●変異する世界 『ソラに浮かぶ眼球』との遭遇から数日―― ラ・ル・カーナは変貌していた。空は奇妙な色に染まり、世界樹の水源は干上がり、憤怒の荒野はひび割れた。跋扈する危険な生物達は更なる進化を遂げ、多くのバイデンは理性を消失し、暴れ回る怪物へと姿を変えつつある。 それらは全て、この世界の母である『世界樹』により生み出されていることは明白だった。変異した世界樹が、狂った『変異体』を生み続けている。 この世界において変化しない『完全生物』であるバイデンの中にも『変異体』に成ったものがいる。今のところフュリエに変異の兆候はないが、未来においてそうならないという保証はどこにもなかった。 この状況を打破するためにアークは『世界樹に忘却の石を使うことで、R-TYPEの残滓を打ち消す』という作戦を決行する。フュリエの長シェルンもこの作戦に同意し、異形と化した『世界樹エクスィス』を目指して進軍する。 行く手を阻むは変異したラ・ル・カーナそのもの―― ●調虎離山(調(はか)って虎を山から離す) 「――とはいえ、まともに戦って勝てる状況じゃねぇ。そいつは時村の旦那もわかってるはずだ。 敵の数は時間経過と共に増え、それぞれが強敵。加えて変異した世界樹に近づけたとしても、コアとやらに近づけるかも判らない。そもそも『忘却の石』の効果も確実性が不透明ときた。 おまえら、これはそういう作戦だ。それでもおまえたち、命がはれるか?」 『菊に杯』九条・徹(nBNE000200)が集まったリベリスタに作戦の再確認をする。逃げるなら今のうちだ、と遠まわしに告げる。しばしの時間のあと、残ったリベリスタに説明を続けた。 「じゃあ行くぞ。俺達にはこの荒野の戦いにおいて有利な点がある。今までおまえ達が作り上げてきた橋頭堡だ。あの防衛力を生かして戦いを回せば、多少勝機がある。幸い、暴れまわる輩に知性があるとは思えねぇ。誘導することは可能なはずだ」 持っていた棍で地面に橋頭堡と変異体の集まっているだろう場所を書く。変異体の場所から橋頭堡に向けて矢印を向けて、その間に三箇所バッテンを入れる。変異体の場所を指して、説明を続けた。 「ここに変異体巨獣と変異体バイデンが群れを成しているって報告があった。コイツらをこのルートで橋頭堡に誘い込む。 作戦はいたって簡単。群れに向かって攻撃し、一目散に橋頭堡に向かって走る。巨獣相手なので、何処かでサポートがないと息切れしてすぐに追いつかれちまうがな」 「サポート?」 「簡単に言えば軽い足止めだ。数十秒ほど足止めしてもらう。すぐに離脱できるように、空を飛ぶ加護をつけておく必要があるがな。基本は足止め後、即離脱だ。 目的はあくまで後続の変異体を橋頭堡に誘い込むことだ。もちろん倒しちまってもいいが、適度なところで離脱することを忘れるなよ」 矢印に描かれたバッテンを小突きながら徹は言う。合計三個のバッテン。ここで足止めをするということか。 「役割分担だが――メインの囮役はフュリエたちにやってもらう」 徹の意見にどよめくリベリスタ達。 「この役割のほうが一番成功率が高いんだよ。それともフュリエに変異体の足止めをさせるのか?」 「しかし……」 「もちろん危険はある。って言うか危険だらけだ。正直、俺も下策だとは思うぜ。サポートが押さえきれなければ、その分フュリエの犠牲が増える。囮が完全に姿を消してしまえば誘導の意味がないから、常に矢面に立つことになる。 だけどなぁ、ここにいるフュリエたちはその危険を知ってなおこの作戦に任せるって言ってるんだ。その『勇気』を買ってやる気はねぇか?」 徹の言葉に、真摯な瞳でリベリスタを見るフュリエたち。足は震えて出す声もかすんでいるが、その瞳に宿る光をリベリスタ達は知っている。それは戦いの前に戦士が見せる『勇気』だ。 「うまくやれれば、かなりの『変異体』を橋頭堡にもっていけるんだ。そうすれば世界樹出の戦いも、楽になるってもんさ。 ま、乗りたい奴だけでいいぜ。どうするんだ?」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年10月10日(水)23:46 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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