「やだやだ! 花火するんだー!」 アークにある広場の一角。そこで花火セットを抱えた『首を突っ込みたがる幼き賢者』ミカ・ワイナミョイネン(nBNE000212)がスタッフに怒られていた。 何でも一人で花火しようとしていた所を止められたらしい。何故そんなことをした。 「だって打ち上げ花火とかロケット花火とかやってみたいし」 ミカの両腕には大事そうに花火セットが抱えられ、止められたのもあってぶーたれている。 「まさかこの花火を一人でやるつもりだったのか?」 「うん」 ミカは出迎えに来た青年に話す。 「なるほど……確かに俺の出番だな」 『ブレイズ・オブ・ジャスティス』焔藤 鉄平(nBNE000010)は頭を掻きつつこの状況を把握し終える。 要するにミカの保護者役を買って出てくれということだろう。解放した後にどこかで一騒動起こされては堪らない。 それ以前に一人で花火というのも寂しかろう。鉄平はミカを見つめ、提案する。 「一人で花火してもつまらないと思うぜ? どうせなら、メンツ集めてやろうぜ」 「んー、いいけど数が足りなくなりそう?」 花火セットを両手で抱えたまま、ミカが言葉を続ける。 「それぞれ持ち寄ってみんなで楽しめばいいさ。花火って思った以上に色んな種類があるんだぜ?」 鉄平の説得に、不安げだったミカの表情が次第に明るくなる。こうなれば話は早い 「じゃあさ、場所の確保お願い!」 「えっ」 「僕は人集めてくるからさ、お願い!」 花火を押し付けるミカと、急展開にやや困惑する鉄平。 「……まぁ、いいぜ。せっかく乗った船だ」 「さっすが! それじゃあとヨロシク!」 ダッシュで部屋から出ていくミカに、鉄平もスタッフもやれやれといった表情を浮かべる。 かくして、各自で花火持ち寄りの花火大会が行われることとなった。 この夏の終わりに向け、思い出作りに一花咲かせてみてはどうだろうか? そういえば何かを忘れている気がする。 勉強にアークの仕事に、バイデン退治。この夏はとにかく忙しかった。 それだけに何か抜けている気もするが……一体何だろうか? |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:カッツェ | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年08月28日(火)22:54 |
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●始まりの活気 夏の風物詩は様々あれど、無くてははならないものがある。 スイカに祭り、そして花火。 夜空を彩る大花は年中見られるかも知れないが、やはり夏の夜が一番映える。 それは大なり小なり、人が集まれば楽しみ方も増え、そして場に活気があふれる。 「あれれ? やたいのおみせないのかな……」 しょもーんとするミーノ。お祭りといえばやっぱり屋台。 だが今回はあくまで花火を一緒にやることが目的で、食べ物のことを考えていなかった。が――。 「くんくん……いいにおいがするのっ!」 ふと香るソースの匂いの導かれるまま、ミーノの足が進む。 「アレ、ミーノどこイッタ?」 いつの間にか消えたミーノを探す相棒のリュミエール。屋台がないのでお菓子を沢山持ってきたのだが、ねだった当人はどこへやら。 「……このニオイ、もしかしたら」 リュミエールの足もまた、人だかりへ向かっていく。 「さぁさ、みんな丸富食堂の焼きそば&お好み焼き屋台だよっ」 丸富食堂の屋台は大繁盛、花火とは違う音と匂いを立てて人々を招き入れる。 「折角の花火大会ですし、食べ物や飲み物もないとですね」 慧架やジョン、エリスに茉莉といった面々も近くで紅茶やクッキーなどを振舞っている。彼らがいれば食糧問題もひとまず安心だ。 「あっ、リュミエールもきたのっ」 「来たのジャナイゾ、世話が焼ける奴メ」 お好み焼きを頬張り、クッキーを手に持つミーノの口元はソースまみれだ。 「ハハハ、あんたも大変ねぇ。いいのいいの、笑顔が一番さ」 破顔の表情でふくよかな体を揺らし、ミーノの顔を拭くリュミエールを慰める富子。 「ごちそうさまなのっ!」 「お腹が空いたらいつでもいらっしゃい。はいよ今行くからね!」 そのまま笑顔で焼きそばの注文を受ける富子。 彼女は戦いだけじゃなく、食で皆に元気と笑顔を与える。無限の愛と体力で人々を守ると誓ったのだ。 「そう、護って見せるさ。