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<^><^>

●またお前か!
 夕暮れ時の小学校。ある教師の女性は、校内の見回りを務めていた。
 実は最近“誰かに見られている気がする”という報告が多発している。一件や二件ならまだしも数が多い為、捨て置けなくなって教師が持ち回りで見回りする事になったのだ。どこかに変質者が潜んでいる可能性も捨てれないが故に。
「しかし……またかぁ」
 はぁ、と溜息を吐く女性教師。
 そう。実はこの様な視線事件。この学校で初めてでは無いのだ。
 半年以上前にも似たような報告があり見回りを置いた事がある。結局変質者の類は見つからず、特に異常無し、と言う訳で結論が出たのだが……真相は神秘に関わる事であった。
 その時はリベリスタ達の活躍で内密に事を納め、当時見回りに付いていた彼女も魔眼で催眠状態に成っていた為、記憶としてはよく覚えていない。まぁ詳しくは別の物語なのでここでは捨て置くが、とにかく一度はその事件、知られざる内に解決したのだ。
 しかしここに来てまた同じ様な事件。溜息をつかざるを得ない。
 一度は沈静化した事態がどうして再発したのか。彼女は思考を巡らせる。ウチの校長が原因かな、と。
「ウチの校長変態だしなぁ……この前なんて子供を秘密裏に写真に納めようとしてたし」
 ちなみにその時の言い訳が体育館で開かれた全校集会の場で、
「違いますよ聞いて下さいよ――手が勝手に動いたんです!」
 勿論通じる訳が無いので教頭が壇上に駆け上がって飛び蹴りかました。見事な空中姿勢だったのを覚えている。
 が、校長それを読んでいたのか、教頭の一撃を左手で捌き、右手で掌底を腹に叩き込んだ。そしたら教頭が動かなくなり、流石に焦ったのか校長が左手にマイクを持ち、右腕を天に掲げて、
「我が生涯に一片の悔いなし……!」
 と、強引に誤魔化していたが、誤魔化し切れていなかった気がするのは気の所為か。というか、直後に復活した教頭にジャーマンスープレックスぶち込まれて今度は校長の頭が床に埋まってたが、大丈夫だろうか。病院から帰還して無いけど。
「……ん?」
 その時だ。不意に、視線を感じた。なんかこのパターンデジャヴである。
 どこからだ、とこちらも視線を巡らせれば、目に付いたのは廊下の奥。そこに、誰かが居て。
「あの後ろ姿は……!」
 走る。走り、抜けて、廊下の奥に居た人物の名を叫ぶ。
「何やってるんですか――校長! 病院から脱走ですか!」
「げぇ! 七瀬君! あ、いや、その、これは違う! 違うんだ!」
「おやおやいきなり否定から入るとは何やらかしたんですか、キリキリ吐きなさいッ!」
 女性教師――七瀬は問い詰める。不審人物にしか見えない、この学校の校長を。
「い、いやそれがだなぁ……さっきデジカメに妙なモノ捉えたんだよ」
「はぁ? いきなり狂言ですか――セクハラで訴えますよ!?
 あとなんでデジカメ普通に学校に持ち込んでるんですか。セクハラで訴えますよ!!」
「なんで全部セクハラに繋げるんだ君――!?」
 うるさい、と言葉を告げてデジカメを取り上げる。
 狂言に興味は無いが一応証言は確認せねばならない。怪しい画像があったら即警察に電話で事件解決だが。とにかく確認だけはしようと、画像の確認の操作を行えば、

<●><●>

 模様があった。壁に描かれているソレは何故か生きている様にも感じて、
「そ、そう! ソレだよ! その模様が動いてなにやら“デュフフ”とか気持ち悪い声あげてなぁ……」
「校長も通報するレベルで大概ですけどね。……しかしこの模様は一体……」
『おお、この世界にはこんな道具があるんでありやすなぁ。すげぇ便利!』
 瞬間。校長と七瀬の動きが止まる。
 あり得ぬ声。この場に居る人間は二人だけで、それなら二つの声しか存在しない筈なのに。
 恐る恐る妙な声が響いた背後へと二人同時に振り返れば、

