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火力こそパワー!

●玩具のヒーロー
 巨大なロボットが街の郊外を歩いていた。ズンズンと大きな音を立て、目立つ巨体を振り回して、何かを探すように。
 そのロボットはトリコロールカラーで塗られており、まるでアニメに出てくるような巨大な人形ロボットであった。……実際にアニメに出てくるロボットの玩具が、大きくなったものなのだからそれは当然なのだが。
 というのも、この巨大なロボットはエリューション・ゴーレムだ。そして、元になった物はロボットアニメの玩具である。144分の1スケールの模型であり、精巧な武器表現がウリだ。主役のロボであり、同時に敵役のロボも玩具が発売されている。
 そんな玩具であるから、このロボット――もとい、エリューション・ゴーレムがその武装を使って戦闘をするということは予想がつくだろう。実際にその通りであり、このエリューションは火力を備えていた。6連ミサイル4つにレールカノン2門、プラズマライフルにガトリングガン、そして大出力メガプラズマキャノンという装備からもそれが伺える。
 幸いなことは、このエリューションは街の郊外……それも夜中に出現したということだ。既にフェーズ2のエリューションになってしまっているものの、この巨体を夜中の内に始末ができる。始末することで、神秘の秘匿をすることができるのだ。
 その為アークはこの巨大ロボットエリューションを倒すためリベリスタたちの派遣を決定した。

●雪花参戦
 巨大なロボットが現れたと聞いて夜中に叩き起こされたリベリスタたちを迎えたのは、すこし眠そうな顔の『相良に咲く乙女』相良 雪花 (nBNE000019)であった。
 リベリスタたちの顔を見た雪花は普段規則正しい生活をしている雪花はこの時間に起きていることが苦手なのだと語った。
「皆様、今回のエリューションはかなりの重装備らしいです。気をつけて行かねばなりませんね」
 そう言って微笑んでから、雪花は少しいかついデザインのフィンガーバレットを撫でていた。和服のお嬢様がいかつい兵器を撫でているその様子はアンバランスで、ちょっと怖い。
「……少し、不謹慎なのですが。火力に興味が有るのです」
 えっ? とリベリスタの誰かが返した。雪花がぼそりと言った言葉が、日本人形のような姿に似合わないアンバランスなものだからだ。銃を撫でる姿には似合うが。
「あっ……。えっと、その……」
 顔を赤くしつつもじもじとし始める雪花を見て、「ん?」とクエスチョンマークを浮かべるリベリスタたちであった。
「さあ、説明の時間よ!」
 さて、そんなところにやって来たのは『運命演算者』天凛・乃亜(nBNE000214)だ。玩具の箱も持ってきているのだが、この箱がまた大きい。大きさがちょうど乃亜の胸ぐらいはある。
「これで144分の1なのよね。でっかい玩具だわ……。もちろんパチパチ組み立てるアレよアレ」
 という解説をしつつ、箱を開けて中身を物色する乃亜。取り出すのは精巧に作られた小さくもかっこよさげな武装。
「6連ミサイル、レールカノン、プラズマライフル、ガトリングガン、大出力メガプラズマキャノン……」
 口の中で武装の名前を転がしながら、乃亜は並べていく。
「詳しい解説は作戦書に載せておいたから、敵のスペックと作戦内容について説明していくわね。」
 そう言って、乃亜は解説をはじめる。モニターには巨大なロボットを元にしたエリューションの姿。
「敵は巨大。だから目立たない夜中の内に倒す必要が有るわ。郊外の人目につかない広い場所に出現したから戦いやすい今がチャンスよ」
 続いてモニターは郊外の採石場を映す。なるほど、ここなら戦いやすい。ロボットというより特撮な雰囲気ではあるが。
「能力的には火力が高くて連続攻撃を仕掛けてくるみたいね。気をつけて」
 そう言って作戦書を置いて、乃亜は雪花を一瞥する。
「ふふふ、ちょっと楽しみですね。……あっ、いえ。皆様と一緒に戦えることが、ですよ」
 和服の袖で口元を隠しつつ、笑う雪花の姿に少し不安になるリベリスタたちであった。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:nozoki  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年11月01日(木)23:09
 はい、そんなわけで雪花が同行する対ロボ依頼です。
 火力こそパワー! そんな相手になりますが、どうかよろしくお願いします。