ねぇ、花子」 ふと夜空を見あげ、想い起す富子。 花火大会は、始まったばかりだ。 ●静かに、穏やかに 「皆やってるな。あっちの方は随分と派手にやってるが……」 甚平姿の猛が呟く。 花火にだって派手なものもあれば、静かなものもある。 喧騒から離れ、2人きりの時を過ごす者も多かった。猛とリセリアもその1組。 「一応、調べてみたりしましたけど……」 大きくしようと試みるが、リセリアの火玉は大きくならずに落ちるばかり。 「難しいんだよな」 性格的にも向いてねぇか、と一笑する猛。彼の線香花火も既に落ちている。 「まあ、そううまくはいきませんよね」 結果にお互い苦笑い。 もう一本、リセリアが線香花火を手に取った瞬間、猛がその手をそっと握る。 驚いた彼女の手から花火が滑り落ち、河川敷に横たわる。 「俺さ、リセリアの事が好きだ。それは、変わってないから」 静かに、しかし真っ直ぐ。猛はリセリアを見つめ、告げた。 「……うん、ありがとう。猛さん」 リセリアは目を細め、笑みを浮かべる。嬉しさと恥ずかしさに、頬も赤くなる。 何時も真っ直ぐな人。リセリアはそんな猛のことが憎めないのだ。 「えと、アリガト……」 「いいよ。俺も花火見たかったし」 お礼に驚きながらも、瑠輝斗の保護者として同行する紅麗。 『誕生日オメデトウって文字が出る花火とかあったりしないかな……』 打ち上げ花火を囲って大騒ぎしているミカ達を見、考える紅麗。それを果たすには流石に大掛かり過ぎるかもしれない。 「あの……花火。しませんか……?」 何か考え事をしているので、相手をしてくれるだろうか? 不安を拭いながら、恐る恐る花火を差し出す瑠輝斗。 「えっ? ……有難う」 もう一度驚きつつ、紅麗は花火を受け取る。今日の瑠輝斗は心なしか積極的な気がする。 「わぁ……」 「自分でやる花火も、こんなに綺麗だったんだな……」 火をつければ、色とりどりのスパークが夜の帳を裂き、輝きで彩る。 そんな久々にやる花火にはしゃぐ瑠輝斗と、保護者役とはいえ瑠輝斗と一緒に楽しむ花火。 「悪くないね、こういうのも」 紅麗は感慨深く呟いた。 「もうすぐ一年ね」 「何が?」 「御厨くんの命日」 線香花火を持ったまま、夏栖斗が吹き出す。 「殺すなよ! 足、ついてるだろ?!」 「冗談よ、冗談です」 そう言い、こじりの火玉が夏栖斗の牡丹を奪うようにくっつく。 「うお、ずりぃ!」 こじりの牡丹が輝きを増す中、夏栖斗も再び線香花火を取り出す。相変わらずの負けず嫌いだ。 「慎重に、慎重に――」 不意にほっぺに触れる、やわらかな感触。 「また、私の勝ちね」 「……ずりぃ」 口元を軽く抑えつつ、再び花火をくっつけたこじり。 夏栖斗も不意打ちにうつむく。 ふと、心配げに見えたこじりの横顔が見える。 「心配させてゴメンな。まあ、僕ヒーローだしちゃんと帰ってきたしさ」 フォローになっていないフォロー。 「死なないって約束したもんな」 それでも肩を抱き、思いを伝える。こじりは何も言わず想いを受け止める。 付き合ってもうすぐ1年。互いに死ぬことなく、今を謳歌する。 「ふふ、よく似合っているね」 「そう、ですか?」 レイチェルの髪飾りをそっとなでつつ話す夜鷹とは対照的に、レイチェルの顔は若干不安げ。 夜鷹は自分のことをどう思っているのか。 そして、自分が彼を振り回して、迷惑をかけているのではないか……? 「…………」 考えれば考えるほど、募っていく思いに、ため息も漏れる。これでは折角の浴衣も台無しであり、夜鷹もその様子をみつ花火をセットしだす。 「さぁ、レイも火をつけて」 夜鷹にそそのかされるままにレイチェルも導火線に火をつける。 一度噴き出せば次々と噴き出している光の柱。火傷をしないようレイチェルが離れようとしたその時、突然、足元が浮く。 「えっ、夜鷹さん……!?」 突然のことに驚き、思わず夜鷹にしがみつくレイチェル。彼の浴衣を彩る鳥の意匠がよく見て取れる。 やや上から、そしてそれ以上に近い位置で見る花火は、地に足がついている時よりもずっと綺麗だ。 「ふふ、こうして花火を足元に見るのも新鮮だろう?」 「……ありがとう」 でも、次は一声かけて欲しいと告げるレイチェル。 夜空の星、地に咲く光花。隣には可愛い妹分。 「来年も一緒に花火出来るといいな」 来年も再来年も、このまま時が止まったっていい。 ずっと一緒に居られるよう、2人は一緒に煌めく光を見続けた。 想い起せばこの夏は戦い続きだった。 