●秋に負けるなフィッシュ! 秋刀魚。それは名前の通り秋の魚である。旬の魚は身が締まり、味もよく、よく穫れる。 そんな秋刀魚がエリューション化した。エリューション・ビーストの誕生である。 その秋刀魚は魚屋の店先で売られていたただの秋刀魚であったが、エリューション化したことにより機を見て脱走、川に帰ろうと近場の川へと飛び込んでいったのである。その脱走劇を可能したのはエリューション化によって手に入れた空中を泳ぐという能力だ。店先から全力で飛び出して行ったのである。 その身はまるで磨きぬかれた日本刀のようであり、触るものを切り裂く魔剣になっていた。引き締まった身は美しい体を作り、まるで極上の寿司ネタのように銀色の光りを放っている。 やがてエリューションは引き締まった身を使って川を登り、山の中にある川へと辿り着いた。その場所は清流が流れる秘境であり、人がほとんど立ち寄らないようなところである。 自らの居場所を手に入れたこのエリューションは、自らがこの川のぬしであると主張するため、剣のような体を使って川の魚たちの鱗や皮を剥ぎ始めた。 しかし、エリューションと化し、身に余る力を得た魚に遠慮や加減というものはできず、その周囲の魚どころか鳥や獣の毛皮や羽までも剥ぎ取り始めたのだ。 やがて、エリューションは獲物を求めて徘徊をするだろう。魚や鳥だけで飽きたらず、人にも襲い掛かるかもしれない……。 山とその周辺の人々を守るためにも、アークはリベリスタの派遣を決定したのであった。 ●魔剣サンマー 机の上に新鮮な秋刀魚を置いて、『運命演算者』天凛・乃亜(nBNE000214)は集まってきたリベリスタたちに対して解説を始めていた。ビチビチと動く新鮮な秋刀魚を前に、リベリスタたちは気が散って仕方ないが、乃亜の表情は真剣だ。 「ということで、今回は秋刀魚よ。エリューション化の影響で生きた魔剣と化しているわね、形状的には」 資料用のプリントには剣のように進化したエリューションの秋刀魚があった。その身は銀色であり、触れただけで切れてしまいそうだ。 「能力としては、触ったものの防御や防具を剥がす……。つまりこちらの付与や防具を破壊していくというタイプね。そうして防御が疎かになった所を切りつけるみたい」 モニターには皮を剥がれた山の生き物たちが映っていく。獣達は皆毛皮を剥がされて悲惨な姿になってしまっているのが分かった。続いて同じように容赦なく羽を剥がれ、地面に倒れ伏している鳥達も映る。その様子はまるで死の山のようであった。 「小さい体だけど素早いから油断のないようにね。能力自体は……フェーズ1ということもあってそれほど高くないみたいだけど」 秋刀魚を持ち上げて、乃亜は言う。なんとも間抜けな図であるが、やっぱり乃亜は真剣な顔だ。 「あと、今回は山登りしないとダメね。山の中にある川の中が戦場になるわ。秋刀魚のくせに」 秋刀魚は川の魚ではなく海の魚である。それはそうと、深い山の中にあるので、移動はちょっとしたキャンプになるようだ。 「……秋だけど、濡れないために一応水着も用意しておいたわ。防具も破壊されることだし、用心に越したことはないわ」 ということで、乃亜はブリーフィングルームの奥から水着を引っ張りだしてくる。さすがに寒そうなので、携帯カイロも付いていたが……。 「夏の余りよ。サイズ的には私に合わせてあるから安心ね」 何を安心すればいいのか分からないが、ともかく色々な準備が必要な敵であるということは確かなようだ。……主に、防具を剥がされる心の準備が。 「気をつけてね。あなたちならやれる相手だと思うけど」 大きな胸を強調するように腕を組んで、乃亜はがくりと項垂れるリベリスタたちを見送った。あくまでも真剣に。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:nozoki | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年11月12日(月)00:39 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●登って行きます 肌寒い。