●勝利条件
 エリューション・ゴーレム「DS-05D マルドゥーク」の破壊

●舞台
 郊外にある採石場です。夜中なこともあり、人目につかない場所です。
 暴れても音を立てても問題ない場所でしょう。

●エリューション・ゴーレム「DS-05D マルドゥーク」
 フェーズ2のエリューション・ゴーレムです。玩具がエリューション化したものです。
 DSとは型式番号で、05は5号機、Dはデストロイアームズの略らしいです。マルドゥークは機体名です。
 マルドゥークは火力が高く連続攻撃を得意としており、1度の行動で2回以上動くことがあるようです。
 マルドゥークは以下の武装を持ちます。
・6連ミサイル
 足元に4つ付いている連装ミサイルです。威力が少なめの物理遠距離範囲攻撃になります。
・レールカノン
 両肩に付いている加速した弾を打ち出す装置です。命中が高めの物理遠距離攻撃になります。
・プラズマライフル
 右手に装備しているプラズマを打ち出すライフルです。威力が高めの遠距離神秘攻撃です。
・ガトリングガン
 左手に装備しているガトリングガンです。命中が低めの遠距離範囲攻撃です。
・大出力メガプラズマキャノン
 背中に付いている大出力のプラズマキャノンを打ち出す巨大な砲です。戦闘で1回のみ使える必殺技です。30mの直線距離を貫く神秘攻撃です。

●相良雪花
 今回の依頼は雪花が同行します。
 指示があればその通りに従います。クリミナルスタアの初級スキルをすべて使うことができます。
 武器はフィンガーバレットです。防具は和服なので揺れません。
参加NPC
相良 雪花 (nBNE000019)
 


■メイン参加者 8人■
マグメイガス
高原 恵梨香(BNE000234)

遠野 御龍(BNE000865)
スターサジタリー
モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)
ホーリーメイガス
ニニギア・ドオレ(BNE001291)
ナイトクリーク
御津代 鉅(BNE001657)
デュランダル
蘭堂・かるた(BNE001675)
デュランダル
小崎・岬(BNE002119)
マグメイガス
風見 七花(BNE003013)