その中で友人や親友と築いた時間も大きく、過ぎるのもまた早い。 「だからこそ、今こうして花火を楽しめる時間は……本当に貴重ですね」 悠月の火玉がおおきく膨れていく。心許無い火を眺める余裕も久しく、この日常もリベリスタが得たものの一つと言える。 「何れは、この花火の様に輝き……俺も消えるのだろうな」 かすかに火花を放ち始める線香花火を眺め、拓真が語る。 始めはくすぶり、おおきく弾け、そして萎み堕ちる。 この線香花火のように戦い、やがて燃え尽きるのもまた本懐か。少なくとも拓真に死を恐れる感情はないが――。 「それでも……どのような末に行こうとも、月は……常にあなたのお側に」 生真面目な拓真に微笑みかける悠月。 「叶うならば、死ぬ間際まで──」 笑みに応えるかのようなその一言。死を恐れぬ彼の拠り所。 弾ける2人の閃光は、まだまだ消えそうにない。 静かな時間は、まだまだ続いていた。 ●激しく、火の如く 「うふふふふふふ、花火はたのしいなあ……」 隅っこで一人、線香花火をしている竜一。間が悪いことにミカも鉄平も大忙しのぼっち花火。 線香花火が散りゆく様子に人間の命をなぞらえる様は、見てて涙を禁じ得ない。 「うふふ、あはは……はぁ」 くそう! ヤケだ!! 竜一が打ち上げ花火を取り出し始めたところで視界を別の方向に向けてみよう。 締まった浴衣姿に映える坊主、そしてサングラスを身につけた様は、まごうことなき僧職系男子。 「見よ、この華麗なポーズ! そしてこの花火二刀流熟練Lv10(ツインファイアートーチ・マスタリー(自称))の姿を!」 「くわぁー! フツの花火すごい! あひるも芸術的花火で、あっと言わせるんだ……!」 あひるも負けじと二本の花火に点火する。 「てやーっ、てやっ、て、熱ッ!?」 「あひるの二刀流はかわいいなァ」 その横顔からはどこか大人な感じが漂い、ほんのりと鼓動も早まる。 「そうだ、あひるが持ってる花火で字を書いてみてくれ!」 「花火で文字を書くの、任せて!」 言われるがまま、大きく『だいすき』と書くあひる。 「どう? どうかな……?」 振った手をおろし照れつつ、尋ねる。 答えは、何となくこの動作を見て確信を得たかもしれない。 「ンー……わかった!」 「わあっ、本当に綺麗……」 「あまりやったことがないようですので、どうですか?」 筒より吹き出す色とりどりの光。 三千は藍に黒帯でシンプルに、ミュゼーヌは水色に花で涼やかに。 互いの浴衣姿が花火に一層映える。 「あ……」 花火の勢いが弱まり、消えていく。 「むう、もっと続けば良いのに」 むくれつつ、三千の用意した花火を手に取るミュゼーヌ。 (なんだか、いつもより少しはしゃいでいるように見えます) いつもとは違う彼女の姿。いつもは無い浴衣姿に仄かな幸せを感じ、ボンヤリと見とれてしまう。それは不思議な事でもなんでもなく、どことなく子供っぽくも見えるのは浴衣が魅せる魔力か。 「ほら、三千さんも。もっと楽しみましょう?」 「あっ……はい」 ぼーっとしていた三千を目覚めさせたのは、ミュゼーヌの言葉。 彼女は火の着いた花火を、未点火の花火にくっ付ける。 「花火同士のキス……ふふ、なんてね」 その笑みは、童心を思わせる楽しげなものだった。 「浴衣で来るのも久しぶりッスね」 「思えばこうして会うのも2回目ですしね」 花柄の浴衣にに黄色リボンの着いた帽子を被るリル。普段とは違って、活発なイメージが見え隠れする。 一方で凛子は紫地に蝶と椿が刺繍された浴衣。どちらの刺繍も金糸と銀糸で作られていて、シックで豪勢な印象が強い。 「火を使うので危ないですからね」 両手に握られた花火をみ、凛子はリルの手を握る 「子供じゃないッスから、大丈夫ッスよ」 手を握る凛子に反論しながらも、ライターで火をつけていく。 「それじゃ、行くッスよ」 花火に火がつくと、舞うように踊るリル。 散る火花、浴衣に映える姿はまさに夏の妖精。 「どうだったッス?」 「えぇ、格好良かったですよ」 凛子はリルをねぎらうように、タオルで彼女の汗を拭いた。 「愛華ちゃん、どの花火からいこうか」 疾風はバケツを準備し、愛華の買ってきた花火を見る。どれもこれも専門店で仕入れた変わり種揃いだ。 「それならぁ~やっぱりこれ!」 マシンガン型の花火を構える愛華。もちろんガワは紙製だ。 「ファイヤぁぁぁ!!」 掛け声とともに砲身の先端から花火が勢い良く弾け出す。 