何が肌寒いかというと、山に吹く秋風が身にしみるからだ。 上に厚着を着ているのは寒さ対策であるが、水着を着ているのは今回の敵が服を破くような相手であり、戦う場所が水辺だからだ。特に、水着の素肌には。 「心は熱く、頭は冷たく。心がけたいものです」 だから、特徴的な銀のアホ毛をピコピコと軽く回している『アメリカン・サイファイ』レイ・マクガイア(BNE001078)は、その豊満で巨乳な肢体をビキニで包み、更にその上に長袖を着こむというスタイルである。 「海の魚が川の主とは。見上げた根性である事は理解しますが、危険な物は危険。美味しく頂かせて貰いましょう。ついでに秋の味覚も」 そんなレイは戦うサンマについて思いを馳せる。主に味について考えているので、アホ毛も嬉しそうに跳ねている。 ともかく、警戒は怠ってはいない。冷静に、あくまでも冷静に戦うための手段も無表情で考えているのだ。 (この胸を使えばいいのでしょう) ろくでもないことを考えている気はするが。 「この寒い中、水着って……私は生業だから平気だけど、慣れてない人は辛いんじゃないかしら?」 一方、水着のように薄い忍装束を着ても平気な顔をしているのは、忍者の末裔という『碧海の忍』瀬戸崎 沙霧(BNE004044)だ。忍装束の下には大胆な黒い三角ビキニを付けており、そのスタイルには自信があるということが読み取れる。もちろん彼女はスタイルが良く、胸も大きい。 そんな沙霧は皆を心配していた。自分は寒さが平気だが、皆はどうなのかと。 「平気……そうね」 とりあえずレイを見てみるが、こちらはアホ毛をぶんぶんさせているので大丈夫だそうだ。 「あっ、こっちは寒そう。大丈夫かしら……」 次に見るのは猫のビーストハーフ組。こちらは……、 「寒いのう……寒いのう……。じゃが、これも戦いのため、万一服を破られてもせーふのためなのじゃ!」 猫のような外見的特徴とは裏腹に、登山靴とハイバランサーを使って慎重に山登りを進めているのは高そうなゴスロリ服の下に水着を着込んでいる『巻き戻りし残像』レイライン・エレアニック(BNE002137)だ。そうやって用心はしているが、気が抜けるとすぐに魚のことを思ってしまう。猫だから。 「秋刀魚、サンマ、さんま!」 取り乱すとこうなる。よだれを垂らし、今にも幼女のようにはしゃぎまわりそうな感覚を見ている者は受ける。 「おっと、取り乱したのじゃ、E・ビースト退治、頑張らん……さんまー! よ、よだれが」 よだれは拭くが、尻尾がピコピコと動きまわって、耳もピンと立っているのでそれを抑えきれていないのは明白であった。大きな胸も気が早く弾む。 「秋刀魚は名前の通り秋の味覚で大好きだけど、もうちょっと早い時期なら良かったのに……。こんな寒い中、お仕事なんて出来ないよ~」 そんなレイラインのように、よだれを垂らす猫は『おこたから出ると死んじゃう』ティセ・パルミエ(BNE000151)も同じだ。魚といえば咥えるのは猫。 だけどティセあh寒さに弱いので、厚着をしてできるだけ動かないようにしている。ふるふると震えるのが精一杯だからだ。 「相手はサカナだから基本的には水の中でしょ? 寒いのなんてヤダヤダ。囮はお任せしちゃう」 こたつから出てきただけでもティセには大きなミッションだったのだ、こんな寒い季節に山登りも辛いし、水の中に入るなんて嫌だ嫌だとショートカットの髪を振り回している。 そんなティセだけれども、頭の中には魚がいっぱいいて、食べれば美味しそうだと思っている。根底にはポジティブさがあるのだ。 「なるほど、心は温かいのね。さ、気合入れて登りましょ。結構いい場所みたいだし、期待しちゃうわね。自然の溢れてるところって好きよ」 二人を見て、なんとなく納得して山を登り始める沙霧であった。 「はて……最近は秋刀魚も川を登るのが流行りなんじゃろうか……? しかし、山は冷えますのう……」 さて、やはり寒そうにしているのは『三高平のモーセ』毛瀬・小五郎(BNE003953)だ。線の細い老人であるが故に、ぷるぷると震えている姿はよく似合う。もとい、危なっかしい。 