● 「第二回曽田七緒生活向上委員会~」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、口でどんどんパフパフ言いながら、ひらひらと手紙を振る。 「これ、七緒の事務所から送られてきた」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、ひらひらと手紙を振る。 言わずと知れた、七緒の「お友達」からだ。 「最近ますます七緒のものぐさに拍車がかかり、こちらから送っている衣類が受け取りされずに戻ってくる始末です。直接乗り込んでいきたいのもやまやまですが、私達が言っても、その場限りで根本的解決になりません。時期が合いましたので、サプライズとして、奴の誕生パーティーを仕込みました。三高平でやることにしましたので、奴も油断していると思います。勝手なお願いですが、リベリスタの皆さんにも、奴を叱るついでに祝ってやっていただきたく。日ごろ奴の世話を焼いていただいているお礼も兼ねまして、ご参加いただけますと幸いです。よろしくお願いします」 インターホンにくらい出ろ。 めんどくさぁいという幻聴が聞こえる。 なぜか、英語でも聞こえる。 「そういう訳で、七緒に服買ってやって。「生活向上委員会」って店に連れて行けば、まず誕生会についてはばれない。普段着で会場入りさせてお色直しさせる。経費で落としてくれて構わない。沙織も金なら出すって言ってた」 イヴは無表情。 「そういう訳だから、バースデーカードはネタばれしてから渡すように」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年06月30日(土)00:08 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 18人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
● 梅雨の晴れ間は五月晴れ。 ショッピングモールの円天井からは、燦々と日光が降り注いでくる。 リベリスタの集団に連行されているのは、フィクサードではない。 元フィクサードの元リベリスタというかものぐさ者だ。 「うおぁぁぁ~」 長い声で鳴いているのは、『スキン・コレクター』曽田七緒(nBNE000201)だ。 「灰になるぅぅぅ」 フィクションじゃあるまいし。 日の光を浴びたからといって、ヴァンパイヤだって灰にはならない。 ましてや、七緒はジーニアスだ。 「夏用に楽な服を買いに行こうぜ。そのほうが涼しいって」 アウラールは、店の前でしゃがみこもうとする七緒を何とか前進させようとしている。 この際つめたいフロアに突っ伏したい七緒の鼻先に、亘が、スタンバイ。 (だらしなーい女性にもとことんつい尽くしたくなる男、天風です) 15で茨の道を進むか、青少年。 「初めまして曽田さん。天風亘と申します。ふふ、宜しければお見知りおきを」 王子様よろしく片膝を床に付くと、亘はこう言った。 「初対面で不躾なお願いなのですが……今日一日、貴方の奉公人にして頂けないでしょうか?」 プリーズ・コールミー・セバスチャン。 AFには執事服も揃ってるわ。ありとあらゆるサポートを。 試着室までお姫様抱っこでエスコート。 もちろん、お着替えはノータッチ。 紳士です。 「七緒たんにいろんな服を着せればいいんだろ! 任せろよ! 俺に全て!」 竜一は、その対極。 「なに? 面倒くさいって! OK! 任せとけ! 俺が七緒たんを脱がしたり着せたりしてやるよ!」 おててがわきわき動いてる。 「うひょー! だって面倒くさいんだもんね! 俺がやるしかないでしょ!」 三高平が誇ったことはない3DT。 ここまで来ると一種の清涼感すら漂う。 