●【大阪】 股間に天狗面のサングラスが少女に声を掛ける事例が発生―― ●R-7+A 「……という訳でフィクサードを何とかして下さい」 『塔の魔女』アシュレイ・ヘーゼル・ブラックモア(nBNE001000)のこの上なく身も蓋も無い一言にリベリスタは苦笑を禁じ得なかった。 「……事件現場は、大阪か」 「はい、大阪です」 資料に目を通しながら唸るリベリスタ。人物を世界の常識より逸脱させる神秘が悪いのか、手にしてしまう力の問題なのか、先天的な性質なのか。フィクサードにせよ、リベリスタにせよ……『変なの』が多いのは紛れも無い事実である。『まともな悪事』を働き、取り返しのつかない惨事を引き起こす悪党と比べて『そういう』のはある意味マシなのかも知れないが。それはそれとしてそこはかとなく漂う既視感(デ・ジャ・ビュ)は何なのだろう。 「犯人のフィクサードはらると」 「ブフッ!?」 アシュレイの酷く出落ちな一言にリベリスタは思わず噴き出した。 実在の人物、団体の名称とは何ら関係ありませんッ! ……が、その名は確かに以前も聞いた名前だった。要するに大した害も無いタイプのフィクサードなのだろうがええと、資料には…… 「黄泉ヶ土らると……こないだのか。 魚木らると、金林らると、見開きらると、トボケ山らると、海堂らると、うらわばらると……うわらばらると(笑)」 「七つ子ちゃんらしいですよ!」 「……あのさあ……」 果てしなくリフレインする頭痛にリベリスタは眉を顰めた。 このシナリオに実在の人物は関係しないが、それでも言うに事欠いて他にやりようがあろうというものである。らると×7とか何がどうしてこうなった? 「声を掛けられた少女の名は海柘榴シーナ!」 「……」 「更に今回はフィクサードが一人増えています」 「……誰?」 「あさこ!!!」 「……………」 「あさこは元々普通の美少女で……とある事件で革醒してしまったんですが、幸運にもフェイトを得る事が出来た元・ノーフェイスです。彼女はそのままアークの手を取り、リベリスタの道を進むかに思われたのですが……」 「……思われたのですが?」 「その時、とあるリベリスタに撲殺されそうになった事件が心の傷に><。 何とか彼女を元の正しいあさこに戻してあげて下さいね!」 ――匙を投げゆ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:YAMIDEITEI | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 10人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2012年11月02日(金)22:31 |
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■メイン参加者 10人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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●記録者カイ・ル・リース 残されたICレコーダーと幾つかの映像記録はその事件に纏わる生々しき悲喜劇を後世に伝えている。 敢えてその日に『傍観者』たる事を選んだ『夢に見る鳥』カイ・ル・リース(BNE002059)が運命を賭して記録したその事件の一部始終を追うならば、君は底の無い深淵を覗く事になるのかも知れない。 ――我輩は君を制止したイ。 それでも君がこの記録を求めるならば、せめて覚悟を決める事をお勧めしよウ。 痛みばかりのこの世界に、ハッピーエンドは有り得ないのダ。 我輩の奥さんが戻らなイのも然り、気のせいなのカ、娘が最近余所余所しいのも然りなのダ。 譲れぬ二者は何時の世も決して相容れぬものなのだかラ―― 警告する鳥の目は濁った緑色の光を湛えていた。 深淵より戻った鳥はまるで骨のようだった。(ハロウィンSD的に考えて) この鳥類がかくも惨状に到るまで、この世の何に触れたと言うのか。 