<●><●>

 居た。居た。居た。
 こちらを見ている。見ている。見られている。
 思わぬ驚愕に呼吸すら忘れる。理解できない生き物が眼の前にいると、理解して、理解したくなくて、
『ソコのお姉さん……一つ、一つお願い事があります……』
 だから、
『ほんのちょっとでも良いんでおパンツ様を拝見出来れば――ぐおらべばあああ?!』
 とりあえず教頭の例を習って蹴りをぶち込んだ。

●帰れ!
 モニターに映る<●><●>に綺麗な蹴りが入った所で映像が停止する。
「……まぁそんなこんなでな。君らにはあのアザーバイドを退治、もしくは強制送還してもらう」
「え、アザーバイドなのアレ?」
 うむ、と言葉を繋げるは『ただの詐欺師』睦蔵・八雲(nBNE000203)だ。
「奴は識別名“アガリ”。あの様な模様の形を体として持つアザーバイドでな……以前にも現れた事があって、その折は元の世界に強制送還されたのだが」
「――また来た、と」
「然りだ。まぁいずれの手段を選ぶにしても、まずは攻撃する必要がある。
 その際に学校自体にダメージが行く可能性があるので、その点は気をつけて欲しい」
 アガリの体が非常に薄い影の様な物なので、奴に攻撃すると学校に少なからずダメージが入ってしまう。
 戦闘の痕が残るのは宜しく無いので出来うる限り抑えて欲しい、との事だ。まぁ積極的に学校を壊そうとでもしない限りは大丈夫だろう。
「後もう一つ問題があってな。先程の学校長がアガリの姿をデジカメに納めているのだ。
 まぁ実物のアガリさえなんとかできればそのデータが残っても問題ないが……
 出来れば何かしらの手段であのデータを消去して欲しい」
 強制的に奪うか、何かしらのスキルでも用いるか……
 まぁあの校長も相当な変態っぽいので一発殴っても問題無いだろう。多分。
「では頼むぞ諸君。あぁそれと最後に。女性陣は気を付けたまえよ」
 何がだ、とリベリスタ達が顔を上げれば、
「奴の目的は“女性の下着を覗く”事だ。しかもロリコンの気質がある」
「えっ」
「小学校に出現している理由がソレだ。
 人に物理的な意味で害を成すアザーバイドではないが……うん、気を付けたまえよ女性陣」
 何故言葉を濁したぁ――?!


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:茶零四  
■難易度:EASY ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年11月09日(金)23:06
 このシナリオは以前出したシナリオ『<●><●>』の設定を流用していますが、
 該当シナリオを読んでいなくても全く問題ありません。
 と言う訳で以下詳細です!

■勝利条件
 1:アガリの確保 or 退治。
 2:学校になるべくダメージを出さない。
(2の条件は緩いです。積極的に学校を壊しに行かない限りは大丈夫です)

 オマケ:学校長の所持するデジカメからアガリ関連のデータを消去。

■学校
 とある小学校夕暮れ時。それなりに広いです。
 学校内にはOPで出た女性教師:七瀬と学校長以外の人物はいません。生徒は皆下校済みです。
 アガリは校内のどこかに出現します。

■一般人(二人は校内のどこかに一緒に居ます。)
 七瀬:見回り中の女性教師。今年から教師に就いた新人。度々校長を警察に通報しようか悩んでいる。
 学校長:変態。……変態ッ! デジカメ所持。データはここに全部入ってる。

■アザーバイド:アガリ
 < ●>< ●>ヒャッハー!
 名前はアガリ。また来た。正体はよく分からない。女好きで、特にロリコン。
 超フレンドリー。どこからともなく現れて、普通に会話に入ってきたりする。
 本人曰く「元居た世界に帰るのは余裕だけど、そんな事したら女の子のおパンツ様が、おパンツ様が……えぐ、えぐっ……お、俺、おパンツ様見たいだけなのに……」と、マジ泣きしながら意味不明な供述をしており……
 移動方法は“壁を伝う様に移動”する事のみ。小さすぎる隙間の移動は出来ないので、箱とか密閉空間に閉じ込められたら逃げれません。

 レプリカ・メデューサの目:神遠全。石化・呪縛・麻痺のBS付与。ダメージはほぼ無い。
 神の風:神遠全。ダメージ無。風を吹かせる。つまり、スカートならああああッ! Byアガリ
 EX アガリ■■■■の目:神遠単。ダメージ無。どんな謎をも解明すると言われるアガリアレプトの目。本物かどうかは不明。その力を用いて彼はパンツの色を判明させる。ダメージは無い。使えねぇ!