●採石場へ
 リベリスタたちはそれぞれの武装を確認し、夜間用の装備を整えながら採石場への道のりを急いでいた。道中、空には月と星以外の明かりはなく、人の気配も感じられない。人知れず戦うのにはちょうどいい場所であると、皆感じていた。
「巨大ロボ、強そうだけどしっかり倒しましょ」
 今回の敵である巨大ロボット……の玩具がエリューション化して巨大なロボットになったものに負けぬようにと、『大食淑女』ニニギア・ドオレ(BNE001291)は手を強く握って軽く振り上げる。表情は笑顔であり、どこかのほほんとした印象を受けるが、しっかりとやり気があることをアピールだ。
「回復力もパワー!の勢いで、仲間たちが存分に火力を奮えるようにがんばるわ」
 にっこりと周りの仲間達に微笑んで、ニ二ギアは優雅ながらも力強く自分の能力をアピールしている。味方を助け、回復をする。簡単に言えばそういうことをする予定なのだが、それはそれで大変な任務だ。
「だから、みんなも一緒にがんばろう」
 ウェーブの髪が夜風に揺れて、柔和な顔が戦いに臨む仲間達の心を和ませた。大変なのは皆も同じ、だからニ二ギアはこうしてのほほんと和ませている……のかもしれない。天然かもしれない。
「どれだけ精密に当てても相手の防御を抜けなければ意味がない、という意味では火力は大事だな。莫大な火力なら、直撃でなくとも効果を発揮することもあるし」
 さて、回復をがんばらないといけない理由――敵の火力について、『燻る灰』御津代 鉅(BNE001657)は少し考える。そして、これまで戦ってきた経験の中で、様々な敵を相手にしてきたが確かに火力は有用なものだと結論を付けた。
「とはいえ、やはり当たらなければ無駄でもある。今回はどう出るか、勝負といこう」
 それでも、必要なものはまだ他にもあると思いながら愛用のタバコに火を付けて、空を見上げる。夜空に煙は目立たず、タバコの火だけが黒の空に映る。
 よれよれのコートとサングラスを合わせて、不審者のようでもある。
「……さて」
 眠気覚まし、というわけではないが愛用のコーヒーを淹れて先へと進む。相手がどんな火力を展開してこようと、前に進むことは確定だ。
「火力こそパワー! いい時代になったものだー」
 その身に余るほど巨大なハルバード――アンタレスを振り回す『世紀末ハルバードマスター』小崎・岬(BNE002119)は、にっこりと笑って腕を振り上げている。幼い印象の、愛嬌のある笑顔であるが言っていることとやっていることはぶっそうだ。アンタレスが邪悪なデザインをしていることもあり、余計にそう思う。
 それはともかく、戦いは火力だけでないということは先程も鉅が言った通り。
「えー? なってないの―。この間まで“レベルを上げて物理で殴ればいい”のターンだったからそろそろと思ったのになー」
 ぶー、と口を尖らせて今回の敵がそういう火力重視であるというだけの事実を認める。岬自体がパワーで押し切るタイプなので、それはそれとして自分の力で迎え撃つつもりであるが。
「ともかくー。巨大化したプラモの相手するのも巨大ロボの相手するのも2回目だしねー。フルボッコにしてやろうぜー、アンタレス!」
 ウインクをしてから、アンタレスの巨体をもう一度振り回す。何度ロボット玩具が相手になろうとも、負ける気はしない。
 このパワーさえあれば!
「お相手はロマンの詰まった武装満載の巨大ロボットエリューションで色々とワクワクします」
 一方、敵となる巨大ロボットに対してキラキラとした感情を向けているのは風見 七花(BNE003013)だ。元々ロボットものが好きで、物語の中で活躍するそれに対していい感情をもっているのだ。動き出したとなれば間近で見たいのがマニア魂というものだろう。
「……トリコロールカラーではなく迷彩柄だったら個人的には完璧なのですが……」
 しかし、それ故に文句を言いたくなるところもある。内向的なので大きな声で言うわけではないのだが、ぎゅっと手元の本を抱きしめて呟く程度には文句を言っていた。
「ともあれ、街中で暴れられては大変なのでその前に撃破です」
 それはそうと、リベリスタとしての使命もある。あんな巨体が街がめちゃくちゃになってしまうのは確定だし、そんなことになってしまえば七花も落ち込んでしまって自分を変えるどころではなくなってしまうだろう。
 だから、抱きしめた本を開放して、なんとかうまく振舞おうと七花は思った。
