じゃなかったら通報されるから。 「え……?」 徹子の口から、疑問符が漏れる。 ふざけているようにしか見えない。 でも誰も怒ったりしてないし。 ひょっとして、真面目にやっているの? 「以前、参加した事あったけど、随分足場が細くなってるなあ。」 コンクリ怪人、まじめな顔して状況確認してるし。 「しかし岩は8人乗るのがぎりぎりの状態だから私は乗れないな。今回は乗るのを諦めるか」 ラシャは、岩に乗りたくないって顔に書いてある。 「焚き火が出来れば寒いときに暖まって便利なのだ。鼻岩の近くに安全に出来る場所があるかと思っていたが、ここなら大丈夫そうだ。私は火を焚いて待って……」 Wアクションとは、人が一挙動する間に、数挙動すること。 単純計算、人が四回動く間に、彼女は五回動く。 「皆覚悟は出来てる? 私は出来ているッ!」 這い寄る彼女――『猟奇的な妹』結城・ハマリエル・虎美(BNE002216)は笑顔でラシャの腰に命綱を巻いた。 智夫はそれを既視感を感じながら見ていた。 第四次迎撃戦で通った道だ。 「ロッククライミングだと思えば大丈夫!」 レッツ、バンジー! 千尋の谷に我が子を突き落とす獅子の蹴り。 「……で、なんで開幕からすでに吊られてるの? ちょっと待ってー!」 ラシャの絶叫が断崖絶壁に吸い込まれる。 天狗の鼻岩周辺は、フライエンジェが風に巻かれて吹っ飛ばされる乱気流のメッカです。 「逃げたら、蓑虫の刑」 土木作業を、宙吊りでやってもらいます。 これが、訓練されたリベリスタの覚悟。と、虎美は微笑んだ。 「……え?」 徹子は目をぱちくりさせた。 (なんでしょう。この悲壮な空気は) きっと徹子にアドバイスした人はこう言ったのだ。 『まずは、簡単な仕事から始めてみるといいよ』 リベリスタの損耗率と難易度が低い仕事という意味であって。 やることは単純作業で、難易度も低く、条件はエリューション化しないリベリスタの強靭な身体くらいなものなのだが、決して心身に優しくない過酷なお仕事。 現場に着いたリベリスタの頭に最初によぎるのは「脱走」の二文字である、通称「簡単な仕事」ではない。 しかし、来てしまったものは仕方ない。 やらないことには、宙吊りだ。 徹子は、ワイヤーを腰に巻いた。 「準備十秒、怪我一生!」 そういう心がけ、大事だよ! この場を乗り越えて、立派なリベリスタになってね! ● 「うわっ……私の逃亡回数、多すぎ……?」 智夫、「適正逃亡回数や基礎能力が判る、リベリスタ価値判断テスト」結果をみて。逃げちゃだめだ。 「大工仕事って楽しいな~。なあ、皆もそう思うだろう?――あれ、俺前にもこんな事言った気がする……」 『むしろぴよこが本体?』アウラール・オーバル(BNE001406) 、拭い去れない既視感。 ● 重要なのは、「仲間の逃亡と脱落を許さない」である。 一人減れば、その分しわ寄せは他に来る。 一人は皆のために。みんなは一人のために。 皆で幸せになろうよ。 三高平市民、幸福は義務です。 さて、整理しよう。 今回の足場は、現時点で八人しか乗れない。 しかし、簡単なお仕事の常として、常にフルメンバーで編成される。 重傷は少ないが、作業続行不可能が出ないことはない、そんなお仕事。 さて、しかし、四人もの人員を交代要員として遊ばせる余裕はないのだ。 働け。 答えは二択だ。 岩に乗るか? 宙吊りか? 「宙吊りが怖いなら、足場に降りたら、ロープ解いてやるよ。大丈夫、最後に簡易階段作るから、帰りはそれを登れるよ」 アウラールは、すっげえいい笑顔で智夫に持ちかけた。 「あ、ご近所さんのアウラールさん、優先的に足場に乗せてくれるの? しかもすぐロープを解いてくれるなんて……」 宙吊り怖い。ロープ一本で頭から下に落っことされました。心にひびが入りました。 「ありがとう」 智夫の微笑む目元からころりと落ちるきれいな涙。 逃亡阻止の為と気付いてない。 認識一つで幸せはやってくる。 じゃあ、真実なんか知らなくたって、幸せなままでいいいじゃない。 「ううう、鉄筋が固くてまがんないよぉ」 そのまま笑顔で仕事しててね、智夫君! ● 「まあ、酒を飲みつつやるとしますか! 防寒対策もしますが、中から温めないと」 『デモンスリンガー』劉・星龍(BNE002481)、酒飲みは理由をこじつけて飲もうとする。 「あちき凧のようになる予定……ぐえ」 『おっ♪おっ♪お~♪』ガッツリ・モウケール(BNE003224)、フライエンジェルが風に巻かれて落ちる乱気流の中にダイビング。 「さあさあ、お仕事の時間だよ、お兄ちゃん!」 虎美、仕事のときは忘れずに。 ● 「何ともはや、この場所の件でまたまた来ることになるとは。