彼が見聞きしたものの全てを私は知る由も無い。そして知りたくも無い。 それでも君が望むなら、それは仕方の無い『運命』なのである。 万雷の拍手を従えて、愛憎半ばにマーブルした歓声さえも捻じ伏せて。 嗚呼、幾度目か素晴らしき演者の理不尽なる舞台の幕を上げよう―― ●「大阪某所。我々はアークの命を受ケ、悪のフィクサードの企みを阻止する為に急行しタ」 「――要するにいい歳して幼女誘拐しようとするらるとが全部悪いんだろ。 この依頼はフィクションです。登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。大人って、何時も汚い」 ……『銀の盾』ユーニア・ヘイスティングズ(BNE003499)が物凄ぇ字面で余りにも的確に抉り出した単純事実にぐうの音も無い! 「また大阪か」とか言うと大変失礼なので偶然なのですが、『また大阪で』起きたのはある種の暗示めいたその、何て言うか。 黄泉ヶ土らると。 ……と、愉快な六つ子ちゃん。 海柘榴シーナ、そしてあさこ。 「……で、何で黄泉ヶ土くんはこんなにシーナちゃんに付きまとうのかな? いい加減にしないと僕も怒るよ?」 些かの私情混じりを感じさせる『ネギ娘』フォルティア・ヴィーデ・アニマート(BNE003838)の不機嫌の理由、 「あさこがフェイトを得る前に殺し損ねたせいで さいあくな事件が起ってしまったのです こんなふざけた事件は二度と起らないように こんなふざけた事件をやみなんとかさんに二度と出させないように ろくでもない事件はあたしの手で終らせてやるのです。 すき。さおりんだいすき」 「あさこが何故かころされそうなのも さっき(ブリーフィング)からみんながおかしかったのも これも全部らるとってやつが悪いんだよね らると ぶっころ」 ……そして何より事件の規模に相応しくない滾るような『ぴゅあわんこ』悠木 そあら(BNE000020)の殺意、腰は引けながらも主張は堅い『禍を斬る剣の道』絢堂・霧香(BNE000618)を見れば分かる通りである。それだけ敵は心揺さぶる名を持っていた。 「ボクの手が全てを救えない事、そんなのは痛いほどにわかっている。 でも、それでも優しい終わりがあれば、いい……と思……シミンソアラハタダシイデス」 「らいよんちゃんありがとう。あたし間違ってないですよね?」 「タダシイデス」 (駄目だ、このそあらさん早く何とかしないと……!) 只ならぬ親友の視線に早速へたれた『百の獣』朱鷺島・雷音(BNE000003)が人形のようにコクコクと頷き、首筋を伝った冷たい汗の感触に『デイアフタートゥモロー』新田・快(BNE000439)は戦慄した。 「らると、あさこにしーな。何か、記憶の奥底に引っかかるものがありますが、思い出せませんね…… それにしても大手七派にそれぞれ兄弟が一人ずついるなんて……兄弟仲が悪かったのでしょうか?」 「七色(レインボー)らるとか、世も末だぁなぁ」 何処か惚けたコメントを添えた『鋼鉄の戦巫女』村上 真琴(BNE002654)に『足らずの』晦 烏(BNE002858)は肩を竦める。 しかし、あさこは概ね無害だし、らるとに到っては精々カキ氷のシロップ位の差異である! パチモン。 漂うのは圧倒的な何ちゃって――パチモン臭ばかりなのだ。 昔、ロッチとか書かれたシールを掴まされて憤った私がまさに抗議を禁じ得ない。 「何処から何をツッコめばよいのやら……」 こっちを見つめる『朔ノ月』風宮 紫月(BNE003411)の柳眉を困惑に染めるのはまさに連中の在り様の問題。 確かに事件は起こる。しかしそれは未成年リベリスタ略取誘拐未遂である。 執筆業の都合から……もとい、アーク作戦上の機密から十四人もの大戦力が編成された作戦はまさに不条理の様相を呈していた。 「……折角ですから、歓待致しましょうか。 ……えぇ、と私の場合は金林らるとにでも挨拶に行けば良いのでしょうか? それに、ほら。大阪の名物ごはんなんかにも興味はありますし……」 「そう言えば大阪だけに皆でたこ焼きを食べに行こうというお話が出ていましたね。 