「最近のロボアニメにしては随分ゴテゴテした武装ですね」
 同じくロボットに対して思うところがあるのは『デストロイド・メイド』モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)だ。見た目以上に生きているこのメイドは、ちょっと前のアニメ的な雰囲気を今回のロボットから感じ取ってクエスチョンマークを浮かべている。
「遠近両用の銃剣とか機動性重視の性能とか、そんなスマートな感じが最近のトレンドってイメージが強いんですが」
 最近のイメージをちょっと語ってみると、それに食いついたのはやっぱり七花だ。
「あ、それでしたら……」
 と、近づいて少しずつ解説を付けていく。少しおどおどとしているが、それでも明るい性格を演じてちょっとずつ解説していた。
「今度アニメの方をチェックしときますか」
 それを聞いたモニカはいつもの無表情のまま頷いて、その後首を傾げて考える。
「でかい図体で何か探しているようですけど、おおかた悪役のロボでも探しているのでしょう」
 ふむ、と小さな口元を動かして彷徨っている理由を喋ってみる。アニメの主役ロボットがモチーフならば、悪役を倒すことを考えているのだろう。
「……それが、任務」
 ふう、と小さく口元を動かして『ネメシスの熾火』高原 恵梨香(BNE000234)は思う。自身も任務をただ遂行するということに意味を感じているので、少し思うところがあるのかもしれない。その表情からは伺い知れないが。
「任務は遂行する。相良さんは私より後方をお願い」
 その内面は誰にも分からない。しかし、同行した雪花を心配しているのは確かなようであった。
「ではそのように。私の身を案じてくれたのですね。ありがとうございます」
「……いえ、私はただ任務を遂行しているだけ。相良さんはアークの同盟組織、関東仁蝮組の組長。一兵士のアタシの様に替えの効く人材じゃないのよ。何かあれば時村室長や咬兵さんに合わせる顔がないわ」
 饒舌に言葉を多くの流しながらも、照れたように赤くなった顔を逸らしたのは気のせいだろうか。
「それでも、ありがとうございます。お優しいと、私は思いますよ?」
 それを見て、雪花は微笑みをかけるのであった。
「ええ、任務だもの」
 少しだけ、奇妙なやり取りであった。
「さて! 雪花ちゃんを守るためにもあたしも一肌脱ごうかね!」
 続いて『外道龍』遠野 御龍(BNE000865)が、豪快に笑いながらタバコに火を付ける。片目を瞑ってニヤリと獣のような歯を見せる笑いは仲間たちの不安を吹き飛ばすほどで、タバコを咥える姿も堂に入ったものだった。
「真・月龍丸! やるよ!」
 そしてタバコを持たない手を使って愛用の武器を取り出す。リベリスタにとって、こうした愛用の物はあるのだろう。その形はそれぞれでも、それがあれば戦いに対する気力も沸くものだ。
「その気持ち、わかる気がします」
 雪花はそれを思い、自身の武器――少し厳つい見た目のフィンガーバレットを見据える。
「今回の敵が放つ火力は、私自身の参考になるかもしれませんね」
「まぁ、高火力武装を行っている者として興味が湧くのは雪花さん同様です。給弾の動きや重心の取り方は、参考になるかもしれません」
 そんな雪花の意見に賛同したのは『Trapezohedron』蘭堂・かるた(BNE001675)だ。よいしょと一息を付けてから巨大な兵装を取り出しながらも、涼しい顔でいるのはリベリスタだからだろう。
「雪花さんには遠距離からの攻撃、武装を狙っての部位破壊を狙っていただくとして……。終わった後には近距離と遠距離とでそれぞれ得たものを話せればと思います」
「ええ、是非」
 凛として胸を張り、軽い指示を飛ばすかるたに頷く雪花。礼儀正しくも言うことは言う信念の強さを持つかるたの言葉は、同じく強い信念を胸に戦う雪花とウマが合うところがあるのだろう。二人は同じように、上品に微笑む。
「これもガールズトークだなー。アンタレスは混ざれなくて残念ー」
 アンタレスに話しかけつつそんな二人を遠巻きに見る岬は、長い黒髪を含む外見だけでなくてあの二人似ているところがあるなーと思う。
「しかし、俺はこういうのに共感する時期はとうに過ぎたが……今回やけに女が多いが、最近は女の方がこういうのが好きなのか?」
 そんな女性たちを遠巻きに見ながら、鉅は首を傾げるのであった。