白い髪にシワだらけの顔を寒風で震わせながら、おぼつかない動きで水筒のお茶を出しているのは見ているだけでも心配になる。 「アークでの初任務、ですっ。……でも、大丈夫でしょうか」 初任務を行う自分の心配と、同行しているおじいちゃんの心配をしている『娘一徹』稲葉・徹子(BNE004110)は、ちらちらと小五郎の方を見ている。自分もおじいちゃん子であり、小五郎はちょっと放っておけないし、先輩の負担にならないようにとプレッシャーも感じているのでいっぱいいっぱいになっていた。 「お仕事としては簡単な方と、本部の方はおっしゃっておられましたが… …。駆け出しの徹子には油断なりません」 登山は徹子が持ってきた地図や方位磁石、それにAFを駆使して進められていく。キャンプの荷物は小五郎(心配する声もあったが)やレイが持ってきていたので、キャンプも十分にできる。 「うん。重い」 特に『デイアフタートゥモロー』新田・快(BNE000439)は男手ということで大きな荷物を背負っていた。張り切っているのはキャンプ自体が好きだからということもあるが、女性陣の水着を見るためでもある……のかもしれない。 ともかく、快は保冷箱に炭火焼BBQセットに焚き火セットと飯盒、更には酒と重装備だ。これなら十分に楽しめるだろう。 「後は敵を倒すだけ、だね」 当然、任務も遂行するため水着も下に仕込んでいる。それがリベリスタだ。囮達の勇姿をこの目に焼き付けるのも、リベリスタだ。 「夏に、やり残しがあるとすれば、羞恥を感じ、水着を着る機会を逃してしまったことでしょうか」 さて、一方で水着を着る機会に喜んでいるのは『Manque』スペード・オジェ・ルダノワ(BNE003654)だ。弱気な自分に負けて夏で遊べなかった分、今水着で遊ぼうという算段である。 「少し、遅くなってしまったけれど。皆さんと水着で川で遊ぶことができれば、きっと楽しいのでしょうね?」 「新田快はスペード・オジェ・ルダノワさんを応援しています、うん」 そんな水着への苦手意識を克服しようとしているスペードを、温かい目で快は見ている。それに対してスペードは嬉しくなって控えめなお辞儀をしたが、なんだか妙な感覚を覚えるのであった。 「……?」 「健気さに心を打たれたんだよ。うん」 そこに下心はあるのかないのか。神のみぞ知る。 ●さらば水着! さて、川に辿り着いたリベリスタたちはそれぞれ準備を始めた。 「これで防具を剥がされても安心……?」 そんな中で、取り出した水着を見てスペードはぎょっとする。 「さ、サイズが大きすぎて着れませんっ」 乃亜の用意した、乃亜のサイズに合わせたものだから、当然のように巨乳用。 「三高平にはスタイル抜群な女性が多いので、ちょっぴり引け目を感じてしまいます、ね」 仕方ないので、持参した白いビキニタイプのえっちな水着……本人的には可愛らしい水着を着て、スペードは出てくる。意識するのは、やはりスタイルのよいレイ・レイライン・沙霧。 「しかし、率直に言って天凛先輩の水着では体に合わないのでは……」 その三人を見て、少し納得してしまうのは、同じく乃亜の水着を使えなかった徹子。いわゆるつるぺたというやつだ。 特に配給水着を何気なしに着ているレイラインを見て、羨ましく思うのであった。サイズが合ってる。 「……アークには胸を大きくする鍛錬法があるのでしょうか。徹子興味津津です」 こちらも仕方ないので、胸にサラシを付けて水着を装備する。これなら恥ずかしくない……が、それはそれでゴワゴワして動きづらい。 「……服を来たままだと動きづらいですね……」 なので、思い切って脱いでしまう。 「水着だから恥ずかしくありません!」 「はい。恥ずかしくないですね」 無表情のまま皆の前で服を脱ぎ、ビキニ姿となってぶるんと胸を揺らしたレイが隣に居たので、なんだか余計に恥ずかしくなった徹子であった。勝てない……! 「さむいですのぅ……」 そんな風に辛くなっていた徹子が思わず二度見したのが、小五郎の赤いふんどし姿であった。骨が浮き出ているし、体を抑えて力一杯震えている姿は危なっかしいを通し越して心配しかできない。 