● キイキイキイ。 何かがきしむ音がする。 風が、街路樹の葉をむしって、はるか上空まで巻き上げていく。 しばらくして、ばらばらと落ちてくるそれを浴びながら、彼は家路を急いでいた。 風、強いなぁ。 桜、散っちゃうなぁ。 今年も、まともに花見できなかったなぁ。 残業を済ませると、終電に乗れるか乗れないかの時間。 駅までダッシュをしなくてはいけない。 もう、いい大人なのに。 (玄関開けたら、会社だといいのになぁ) それは、いくらなんでも人としてだめだろということも浮かんでくる程度には追い詰められている。 そんなこと考えちゃいけないよと、どどどうと押し寄せてくるビル風。 ふわっと、足が浮く。 (もっとまともに飯食わなきゃだめだな。立ちくらみだよ。栄養足りてねえんだよ) しかし、上昇感と浮遊感は止まらない。 どう。 風が叩きつけられる。 いつまで待っても、倒れ伏すべき地面の感触はやってこない。 かわりに頭部に激痛。 ぬるりと鼻を滑り降りてくる、ぬるりとした鉄くさい感触。 まだ動く手で鼻をこすると、夜目には黒くみえる自分の命を支える体液。 ごりり。 何か硬いものが、頭に当たっている。 柔らかいものを突き抜けて、硬いものにあたっている。 眼鏡に、パタパタと何かが滴り落ちて。 取り返しがつかないことが起こりかけている感じがする。 だってほら。 今、街路樹のはっぱの上だし。目線が。 キイキイキイ。 何かがきしむ音がする。 がくんと、頭が急に開放され。 開放されていた重力に再び縛られ。 早い話が、このまま地面に脳みそぶちまけることになるのかと。 ああ、今年も桜が見られなかったな。 ● 「でかあい、説明不要」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、清々しいほどの無表情かつ平板な発音でそう言った。 「E・ビースト。元は、こうもり。体長2.5メートル。翼というか皮膜を広げれば5メートル。もはや、翼竜の域。この大きさだと視界全部埋め尽くされるんじゃないかなあ。頭、丸呑みも可能。そんなのが3匹」 モニターに映し出されるいかにもこうもりらしい大きなお耳。 「キクガシラオオコウモリは植物性のもの食べるけど、このこうもり肉食だから」 うん、そんな感じがしてた。 「頭狙って飛んでくるよ。80キロくらいまでなら、持ち上げて落とすくらいできる」 モニターに映し出されるのは、都会のオアシス。 大きな遊歩道。ほどほどに植えられた街路樹。切り立った崖のようにそびえ立つ高層オフィスビル。 「ここ、幸い夜間は人通りが少ない。風がむちゃくちゃな方向と強さで吹く。気をつけないと、ミキサーにかけられてるみたいになるよ。今のところは犠牲者は出ていない。モザイクタイルに赤い血だまりが出来る前に、こうもりを狩って来て」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2012年05月04日(金)00:16 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 2人■ | |||||
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● 「うわぁ、でかあい…」 『戦奏者』ミリィ・トムソン(BNE003772)は、街路樹の中に潜むコウモリを指差した。 「でか、コウモリでか!」 櫻木・珠姫(BNE003776)が、簡潔に叫んだ。 「コウモリ退治って聞いてたんですけど……コウモリがあんなに大きいわけが……」 『番拳』伊呂波 壱和(BNE003773)の昭和の香り馥郁たる番長装束と裏腹のおびえたかすれ声が強烈なビル風に吹かれて消えていく。 三人ともアークでの初陣だ。 はっきり言って、怖い。 (でも、ここで退いたら臆病は治らないからっ。硬いなら、砕けるまで何度だって拳をぶつけるだけっ!) 壱和は震えるマジックガントレットをはめた拳を握り締めた。 「UFOキャッチャーは結構好きだけど、自分がされる側になるかもしれないなんて。少し前まで想像したこともなかったな」 岡山で鬼が目覚めなければ、珠姫はここにいない。 あの日。 フリーのリベリスタに助けられ、アークに預けられてから、珠姫の運命は変わってしまった。 「高いところからの墜落死なんて最も味わいたくない死に方の一つだよね。被害者が出る前に駆除しないとだね」 家族と同じ目にあわせられるものをこれ以上出すわけには行かなかった。 「目標を確認、任務を開始します。さぁ、戦場を奏でましょう」 後ずさりそうになる自分を律したミリィの言葉に、二人は頷いた。 