●残っている亜竜 巨大なるアザーバイド。竜。 この三ツ池公園に出現し、被害をもたらしていたがリベリスタたちによって退治され、一部に協力を取り付けることもできた。 その正体はウィルスのような生命体であり、感染した者を凶暴化させ強靭な肉体を持つ竜へと変質させるのだという。感染率は低いが、一度感染してしまえばどんな生物でも……理性を失い戦うだけの獣となるという。例外もあるが。 さて、公園には一匹竜が残っていた。 巨体でありながら大きな動きをせず、じっとしていることでアークにも動きを悟られなかったオオトカゲドラゴンという亜竜がいる。元がウーパールーパーのような生物であると推測されるこののっぺりとした竜は何をしているかというと、池の中に潜んでじっと佇んでいた。 じっと佇んで、感染が広がるのを待っていたのである。感染により、同族である竜を増やそうとしていたのだ。 アザーバイドの感染力が低いため、その効果が現れるのは遅い。それでも、じっと佇むことでオオトカゲドラゴンは仲間を増やそうとしたのだ。その理由は、一度リベリスタから逃げ帰ってきたという経験にある。 そして、竜は現れた。 シダ植物が原型と思われるその竜の姿をアークが確認したのは、出現から二日目であった。 というのも、この植物の竜は現れると同時に特殊な効果のある花粉を撒き散らし、周辺のアザーバイドやエリューションを“酔っ払わせた”から目立ったのである。 そして、その酔っ払わせた相手をオオトカゲドラゴンが巨体を使って殲滅。そうして二体の竜は暴れ始めた。 当然、これを見逃すアークではない。その暴れまわる二体の竜がいつ公園を飛び出し人々に危害を加えるのか分からないからだ。 特に、この花粉が人の世界に飛び散ったら大変なことになる。酔っぱらいの大量発生だ。 ●酔っぱらい生成器 キツそうな胸元を緩めながら、『運命演算者』天凛・乃亜(nBNE000214)は集まったリベリスタの前でホワイトボードに何かを書き込んでいた。何らかの数式のようだが、よく分からない。 「……よし、できたわ。おまたせしたわね」 腕を組んで自信満々な乃亜が振り返り、リベリスタたちにその数式を解説し始める。 「これは件の竜――シダドラゴンっていうんだけどね。その竜が発生させる花粉を解析したものよ。構成的にはアルコールに似ているわ」 アルコールに似ているといっても性質的に色々と違う点もあると補足しながら乃亜は続ける。 「この花粉に耐性を持っているのは同じ竜……つまりシダドラゴンと同時に出現しているオオトカゲドラゴンね。どちらも巨体で攻撃能力は高いわ」 さらに言えば、竜の強靭な肉体は防御能力にも長けているという。特にオオトカゲドラゴンは特殊な力こそ持っていないものの、攻撃力と防御力の高さは大したものだ。 「今回は二体の竜が相手になるわ。サイズも大きい相手だけど、気をつけてね。酔っ払った場合は素直に酔いが覚めるのを待ってもいいかも」 モニターに映し出されるのは、巨大な二匹のドラゴンの姿。オオトカゲドラゴンは前回現れた時よりもパワーアップしている様子が見え、更にシダドラゴンも巨大な姿を表している。 まるで怪獣映画のようだと、リベリスタの誰かは笑う。 「派手な相手よね。でも、巨体故に小回りが利かないという弱点はあるわ。うまく戦って頂戴」 そんなアドバイスをおくりながら、乃亜はリベリスタたちを送り出す。 「私からは、そういう風にしか言えないけど。あなたたちならきっとやってくれると信じているわ」 信じているから、どんな強い相手にだって送り出せる。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:nozoki | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2012年09月22日(土)23:40 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 2人■ | |||||
