●食べ物から見た異世界 異世界ラ・ル・カーナ。この世界で日常的に使われている食事を二つ紹介しよう。 まずはクノアがゆ。これは異世界人フュリエが祭事などの際に振る舞う料理で、クノアの実という外は固いが中はクリーミィで甘い木の実を使用することが特徴。1メートルほどあるクノアの実は非常に栄養が豊富で、これを薬味として使われる薬草と共に煮込んで汁にしてから、米とよく似た穀物に混ぜるのである。その製造方法通り病人にも振る舞われるもので、滋養によいとされている。甘くコクがあり、喉に通り易いことから広く人気があるというフュリエには欠かせない料理だ。 だが、このクノアの実を付ける木は現在危機に瀕していた。 それを説明するためにも、ラ・ル・カーナ内で食事されているもう一つの料理を紹介しよう。 巨獣の中には、乗尾獣(じょうびじゅう)という呼ばれるものが存在する。トカゲとワニを合わせたものと表現するのが相応しいこの巨獣は気性が荒いが、強いものには従順になるという性質を持つ巨獣であり、バイデンはこれを好んで乗り物としている。 さて、外から見れば堅そうなイメージがある乗尾獣であるが、素早く走るために作られたその肉は非常に柔らかく、ただ焼くだけでもそれなりの料理になることはバイデンなら誰でも知っている。 そのただ焼くだけの料理から、バイデンの一部が工夫して作ったのが尾獣肉のソテーだ。薄く切った乗尾獣の肉に塩とよく似た植物の粉をかけて、その上で石のフライパンを使って焼くのである。乗尾獣を仕留める必要があることから戦士の食事としてバイデンの中では専ら評判であり、普段乗り物として使っている乗尾獣を使うことからもバイデンにとっては価値がある。 さて、クノアの実の話に戻ろう。乗尾獣は雑食ながらもこのクノアの実を主食としており、クノアの実を食べるために移動を繰り返している。しかもでかい図体だけに遠慮というものはなく、食べつくして行ってしまうのだ。 こうした事情のため、乗尾獣はクノアがゆ好きのフュリエにとっては非常に評判が悪い。これは、その肉をフュリエが食べないことも原因の一つだろう。 戦う力を持たないフュリエにとって乗尾獣は巨大な敵とも言える。その為、フェリエは本来ならクノアの実がただ巨獣によって食べられるのを見るしかないのだが……ここ数週間で事情が変わった。 リベリスタがやって来たからだ。 ●実を守るための戦い この切っ掛けは、動植物の調査中にクノアの木を発見したエリス・トワイニング(BNE002382)がクノアの実を持ち帰ったところから始まった。 その様子を見たフュリエが懇願するように、シェルンへ依頼を要求したらしい。 「元はと言えば私たちの力不足が原因です。なので、心苦しいことなのですが……」 背景が料理にあるということを少し恥ずかしそうに語りながら、シェルンは集まったリベリスタへの依頼を打ち明ける。 「北の大地にクノアの木が群生している小さな丘があります。我々はクノアの丘と呼んでいる場所ですが、この地に乗尾獣がやってくる兆候があるようなのです」 シェルンは世界樹にアクセスし、その情報を手に入れたようだ。アークに協力するためにこうした情報を得ているシェルンだが、その代償として世界樹にアクセス出来る場所からは離れられない。 「乗尾獣はバイデンの戦力になり得るかもしれない巨獣です。倒すことは私達の戦いを有利にするはずです」 ちなみに、これは本当のことである。バイデンは乗尾獣を使って移動することが多く、捕獲することが多い。 巨獣を倒し、バイデンを挫く。そしてフュリエを助ける。三つの要素が重なった依頼だ。 「よろしくお願いしますね」 ぺこりと頭を下げたフェリエに、どういうわけか笑みが浮かぶ。 「ふふっ。……あっ。私も、クノアがゆが好きなんです。