ああ、本場のたこ焼きはきっと美味しいことでしょう。きっと、行列が出来る店に……」 「大阪ってあたしは初めてだし、楽しみ。たこ焼きもお好み焼きもソースとマヨしか無いあたしに新しい世界を教えてください!」 気を取り直した紫月に真琴と霧香が相槌を打つ。よーし、お兄さんが色んな意味で『新しい世界』を教えて…… 「何だかイライラするのです」 ……何でもないからね、そあらさん! 閑話休題。 「あさこはころすです」 目的の一が全てのそあらあり。 (あさこは助けるよ! もとい、助けたい……助けられたら、いいな……そあらさんこわい……) (大丈夫。この世界は俺達が思うよりは――きっと優しいものだから) そあらの三角形の目をちらちらと確認しつつ、あさこを案じる霧香や快の姿あり。 「らると×7ぶちころす。あさこはぷちころす。お兄ちゃんとして悪い大人の影響から幼気なシーナを保護する!」 「その役目は僕だって譲れないな。シーナちゃんは必ず守る!」 一方で、二人よりもシーナの情操教育(?)に気を揉むユーニアやフォルティアあり。 「『ドス黒かったりぴゅあだったりしつつ現場に赴くリベリスタ達。この時はまダ、らるとの術中に嵌っている事など知る由も無かっタのダ……』と」 我関せずでレコーダーに記録を吹き込み続けるカイの姿もある。 「リベリスタには心に傷を持つ人達沢山居るって聞いたー。 ソレもコレも実は……大体『らると』って奴の仕業なんだって。 何時まで経っても癒える事の無い心的外傷。 ソレは元来の原因だったモノを御仕舞いにしても、解決には至らず、意味の無い事かも知れないねー……」 溜息混じりに一言を吐き出した『大風呂敷』阿久津 甚内(BNE003567)が大阪の空を見上げた。 「悪人をたおすのがヒーローだ! そあらさんの方は見ない! 全部らるとってやつが悪い! そうだらるとが悪い! 僕あさこ好きだよ! でもらるとが悪いから助けない! うわあああああ!!! 違う、違うんだ! 僕だって助けたいんだすべてを! 罠なんだ! そうなんだろ! らああああああるうううううぅとおおおおおおおお――ッ!!!」 通りには発作を起こした『覇界闘士-アンブレイカブル-』御厨・夏栖斗(BNE000004)の絶叫が響き渡った。 ちょっとお薬増やしておきましょうか!←酷い発言 ●「繰り広げられた死闘は憎しみと痛みに満ちていたのダ。人は何故争わずにはいられないのダろうカ」 舞台変わって夜の公園―― 人気もすっかり少なくなったその場所を照らす街灯が複数の影を夜に引き伸ばしている。 「シーナさん、眼球舐めていい?」 「良くないです><」 「……」←ドン引きあさこ ……物語を織り成すのは複数の男と一人の幼女、そして一人の少女である。 男達は何れも股間に天狗の面を装着しており、戦隊ヒーローの戦闘員を思わせる奇妙な動きでシーナに迫る。実在の人物とは全く関係ありませんッ! 「そこまでです」 「……なにはともあれ、まずは聞かせてもらうぜ君の旋律。シーナちゃんは、渡さない」 静かな声が朗々と響く。 振り向き仰いだらると一派の視界の中には真琴とフォルティア――自分達に倍する不必要なまでの戦力を誇る敵の影。 その現場に踏み入るのは言わずと知れた神秘の守り手、秩序の番人、リベリスタ――! 「先日振りー★ 元気ー?」 何処か軽い甚内の調子は友好的とも言えるものだったが、 「……あーもう、らると、ぶっころー!」 「改めてこう、思うのですけど。どうしてこう、如何にも狙ってくれ、と言いたげなのでしょうかね。あの天狗面」 ラスボス・そあらのプレッシャーから取り敢えず現実逃避した霧香が闘志を燃やしている。 紫月はと言えば温い笑みを口元に浮かべるその冷淡さは何処か姉を思わせるそれである。(姉、風評被害) 「らるとたちを逃がさない用にまずは陣地作成。 流浪の民が、大阪の公園には多い。 とりあえずそんな一般人たちを巻き込まないようにしたい。 大丈夫、ボクはできるはずだ。 いくつもの戦いを超えてきたんだ。ダメージをうけた仲間は天使の歌で回復。 する。味方のコンデションを整えることがで。 