 タワー・オブ・バベル所持。

 ちなみに、もし依頼参加メンバーが全員男の場合スキルが、

 熱視線:神遠単。麻痺・呪縛・不吉のBS付与。ダメージ大。
 レプリカ・メデューサの目:神遠全。石化・呪縛・麻痺のBS付与。ダメージ中。
 EX アガリ■■■■の目:神遠単。弱点・必殺。ダメージ極大。

 に変更されます。難易度ダダ上がりです。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
ソードミラージュ
ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)
ホーリーメイガス
ルーメリア・ブラン・リュミエール(BNE001611)
ソードミラージュ
レイライン・エレアニック(BNE002137)
ホーリーメイガス
紫野崎・結名(BNE002720)
スターサジタリー
那須野・与市(BNE002759)
マグメイガス
ティオ・ココナ(BNE002829)
スターサジタリー
アイリ・クレンス(BNE003000)
プロアデプト
エリエリ・L・裁谷(BNE003177)

●年
 今参加者総勢八名。
 それら全て女性である。いきなりだがざっと紹介しよう。
『歪な純白』紫野崎・結名(BNE002720) 11歳。
『不誉れの弓』那須野・与市(BNE002759) 11歳。
『なのなのお嬢様なの』ルーメリア・ブラン・リュミエール(BNE001611) 12歳。
『磔刑バリアント』エリエリ・L・裁谷(BNE003177) 12歳。
『硝子色の幻想』アイリ・クレンス(BNE003000) 16歳。
『ものまね大好きっ娘』ティオ・ココナ(BNE002829) 19歳。
『自堕落教師』ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329) 27歳。
『巻き戻りし残像』レイライン・エレアニック(BNE002137) 還☆暦ッ!
 4分の3が20歳以下のメンバー構成。その平均年齢なんと21歳ッ!
 ……あれ? なんで20歳を上回って……
「触れるなぁ! それ以上、年齢の話に触れるんじゃにゃ――いッ!」
 言うは黒色メインのゴスロリに身を包んだ――レイラインだ。
 胸元の開いた、非常に一部分が強調されている服装。
 しかし下はロングスカートで身を包み、露出の少ない構成にしている。何故か。それは、
「フフフ。秘密兵器を装備して来ているからの……待っておれよアガリめ……!」
「おばあちゃん。それは俗に言うフラグという奴じゃ?」
 意気揚々とレイラインは孫、と言っても義理だが、エリエリと共に進む。
 秘密兵器がなんなのかは……まぁ後で分かるとして、リベリスタ達は現在あちこちでアガリを捜索している。身を潜めつつ静かに捜索中だ。見つければ即座に仲間に連絡。集合する事は打ち合わせの段階で決めてあるので問題ない。
 だが、
「見回りしてる先生いるのが、ね……」
 そう。校内には一般人が二名――もとい、一般人が一名と変態が一名いる。
 ルーメリアが廊下の角から見つけたのはその内の一般人。七瀬、という人物だ。まだ向こうはこちらに気付いていない様だが、さてどうしたものか。
「まぁ、迷う事は無いか。放置しててもアレだしね。うん」