まあ、まだまだ解決するには色々とありそうな事件ですから、そのあたりのことを考えますと今回のことは重要ですね」 星龍、言ってることは正論だった。 彼の正確無比の狙撃で、集落・壇示を救ったことは一度や二度ではない。 「何せ、また、この場所で戦うとしたら、足場が確保できていなければ大変ですし」 いや、そのとおり。 手の中に、気に入りの酒を満たしたスキットルがなければ。 「決して乱れず、他人に迷惑をかけずに楽しむのがモットーですから、大丈夫ですよ。わたしは、ストイックなんです」 酔っ払いは、皆そう言う。 「とはいえ、本職では無い私たちでどの程度上手く行きますやら……まあ、何とかなるでしょう」 酔っ払いって皆そう言う。 星龍さん、あなた酔っ払っているのよ。 いつもの星龍さんなら、酒飲んで、ろくな準備もせずに簡単なお仕事につっこむなんて自殺行為する訳ないもの! 「酒の呑みすぎでふらふらとしたら大変ですので、程々に」 いつもの星龍さんならふらふらする遥か前に飲むのをやめている。 どうしたの、何か悲しいことでもあったの? というか、ここそんなに寒いの!? 「途中での休憩も大事ですよね……」 いつもの星龍さんならこんな所でフラグ立てるなんて以下同文! 酒飲んで寒い所で動きとめたらやばいって! ――トコロデ、フェイト ハ ツカイマスカ? 「使用する必要性に迫られなければ良いのですが……」 使った方がいいと思うよ。 イイ、ト、ウヨ。 だ、じ、とな、二度、いま下。 ブラックアウト。 「後は任せろ。無茶しやがって」 疾風は、星龍に向けて悔しげに敬礼した。 「……ここ危険だお、死ぬかと思ったお。大人しく命綱付けてふわふわしながら作業するお」 風によるブレを簡易飛行で相殺って出来んのか、そんなこと。 「何事も経験だお! やったことないけども」 前向きだ! 「荷物とかそういうの運ぶ作業はあちきに任せろ! だお」 浮いております、浮いております。 念動能力で、かなづちだのかなてこだの、ペンチだのが浮いております。 神秘です。 これで鼻岩に若干のスペース的余裕が出来ました。 「あちきはブロックの表年をざらっざらにしてやろうかなと思ってるんだけども。表面に滑り止めでも張っておけば大丈夫かな?」 重要です。有効。 「うん、それって大事だよね!」 虎美が、賛同の声を上げた。 「あとは、三角法を使って物体との距離をはかる為の目安になる棒と線を引っ張っておく位かなぁ」 ガッツリが言う。 「え?」 虎美が不思議そうな声をあげる。 「やれることはやっておかないと後々こまりそうだし、がんばるお」 ガッツリは、線を引くための棒を立てる位置を、まずは虎美のところから決めようとした。 「ここはだめだよ?」 虎美はあははっと笑った。 「ここには、お兄ちゃんの雄姿を念写するんだから」 寝そべっていて作業している辺りをそすそすと撫でる。 「あ、あと、干将・莫耶にあやかってコンクリに私の髪とか血を混入しておいた! ちょっとでも頑丈になるようおまじない、かな……お兄ちゃんと合体うふふふふふ」 ちなみに、本当に呪術として、そういうものがあるので洒落にならない。 乙女の生き血だし霊験新たか。というか、この岩、のべ数十人単位のリベリスタの血を吸って岩が赤くてちょっと怖い。 というか、もうここあなたの場所ですか。 リザーブですか。 これからも、ここで海産物撃ち続けるの決定ですか。 「あ、私の血で線を書けばいいのかな。私の血に染まるお兄ちゃんも素敵だよね、ふふふ。私の血を浴びちゃったんだからお兄ちゃんはもう私のものだよあずっと私のものだった私ったら馬鹿だね――」 うん、もう、なんて返事したらいいのかわかんないお。 ● 「食堂で今年のクリスマスケーキを練習で作っていたら職員がやってきて拉致られたんだ。生クリーム塗るのが得意だろうからこういうのも得意だろうと。あああっ、スタッフよ! あのケーキをうちの双子の娘に届けてくれよ!」 『灼熱ビーチサイドバニーマニア』如月・達哉(BNE001662)、送迎の車に詰め込まれる際の絶叫。 あれはいいものだ……! ● 遊んでいる訳ではない。 今後の迎撃拠点だ。 バイデン戦で橋頭堡の整備がどれだけ大事だったか、リベリスタは身に染みている。 「岩壁にはワイヤーをかける為のフック。あと岩壁には緊急避難用の穴を掘る。ホリメとか戦闘不能者が入るための為のね」 虎美の今までの戦闘経験が物を言う。 「あんまり大きいと崩れちゃいそうだし。一人か二人分。屋根もつけるよ。狭くなるだろうけどその分前に張り出せば良いよね」 「大岩が終わったら、金具を、断崖絶壁に打ち込んで階段にする。これで大岩への行き来が楽になるだろう」 アウラールが笑顔で言う。 というか、それ作らないと、智夫の帰りが宙吊りしか手段がなくなる。 