音も合わさればそことなく発砲している気分。浴衣姿なのでよりキュートだ。 「よし! 次はこれで行くか!」 疾風もネズミ花火に火をつけると、ヒュルヒュルと激しく回転しながらあちこちに走り回る。 「きゃ~!」 愛華もはしゃぐように走り、勢い余って思わず疾風に飛び込む。 「わっと、大丈夫?」 とっさに受け止める疾風。彼女の方に花火が向かうとは思ってたが、まわりまわって彼女自身が飛び込んでくるとは思わなかった。 「えへへぇ、今日も疾風さんは素敵なのですぅ」 受け止める疾風。彼に抱かれたまま照れる愛華。 また一つ、新しい夏の思い出が増えてしまった。 「ちょっとレイチェル、大丈夫?」 「大丈夫……」 慣れない下駄にふらつくレイチェルを気遣う暁穂。 そんなレイチェルは慣れない中でも見とれるのは、相方の浴衣姿。 「暁穂の浴衣姿……可愛い」 「……ありがとう、それより花火するわよ!」 派手なものをたくさん用意してきた暁穂。彼女の手にもすでに手持ち花火が握られている。 早速火をつければ、彼女もまたグルグルと花火を振り回りだす。まるで暁穂自身が花火にでもなったかのようなはしゃぎようである。 「危ないよ暁穂ー。……もう」 「だって綺麗だし、楽しいし!」 そんな暁穂をやんわり制止するレイチェル。バレたら怒られそうだが、こんな大騒ぎな夜だからこそ少しぐらいハメを外したくもなる。 あまりに楽しそうな暁穂の姿に思わず笑みも浮かび、見とれてしまう。 青の浴衣に青の髪。桜の浴衣に金の髪。 2つの光が夏の夜空に飛んでは跳ねる。 「葛葉さん……ですよね?」 「む、トムソンではないか。以前の依頼ぶりだな」 息災そうで何より。葛葉は笑みを浮かべて言葉を返す。 それ以上に、ミリィの思う所がある。何度も死線をくぐり抜けてきた戦友だからだろうか? 「良かったら一緒に、花火しませんか? 此処に居たって事は、少しはその気があったんですよね」 葛葉はしばし考え、頷く。 「……そうだな。ただ周りの光を眺めて回っていたが」 一つ、二つと重なる言葉のキャッチボール。 この縁もまた必然、付き合うのも悪くないかもしれない。 「と、そうだ」 受け取った花火に点火しようとするミリィの手を止める葛葉。 「どうしましたの?」 ミリィが思わず尋ねる。 「始める前に焔藤を祝いに行こう。誕生日らしいからな」 「なにか引っかかってると思ったら、焔藤さんの誕生日でしたわね!」 ミリィはポンと手をうち、頷いた。 河川敷では真独楽と杏が大量の打ち上げ花火を持ち込んでいる。 明色ピンクの浴衣と、大人っぽい暗色の浴衣。対照的な浴衣は2人の個性を更にひき立たせる。 「一人じゃできない『必ず大人と一緒にやってね!』って書いてあるおっきくてハデなやつ。いっぱいやるの!」 「そうね、まこにゃんのリクエストどおり一杯買ってきたし――」 数個やり終え、ふと考える杏。いろんな花火があれど、ちと買いすぎた。 「どれからやる? どれも超楽しそう!」 そんな真独楽の姿に妙案が浮かぶ。 「一つずつするのも良いけれど、もっと派手に行きたいわね」 ひとまず10個ほど近づけずに並べるよう、真独楽に指示を出す杏。 「こう?」 言われるがままに並べ出す真独楽、河川敷に打ち上げ花火が並ぶ。 「それじゃあ行くわよ、離れてて頂戴」 離れると同時に杏の指先から電光が走る。しばらくすれば花火が一斉に打ち上がり、吹き出し、様々な色と音を立てながら飛び上がる。 「おぉ~っ! スゴイスゴイ! お星様みたい!」 「あんまり近づくと火傷するわよ」 暗視ゴーグルをかけたまま飛び出そうとする真独楽を抑え、杏は誰よりも愛しい彼女の喜ぶ姿を見て楽しむ。 ほんの数十分ではあったが、そこだけは小さな花火大会と化していた。 「ミカのやつどこへ行ったのやら……って、何してるんだ?」 ふと鉄平が見ると、リンシードが自分に花火を向けては避けている。 「一体何をって、あぶなっ!?」 注意しようと向かう鉄平にまで飛ぶ。 「あ、鉄平さん。誕生日おめでとう……」 「いや、ありがたいけど危ないぞ」 「でも、楽しいです、花火……」 これには流石の鉄平も頭を軽く抑える。遊び方が根っこから違うのだ。 「……折角だしやるか?」 「あ、それだったら……」 リンシードが取り出したのは蛇花火。 「これはこれで面白いんだよな」 火をつけてみると、煙と共に中身が蛇のようにうねって飛び出す。 