 と、ルーメリアは往く。小走りで、気付く彼女に視線を合わせて、
 瞬時。
「校長はどうしようもない変態で不死身……そう、不死身の化物なの……」
「えっ――な、う……?」
 念じる声と共に、七瀬に催眠を掛ける――魔眼だ。
 ルーメリアが年齢、容姿と共に子供だった事も合わさってか、七瀬には警戒が無かった。何故子供が? と軽い疑問こそあった物の、それだけで。
「逮捕されても不思議な権力がある……だから社会的に抹殺するの……下克上……貴方は校長を目指すの……PTA、教育委員会……仲間を集め、一教師から学校長へとクラスチェンジを果たすの……! 分かった?」
「う、う、ううん? そう、ね。そうよね。校長は、倒すべき敵よね! 宇宙人だもの!」
 どうやら魔眼は上手く効いたようだ。疑問を疑問と思わず、七瀬はゆっくりと歩き出す。
 ……なにやら効き過ぎた気もするが、まぁ問題無い。それに当の校長は、
「その……大事なものがないのに気づいて……たぶん学校で落としたんだと思う……
 でもどこにあるかは分からないの……」
「おお……よし。ならワシも探そうではないか!
 うむ、子供の為に働くは校長として当然の事だからな! ハァハァ……!」
 別地点にて結名と会話していた。
 ビーズで作られた小さな花。ソレを落としたと言い、学校に居る言い訳とする。
 校長も子供の言う事とほとんど疑っていないのか興奮しながら……待て何に興奮しているんだ。
「しかし君みたいな子がこの学校にいたかのう。大抵の子の顔は覚えているんじゃが……」
「ふぇぇ……お花さん……お花さんどこ……」
「あー! あー! そうじゃの、お花さん探そうの――!」
 泣き真似をして校長の疑問をカット。その陰で携帯を操り、結名は他の仲間に連絡を取る。
 こちらには校長が居る、と。隙を見て抜け出すつもりでもあるとも、簡潔に文章を纏めて送信。
「やれやれ……どうしてこう、変態というのはどこにでもいるんだ……」
「さてのう。まぁ、わしとしては潰れた片目がどうなったか気になっておったから丁度良かったが」
 小声で話すはアイリに与市だ。彼女らはルーメリアと共に以前、アガリを捕まえた事がある。
 その際に与市はアガリの片目を穿った。あの目がどうなったのか、地味に与市は心配していたのだ。今回現れた結果、どうやら無事なようでホッとしているのが素直な彼女の心境である。
「二度と来るなと言ったのだがな……まぁいい。とりあえずは捕まえる事に専念するか、とッ」
 アイリが“壁”を走る。面接着の効果だ。
 見つかれば結名達と違いアイリでは身体の関係上、小学生の言い訳は無理だ。故に慎重に。足音に関しても気を配って静かにアガリを探す体勢を取る。
「うーん、でも中々見つかんないなぁ。昔の服引っ張り出してきたんだけどなー」
 ティオだ。吊りスカートにシャツという服装で、校内を探索している。
 彼女自身の年齢は成人に近いが、過去に大怪我を負った影響でか身長は低め。
 故に昔来ていた服ですら……一部分を除いてしっかりと着れていた。ちなみに一部分とは、
「おむねだけはちょっとキツイ……けど……まぁ大丈夫かな?」
 そう――胸である。
 何故かこの部分だけは成長が止まらず、その為に服がキツイ。まぁ着れぬ程、ではないのが幸いか。
 と、その時だ。皆のAFに通信が走る。
 送り主はソラ。どうやらアガリを発見した様だ。
 急行する。