誰か。彼女か妹を呼び出してくれないか。 何でこの人、リア充なのに、こんななの。 「あのさあ……」 七緒はずり落ちかけていた眼鏡をきちんと掛けなおした。 「あたしがクリミナルスタアだってのはぁ、公開情報だよねぇ?」 いっそ、笑顔がやさしく見えるのはなぜだろうなぜかしら。 真白い天使が肝臓狙いなら、ものぐさフォトグラファーはあご狙い。 大丈夫。竜ちゃんは強い子。 死なない。 ● 「ちわーす、新田酒店でーす!」 快、酒屋エプロンして生まれてきたような酒販の申し子。 七緒の事務所に連絡して、七緒の好みの酒をリサーチ済み。 会場のレストランにも今日の料理を聴いて、それに会う酒の準備も怠らない。それどころか、酒に合いそうな料理を逆提案。 ドリンクは、新田快プロデュースである。 レストランの厨房とも誼が出来て、販路拡大。 よ、跡取り孝行息子! 厨房では、達哉が、オーブンにチョコレートスポンジを投入している所だ。 (強敵と書いて「とも」と読む曽田のためにも、ザッハトルテを作るとしよう) 着々と七緒を迎える準備が整いつつあった。 ● 「……実はね。気持ち分かるのよ。誰も見てないと思うとぐだーって感じに上だけ適当に引っ掛けてとかね」 アンナ、実は女子力、そんなに高くない。 本人も自覚している。 そして、見に染み付いた委員長属性が、怠ることをよしとしないのだ。 レッツ匍匐前進、女子道。 「頑張って服着るわよ!」 おまえと同じさ。握った拳は女の幸せ守るため。 という訳で、試着室。 ………手ぶらで入るもんじゃない。 「アンナぁ」 「ゴメン。私も大概服の選び方とか知らないのよ……」 (ええい。でもセーラー服着た切り雀から脱却せねば!) 再び売り場にとって返し、物色開始。 「Yシャツの下に黒のパンツ合わせて、ヒールとか履いてみる。部屋着+αっぽく」 (七緒さんも普段着に近いから着やすい筈) 私はこっち、あなたはそっち。レッツ試着! しばらくお待ちください。 「……こんな前ガン空きで着る服があるかぁ!?」 飛び出してきたアンナに、男性陣眼福。 いやぁ、お胸の谷間スペクタクル。 「普通だったら前のボタン止まる筈って、なんの嫌がらせよ!?」 それは、前のボタンが止まらない事態など想定も出来ないひんぬーに対する宣戦布告か。 「アンナぁ、でっかいもんねぇ」 「……七緒さんは普通に似合ってるわよ……くそう……」 脱いだらすごい七緒さんは、脱がなければそんなにバーンバーンには見えないのだ。 「曽田さん、シンプルな方が似合いそう……?」 『微睡みの眠り姫』氷雨・那雪(BNE000463)は、両手に服を抱えてきている。 「これ、とか……? マーメイドラインで、胸元から流れるようにビーズの刺繍。裾はフレアの2重でひらひら、なの。すとんときれるから、着替えも楽で、ばっちり……」 ずい。揺らがないまなざしが下から七緒を見上げる。 「着ろってことぉ……?」 那雪、無言で、こく。と、頷く。 七緒、試着室に回れ右。 「あとは、シャツ類……無地のやつ。その分、素材やデザインにこだわることにして、リネンのバギーやサルエルのようにゆったりで家でゴロゴロしててもOKかつ外でもいけるもの。それと、2WAYマキシ丈ワンピ、これは一枚あるといいと思う。あとカップ付きランニングロングワンピ、とにかく楽なので。あと、靴! 天然石ビーズ付きぺったんこの!」 アウラールのお洒落好きが、レディスに対してもとどまることを知らない。 ばっさばっさと試着室の前に服を積み重ねていく。 「アーク制服、中学制服、高校制服、ナースにチャイナにメイド服にスク水!」 竜一も負けずに積み重ねるが、そっちには手が伸びない。 いや、さすがにスク水は入んないだろ……。 「――ねー。何着着ればいいの?」 