「女性陣ばかりに囮を任せたとあっては男がすたりますじゃ……」 ということなので、誰も止められなかったが。 さて、魔剣サンマーは川から跳ねてその存在を誇示し始めた。なので、小五郎の戦闘指揮(という名の危機感)を受けたリベリスタたちはそれぞれ戦いを始めたのだが――、 「きゃんっ!」 頃合いを見て飛び込み、ソニックエッジで攻撃をした沙霧は大きなダメージを与えたが……その代償としてサンマーの攻撃を受け、忍者装束を破かれてしまう! 「魔剣サンマー。なんて、恐ろしい力なのでしょう…!」 スタイルの良さが強調される黒のビキニ姿が顕になり、スペードはそのスタイルの良さに戦慄した。 「水着を着けてなかったら、危ないとこだったわ……。次の攻撃までに、ソニックエッジを叩き込んで――」 このままではいけないと、沙霧は武器を構え直して攻撃のために体勢を低くして水上まで上がっていく。 だが! 「って、ひゃぁんっ!」 水上まで飛び上がった一撃が追撃となり、黒ビキニを破った! 「面妖な……。精進、しないとですね……」 沙霧は破かれたことでぶるんと現れた胸を腕で隠そうとするが、それでも隠し切れていない大きな胸をジト目で見る徹子であった。 「やぁん、もう……」 当人の沙霧は顔を赤くして必死で胸を隠す。腕で押さえつけられた胸はむにゅりと柔らかく動いてみせた。こういう時、男の人がいなければ気にしないんだけどとも思う。 「危ない!」 その男の人――快はかばうように前に立ち塞がったが、どうにもタイミングが遅い。チラッと沙霧を見たりしているし。 「この大きさだとかいお兄ちゃんの目を手で押さえた方が早いよね」 ティセはその視線から沙霧を守ろうと飛び出し胸を手を隠すが、サイズ的に難しいのでやっぱり快の目を隠す。 「くっ!」 「何をしておるのじゃろ……。ともかく、あまり暴れられては鮮度が落ちる、攻撃で動けなくしてゆっくり料理してやるのじゃ!」 ということで、次に攻撃を仕掛けたのはレイラインだ。ゴシックドレスのスカートを翻し、爪のような武器を振るってサンマーの身を傷つけていく。 スピードの乗ったその一撃は身を切り裂き、かなりのダメージを与えた。 しかし倒しきれず、逆に反撃を受ける! 大きな胸は標的になったのだ! 「あ、こら! この服結構お高いんじゃぞ!? にゃ、にゃぎゃー!!」 ゴスロリ服は切り裂かれ、ボヨンと擬音が出そうなぐらい立派なサイズの胸が飛び出てくる! その胸は大胆で大きなサイズの水着に隠れているが、それでも巨大であるとアピールをしている! 「本来、秋刀魚を捕まえるのは網が基本。だが普通の網では切り裂かれるのがオチでしょう。防具や付与をも破るサンマーに対して使える物……」 そんな状況を見つつ、ストイックに敵の攻撃を分析していたレイは流水の構えを取っている。水の動きを生かし、こちらも反撃の糸口をつかもうとしているのだ。アホ毛もそれに合わせている。 「そう、生身の肉体です。服を破けても身体は貫けないのなら、この身を網とする。布面積の少ないビキニ水着は、相手の狙いを絞らせるため」 その反撃の糸口として、そんなことを無表情で言い出す。言い出しながら、体を反らして巨乳をわざとらしく揺らす。何度も揺らす。無表情で。 それに釣られたサンマーはその胸の谷間に向かって飛び込み、一気にビキニを切り裂いた! だが、その瞬間! 「動きを止めます」 ぎゅっと胸が締まり、谷間にサンマーは閉じ込められてしまう! 「捕まえればこっちのもの。直火で美味しく焼いてあげましょう」 「じー……。ぐすっ」 そうやって大きな胸を誇りドヤ顔になるレイと水着の上からでもかなりの大きさを誇るレイライン、そして先程から隠そうとすることで胸が揺れ続けている沙霧の姿を見て、スペードは泣きそうになった。精神的な重傷を負ったのだ。 「きっと。豊かな実り(胸)に恵まれた女性陣の中で、私はさぞや、場に不似合な青い果実なのでしょうね?」 そして、自虐気味に胸をぺたぺたと触りながらくすんと泣く。 「――ああ、それでも。可愛らしい水着に身を包みたいという願いに、偽りはないのだから――。魔剣サンマー。今こそ、あなたを越えましょう…!」 