●悲哀
「嘆かわしい……実に嘆かわしい事だわ!」
 突然だがソラは、とある事に対して悲しんでいた。
「若い子達が……一部除くけど……アガリをおびき寄せる為に、下着を晒すなんて……!
 それも神聖な学校と言う学び舎で……! 先生悲しい……」
『と、とりあえずそのタッパー下ろして頂けませんかね?』
 少しずつ距離を詰めるソラに、逃げる機会を窺うアガリ。
 言葉はともかくとして既に闘いは始まっていた。捕獲するかされるか。それともパンツを見るか見られるか。
「まぁ少女達のパンツだけは、この目に焼き付けてから帰るわ! 何があろうと!」
『えっ、何言ってるのこの方……やだ変態?!』
 アガリがたじろぐ。ソラのあまりの気迫に驚いたか。だがお前が言うな。
 少女らのパンツを見たい執念を持つのはアガリだけではないと言う事だ。酷い。
 が、アガリもただ退いている訳ではない。ソラの下着を見ようと、距離を調節して……
「……」
 見え……
『……あ、あれ?』
 見え……見え、ないッ!
 どうしてもギリギリで窺えない。もう少しで至高の景色が視えると言うのに、
「フッ……甘いわね。貴方“チラリズム”と言う概念を知らないのかしら?」
 言う。彼女に下着を見せる気は無い。全てはチラリズムだ。
 見えるか見えないか。見えそうで見えない。もう少しで見える。
 そこに人はロマンを抱く。チラリズムという、究極の理を。つまり、
「見せるんじゃないわ……魅せるのよッ!」
 意地だ。ギリギリは良い。だが中は見せんと行動。
 アガリが下から滑る様に来る。故、右脚一本でアガリを追い越すかの様に宙に跳べばそのまま空中で前転。されば下半身が天井側へと上がり、地を這うアガリからはパンツが視えない。だから、
『急ブレ――キッ!』
 アガリが停止。即後退。
 跳び超えた先の着地点。そこからスカートを覗かんと行く。必死だ。
 されどその必死さが実を結んだか――着地点に間に合う。
 行ける。覗けるとアガリは確信し、
『!?』
 見た。

『タッパー!?』

 透明色だ。アガリを包む為に用意したタッパー、それが天より落ちてくる。
 無論ソラの仕業だ。これにて捕まえ――
『――られる訳にはいかんッ!』
 加速する。二度の停止は無理だと判断し、タッパーを、ソラを追い越しさらに先へ。
 躱した。
「もう来ないでって言ったでしょ――!!」
 瞬間。そこへ踏み込んだ影がある。
 ルーメリアだ。蹴りを地へ、アガリを踏み潰さんとせん勢いで叩き込めば、
『あ、貴方は青ストライプ少女、ぎゃあああ!?』
「バラすんじゃな――い!! ていうか忘れろって私言ったよね、言ったよね?!
 前の子とは違うかな、とか一瞬でも思った私が馬鹿だったよ――!」
 直撃する。左側の目に踵が抉りこんだのか悶えるアガリだが、ルーメリアは容赦しない。
 右脚を胸の付近まで上げて、垂直落下。勢いと共に捻じりも入れて、打ち抜いた。
「お前はそんな被害に合うだけの事をしているんだ……少しは自覚したらどう――」
『ぬ、お? ああ! 貴方は白のおパンツ様を見せて頂いた女神の様な御方、ぐぉらば!?』
「だから大声で話すなぁあああッ!」
 続々とリベリスタ達は集まっている。ルーメリアに続いてアイリも合流し、とりあえず余計な事喋ったので殴った。愛用している剣を使わなかったのは慈悲と言うか、殺し合いでは無いからだ。
「おのれ男性がいないから良いものを……! やはり討つべきか……!?」
「ま、まぁ落ち着くのじゃ……それにしてもアガリ様。目は治っているようじゃな」
『まぁの! 眼なんて生えてくるし、安い安い!』
 生える?! と驚愕する与市だがそれはそれ。
 心を落ち着かせ、アガリを捕獲せんとする為に告げる。
「のう……わしに付いてきて欲しいのじゃが良いかえ? ほら、青ストライプの子や白の子もおるし……もっと可愛い子もおるぞ? だからちょっと付いてきてくれぬかえ?」
『ほほう! それは魅力的な提案……! だ が 断 る』
 キリッ という擬音が付きそうな眼つきでアガリは、言う。
『今までの経緯からそちらは私を捕獲する事に念を置いていると分かる……つまりホイホイ付いて行くは罠! 初っ端からそういう声掛けられてたら分からなかったけど!』
「なんと……アガリ様、パンツしか見て無い訳じゃないのじゃな……」
『どーいう事!? と、とにかく、新必殺技・神の風御開帳――!』
 繰り出す技。それは“神の風”である。
 風が吹く。ただそれだけのスキルであるが、それだけのスキルに“意味”がある。
『跳ねろォ!』
 言うなり来た。風だ。
 とは言えただの風では無い。スカートを巻き上げんとする勢いを伴った、強い風だ。
 ロングスカートなれば防ぐ事も出来る。が、終わらない。内へと入り込んだ風が暴発するかのように、
「んっ!?」
 弾けてスカートを内から捲り上げた。
 これぞ神の風! この為だけに用意した、アガリの新しい技である! 最低だ!
 ――だが、
『ブ……ブルマ!?』
「あ、ああ。穿いてて良かったのう……まぁ下着の方も、以前アガリ様とお会いした時に穿いてた物じゃから、変わり映えも何もほとんど無いが……<●><●>というマークを入れとるぐらいかのう」
『お嬢さん結婚して下さい』
「何故に?!」
 その時、視線を感じた。
 アガリにとって背後、もとい上側。そこにティオが居た。
 こちらを見ている。観察する様に両目がアガリを向いていて、
「ねぇねぇ変態さん。パンツ好きなら――あげようか?」
 いきなりとんでも無い事ぶちまけた。