「地味、ですね……なんというか、しんみりします」 「戦ってると爆発とか炎上ばっかだけど、こういうのもあるんだ」 「火は、正しく使えば、便利ですし、綺麗ですね………」 戦いとは違う火の在り方。戦いに焦がれる炎とはまた違った趣。 「おぅ鉄平さんも飲むのかい?」 「俺は遠慮しておくぜ。まだまだ回らないとまずいしな」 「そいつぁ残念」 タバコを咥えてビールを持ち、御龍も派手さに惹かれてやってくる。 その手に持つのは三連式の打ち上げ花火。大きさも相まってちょっとした花火玉が入っているのではないか? と思わせる大きさだ。 面白そうとはいえ、打ち上げればさぞかし目立つだろう。 「さー皆でやろやろ見においでってねぇ」 タバコの火でつけた導火線は徐々に燃え、着火と同時に赤・青・黄色の小花を順番に夜空に打ち上げる。 「そーれたーまやぁってかぁ!」 「こいつは綺麗だな!」 予想通り。ドンピシャな派手さに一気に飲む缶ビールが一際美味い。 「ぷはぁ! 夏はいいねぇ、あたしゃ夏が大好きだよぉ」 「こういうのが見られるのも、夏の醍醐味だからな!」 祝福の言葉を受ける鉄平。しかしその傍らで、何やら騒がしい声も聞こえ出す。 場所はまたもや代わり、今度は河川敷でも一際アルコール臭漂う一帯に移る。 「うわははははははは! この火力! この派手さ! これこそが花火だぜ!!」 「うん、そうだね。リア充爆発……」 ロアンはふと言いかけた言葉を止め、その近くで酒を飲みつつ花火を眺める。だって神父だもの。 湿度の高い日本の夏、常温酒もいいがキンキンに冷えたビールもまた乙というもの。持参したワインやビールに釣られてか、劉やディートリッヒといった酒好きリベリスタ共が集まっている。 その中でビールを煽りつつ、大量の花火を振りまきつつ大はしゃぎの隆明は酒もあってか一際荒ぶっていた。 「やっぱ、こう、景気よくやってこその花火だと思うんだよ。なぁロアンさん」 「そうだな、けど迷惑をかけるような飲み方は無しだぜ」 ロアンとは違う声に、隆明が振り向く。そこには――。 「鉄……平……?」 そこには確かに、隆明を見据える鉄平が居た。 ●少し早い、そんな誕生日 「誕生日だって?おめでとう」 「あ、あの、お誕生日。オメデト、ございま……」 「ありがとう! って、大丈夫か?」 「は、はい……。ちゃんと言えてたか、不安で……」 不安に言葉が震える瑠輝斗。 「大丈夫、ちゃんと言えてたぜ」 どんと胸を叩く鉄平。声は小さくても、祝ってくれる気持ちは十分に伝わった。 「鉄平さん、ちょっと……」 そんな中、エナーシアが呼び止める。 「お! この前はありがとうな。どうしたんだ?」 「いえ、これ……お誕生日おめでとうだわ、鉄平」 「あっ!」 ハッとする鉄平。この男、時期も相まって自分の誕生日をすっかり忘れていたのだ。 指摘されて初めて気づくこともある。鉄平は頭を掻き、ひどく恥ずかしそうだ。 「ヘヘ、ありがとうな。でもなんでそんなコソコソしてるんだ?」 「だって、欠食児童に定評のあるアークのこと――」 「あぁ……」 全部言わずして鉄平も理解し、2人は少し離れてこっそりやり取り。 「それに、この間お世話になったからね」 一口軽く頬張ると、パイ生地の軽快な歯ざわりとリンゴの甘い香りが口に広がる。 「滅茶苦茶になってしまったけど……おっと。まぁ、また立てなおそうぜ」 途中まで食べつつ話す姿は、どこか子供のようでもあった。 「お誕生日おめでとうです、皆でやる花火なんて何年ぶりかしら」 鉄平の誕生日祝いもそこそこに、そあらは持ってきた花火を探る。 昔と比べてバリエーションが格段に増えた花火。その中でもそあら一押しなのが――。 「このいちごはなびなんて、いちごの香りがする花火とかおいしそうなのです」 赤いボディに緑のへた飾りがついている可愛らしい花火。いかにもいちごっぽい。 「着火! です」 早速火をつけると、花火は一気に吹き上がり赤い果実を象る。 「なんかいちごっぽいです! きっとこの後、いちごの香りいっぱいになるに違いないのです」 ワクワクしながら花火を見続けるそあら。 まだまだ待つそあら。 徐々に火は小さくなり、そのまま果実はしぼんで白煙が上がる。 「……普通に火薬が燃えたにおいしかしないのです」 しょんぼりするそあら。 「匂いはオマケみたいなものだからなぁ」 鉄平はそんなそあらをただただ慰める、それにしても珍しい花火があったものだ。 「鉄平兄さん、花火しようぜ!」 「おう! 随分いっぱい持ってきたな」 ツァイン、優希、翔太の三人が花火持参でやってくる。 