きるのは今はボクとカイだけなんだ。 ヤミー大好き」 「らると、お前は敵だ。 累積した恨み骨髄とはこのことだ。 とにかくどんな目に合わされたか思い出せ。 ぶつかる壁は大きい。まとめて倒す? 一匹ず つ排除だ。丁寧に愛を。 こめて殺意と悪意の土砕掌。 ロボ大好き!」 「どうして僕にそんなにやる気があるの!? 何だか改行の位置がおかしいよ!?」 露骨に言わされている天使のような雷音と夏栖斗の言葉を受けて堪え切れずに叫んだのは復活した黄泉ヶ土らるとその人である。 リベリスタ達の本気は事件の規模に対しては妙に感情的で妙に必死な色合いを帯びていた。開幕いきなり炸裂せんとする魔女アシュレイの秘儀――雷音の陣地作成は『相手を逃がすまい』とする殺意に満ちているではないか。 「みんな今回の敵に殺意充分って感じだね! わたしもだよ!! くっきょうなメンバーだから大丈夫だ、暴れるぞ~! リミットオフしてどれかをブロックするよ やっぱりわたしの心はらるとかな!他のはまかせたああああさこは言わずもがな、かな!! はなれていたら疾風居合い斬り、近ければギガクラッシュで攻撃! らるとこそすうううトラウマいやあああ ほくほくのたこ焼きでも食べて帰ろう もちぽん……ダ、ダイエットは明日から!」 「ホモじゃねえよ!」 「『悪意と殺意をぶつける夏栖斗。凄まじいキレとパワー! だガ脈絡無き壱也と天狗面が夏栖斗を笑ウ!』」 この際『すもーる くらっしゃー』羽柴 壱也(BNE002639)と淡々と記録を盛り上げるカイはさて置いて。 「アークの人達がここに来たっていう事? つまりそれは……」 あさこのPTSDの発作が始まった。心拍数は早鐘を打ち、脳裏にフラッシュバックする映像は―― 「あさこころすです」 「やっぱりいた――ッ!?」 「ひ、ひぃっ! アークの皆さん……!」 ――地獄より帰還した断罪の使徒・悠木そあらの名言にあさこが悲鳴を上げる。何故かシーナも怯え出す。 なし崩し的に始まった戦い(?)は恐慌と混乱に満ちていた。 「あさこ! 今のあなたは、ホントに自分が望んだ姿なの?」 取り敢えずとっととらるとをぬっころすのは最善手である。 霧香は手近ならるとに斬りかかりながらあさこに説得と救いの手を伸ばす。 「あさこころすです」 「ひぃ!」 「大丈夫だよ、まだ戻れるから。諦めないで! あなたの心のままに、道を選んで!」 些か説得力を損ねる台詞が何処からか響いてくるのは当然と言えようが。 「これは酷い。どうしてこんなになるまでほっといたんだ!」 ユーニアの悲痛な叫びが戦場を揺さぶった。 神秘なる異能の力を得て俺の股間は鞍馬天狗。やる事と言えば幼女の略取。 「いっとくけど『大阪のチンピラ』はこんな特殊すぎる民族衣装はつけてない! アレはシーナに見せられない。ひぎぃしたら心の傷になってしまう! らいよんはもう手遅れだ。あと何人かも手遅れだ。でも、俺はシーナを守る!」 噴き出した暗黒がらると達の抱く暗黒を飲み込まんと物理的圧力に変化した。 何気にらいよん他に失礼なその叫びはシーナに一定の安心感を与えたのか寝袋を装備した彼女は彼の方へ寄り掛け……コケた。 「よしよし、飴をやるから泣くのは後でな!」 「ちょっ……私、何歳設定なんですか><。」 天に向けたシーナの抗議は勿論スルー! 「黄泉ヶ土くん! 何でそんなにシーナちゃんに付きまとうのさ!? 君はフィクサード、シーナちゃんはリベリスタなんだよ!? 寝袋だけど!」 一方で立ち回りでシーナを庇うように立ち塞がりらるとに水を向けたのはフォルティアだった。 彼は出来心で己が異能を発揮した。らるとが何を考えているのかリーディングをしようと試みた。 「……うわあああああああああああああああ……!」 試みたら、思わず酷い声が出た。そこに垣間見えたのは口にするに憚られる(ピー)で(ピピピー!)な黄泉ヶ土の深淵である。 「大丈夫、僕二十歳未満には何もしないから」 「そういう問題じゃないだろ!」 鳥肌を立てたフォルティアが頭をぶんぶんとふって眩暈の原因を外へ追いやる。 「一人用流しそうめん機と寄せ書きのプレゼントだ! 