●変態だ!
「その代わり帰ってくれると嬉しいんだけどなー?」
『フッ。お嬢さん、勘違いしてはいけません……私はパンツが好きです』
 しかし、
『私は“少女が現在進行形で穿いているおパンツ様”が一番好きなのですッッ!』
 変態だ――!
 うわぁ、とドン引きする者もいる中、ティオは笑いながらアガリを観察する。
 謎を解く神秘の力。それを見据えれないかと思ってだ。
 残念ながら能力の発動もしていない為、観察してもよく分からなかったが……
「のうアガリや。わらわの下着……見たいかえ?」
 レイラインが往く。ゆっくりと、ゆっくりとロングスカートを巻き上げて。
 鼻息荒く見守るアガリを眼前に、スピードは変えず少しずつ。
 やがて、ある地点まで到達した瞬間に、
「――!」
 残りを一気に引き上げる。そこにあったのは、
「フフフこれぞわらわの秘策! ドロワーズじゃ! パンツかと期待したかえ?
 残念じゃったの! ノーパンツ。ドロワーズじゃ! どうじゃ悔しいじゃろう。悔しいじゃろう――!」
 ドロワーズだ。彼女は自信満々にドロワーズを見せびらかす。
 ……だが彼女は重要な事を失念している。それは、
「……いやおばあちゃん。“どろわ”も下着ですよ?」
 エリエリからのツッコミが入ったが“そう言う事”だ。“そう言う事”なのだ。
「……えっ?」
『あーたしかスカートの下に穿く装飾品として開発された物ですな。
 当初こそ“装飾品”ですが今では“下着”の認識が一般的で……』
 何故ボトムの歴史を知っている。
 下着か。下着だからか。そんな事を思いもするが、今はそれどころでは無い。
 レイライン。
 彼女は、今、スカートを全開に“下着”をこれでもかと言うほど見せびらかせている状態であり、
『まぁ私としては中身ババァでも外見が可愛らしければ有難うございます!』
「う、うにゃあああ――!?」
 暴れる。捲り上げていた手を一気に下へ。
 ドロワーズを隠して代わりにタッパー、とレモンを振りかぶり、
「し、死ねぇ!! 忘れろ! 忘れるのだ! 今見た光景を物理的に忘れろぉお――!」
 投げる。湯気が出る程に顔面赤面。ついでに猫類である事を失念して柑橘類を手に持った為か、その刺激も目に来て自爆泣きして。それでも往く。
 逃げるアガリ。その先には、
「そもそもおばあちゃんはよくポロリするからありがたみが無いです」
 エリエリが待ちかまえる。
 右手には塩。さらにダンボールの中に事前に入っておき。
「さぁわたしのを見たいなら、箱の中に来る事です……どうします?」
『ぬ、ぐ、ぉお! そんな罠に私が……!』
 掛った。僅かに下げられたエリエリのズボン。しかし上着の裾が長い為、パンツを見るには至近にまで近寄らねばならない。罠と分かりつつも、行かねばならぬ時が男にはあるのだ。パンツの為に。
 そしてアガリがダンボール内に来た――瞬間。エリエリは跳ぶ。
 跳び、そして即座に蓋を閉じて捕獲しようと。逃げようとすれば右手の塩で攻撃だ。
 盤石の策……それをアガリは、
『うぉおおお――!』
 切り替える。目を、かの“見た者を石に変える”という力を持つメデューサの目に。
 直後、ダンボールを閉じようとしたエリエリの動きが止まる。石化したかのように。
「ちぇ――あともう少しだったのに。
 やっぱりおばあちゃんにこのスケスケレース穿かせておくべきでした……」
 そのまま再着地。寸での所でアガリがダンボールから抜け出し、退避。
 した直後。
『あ、くまさんパンツ――』
 目の前にパンツがあった。
 見とれた。その隙に被せられるは、タッパーだ。
 いたのは結名。無邪気な笑みと共に――アガリの捕獲を、完了する。