だが、精神的なフェイトの力を使って(つまり実際には使っていない)立ち直り、レイの業炎撃に合わせて呪刻剣を放つ。 「貴方も生きているだけな事は分かりますが……。これ以上この山を荒らさせる訳にはいきません! 魔剣サンマー!」 そして胸に挟まっている間に、よく狙ってもう一撃。徹子の疾風居合い斬りだ! 「……んっ」 最後の力を振り絞り、サンマーはレイの胸から飛んでみせる! 「しまった!」 そして、快の水着を切り裂いた! ……切り裂いた。 「うん。こういうこともあるから面白いよね。依頼って不思議だと思う。まるで神によって定められたみたいにオチになることだってあるんだよね……」 水に浸かり、不思議な呪文を唱えて下がなくなったことを誤魔化す。 「今だ! レイラインさん!」 「にゃおーん食べちゃうぞよー!」 そして勢いでレイラインに攻撃させて、誤魔化す快であった。 「寒くて近寄りたくないからお刺身で! 生姜醤油にネギの微塵切りを添えて、絶対美味しいよ! 骨抜くのがちょっと大変だけどね」 じゅるり。ティセは魚の味を頭の中で楽しんでいたら、欲望が垂れ流し始めている。 「やる気でた!」 だから、それを現実にするためにもティセは飛び上がって、斬風脚を連打! 絶対にお刺身にして食べてやるという意志が見て取れた! それは強烈で、逃げ出そうとするサンマーを虫の息へと変えていく。後一撃! 「お、おお……ばーさん……」 そんなサンマーを倒した最後の一撃は、小五郎の震えた手で放たれたチェイスカッターであった。……勝ちは勝ちだ。 「ばーさんや……川の、向こうに、居るのか、のう……? 今、向かうのじゃ、よ……」 そして、どこかに行ってしまいそうな小五郎を急いで保護して、戦闘は終わった。 ●最後はみんなでワイワイと さて、敵を倒したので後は遊ぶだけである。レイと快は用意したバーベキューを準備している。 「本職には及ばないけど、ご期待に応えないとな」 その中でも、快の調理は本格的だ。塩の加減を考え、適切な時間を置いて味付けと匂い抜きをする。更に天然塩を使って本格的な味付けをし、それぞれ焼いてから大根おろしと酢橘を添える。 「焼いた皮目の香ばしさと新鮮な身の両方を味わえる」 秋刀魚を酢飯と合わせて棒鮨にし、更にレイが(乱暴な手段で)持ってきた鮭を調理していく。これで美味しい食事の出来上がり。 「秋と水着で、二重に楽しいね」 「やっぱり食欲の秋だよね! え、秋刀魚あるの? ほんとに? わーい」 ティセもぴょんと跳ねて、それを喜んで耳と尻尾を弾ませた。 「あたしは釣りするよー!」 「よーし、更に獲物を釣り上げてやるわい!」 その食事を食べてから、レイラインとティセは更に味覚を味わうため、釣りを始めた。……すぐに、泳いで掴み取りへと移行したが。 「……下着の替えを入れ忘れたのは迂闊だったわ」 何かが見えそうになっているワイシャツ姿で恥ずかしがって隠れていた沙霧も、そうやって川に飛び込む仲間たちを見て木陰へと行く。そこで脱いで川に飛び込み、レイラインたちと共に鮭でも取ろうという算段だ。 「覗いちゃダメよ?」 「……。ありがとう。魔剣サンマー」 そんな沙霧やレイラインを横目で見ながらも、焼けたサンマーにしゃぶりついたスペードであった。強くなっているから、これぐらいでは動じない。そんな強さをサンマーから教えてもらった。 「……くしゅんっ」 でも、肌寒い。 「私は流れ……、私は水……。そろそろと追い込み……そこだーっ!」 そしてやっぱり泳いで捕まえに行った徹子が鮭を掴み取り、笑顔で跳ねた。 水は秋の空に跳ねて、リベリスタたちの顔を照らす。 秋の楽しさが、そこには詰まっているように思えた。 「一仕事終えた後に旨い食事とは、まさに極楽ですな……」 帰ってきたおじいさんも大満足。 「おこたがないのが残念だけど、ぐうー」 猫も暖かいところで眠ってしまった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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