彼らの持っている花火もまた、打ち上げや仕掛けが沢山の派手な花火。種類を見てると個性も見えてくる。 「それで火は――」 「俺だ!」 花火を暗器のように構える優希。 「お前か!」 優希はそのまま、業炎撃の構えに映る。 「いやいや待て待て待て!」 思わず制止する翔太と鉄平。 「――などということはない。花火とは戦いであるが、俺は真面目でもあるのだ」 火力を極限までゆるめ、ホッとする鉄平。ただし優希の手の中にあった花火は勢い良く火花を噴き出している。 「炎を火種代わりにして着火、それに優希の体力消費とかは知らないからな」 このエコは新しい! と力強く答えるツァイン、お前が火付け役か。 「まぁな、確かにエコだが強火はなしだぜ」 そう言いながら線香花火を向ける鉄平。 「了解だ」 「……まぁ、楽しいならいいけどな」 きつく言及しつつも火をつけさせようとする鉄平を見、翔太は気だるげに3人を見る。 静かに大きくなっていく花火は鉄平の大柄な体とは対照的にまだ小さい。それが徐々に大きくなっていき――。 「あー! うわー! やっぱりそうだ!」 「おおっ!? って、あちゃぁ……」 鉄平の後ろから千景が声をかける。驚きのあまり思わず線香花火も落ちてしまう。 「一緒に写真いいですか!? 色紙も持ってくればよかったなぁ、折角ラムダの声優さんに会えたんだし」 「おいおい有名人なんて照れるじゃ――ラムダ?」 携帯を向けつつ大はしゃぎの千景に思わずニヤけた鉄平も、最後の言葉に思わずきょとん。 「え? ニチ朝の特撮、架空ファイターλの主人公の方じゃ」 「あー、人違いだな」 そして意気消沈。わかりやすい男だ。 「ジョークだよジョーク! 今日の定食にプチトマトが出たから反応が見たかったんだ」 「酷い理由だなぁ!」 「そう。同志鉄平こそは幻のメタルフレーム。三高平大学特撮サークルの見えざるレッドという――」 さり気なくベルカも混ざってきた。 「いやいや俺はここにいるから! 強いて言えば陰ながら戦ってるってところだ」 慌てて取り繕う鉄平に横で見ていた千景も思わず顔がほころぶ。 「ひとまず誕生日おめでとう『ブレイズ・オブ・ジャスティス』」 反応が楽しかったと言い、千景はその場から立ち去る。 「ハハハ……まぁ結果オーライか」 見送る鉄平も内心『まだまだ頑張らないと』と感じる瞬間だ。 「それより同志、もとい鉄平先輩! 私と共にこの100連発ロケット花火「カチューシャ」を……」 一緒にやろう、と言いかけた所で線香花火に気づくベルカ。 「なるほど、先輩は随分詫びた花火を楽しまれていらっしゃる」 「俺もゆっくりしたい時があるからな」 改めて線香花火に火をつけて眺める鉄平。 「ふむ、なるほど……ああそれと、ちょっと早いけど誕生日おめでとうございます」 「ありがとう。あっちの方角なら人もいないし、思い切って打っちまっていいぜ」 人のいない方に目を向けつつ、パチパチと大きくなる鉄平の線香火花。一瞥しながら、ベルカも意気を上げる。 「よし! 明日に向かって発射あぁ!!!」 1本の導火線から伝搬し、次々と音を立てて打ち上げるロケット。響き渡る発射音と万歳(ура)の声。 ソビエトロシアでは花火の美しさがあなたを決める。そんな言葉が浮かんで消えた。 「そうか、焔藤は誕生日なのか。なら焔の縁だ、これを――」 「1週間ほど早いけどな。っと、そいつは焔が持っててくれ」 火のついた花火を投げ渡そうとする優希を制止する鉄平。 打ち上げ花火を堪能したあとは、翔太の持ってきた線香花火でゆっくりと楽しむ。 「去年の福利厚生を思い出すな。外出るのが面倒でラウンジでコーヒーばっか飲んでた」 「悪いものではなかったな」 「去年もそうだが、今年もあるんだろうなぁ」 遠い目で回想する鉄平。時村司令プロデュースの福利厚生、南の島のひととき。今年もあるわけだがこの場ではまだ言えない。 「買ってきたぜ。なんだ福利厚生の話か?」 走って帰ってきたツァインも輪に混ざる。 「俺炭酸パスな」 「ならもらうぜ」 サイダーのペットボトルを袋から取り出す鉄平。 「懐かしいなぁ~。カジノでブラック・ジャックやって、その後皆で飲んで……確かあの時泣いてた奴がいたっけな」 「あー、そういえばそうだな……」 鉄平の口数が少なくなる。 「そうそう、誕生日を忘れ……あ」 沈黙が続く。 3人が顔を見回し、2人の視線がツァインに突き刺さる。 