●データェ
 アガリは捕まえた。が、もう一つだけ仕事がある。
「お写真とるのが御趣味? ゆいなも写真。写真撮りたいー」
「ハッハッハ。悪いがこれは流石に……」
「えー何で? さっき“ハァハァ”とか言ってたのに。貸ーしーてーよー」
「うっ、そ、それは……!」
 結名が先程と変わらぬ無邪気さで、校長所有のデータを破壊せんと迫る。
 内容は若干脅しつつの“お願い”だ。笑顔の表情はそのままに、じわじわと脅迫の単語も込める。怖い。
「駄目ですか? どうしても駄目ですか? あれだけセクハラして置いて……外道」
 呟くエリエリ。邪悪ロリの名に恥じぬ、邪悪っぷりである。
 セクハラ発言? 録音・コピー配布済みですよ! ネットにいつでも流せるね!
「全く。同じ教職として信じられないわね……恥ずかしいわ本当に。
 ま、私は少女パンツを拝めたから良いけどねー校長最低だわー」
 ハハハ。誰かソラ先生に鏡。鏡持ってきて!
「先生――! 校長がわらわの着替え姿をデジカメで隠し撮りしとった――!」
「そ、う……! 校長は、敵……デストロイ……!」
 鏡の代わりに七瀬が来た。魔眼の効果か、暴走している。
 レイラインの言葉もブーストと成ったのだろう。殺意が迸り、本気の拳がデジカメを直撃。粉砕する。
 その残骸を更にティオが、
「どーん!」
「あああああ! ワ、ワシのデータがあああ!」
 はたいて窓の外へと。粉々が粉々と化し、もはやデータの修復所の話では無くなった。
 そして最後に、そこから見えぬ所では、
『ふむ、今回は大人の雰囲気を纏う白レースに、女神は今回も白でありますか!
 いや流石お二人とも美し、ぎゃあああ?!』
「う、うるさーい! 折角風を凌いだのに、なんて能力の無駄遣いを……!」
 ルーメリアが涙目に。どうやらアガリはタッパーの中から能力を使ったらしい。
 アガリアレプト。その眼で、パンツの色と形状を判明させたのだ。近場に居たルーメリアとアイリがまた被害にあって。故にタッパーの中にレモン汁を大量に注ぎ込んだ。ざまぁ。
 そしてアイリが言う。深淵ヲ覗クでも、アガリの正体はよく分からなかった。
 恐らく程度の推測では、メデューサやアガリアレプト。それらの存在が混濁した集合体だろうか。いずれにしろどこで変態性が混じったのかは分からないが、
「もう見せないからな……! さぁ帰れ、さっさと帰るんだ……!」
『そんなぁ女神! せめてもう一度、あの麗しいおパンツ様を!』
「帰れ――! 次大群とかで来たら滅ぼすからね! 絶対だよ、絶対だからね!」
 シェイク。アンド。スローイン。ネクスト。ブレイクゲート。

 あくはほろびた! 了ッ!

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 最後は若干駆け足になりましたが、これにて終了です。お疲れ様でした!

 あくはほろびた。しかしへんたいはほろびない。

 それでは御参加有難うございました!