ですから、少し味を思い出してしまって……」 柔らかい表情を見せるシェルンに、リベリスタたちの表情もまた柔らかくなった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:nozoki | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年07月17日(火)21:59 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●当たり前の生存競争 異世界の道を行くリベリスタたちの視界に、小さな丘が見えてきた。徐々に上がっていく地平線の向こうには異質な木が立ち並び、ここが自分たちの世界とは違うところなのだと改めて実感させる。 「温厚で優しい。言葉は通じないけど、私はフュリエが好きだよ。仲良くなりたいし、できるだけ助けてあげたいな」 この異世界に住む隣人フェリエ。彼女らの生活に触れて、自分たちと近いものを感じた『ワールウィンド』セラフィーナ・ハーシェル(BNE003738)は手を合わせながら喜びの表情を浮かべる。本来優しい彼女は、同じように優しく振る舞うフェリエに何か感じるところがあったのだろう、合わせた手にぐっと力が入っていた。 「私の力で役に立つならいくらでも頑張るよ」 よしっ、と腕をまくってからハーシェルは持ち込んできたスイカやメロンを路上に置いていく。この路上は恐らく(というのも世界樹が不調な今、シェルンが正確な情報が得ることができないからなのだ)今回の敵である乗尾獣が通る場所であり、乗尾獣がこれに興味を示して時間を稼ぐことができれば御の字というわけだ。 「これが異世界の実ってやつか。……大切なモノなんだな」 フェリエは少し渋ったが、それでもそれが欲しいと交渉した『てるてる坊主』焦燥院 フツ(BNE001054)とハーシェルにクノアの実を渡してくれた。リベリスタがクノアの実を守ってくれるなら残った実を少しだけ分けてあげてもいい、ということらしい。 「よし、みんなのご飯を守るとするか。どんな人だって、食わなきゃやってられねぇもんな」 さて、フツとハーシェルがこれを欲しがった理由であるが、乗尾獣の興味を引くためだ。バラバラに行動をさせてしまえば、撃破は難しくなると踏んだのである。 「にしても、食育か。ちょっと思い出すな」 手元のクノアの実を見ながら、何となしに食を大切にしなさいという住職の説教を思い出すフツであった。たぶん、異世界であってもそれは正しいことなのだろうとも思う。 「クノアがゆに、乗尾獣さんのお肉のソテー。異世界のお料理が楽しめるまたとない機会♪」 お気に入りのお菓子を並べるように、異世界の料理を口の中で転がしていく『リベリスタの国のアリス』アリス・ショコラ・ヴィクトリカ(BNE000128)は、幼い体にリボン付きのロリータな服装もあって童話などに登場する異世界に迷い込んだ少女のようであった。 「でも、そのお料理の食材が食べつくされちゃうのは、何とかしないとです……」 しかし、アリスは迷い込んだ少女ではない。れっきとしたリベリスタで、この地を守るためにここまでやってきたのである。とはいえ、料理好きなアリスはこちらの世界の料理も気になるらしい。どんな料理ができるのが、ちょっぴり考えてみる。 その手には果実で作ったフルーツポンチ。丁寧に下ごしらえをしてリキュールを使った自信作。 変わった形ではあるが、これも乗尾獣の興味を引くためのものだ。……その効果のほどは、後ほど。 「クノアがゆってきっとおふくろの味みたいなもの、かな?」 まだ見ぬ異世界の料理に想像を働かせているのは羽柴 双葉(BNE003837)も同じだ。現物はまだ見ていないから分からないけれども、フェリエたちがこれだけ頼むのだから大切な料理なのだろうと感じる。それこそ、やっぱりおふくろの味のようなものなのだろう。 「そんな大事なものはしっかりと守らないといけないよね」 気合を入れて魔法少女のポーズを取る双葉。スタイルの良い体とそれに見合った派手な衣装は、異世界ということもあって非常に似合っていた。真面目な双葉故に、堂に入った魔法少女スタイルである。 