●火力との戦い
 大爆発である。何が起こったのかといえば、エリューションのミサイル攻撃とプラスマライフルによって発生した爆発だ。
 戦闘に突入したリベリスタたちはそれぞれ動き出したが、それに対応した巨体が太い足で踏み込んで二つの攻撃を行ったのである。
「大出力の攻撃。なるほど、相応の熱量がありますね。お気をつけを」
「すごい攻撃、なるほど、すごい火力……! さすがろぼ。雪花さん、なんだかきらきらしてるんですけど! うっとりしてると危ないですよっ。どうぞ気をつけてくださいね!」
 その爆発を受けて、少しキラキラしている雪花であったがモニカとニ二ギアの言葉でハッとして攻撃を受け止める。モニカとニニギア、御龍も攻撃に巻き込まれたが、モニカとニ二ギアは防御をすることで事なきを得た。
「だいじょうぶ、すぐに治すわ。歌力っ!」
 そうして傷ついた仲間たちを癒すため、ニニギアは両手をまっすぐに伸ばし聖神の息吹を使っていく。
「うまく、動きを止められれば。相良さん、合わせてくれる?」
「ええ。相良雪花、舞い踊ります」
 恵梨香がアイコンタクトを雪花に送り、ストイックに魔曲・四重奏による攻撃を始める。それに合わせた雪花はヘッドショットキルを使い、遠距離からの攻撃を加えていく。
「効果を……確認。攻撃は通る」
「部位にも確かにダメージが通ってますね。……それなら!」
 二人の攻撃にあわせて足元に潜り込んだかるたと御龍が、急停止をしながらその大きな足に狙いをつけて巨大兵装を取り出しデッドオアアライブを放つ。その一撃は装甲を凹ませ動きを少しだけ止める!
「さぁて、暴れさせてもらうとするかぁ!」
 その瞬間を狙い、同じく足元に飛び込んだ御龍が獲物を振り回して足元にデッドオアアライブを放つ! それは命中したものの――、
「上から来るぞー! 気をつけろー!」
 かるた以外の前衛が近づく間にもう一度動き、下がりながらレールカノンとガトリングガンを動かして連続攻撃を始めるエリューション。
「ちぃ……!」
 その連続攻撃によって直撃を受けて、御龍の防具が破れ体は崩れ落ちてしまう。戦闘不能だ。
「そいつを放っておくのは危険か。縛らせてもらうぞ」
 攻撃を横目で覗いていた鉅は、爆風を避けつつデッドリー・ギャロップによって巨体を支える足を縛り付けていく。ダメージと共に縛り付けられることでその動きは阻害され、戦いが有利に運ぶだろうと考えてのことだ。
「足元がお留守だぜ―!」
 そして、そうして縛り付けられたところをきこりめいた動きで水平にメガクラッシュを叩きつけていく岬。アンタレスを振り回すパワーで与えたダメージによって、ぶっ倒してしまおうという考えだ。
「固いなー!」
「さすがに足元は強いな」
 それでも、エリューションの太い足元は倒されず、軽く動きを止めたに過ぎなかった。……ダメージ自体は通っており、動きが散漫になったのだから効果はあったのだが。
「では、そこを。こういう時……怯えてやがるぜ、とか言えばいいのでしょうか」
 少しぶっそうなことを言いながらも、マグスメッシスを足元に向けて七花が放つ。ぐっと握りしめた腕から放たれた魔力が黒い鎌を型作り、足元を力強く切り裂いた!
 すると、これまでのダメージもあってぐらり、と巨体が大きく揺れてエリューションは膝をついた!
「やりましたね。では、私も」
 と、今のうちに回り込んだモニカがハニーコムガトリングによって火力を集中させていくが……その最中、あることに気付く。
「……熱量が増体。あの体勢から撃つとは、無謀な」
 そう、エリューションは膝を付きながらも背中の大出力メガプラズマキャノンを起動! 振り下ろすように前方に展開すると、チャージしたエネルギーを一気に放出してきた!
 極太の光が奔流となり、リベリスタたちを襲う!
 だが、モニカと岬は攻撃を続けてその発射角をずらし、七花はニ二ギアを恵梨香は雪花を庇いに行く。かるたはそれを防御した!
「……流石は必殺技、ですね」
 結果、被害を受けたのは七花だけで収められた。その七花もフェイトの力を使い、力を振り絞って立ち上がる。その勢いで天使の息を使って自らと仲間を回復。
「わっ、わっ……ありがとうっ! まだまだ、治さないと! こんなのが街に行っちゃったら大変だものね」