一人で流しそうめんを堪能しろ!」 戦闘は続く。快の挑発がらるとの心に突き刺さり、『無何有』ジョン・ドー(BNE002836)の的確な支援が、割と真面目に戦う真琴がらると達を追い詰める……と言うより、元より大分違う戦力はやはり状況を一方的なタコ殴りの展開へと導いていた。 「さっきから! どうして! 私の水着の肩紐を狙うんですか!!!」 「いやー、誰かにやってくれって言われた気がして……」 「あさこころすです」 「ヒィ!」 あさことの攻防で火に油を注ぐのは烏。 「誰かあの(´・ω・`)何とかしろよ!」 ユーニアが叫ぶ。とちおとめ(物理)をブンブンと素振りするそあらは最初からあさこ以外を見ていない。 執拗に加えられる攻撃に怯えながら逃げ惑う彼女はまさに前回の焼き直しそのものである。(但し十一月のえっちな水着) 「いけない! このままじゃ……ところで、どうしてえっちな水着なの?」 「私が知りたいですううううう!!!」 霧香の冷静な問いに叫ぶあさこ。 「そういえば金林らるとさん、最近私の姉の下僕一号が、そちらのくーちゃんとやらにお世話になって居るとか。 ですので、このお礼の品をどうぞ──!」 天狗面に突き刺さる紫月のインドラの矢。神様も何処かで嘆いていよう。 フルボッコに悲鳴を上げるらると達。 「……あ、でも何か大勢の少女によってたかってやられるってちょっとだけ楽しいかもしんない」 実在の人物とは全く無関係なのでアレな発言にも余念は無い! 「止めるんだ! あさこには縁結びの能力があるんだ!」 「さおりんとの縁は断つのです」 「聞いてねぇ――!?」 あさこを庇う快が焦る。 「くっ……このままじゃ……!」 彼が頼むべきは最早、この戦いに仕掛けた乾坤一擲の仕掛けは全てを逆転させる――因果の歪曲しか残されていない! 「来た……」 それは歪曲運命黙示録ならぬ――そあらの携帯を鳴らす時村さおりん黙示録! 「さおりんにのお願いでも電話位では簡単にいかないのです。 あたしを止めるのはベリーハード。 あたしは何時でも可愛いそあらさんでいなければいけないのに…… あたしは何時でもさおりんの前で特別可愛いそあらさんでいなければいけないのに……」 携帯電話を片手に涙ぐむそあらは全く少女のようだった。可憐な少女のようだった。だが―― 「なのにカオスゲージ-3にしたあさこは絶対許さない。続物にも絶対させないのです。 すべてコレを終わらせる為に来たのですから。あたしは本気なのです」 「凄い逆恨みだ――ッ!?」 その結論は快の目論見を木っ端微塵にする程度には揺ぎ無いものだった。 命短し恋せよ乙女。 「煮詰めたいちごのジャムのようにしてやるです」 「くそ、何で人は分かり合えないんだ! 戦うしか無いのか、無慈悲なねこたんよ!」 喧々囂々とメタファーを極めた戦い(?)は続いていく。 「目的は一般人全員の無事か 依頼成功かー とかー。 ソレがいざ成功するか失敗するかーで恨まれるーとか酷いよねー。 全部選んでやるのは僕ちゃん達だもんなー? 選択は何時だって自由だった。らるとん責めるのは筋違いじゃないかなー?」 未だ続く私怨だか私闘だかを見つめて溜息を吐いた甚内は呟いた。 「でも本当の所好きなんだよね♪ 本当に嫌いなら行かなきゃ良いんだモノねー★ あーでも、判定とかは本当に文句は無いんだよ」 嫌い嫌いも好きの内。 ツンデレめいたリベリスタが一生懸命戦う程に、 「あさこころすです」 ……この人ばかりはさて置いて、これはある種の愛情表現なのである。 「『戦いは虚しイ。<うわらばらると>がいるなラ、<あべシーナ>もいるに違いなイ。 このらると達が倒されてもやがて第八、第九のらると達が……次回登場、乞うご期待! なのダ~!』」 レコーダーに最後の記録を吹き込むカイは空を見上げた。大阪の夜は唯グダグダと更けていく…… |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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