そんな双葉もまた、お菓子を作ってきていた。これも引き寄せ用のものなのだが、一応引っかかればいいかなというレベルではある。 「クノアがゆ……って……どんな……味……なんだろう。エリスも……食べて……みたい」 小さな言葉と共に揺れる感情。それに合わせてぴこぴことあほ毛を揺らしながら、エリス・トワイニング(BNE002382)はクノアがゆについて考えている。やっぱり美味しいのかな、と思った所でピンと立つアホ毛。 「そのためには……クノアの木を……守らないと……食べ尽くされて……しまう。乗尾獣を……倒したことで……バイデンの……戦力を……間接的に……削ぐことにも……なる」 後ろ手でスカートを抑えながら、小さな体を動かして緩やかな坂を登っていく。後ろには誰も居ないからいいのだが、敢えて穿かないタイプのリベリスタはこういうところが慎重だ。エリスも真面目な事を考えながらも、自然とそういう動きをしている。 「異世界の食材はやはり気になるものではあるよ」 その丘を行く途中に見える植物をサングラス越しに見つめながら『灼熱ビーチサイドバニーマニア』如月・達哉(BNE001662)は色々と考えている。 「荒廃するこの世界における再緑化の切り札となるか……?」 そしてその思考を漏らすかのようにぶつぶつと呟いていた。サングラス越しに見える顔とスラリと伸びた達哉の体型は美形モデルのようであり、難しそうなことを呟いているところからも人気は出そうである。実際バンドマンであるし、娘と妻もいる。 ……ちょっと、女好きでバニー好きなところはあるが。 「地球の植物持ち込んでもいいが生態系崩れるし難しいものだな」 それでも、この地を守ろうという思いは本物だ。食事という点からの検知と依頼をこなし、次に繋げようとしている。 「タダメシ来た! 食費を浮かせてその分を博打に突っ込める!」 一方、『人生博徒』坂東・仁太(BNE002354)は何とも簡単な理由で戦っていた。とはいえ、金や食事というのは人間にとって切っても切り離せないものであり、その思いの強さは馬鹿にはできないし、仁太自身も強い意志を持って戦っている。そこに貴賎はない。 「それでいて美味いっちゅう風になると最高やな。よし、さっさと倒してメシにするぜよ」 腕を組んでがっはっはと豪快に笑い、足を大きく開いて道を行く。先ほどから道が道とは言い辛い複雑さを持ってリベリスタを襲っているのだが、そんな場所でも仁太は歩幅を変えず歩いて進む。 その大きな背中には、不思議な頼もしさがある。 「ある意味強さの証明にもなる巨獣退治、か。フュリエ達にとっては厄介な存在なわけだから不謹慎だけれど、少し心が躍る戦いに……いえ、狩りになりそうね」 そんな複雑な道を慣れた様子で進んでいるのが『エーデルワイス』エルフリーデ・ヴォルフ(BNE002334)だ。使い慣れた拳銃を手に高低差のある道をスキップするように進みつつも、警戒は怠らない。狩人の目だ。 エルフリーデは巨獣との戦いにその豊満な胸を躍らせていているのである。これもまた、戦う理由だ。 「やはり、狩りはこういう力の限りを尽くした緊張感がないとね」 長い髪を流してから、フッと笑う。 狩りとは、食うか食われるかの行為だ。どんな世界であっても、それは変わらずに存在するのだろう。 この世界の狩りにリベリスタは挑んでいる。食という成果を目指して。 ●実を守れ! 第一印象としては、のっぺりとしたトカゲである。ゆっくりとした動きでクノアの木を目指していたその巨獣たちは、よく見ればとても堅い鱗を持っていることが分かる。 それだけなら、穏やかな生物だと誤解できるかもしれない。しかし、その巨獣たちは時より血に濡れた鋭い牙を見せて凶暴性をアピールしているのである。 「……戦意は十分ってことね」 それをイーグルアイで覗いたエルフリーデは、油断ならない相手だと感じ取る。 「あんなもんにいきなり襲いかかられてたら、たまったモンやないな」 警戒を続けて仁太が言う。ここは視界が悪く動きにくい場所。