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●対亜竜前線 公園の中に充満する嫌な空気……ひょっとしたら少量の花粉が混じっている大気の中を、リベリスタたちは歩いている。 「一度、火竜とは戦ったが……。他にもやはり種類が居るのか……」 遠くから聞こえる竜の咆哮を耳に入れながら、ピリピリとした緊張感を『誰が為の力』新城・拓真(BNE000644)は感じて剣を構える。オオトカゲドラゴンは一度リベリスタから敗走したというが、それ故に油断ならない相手だと拓真は思う。なぜなら、拓真も敗北を力に変える者だから。 「彼は強く、誇り高き竜だった今直ぐにでもあの戦いは思い出せる。相手は違えど、またあの様な戦いが出来るかも知れない」 そして、だからこそ厳しき戦いを望む。相手は人に対して被害を与えるものとはいえ、気持ちのよい戦いをできればしたい。 その可能性に賭けたいのだ。悲惨で陰湿な戦いをするよりは。 「亜竜は元来手強く、にも関わらず生き汚く、自分の弱点を補う相方まで得た強敵。己の弱さを識る奴は怖いな」 そうした相手にワクワクとしているのは『影の継承者』斜堂・影継(BNE000955)も同じだ。最も、純粋なバトルマニアである影継はもっと単純に戦いを楽しもうとしているようだが。 「アリューかアチョーか知らねぇが、俺達でケリをつけてやるぜ!」 強敵との戦いは自分を高め、いつか憎きフィクサードと戦う時にも役に立つだろう。それを考えて、にやりと口元が緩む影継であった。 「三ツ池公園も穴が閉じないため色々と大変ですね」 苦笑でありつつも、どこか柔らかい笑みを浮かべているのは『子煩悩パパ』高木・京一(BNE003179)である。その手にある仮面は、そんな年齢の割に若々しい表情を覆い隠すためのものだ。 リベリスタはそれぞれの事情を抱えて戦っている。京一もその一人。 「またしても竜、正確にはアザーバイドによりトカゲが変質した亜竜というものですが、それでも強敵です。さて、無事に撃破と行きたいところですが」 仮面を被り、淡々と自己を戒める。無表情に、機械的に動こうと務めるのである。 異質な雰囲気であるが、日常という枠をはみ出した戦いとはそんなものなのかもしれない。 「秋花粉の時期にはまだ早いし……」 異質な雰囲気といえば、いつものパンクロリな格好の上にガスマスクを着用している『K2』小雪・綺沙羅(BNE003284)もまた、妙だ。年齢相応の華奢で小さな体が、余計にそう思わせる。 もちろんガスマスクは花粉攻撃を仕掛けられる戦いのためのものだ。しかし、残暑はまだ厳しい。ガスマスクの中に溜まる汗が綺沙羅は鬱陶しいと思う。 「……無いよりマシ。だけど、これは……蒸れる」 外からは見えないけれどもむすっとした顔をしつつ、一歩一歩大股で進んでく。早く原因を倒してしまいたいから。 それと、研究職(志望)の綺沙羅的に花粉の解析もしたいのだ。それもあって足を早めている。 「酒も無いのに酔えるんはええな!」 花粉のために足を早めているのは『人生博徒』坂東・仁太(BNE002354)もだが、こちらは酔っぱらうという性質に惹かれてのことである。タダで酔っ払う。それは仁太にとって役得なのだが……、 「仁太さん。残念ですが……」 横から京一が首を振りながら作戦を改めて伝える。 「え、作戦上食らったらわし喰らったらあかんの!?」 びっくりして飛び跳ねる仁太。敵の概要を伝えられていた頃から予想できていたことだが、少し悔しくなって歯ぎしりをする。 「うぐぐ……少し吸ってみたい気もするけんどしゃあない、諦めるぜよ」 しかし、そこは素早くポジティブに切り替えることができる仁太である。両腕の甲をぶつけて、豪快な音を立てながら大股で歩き先を行っていた綺沙羅たちを追い越していく。 「しゃあない! しゃあない!」 巨銃を振り回し、少しヤケクソ気味に。 「私とて神秘に携わる身……。何れは竜と相まみえる日も……と覚悟しておりました」 一方、和服越しに薄い胸を抑えている『節制なる癒し手』シエル・ハルモニア・若月(BNE000650)は息をゆっくりと吐いて緊張を解きほぐしていた。 「幻想世界の頂点に立つ竜に挑む皆様を癒し支えるが私の務め」 竜。それは力の象徴。危険な存在。それと戦う仲間を支える役目を持っているのだから、シエルは緊張しているのだ。 