そう、回想すると誕生日を忘れていた理由が――。 「て、鉄平兄さん! 早く飲まないと飲み物が温くなっちまうぜ」 何か察したのだろう。ツァインが大慌てで路線変更、もとい諭す。 「それもそうか! んじゃありがたく」 そのまま栓を開ける鉄平。 その瞬間、光の柱ならぬ炭酸飲料の柱が鉄平の目の前に立ち上った。 「悪い悪い、ちょっと取り込んでた」 「いえ、お構いなく」 サイダーまみれの体を拭くなど、なんやかんやをひと通り済ませ、鉄平は隆明と遭遇した酒盛りの一団に戻る。 ここからは酒を交えつつの社交場だ。 「言ったなぁ、凄く懐かしいぜ」 快と日本酒を酌み交わしつつ語り合う2人。軽く出来上がらせた一品は、新田酒店自慢の逸品だ。 『居なかったら誰かが困る』という言葉は、今も変わらない。 異世界で戦っている間にもボトム・チャンネルでは相変わらずエリューションが革醒し、フィクサードが暗躍している。 それらを見えぬ所で支えるのもまた、ヒーローの在り方。 「そう言っても俺も最初がおっかなびっくりだったし、目立つことばっかり考えてたからな!」 ニカッと笑う鉄平。 「あれから俺もいろいろあって、戦う意義や目指すものが見えてきたと思う。 だから、鉄平さんには感謝してるんだ」 「へへ、そう言われると照れるな」 照れ隠しに日本酒を飲み干す鉄平。顔が赤いのは酒のせいだろうか。 「なら、その道を極めちまえ! 皆がみんな同じじゃつまらないしな!」 まさか自分が手本になるとは思ってなかった鉄平も、酒もあってか快の言葉にはすっかり浮かれ上がってしまった。 「うわ、酒臭っ!?」 「よっ! さすがにミカにはまだ早いぜ」 アルコール臭に思わず鼻を押さえるミカ。そんなミカに抱きついている影が一つ。 「知り合いか?」 「んー、まぁチョコもらった仲的なそんなの」 影の主こと陽菜は、ミカにベッタリくっついて耳や尻尾にご執心。 「というわけでミカちゃんはアタシが責任を持って見守るので、安心して誕生日を祝われにいってください!」 体よく追い払う気まんまんで鉄平に詰め寄る陽菜。 そろそろ『準備』もしなくてはならないし、酔いも覚ましたい。タイミング的に願ったり叶ったりだった。 「分かった分かった。それじゃ最後まで楽しんでってくれよ!」 それじゃあと、腰を上げる鉄平。 「あぁそうだ誕生日おめでとう、これどうぞ!」 「サンキュー! あまりはしゃぎ過ぎるなよ?」 投げ渡されたノンアルコールビールを見事キャッチ。 そのままミカのお守りを孝平や真琴ら大人のリベリスタに任せ、鉄平は言われるがままその場から退散した。 ●少年少女の(過激な)戯れ 「綺麗だね~」 「まぁキレイだけどー、う~……」 吹き出し花火をしながら陽菜に耳や尻尾をもふもふされるミカ。 嬉しいやら自尊心がチクチク痛むやらでちょっと複雑な顔のまま、借りてきた猫のようにおとなしくしている。 「あ、あの、宜しければ私と一緒に花火――」 「おっ、やろうやろう! 僕もでっかいの持ってきてるし」 「わ、はい……」 そんな時にやってきた櫻子はまさにうってつけの相手。ピコピコ動く櫻子の耳に、ミカもピンと耳を立てて即反応。 「ミカさんはどんな花火がお好きですの?」 「おっきな打ち上げのも好きだし、こういう線香花火も日本ぽくて興味あるな」 うねうね動く櫻子の尻尾に合わせ、思わずふぁさふぁさとミカの尻尾も揺れる。 そのまま吹き出し花火を準備し、火をつける。 「ミカ、スオマライネンか? ……苗字ガソレッポイガ」 スオマライネンとはフィンランド人の呼称。苗字から同郷の感を感じたのか、ここぞとばかりにリュミエールが聞く。 「そだよ。この苗字はお気に入りの一つだし、僕の誇りってやつだしね」 「ソウか、苗字は大事ダモンな」 自信満々な顔をするミカ。同じフィンランド出身でも、話し方に差がある2人。それもまた個性。 「てやー!」 「おおっと!? へへーん、残念」 「セーフ」 投げ込まれた癇癪玉を超神経反射で避ける2人。 「ちぇー、でももう一個はどう?」 「へ?」 予め陽菜がミカの着地点に投げ込んだ癇癪玉が弾ける。 「うわわーっ!?」 驚きのあまり尻尾が膨れ上がり、その場から一目散に退散する。 「ちょうどいいし、他の人はーっと――」 「初めましてミカさん。えっと、その……」 「ナイスタイミング! 花火やらない?」 「やりましょう!」 亘がなかま(?)になった! 離れた場所で、しばし花火を楽しむ2人。 