仁太やエルフリーデ、エリスが探っていなければ不意打ちを受けていたかもしれない。 「……ん 今日も 電波の 受信感度 良好」 無表情のまま、超直観とエネミースキャンで得た乗尾獣の情報をエリスは得ていく。ちりちりと電波を受け取るように揺れるあほ毛がどこか愛らしい。 さて、そのエリスのデータによって遠距離攻撃がないことが確認されたため、リベリスタたちは動きやすいようにフツの翼の加護を受ける。 「そろそろ向こうもこっちに気付く頃か。野生っていうのは侮れないな」 エリスの情報を受け取ったフツの言葉通り、乗尾獣はこちらに気付き始めている。 「上手くおびき寄せられると良いのですけど……」 なので、まずはセラフィーナとアリスが果実とフルーツポンチ、それに受け取ったクノアの実を使ってこちらに注意を引きつけようとする。このまま無視されてクノアの実を取られたらそれは依頼失敗だ。 ということで行われた待ち伏せ兼注意を引く行動は……、 「あっ、来た! ……よーし、行くよ!」 囮に使ったクノアの実に向かって一斉に這ってやって来る乗尾獣たち。それを見てセラフィーナは可愛らしい顔を引き締めてから剣を抜き放ち、白い翼を広げた。 戦闘が始まる。 後ろに下がったアリスと双葉のマジックミサイルが一匹の乗尾獣に集中していき、爆発を起こして乗尾獣の身を傷つけていく。……とはいえ、さすがに硬いと明言された相手だ、まだピンピンしながらリベリスタたちに向かってきている。 「流石。だけど、撃ち続けるよ!」 「まだまだ行きますですよ!」 それでも二人はマジックミサイルを止めない。神秘の力によって生み出された弾丸は、次々と発射されていく。 「娘から教えてもらったが戦車が戦闘機に弱い理由が良く分かる」 そのマジックミサイルに合わせて、前線を飛ぶ達哉が上空からのピンポイント・スペシャリティによって攻撃。独自の理論によって裏付けされた正確な一撃は、集中攻撃をされた乗尾獣を痛めつけて動きを少しだけ止めさせる。 「早めに数を減らさないとね……。だけど、まずは視界を奪う」 それに続いてエルフリーデの狙いすました銃弾が1$シュートとなり、乗尾獣の目に直撃する。直撃によって獣の目は潰れ、かなりのダメージになったので、エルフリーデの狙いは合っていたのだろう。 その成果に満足気な顔をしつつ、エルフリーデは慎重にスコープを覗き直す。目が潰れても敵は動いているし、まだ動いている敵はいるからだ。 その動いている敵はリベリスタたちに向けて牙を剥き――一斉に飛びかかって攻撃をしてくる。その攻撃方法は単純で、口を開けてからの噛み付きだ。 しかし、仁太はその瞬間を待っていた。 「もろたで! 銃弾でも食べとけや!」 口の中に愛用の巨銃を叩きこみ、柔らかい部位である口の中に巨大な弾丸を容赦なく叩き込んでいく! この一撃はさすがに堪えたのだろう。銃弾で目をえぐられ、口までも吹き飛ばされた乗尾獣は吹き飛んで動かなくなった。一体目を倒したのだ! 「どや!」 格好を付けてみる仁太であったが、すぐに体勢を取りなおした。残っている乗尾獣の攻撃は、まだ終わっていない! 「やっぱり、こっちに来る……よね!」 腰につけたクノアの実をセラフィーナは横目にしつつ、剣を構えて飛びかかって来た乗尾獣の牙を受け流していく。だけど、一斉に飛びかかられたから捌ききるにも限界があり……噛み付かれる。何回も。 「うっ……ぐぅ!」 体中を流れていく血と裂ける肉を感じながらも、剣を地面に刺して立ち上がる。あらゆる戦いの想いが込められたこの剣のように、セラフィーナは折れない。フェイトの力によって立ち上がり、距離をとっていく。 「……気をつけて。その実を……狙ってくる、みたいだから」 冷静に戦場の情報を読み取りながら、エリスが天使の息を使ってセラフィーナの回復に努める。ピコピコと慌てるように動くあほ毛。 「ま、あまり無茶するんじゃねーぞ。いくらでも回復してやるからよ」 相手の位置を正確に把握し、こちらに注意を向けさせるためにも陰陽・氷雨を使ってフツは攻撃をしていく。