「我が身全ての力もて只管癒してみせましょう……」 ぎゅっと袖を掴んで、にこりと笑ってみせる。花粉が強力なこの戦いで癒しは必要だから、シエルはしっかりしなければならない。 「既存の生物を竜と化すアザーバイト。ある意味単純なE化現象より厄介な」 アザーバイドの詳細を聞けば聞くほど、『祈りに応じるもの』アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)は何とかしなければと思う。その清廉な騎士のように生真面目な性格が現れているのである。 「これ以上こちらの生物が感染しない様、駆逐せねばなりませんね」 鞘に収まっている剣に手を添え、やるべきことをやろうと顔を引き締める。そのポーズと相まって美しい顔は険しくも絵になった。 風がそんなアラストールの髪を撫でて、鼻のあたりを花粉がくすぐる。 「……くしゅん。厄介だな」 くしゃみをしても、美しい。 「ふむ、冷静に反撃のチャンスを窺っていたのじゃな。過去の経験を活かすとは中々見所のある竜じゃのぅ」 そんなアラストールを見てくすりと可愛らしく笑う『陰陽狂』宵咲 瑠琵(BNE000129)は、改めて前を見ながらそう感心していた。この先は湿気と花粉が濃くなっており、明らかに木々が増えてきている。シダドラゴンの影響だろう。 「シダが問題児で無ければもう何匹か増えてたじゃろう」 竜が公園に与えている影響は大きい。以前の戦いの跡だと思われる破壊されたタイルの他にも、衝撃を受けて吹き飛んでいる巨木などもある。それを見る度に、神秘の影響を強く感じてアラストールと瑠琵はそれぞれ綺麗で可愛らしい顔を歪めた。 「ちと惜しい事をした気もするが――まぁ、良いか。公園で暴れ回る酔っ払い共を叩きのめすとするのじゃ」 この事態を招いた竜との戦い。そのことに高揚感を感じながら、瑠琵はニコニコとした笑顔に変わってみせた。空気中を舞っている花粉のせいなのかもしれないし、気分屋な瑠琵の気が変わっただけかもしれない。 ともかく。 「泣く子も黙るか弱い乙女は伊達では無いことを見せてやろうかの!」 愛用の銃を構え、ばーんと撃ち真似をしてからウインク。 戦いの宣誓だ。 「では、参りましょうか」 「我が剣、我が全力を以て相対しよう!」 相手は負けを知っている強者。だからこそ、自分たちは竜に負けないぞと、アピールだ。その意気を汲んだアラストールと拓真も、それぞれ武器を構えて宣誓した。 「……ん」 それを見て、シエルは少し迷ったように袖を掴んでから。 「皆様のお怪我……只管癒してみせましょう……」 やはりこれしかないと、顔を上げて宣言してみせた。少しだけ、控えめに。 「ほな、いこか。わしの命をチップにして、仲間のあんたらに賭けるで」 「……そんなの効率的じゃないけど。ま、やるのだよ」 ニヤリと笑った仁太に、綺沙羅は呆れるように両手を上げつつ答える。 「んなもん。やるしかねえぜ。ここまで来たらよ!」 皆の覚悟は、決っているようである。きっと、仮面の下で京一も影継と同じように考えているはずだ。 だから、自然に皆駈け出した。 ●亜竜の警戒 リベリスタの警戒 二体の亜竜と対峙した瞬間から、戦いは始まった。早々に花粉が撒き散らされ、相手からの攻撃が開始されたからだ。 「こちらの気配を辿って来ましたか。できる限り接近は出来ましたが……」 翼の加護によって飛行しながら、花粉攻撃を受けている京一はあくまでも無表情を崩さない。足元がふらつき始めているが、それでも仮面の下は変わらない。守護結界も張り巡らせ、敵の追撃に備える機敏さも変わらない。 「射程に入ると同時って……いやな花粉なの」 花粉と同時にエネミースキャンを行い、相手のデータを綺沙羅は手持ちのノートパソコンに素早く入力していく。その目は据わり気味で、酔っ払いかけているのかもしれない。 「竜と成りし身に元の生物の慎重な性格を宿しておられる……難敵です」 木々に低めの体を隠し、シエルはひょっこりと覗く。抱えたラジコンヘリは陽動に使おうとしたものだが、拓けた場所もなく警戒した竜が前にいる今は迂闊には使えないだろう。 「……今だ!」 