「とりあえず、コスプレっぽいの以外全部!」 那雪は、ぽんと七緒の肩を叩いた。 「みんな、すごい、気合よね……」 そういう那雪の手にも、新たに見つけてきた服が握られていた。 しかし、カジュアルウェアだけですまないのだ。 「さおりんがお前にも買ってやるから見てやってくれ……と言ったからだけではないですけれど、七緒さんが相変わらずっぽいのでお手伝いに来たのです」 うふふ、さおりんはあたしに頼りきりで仕方がないのです。と、そあらは、七緒の手を引いてフォーマルウェアのお店に入っていく。 背後の、手に手にペーパーバッグをぶら下げたお買い物部隊、緊張。 だって、ここで不審がられたら、この後のサプライズ、パーだもん。 今頃、会場設営してるみんなに申し訳が立たん。 「なぜに、パーティーウェア」 「七緒さんのも買えば、あたしもさおりんに買ってもらえるのです」 あたしのためだと思ってください。 と言われれば、否とはいえないのが七緒だ。 「七緒さんはされるがままでいいですから、ご一緒に来てくださいです。スタイルも顔も綺麗なのにちゃんとしないのはもったいないのです」 ちゃんとしなくてもある程度以上に見えるのが、七緒のものぐさに拍車をかける要因の一つでもあるのだが。 「紅いカクテルドレスもシックなショルダーワンピも似合うのです。ついでなので髪型もメイクも洋服にあわせて変えちゃいましょう」 「はああああ!?」 そんなのが「ついで」ですむもんじゃないのを職業柄知っている七緒、絶叫。 「変えちゃいましょう」 そあらは言った。 どんなヘアメイクにしようとキラキラした目に異論などいえるはずもなかった。 ● (最初、妾がこのイベントに参加したのは、99,99%の祝う気持ちと0,01%の食欲からだった) 後に彼女はそう回想することになる。 シェリーは、自ら率先してパーティー会場の準備を手伝い、かいがいしく飛び回っていた。 スタッフから「シェリーちゃん」と呼ばれるのにも慣れてきた辺りから、そのバランスは揺るぎだす。 「これ、食べてごらん。美味しいよ」 「ほんとだ! これは美味いぞ!」 そんな胃袋と心を満たす交流により、比率が完全逆転した頃。 「業務連絡! マルタイ移動開始! 時間誤差、マイナス46秒。修正よろし」 「物資、準備完了」 「装飾準備完了」 「進行、準備よろし」 「照明落とせ」 「各員配置に付け。以降、別命あるまで待機!」 薄暗い店内でクラッカー握り締めて、息を潜めるリベリスタ。 ブラインドの向こう。 『何でレストランフロアまで来なくちゃいけないのよぉ』 『ヘアサロン、このフロアだから』 「まずは、お茶、お茶』 『プロのモデルさんのように輝いてるのです』 『いや、本物はこんなもんじゃない』 『せっかく沙織んがお金出すって言ってるんだから、たくさん買わないと損だよ!』 カララン。 開くドア、つけられる照明。打ち鳴らされるクラッカー。 「「「「サープラーイズ!!」」」」 下のフロアにまで聞こえそうなリベリスタの爆裂唱和。 「うっひゃあああああっ!?」 素っ頓狂な声が七緒の口からほとばしった。 『祝26歳☆ 七緒、誕生日おめでとう』 瑠琵が仕込んでいた横断幕が、お洒落な店内にでかでかと張られていた。 ● 「え~。それではお集まりの皆様、グラスをお取りください。未成年はソフトドリンクね」 盛り髪A子がマイクで司会を始める。 「やられた……」 七緒の家にカレンダーがあるのかどうかさえ疑わしいのだ。 いまだ今日が自分の誕生日だというのをきちんと把握していない七緒に次々とリベリスタが祝いを言いに来る。 「お誕生日ぃおめでとうぅ!いやぁいくつになってもうれしいものだよねぇ。こういうのはさぁ。皆でパーティーっていうのも久しぶりじゃなぁぃ? 飲んで食べて騒いでさぁ! 今日ばかりは面倒臭いなんて言わせないよぉ! 