「ミカさんは、好きなモノとかあるのですか?」 「好きなもの? いろんな人に話を聞くことかな」 アークにはいろんな人種、境遇の人が集まる場所だ。まっとうな一般人だったリベリスタから闇組織の一員、フィクサードと様々。 とりわけここは急成長を続ける組織。そんな所で一線を張るリベリスタの話や報告を聞くのが一番の退屈しのぎとミカは語る。 「それなら、もっと派手にやっちゃいましょうか!」 亘が花火を持ったまま羽根を広げ、上空に飛べば火花が滝のように降り注ぐ。 「おぉ飛んだ! 僕も負けてられーん!」 そのまま旋回する亘に対し、ミカもち上げ花火を設置して火をつける。 「行くよー!」 「ゴーゴゴー!」 「ミカちゃんみっけ! まてー!」 「来たー!?」 花火が打ち上がり、癇癪玉が鳴る。 走り回る少年少女。 「何か騒がし……ミカきゅん来たー!?」 喧騒から少し離れたところにいたせいか、面を喰らう竜一。 空より火花の飛沫が輝き、赴くままにはしゃぐ3人。 そんな少年少女達の戯れはしばらく続き――。 「ごめんなさい」 ミカ、亘、陽菜の3人は偶然見ていたアルフォンソにたっぷり絞られた。 止めるどころか火に油を注いでたミカは一際咎められてしょんぼり。 花火は確かに楽しい、だけどハメを外すと危険な遊びでもあるのだ。 ●ラストサプライズ ~大きな花火を打ち上げろ~ 河川敷の反対側。そこでも数人のリベリスタがいそいそと準備している。 その中で、黙々と作業をしている鉄平らに向かって忍び寄る影が一つ。 彼女は作業中の鉄平にこっそり近づき、囁きかけた。 「やっぱり持ってきてたのね」 「おっと!?」 のぞみの声に驚き、振り返る鉄平。準備をしていたのは発射台に点火装置、そして大玉が3つ。 そう、以前倒した大玉型E・ゴーレムと同一日に作られた大玉。安全面に関しては問題なし、むしろ打ち上げないと何かしらで暴発しても困る。 そこで鉄平はこの場で処理――もとい打ち上げてしまおうと考えたのだ。 「気づかれてしまっては仕方ない。ここで……見るか?」 「こわいこわい。ええ、今度はしっかりと見たいですしね」 戦いではまともに見る余裕のなかった花火。しかし今は戦いを忘れ、ゆっくりと特等席で見ることができるだろう。 花火のストックも切れ始めたが、徐々に静けさを取り戻していく河川敷。 その中で、まだ残る花火を眺めながら、リサリサは思いにふける。 「日本の風情というものは良いものです……」 彼女の記憶の中に残る日本の風景、日本の風情。 かすかな差異はあれ、リサリサはこの平和な風景や平穏を少しでも長く守って行きたいと強く願う。 「ワタシもまだまだ未熟な存在。もっともっと強く、護りたい人を護れる強さを……」 そして、彼女も強くならねばならない。護りたい人を護るために、この力を役に立てるために。 その想いに呼応するかのように、夜空に快音が上がる。 空に打ち上がる大玉。 炸裂とともに浮かぶ、モルの顔。 「来年もまたやりたいわ!」 「うんっ、来年も来たいね♪」 はしゃぎすぎて疲れた暁穂とそこの横に座るレイチェルが、並んで花火を見ている。 夜空に浮かぶ妙ちくりんな生物は一体どこから現れ、どこへ消えるのか。 2発目、今度は(´・ω・`)が空に浮かび、そして消える。 「\みーのやー/」 「オー」 「たーまやー!」 さっきまでのショボくれはどこへやら、ミカ達も空を見上げて思い思いに叫び、はしゃぐ。 つい先日、これは大量発生した記憶も新しい。見るものの中には何となくそれを思うものもいるだろう。 「よし、これでラスト!」 鉄平がスイッチを入れ、上空を見る。 打ち上がり、夜空を彩る大輪の花。 赤く、雄大な花火は真夏を華々しく見送るかのような快音をあげて花開く。 それを見る中には、退治もとい回収にあたった麻衣の姿もあった。 「урааааааааа!!!!!!」 「今度はさおりんと二人でロマンチックに見上げたいです」 始まりがあれば終わりもある。 リベリスタの夏もまた終わり、そして秋に向かって新たに走りだす。 「単発! 連発! 重ね打ちぃーっ! たーまやー! かーぎやーぁっ!!」 日常は終わらない、この世界が運命とリベリスタに守られている間はどこまでも続く。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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