サングラス越しに見える真面目な顔は、ちょっぴり男前。 「大丈夫。……まだ、私は行けるよ!」 マントを翻し、体力を回復したセラフィーナは剣を手に飛び込む。 戦闘は続く。 フツがクノアの実を使っておびき寄せ、そこに達哉のトラップネストが引っ掛ける。そうして捕縛した乗尾獣に、セラフィーナの剣が突き刺さる。突き刺さった剣は確かな手応えを与え、魅了する一撃となる。 「……よしっ! 仲間を蹴散らして食べ物を独り占めできたらとっても幸せだよね。行って、太郎!」 「ふむ、プランよりも早く調理できたな。上々」 とは、サングラスを指で上げる達哉。リベリスタたちの戦いはここまで好調であった。魅了の力もあり一体ずつ処理していくことで四体目の乗尾獣を無事に倒し、数もかなり減ってきた。 「……ここまで飛び込んでくるか!」 とはいえ、手負いの獣は恐ろしいもので。飛行をしていた達哉の元に飛び込んで、その身で突撃してきた! 「……くっ!」 しかもその突進は勢い強く達哉の防御を破り、撃墜させられてしまう! それからも、持ち前のタフネスと数を生かしてじりじりとリベリスタたちにダメージを与えていった乗尾獣であるが、フツとエリスが注意して回復に回ったことと、数が減ってきたこともあって戦闘不能に追い込むほどではなかった。 「二つの魔力があなたを撃ち貫きます!」 そして今まさに、七体目が双葉によって倒された。二重に生み出されたマジックミサイルが弧を描いて直撃したためだ。 リベリスタの勝利は確実、と言っても過言ではない状況であるが。ここで問題が起きた。 ――魅了が解けた残りの一匹が、クノアの木へと向かっていたのだ。 「そういう抜け駆けは、許さへんで」 「それをとっちゃダメです!」 仁太のバウンティショットとアリスの魔曲・四重奏を受けてもなお止まらず、木に張り付く。 張り付いた乗尾獣はそのままの勢いで駆け登り、クノアの実を頂こうと大きな口を開ける……が。 「……ん。大丈夫」 乗尾獣の口を縫い付けるようにエリスのマジックアローの矢が突き刺さり、その動きを止めてみせる。ギリギリのラインであった。 「……!」 そして、動きが止まった乗尾獣の体をエルフリーデの銃弾が貫き……倒してみせる。 「ハントは鮮やかに、かつ正確に。……ね」 硝煙の匂いを息で吹き飛ばして、エルフリーデは静かに勝利の余韻を受け取った。 リベリスタたちは戦いに勝ち、クノアの実を守ったのだ。 ●食事という報酬 戦闘後、フェリエたちが待つ里でリベリスタたちはそれぞれの方法で異世界のグルメを味わっていた。 「テーレッテレー! ウマイ!」 「やっぱり……狩りの成果はこうじゃないとね」 「美味しいです。なんだか魔物ハンターになった気分で楽しいですね」 乗尾獣の肉をマンガ肉のようにして貪る仁太、エルフリーデ、セラフィーナたちにフェリエたちは少し訝しげな表情を浮かべていた(後で双葉が燻製を差し出そうとした時に分かったのだが、彼女らは肉を食べないらしい)が、クノアの実を持ち帰ったエリスたちの働きに大層感動し、クノアがゆを作ってくれた。 「ふむ……クノア粥は甘味というべきか雑炊というべきか。不思議な味だな。一部は漢方と米で代用できるかもしれん」 「……これが異世界のお料理……とっても美味しいですっ……♪」 グルメなアリスと達哉がそんなクノアがゆを全力で味わって、それぞれの感想を上げていく。 そんな風にそれぞれの食事をしている中、達哉に頼まれて簡単な念仏を唱えていたフツは料理にかぶりついた。 「さぁて、食うか!」 食とは、生物を活かす大切なモノだ。それを巡る戦いも珍しいものではない。 だからこそ、感謝するのだ。 「いただきます!」 と。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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