 その七花にニ二ギアは微笑みを返して、力一杯に聖神の息吹を使って仲間の体力を回復することに務める。
「任務。そう、私は一兵士として任務を遂行する」
 ボロボロになった体を回復させた恵梨香は、雪花の安全を確認してから手を勢い良く振るって魔曲・四重奏を奏でていく。そうして自らの存在を確認するような攻撃と、雪花の援護が重なって巨大ロボットの兵装が破壊される!
「まだだ、徹底的に破壊させてもらう」
 膝を落としたロボットの関節にデッドリー・ギャロップを重ねていくのは鉅だ。
「厄介事は先に払わねばな」
 重ねられた攻撃は容赦なく巻き付いていき、完全に呪縛の力で捕らえることに成功する。
「マルドゥーク……古代バビロニアの神でしたっけ。四つの耳と四つの目を持ち、何事も見逃さず、聞き逃さない。他の神々十柱分の輝きに満ちており、唇を動かせば炎が噴き出す。……口から炎辺りは、一応警戒しておきますか」
 そうして動けなくなったとはいえ、まだ何があるのかは分からない。だからかるたはそんなことを思い出して、巨体の上に飛び乗る。そして巨体に装着された武器を目掛けてメガクラッシュを放ち、一つ一つ潰していった。
「ヒャッハー! そんなゴテゴテした重装備じゃここは狙いにくかろー! ガンガンぶっ壊してやんぜー!」
 同じく飛び乗っていった岬もアンタレスを力一杯に振り下ろして武装をぶち壊していく。まさに力こそパワーを体現したかのように、力任せに剥ぎとっているのだ。
 それから……マルドゥークは口から火を吐くことはない。こうなれば、リベリスタたちの優勢だ。
「正義の味方は怖くて強い悪役がいて初めて成り立つモノであって、それがいなきゃ単なる弱い者イジメしか出来ないんですよね。今の彼と同じで自分自身が悪役に成り下がっているとも気付かずにね」
 ふっと笑って、背後に立っていたモニカが武器を構える。自慢の武器だ。
「そして生憎と我々相手に弱い物イジメは無理ゲーです。倒すべき悪のいない正義は大人しく鉄屑へと還りましょう」
 引き金を引き、動けない巨体を蜂の巣に変える。その間モニカは無表情で、ただひたすらに弾を装甲の中へと送り届けた。
 これまでに溜まっていたダメージもあり、この一撃がトドメとなる。……戦いは終わったのだ。
「任務完了です。お疲れ様でした」
 宣言通り鉄屑へと変わった巨大ロボットを見て、帰りにこの玩具でも買っていこうかと思うモニカであった。
「任務完了を確認したわ。土埃塗れだろうし早く帰ってシャワーでも浴びましょう。雪花さんも無事よね」
「雪花さんもお疲れ様っ、甘いものでもどう?」
 ふう、と埃を払う恵梨香と早速甘いものを取り出したニ二ギアを見比べて、切り替えの速さに苦笑する雪花であった。
「早く離れるんだー。こういう時は爆発するのがお約束だろー」
 一方でこんなことを言う岬も居たが。倒した後の爆発は思ったよりショボくてがっかりするだけであった。
「最近は色々ありますから」
「かっかっか。派手じゃねえが、いい花火だ」
 そんな岬を妙な理屈で七花は説得していて、御龍はその爆発を肴にタバコを咥えている。
「お疲れ様でした。皆さんは、切り替えが早いですね」
「……やれやれ」
 そんな風に元気にしている皆をかるたと鉅は呆れていた。戦闘が終わったばかりだというのに、元気なものだ。
 火力こそパワー。それが証明されたかどうかは分からないが、こんな風に仲間と触れ合って生まれる絆がパワーになることは間違いない。
 少なくとも、雪花はそう思う。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 火力を前にして飛び込んでいく姿は勇敢そのものと言えますね。それ以外にもうまく立ち回ろうと動くのも勇敢と言えるでしょう。ということで、お疲れ様でした。
 玩具、というよりロボットが皆さんが好きなのも分かりました。皆さん好きですね。僕も好きです。
 プラスマ兵装のかっこ良さを語ろうかと思いましたが、ここで言うのもアレなのでまた違う機会に。

 ということで、お送りしたのはnozokiでした。改めて、お疲れ様でした。
 雪花も楽しんでました。パワーに。