盛大に祝っちゃうぅ♪」 御龍は、七緒の手にグラスを握らせれた。 「面倒でもお祝いの乾杯くらいは付き合ってもらうからな!」 快が細心の注意を払って注ぐ酒は、シャンパン並みの繊細な泡を立てて、グラスからあふれかえる。 「え、何、これ日本酒じゃないの?」 勿体ないっと、七緒、口からお迎え。 「びっくり~。超発泡性~」 酒屋としてはしてやったりだ。 「七緒、改めて誕生日おめでとう!」 アルコールと一緒に事態を飲み込んだ七緒は、 「あ~、誕生日かぁ。え~と。お祝いありがとぉ」 と、感慨深げに頭を下げた。 その手から、そっとグラスが取り上げられる。 「引き続き、プレゼント贈呈です。皆さん、お手持ちの誕生日のしおり4ページをお開きください」 ゴロゴロごろごろとプレゼント部隊入場。 「……あのね、メ……曽田さん。ものぐさなのは良い。良いとしましょう」 うさぎとA子、B子、C子、D子、そろい踏み。 バブル期のウェディングケーキのごとくそびえ立つワゴン。 誕生日おめでとうの合唱と共に七緒の眼前……を通過して背後に回ってくる。 「でもね?友達の気遣いを不意にするのは駄目でしょうが! コラー!」 プレゼントフォーユー!! の大絶叫と共に、七緒の頭の上にゴンンゴロゴンゴロときれいにラッピングされたお洋服が降り注ぐ。 「見なさいこの数! ……って改めてみるとマジ何この量怖――」 「今日買ってきたって言うのも一緒に乗せたから」 買出し部隊が、いっぱい買っちゃった、てへ? とか笑っている。 「……も、もとい!」 げふげふと、うさぎは咳払いして仕切りなおす。 「この物量は貴女の事を案じる彼女達の友情の現れだ! 親しい仲でも、親しいからこそなあなあにしちゃいけない! どんなに面倒でもです!」 「――白黒小僧との友情を大切にしている犬塚が言うと、ずしっと重いわぁ」 体の半ばが服の包みで埋まった七緒が眼鏡をずりあげながら言う。 「~~~今、ちゃんと受け取りなさい!」 「はぁぁい」 「そして持って帰るんです! 全部!」 ちなみに、搬送には台車を数往復させました。 「むりぃぃぃ」 「……あー、何なら私も手伝いますから」 「――デレた」 ボソッと七緒が呟くのに、犬塚はその辺の服の包みをつかんで、べほっと七緒の頭を叩いた。 ● 凛子は、無言で七緒のめがねを外させると、下まぶた裏返して、甲状腺を触診した。 「食べないと病気になりますよ」 苦笑しきりだ。 「誕生日プレゼント。デリバリーチケットです」 難か、毛咽喉的な食べ物を宅配してくれるらしい。 「これでご飯をなんとか……してくださいね」 信じてますからね、と念を押されて、七緒はこくりとうなづいた。 結局、この後二次会として七緒の家になだれ込むのが決定したので、フロアの片隅では七緒の服の品評会が勝手に始まっている。 この後、お色直しで何を着せるか討論会もかねている。 日頃服装に無頓着なのはチャイカも一緒なので、七緒の服の数々を見て驚愕しながらも自分なりに参考となるよう熱心に記録している。 七緒の服は、10歳のチャイカにはちょっとオネエさん過ぎるが。 「ほあー……」 チャイカは、立派なサブカルスキーなので、「写真家・曽田七緒」を知っていた。 様式的にでも挨拶するべく、七緒の前に走っていく。 「あ、ごめんなさいつい記録に夢中になってしまってて! ええと、初めましてですよね?チャイカ・ユーリエヴナ・テレシコワと言います。お噂はかねがね聞き及んでます! こないだのフォトも素敵でしたよ!」 「ありがとぉ」 ぱしゃり。 七緒は、にやぁっと笑った。 「今度はそのフォトの中に入るといいわぁ」 ● 「七緒、26歳おめでとなのじゃ。見合いせんかぇ?」 瑠琵が、誕生祝じゃ。と、見合い写真を幾つも七緒の手に積み上げる。 