「あと、敵の攻撃から身を隠せるよう岩の縁に盾状の防壁を設置してみるね」 いくらかでもあると嬉しい遮蔽物。 クロスイージスの智夫らしい提案だ。 「危険なのは【吹き飛ばされて落とされる】場合だと思うので、外側に向かってせり上がるような作りが良いと思うのです。柵だと吹き飛ばされて乗り越えてしまうかもなので、ブロックで囲えるか試して見ます」 徹子、真剣に議論に参加している。 おお、有望な新人。 「白いモルタルを塗って表面を美しく仕上げよう。ショートケーキを連想するからな」 愛する双子の元に一刻も早く帰るため、それまで延々と土木作業に従事していた達哉が口を挟む。 おお、だめな大人。 すべらないように、ざらざらにするって言ってんじゃん。 それに、真っ白にしたら目立つじゃん。ここ一応、景観地だから。 穴掘るのも角度とか気をつけるし。 「景観? 知ったことか! 心の安定を維持する方が重要だ!」 却下だ、却下。 「あはは、楽しいなあ。……マジでケーキ作りたい……。バニーと双子の娘成分が足りない」 笑い出す達也に、徹子ドン引き。 お父さんしっかり。娘さんと同じ年頃の娘さんが怖がってるから。 「しょうがないなぁ……パティシエのやる気をアップのためだ!」 アウラールは、達也のかわいい双子の娘をバニーモードで出現させた。 E能力者でも看破できない3D映像をご堪能ください。 「パパ、がんばってー」 いや、アウラール、自分で声当てるのはどうかと思うよ。 (この)撮影タイミングを待っていた!) 『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)、ソミラ。 潔いほど装備してきてない彼女の手にあるのはビデオカメラ。 「拝啓、エイミー。俺は相変わらず、訓練されたリベリスタなわけで……」 超幻影のバニーがアウラールと一緒にフレームインする構図で撮影中。 BGMはアカペラ。 台詞は捏造だよ。何か問題でも!? 「今日も金髪バニーとのキャッキャウフフを満喫してるよ。俺の黄色い声もなかなかイカしてるだろ。惚れ直したかい、ハニー?」 舞姫、なにがしたいの。 遠距離リア充爆発しろ、なの? あの人が暴れたら、君、最前線投入決定ね。 「ほら、もっと、色っぽい声だして!」 「何言ってんだ、舞姫」 アウラールがちょっと目を離したとき、映像の足が岩から離れた。 達也の目がかっと見開かれる。 「危ないからそこで待っていろ! パパが迎えに行くか……あー!?」 達哉、転落。 「ふおおお、ビデオレター撮影に夢中で足を踏み外したああああ」 舞姫、転落。 「ビデオレター……?」 アウラールは呟く。 「ヒャッハー! この世はまさに生き地獄だぜぇ!」 ● 「撮影中、ワイヤーアクションで宙ぶらりになる事はあるけどさ。そうかこれも番組の撮影なんだ」 「もう嫌だ。ここから逃げ……って、逃げられないよ!?」 「あー、休憩休憩。――ってやってたら怒られそうだなぁ」 「お昼ごはんは遠慮なくたっぷり。腹が減ったら戦はできんだお」 「腹持ちのイイ食べ物と温かい飲み物も用意しておくっすよ」 「拉致られる前に持ち出せたのはこれだけだ。許せ」 「水筒には熱い夜明けのコーヒー」 「おしくらまんじゅー! 」 「お兄ちゃんの愛に包まれてれば寒くない!」 「お仕事中は常に前向きです!」 「これ吸ったらちゃんと作業しますー」 「コンクリに塗りこまれる人がいたら人柱だよなあ」 「助けてミラクルナイチンゲール!」 「あーあーあああああーあ。あーあーあああああーあー♪」 「っておいちょっと俺が頑丈だからって、こっから落ちたら流石に」 「命綱でのバンジーとかじゃないっすかね?」 「やめろぉぉぉぉぉ!!」 「え? 初めての合体攻撃ナイチンゲールフラッシュ(エクストラスペシャル)で消耗して今は出られない?」 「人の目が前についているのは!」 「ぐえっ」 「…………皆も頑張っている、俺も頑張ろう」 「もうちょいおじさんに優しくしてくれねー?」 「意識を失わないように適当に話したりっすねー」 「下を見るのが怖いからなのです!」 「ロープに吊されて蓑虫状態」 「実際いたらただの事故だから救助するが」 「フェイトー☆いっぱーつ」 ● こうして、重傷者を出しながらも、防空壕つき新生・天狗の鼻岩が完成した。 これから、識別名「流れる海産物」に従事する者は覚えていてほしい。 ここで蓑虫になりながら、砦をこしらえた訓練されたリベリスタがいたことを。 なんか痛車みたいになってるのは気にしないで。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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