しかし、警戒していたのは竜だけではない。影継もまた、地中から接近をしており、花粉が飛ばされた瞬間を狙って飛び出てきた。その手にはナイフと銃、その顔には喜び。 「面白くなって来やがったぜ!」 一筋縄ではいかない。それがたまらなく甘美なものに思える影継であった。 「ごほっ、ごほっ。……行けますよ」 一方、拓真をかばった『非才を知る者』アルフォンソ・フェルナンテ(BNE003792)は咳き込むようにして花粉を受けてしまう。だが、それの顔は満足気で、後ろから飛んでくる拓真に期待の眼差しを送っていた。 「楽しい、か。俺も楽しむとしよう」 それに続くように拓真が双剣と共に飛んでいくが、その途中オオトカゲドラゴンののっぺりした巨体が立ち塞がった。 「強引にでも! 我が剣は道を切り開く!」 振りかぶって思い切り剣を叩きつける。力いっぱいのメガクラッシュだ! その衝撃でオオトカゲドラゴンは木々を薙ぎ倒しながら吹き飛び、道を作り出す。だが、メガクラッシュに合わせた反撃の腕が既に振り回されており、拓真の体も吹き飛ばしていた! 「……ぐうっ! お前も、強引に行くということか!」 そうして作られた時間にシダドラゴンが動き、花粉を飛ばそうと行動を始めるが――、 「どんどんいくよー」 その隙を狙って、放たれた魔閃光が煌めきシダドラゴンの目を暗ます。『初めてのダークナイト』シャルロッテ・ニーチェ・アルバート(BNE003405)による攻撃だ。自信満々に胸を張るシャルロッテはオッドアイの瞳をシダドラゴンに向けて笑った。 「あなたは私の運命かえてくれますか?」 光によって目を奪われたシダドラゴンはその問いに答えることはなく、代わりに腕を無茶苦茶に振り回しながら再び花粉を飛ばしての攻撃を仕掛けてきた。 「守ります!」 飛ばされた花粉から仁太を守りつつも、アラストールは花粉を吸い込んで顔を赤く染めてしまう。 「この、ぐらい……で!」 ふらつく足元に活を入れ、震え始めた鞘持つ手に力を入れる。歯も食いしばって、酔いなどには負けはしないとアラストールは頭を切り替えた。 「守られとる分、しっかり攻撃せんとな」 庇われた仁太はすまんなあと謝りつつ鼻を抑えながらバウンティショットの一撃をシダドラゴンに与えていく。そのダメージは大きく、シダドラゴンの巨体を仰け反らせ、蔦のような翼を吹き飛ばしていく。……この火力の為に、アラストールは庇ったのだ。 「い、いえ……」 まだまだ赤い顔を隠しつつも、アラストールはオオトカゲドラゴンの動向を確認する。向こうもまだ動くはずだ。 「ふむ。……まだ逃げる気はないようじゃな」 リベリスタに近寄ってくる様子を超直感で感じながら、瑠琵は呼び出した式符・鴉をオオトカゲドラゴンに向けて連射していく。巨体に張り付いた符は神秘的な輝きを放ち、オオトカゲドラゴンの顔を真赤にする。 「ふふん。まるで酔っ払いじゃな。……ひっく、あう。酔っ払っておらぬぞー」 花粉の影響を受けている様子。幼い子供のような顔が崩れ始めていて、瑠琵にしてはちょっと珍しい表情を浮かび上がらせていた。 「来るのかー?」 そして、オオトカゲドラゴンの反撃として熱線が瑠琵に放たれたが、それは式符・影人が庇いに入って無効化。爆発と共に影人は四散してしまったが、それでも役目は十分に果たしたと言える。 「竜がいっぱい見えるな……まさか分身能力?」 こちらも酔っ払っている影継。花粉に巻き込まれ、少しずつ頭がぼーっとしてきているが、何とか地中に潜って酔いを覚まそうとしている。 「皆さん、酔っ払い始めて……。癒しの息吹よ……」 そんな風に酔い始めている皆を見つつ、シエルはしっかりしなければと思う。ということで天使の歌だ。 「しかし、こちらの毒も十分に効くようですね。確実に押せていますよ」 綺沙羅のエネミースキャンで手に入れたデータを元に戦闘指揮を取っている放つ京一は全体を見渡し、シダドラゴンにしっかりと毒が入っていることを確認する。綺沙羅が放っていた式符・百闇の力だ。 「当然。データは正しければ、この通りにいく」 式符を持ちながら、不吉と猛毒が与えられ動きが鈍ったシダドラゴンのデータをノートパソコンに打ち込む綺沙羅。 「これが私の役目。