「選り取り見取り、誰でも好きなのを選ぶが良いのじゃ」 幼女態なのに、この板に付いたお見合いおばちゃん振り。 今までの人生がしのばれます。 「――これ、あんたんとこの『戦闘狂』じゃないよぉ。つうか、みんな同じDNAを感じる。宵崎一族じゃないのよぉ。本人ら知ってんのぉ?」 一応礼儀として目を通した七緒が、釣書きをぺしぺしと叩く。 「本人の承諾? 無論、当主権限で事後承諾させるのじゃ」 「おお、こわぁ……」 七緒はくるりと「お友達」四人の方をむく。 「見合い写真だぞぉ。金持ちんちだぞぉ。見合いするぅ?」 「――ちょっとまったぁ! そんなことはさせん!」 なぜか、たった一人びっちりとスーツを着込んだ冥真がずかずかとお友達の一人C子ことゆんの手をとった。 お互い憎からず想っているのだが、イマイチ煮え切らない関係で、お付き合いしてるんだかしてないんだか、周囲は非常にやきもきしている。 七緒も例外ではない。 「悪い、話があるんだ。いいニュースと悪いニュースがある」 さあっと、ゆんの顔が青くなった。 A子、B子、D子は、拳を握り締めている。 「悪いニュースが先だ。いや、罪の告白だな。俺は、七緒ちゃんの二度目の挑戦から逃げた。君の好意への答えを告げるのが怖かった。好意を向けられて好意を返すのが怖かった。だから、逃げた。卑怯者だ」 ゆんは黙って聴いている。 ただならぬ雰囲気に、がやついていた会場が水をうったようにシンとなる。 「そしてこちらはいいニュースだ。俺は君が好きだ。あの時から逃げていた答えを、言う」 一同固唾を呑んで見守っている。 「同じ方を向いている限り、俺は君を幸せにできる。幸せにする。幸せにしてみせる」 ぎゅうっとゆんの手を握る冥真は、一気呵成に言った。 「だから、俺にその心を、命を、思いを、預けてくれ。俺は君のために死ねる。だが、今はその命を預かるしかできないんだ、済まない」 しん……。 一同は微動だにしないゆんを見つめていた。 「あなたの側は空気が澄んでる。癒される感じがするの」 握られた手を握り返した。 「あなたに心と命を預けます。できるだけ死なないようにするって約束してくれますか? そのときは、私も一緒に死んじゃいますからね」 そうゆんが言った瞬間、冥真はぎゅっとゆんを抱きしめた。 「――つまりどういうことよ」 「添い遂げるのを前提としたお付き合いってこと?」 「告白通り越して、プロポーズ?」 お友達三人が額を付き合わせて状況を把握しようとしているさなか、七緒が二人の目の前にずかずかと進み出る。 「救慈」 今まで面屋だのマイナスイオンだの呼んでいた七緒が、冥真を苗字で呼んだ。 「――いい誕生プレゼントだった。安心した。ゆんを頼んだわよ」 わっと、場内が沸き返る。 「でかした!」 瑠琵が隠していた紐を引っ張ったとたん、『冥真☆ゆん、婚約おめでとう』に横断幕が切り替わる。 ラブソングを高らかにうたいながら、達哉が末永く爆発しろと苺ミルフィーユをウェディングケーキよろしく持ってくる。 「七緒ちゃん、誕生日パーティーなんだし、ドレス着てきて! ゆんちゃんも着てきて!」 「黙れ、変態! あ、ドレスは着てきな、七緒。せっかく選んでもらって化粧もしてきたんだから」 「え~、めんどいぃ」 「着なさい。いいから」 「写真撮ってもいいですか!?」 「こうならないように、次、気をつけましょう……ね?」 「ケーキ! ケーキ! ケーキ!」 「義務と感じるからめんどくさいんだ。美味しいお酒と食べ物に溺れると考えるんだ」 「会場の料理を食べ尽くすぞ!」 もうしばらく、宴は終わりそうになかった。 「うむ、パーティーは成功だな」 うん、それは、間違いなく。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|