どうぞ、後はよろしくおねがいします」 拓真を庇ったことで更なる花粉をいっぱいに吸って前後不覚に陥りつつもアルフォンソは柔和な表情を浮かべて仲間を送り出す。その落ち着いた顔に、拓真は救われた。 「俺がこの任務において、求められる事は確実に攻撃を奴らに当て、奴らをこの地にて叩き伏せる事! 状況を仲間達が整えていてくれている、ならばそれに応えねばならん! 我が最高の太刀を浴びよ!」 全力の斬撃――デッドオアアライブがシダドラゴンに放たれる。 ●決着はオオトカゲの咆哮と共に ダメージとバッドステータスが蓄積したことで傷付きシダドラゴンは怒りの咆哮を挙げて蔦を振り回し始めた。それと同時にオオトカゲドラゴンもまた熱線を放ち、同時攻撃を仕掛けてくる。 「……やるな!」 精度の落ちた攻撃とはいえ、猛攻だ。アラストールは感心しつつもその攻撃から味方を庇い、膝をつく。アラストールは戦闘不能には至らないが一撃は大きい。 「癒します……!」 慌ててシエルが割り込み、天使の息を使ってアラストールを癒していく。 しかし、シダドラゴンはここでもう一度を蔦攻撃放つ。暴れ者の意地があるのかもしれない。 「やらせねえぜ!」 そこに割り込んでいったのは影継だ。後衛を守るために蔦攻撃の射線上へと飛び込んでいった。 直撃。激しい音が鳴り響く。 「……見事だな! だが! これで酔いは覚めたぜ!」 だが、フェイトを使って攻撃の中から影継は帰還! その勢いのまま銃を抜き放ち、デッドオアアライブをシダドラゴンに叩きこむ! 「こいつでお別れだ!」 トドメのナイフを思いっきり投げつけて、シダドラゴンの体を沈めさせる。 「このチャンス……のがさんぜよ!」 そうして沈んだシダドラゴンの体を、仁太のミッドナイトマッドカノンが消滅させていく。これで、一匹の竜は消え去った。 残りはオオトカゲドラゴン。形勢不利と見たオオトカゲドラゴンは逃げようとも思うが――、 「そうはいかんのじゃ! お主の相手はわらわがしてやろう!」 「逃がす訳にはいかないの」 瑠琵と綺沙羅、二つの符が怒りを与え、逃亡を阻止する。更に二人は目の間に立つことでわざと攻撃を受け、味方が動く時間を稼ごうとした。 「……!」 だから、オオトカゲドラゴンは大きな腕を振り回して綺沙羅を吹き飛ばす。 「っ……でも、後少しでレア物!」 しかし、綺沙羅はフェイトを使って立ち上がりつつ。目を輝かせている。目の前にはシダドラゴンが残した大きな花。研究欲というやつだ。 「すまないが、もう御前達はこの世界の異物だ、此処で絶えて貰う」 そうして作られた時間を活かして回り込んだアラストールは剣を抜き放った。 「これで逃げられませんよ」 京一の指示だ。オオトカゲドラゴンを皆で囲い込み、逃がさないようにしたのである。 「それじゃあ、もっといくよー」 「後はよろしゅう」 シャルロッテのペインキラーと仁太のバウンティショットが乱れ飛び、オオトカゲドラゴンの巨体を削る。削る。 バッドステータスが蓄積し、うまく動けなくなったオオトカゲドラゴンはこうしたリベリスタ達の攻撃をよけきれず――やがて、沈んだ。 そして、 「神秘が実在する、輪廻転生や天国もあるだろう、だから次の生では幸多からん事を」 トドメはアラストールのリーガルブレードであった。 「……祈りを」 研ぎ澄まされた刃によって亜竜は解体され、バラバラになって崩れ落ちていく。こうなってしまえば、もうおしまい。 「これで世の中は無事平穏。何よりですよ」 仮面を外して赤い顔を見せながら、京一は笑った。普段表情を隠している彼がこうして笑うのは、花粉のせいなのかもしれない。 「……なのじゃ~」 瑠琵が最後に倒れこんだのも、たぶん酔っ払ったせい。 「うっ……」 「おうっ……!」 影継や仁太もまた、二日酔いに悩まされたという。 「……ともかく、決着だ」 そんなわけで、締まらないがこれで決着である。亜竜はリベリスタによって倒され、危機は去ったのだ。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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