若輩といえども、我ら、戦場で指揮を取り、仲間の進軍を助ける者。 我等は、レイザータクトである。 ● 「分かりやすく悪い敵!! ひさしぶりなのデス!! 最近、憎むに憎めない悪い奴とか多かったので!」 『超守る空飛ぶ不沈艦』姫宮・心(BNE002595)は、今日はふっきれている。 その心境は、『戦士』水無瀬・佳恋(BNE003740)もよく理解できた。 (心を持っていたりするE・アンデッドやアザーバイドとの戦闘よりは、幾ばくか気が楽ですね。尤も、エリューション等は勝手に出てくる以上、相手を選んではいられないのですが) 『逆襲者』カルラ・シュトロゼック(BNE003655)は、せっせと遊歩道入り口周辺は赤いコーンとロープで工事中に偽装していく。 「人通り少ないとは聞いてるから、大丈夫とは思うが一応……」 「用心に越したことはありません」 「だよな」 佳恋と二人で広範囲に結界を張る。 「皆、灯り、大丈夫か? 足りなそうだったらバイクのライトつけるぞ?」 色々行き届いている。 執念深いというか、基本的にまめな性格なのだろう。 ――といっても素直に認めてはもらえないかもしれないが。 「もともとあれかね。硬い木の実とかを落として割るタイプの。それが巨大で肉食だとこうなる的な。すいかってーかトマトってーか。人はキャベツから生まれてトマトになって死ぬんですよとか。まー笑えねーメルヘン……」 作業を終えたカルラが叩く軽口に、つい先日、キャベツ畑でうまれるなにかの為に死ぬ目を見た『クロスイージスに似た何か』内薙・智夫(BNE001581) 、『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)、『子煩悩パパ』高木・京一(BNE003179) は、乾いた笑いを漏らさざるをえない。 「一般の人に被害が出る前になんとかしたいなぁ。凄く大きい気がするんだけど、が、頑張る」 智夫の暗さ対策と突風で目を閉じないようにするための暗視ゴーグルを持つ手が、はたから見て分かるくらいにブルブル震えている。 場数を踏んでいたって、怖いものは怖い。 ただ、それに対応する方法が身についてくるだけだ。 『銀の月』アーデルハイト・フォン・シュピーゲル(BNE000497)は、ちょっと残念と頬に手を当てる。 (E・ビーストでなければペットにしたいところですが……) 似合いすぎて、しゃれにならない。 (どちらにせよ、おいたがすぎるようですからお仕置きをしなければなりませんね) 「摩天楼は城の如く、木々は森の如く、風は瘴気の如く。さあ、踊りましょう。夜に棲まう眷属の皆様方」 踊った後は、奈落の底まで墜ちていけ。 奥方様は、マントを翻した。 ● ビルの谷間で、 風が渦を巻く。 風の中にコウモリの影。 京一の請願によって、フライエンジェ以外全員の背に仮初の翼が現出した。 「姫宮心! 境界最終防衛機構が一員! この先は私を乗り越えてからにしていただきましょう!」 大音声。 天使の翼を大きく広げ、コウモリの興味を引こうとする。 (まあ、私にとってはいつものことです) 自分の身をさらして、仲間の安寧を図る。 それが、心の戦い方だ。 囮を兼ねるため、両足を踏ん張り、風をやり過ごす智夫からあふれる神威の光。 コウモリ達は、全身の毛穴を突き刺す微細な針のごとき痛みに、音にならない悲鳴を上げる。 お膳立ては整った。 ミリィは、息をつめた。 「防御効率の最適化を行います――」 本作戦で過剰と思われる、稼動域の反射行動を抑制。思考ルーチンの一時停止。 結果を速やかに仲間に伝播。共有。 手応えを感じたところで、そろそろと息を吐き出した。 「――完了。微力ですが、皆さんのお力になれた筈です」 壱和と珠姫は、自らの視界を広げる。 戦場をあまねく網羅する感覚が、その手足の動きを滑らかにした。 「『立ち塞がる者あれば、これを斬れ』 役目です」 初陣3人、しかもほとんどのものが戦闘連携ノウハウをもっていないレイザータクト。 万一の火力不足対策であり、どれだけレイザータクトの存在が既存のリベリスタを助けるのか、舞姫はその試金石とも言えた。 舞姫の肩目掛けて足を突き出すコウモリは、空を掴むことになった。 最適化された回避行動により、舞姫に刷毛ほどの傷もつかない。 ぐにゃりとゆがんだ舞姫から突き出された切っ先が、コウモリ本体ではなくその皮膜をバリバリと軟骨ごと切り裂いた。 皮膜に大穴が開いていた。 こうなっては、もはや墜ちるしかない。 「殴りますよっ!」 壱和は地面に転がる自分より大きなコウモリを前に、宣言した。 自分に言い聞かせたといった方が正しいかもしれない。 (まだまだ弱いから、一撃の重さで勝負!) すでに十分集中した。 握った拳を叩きつける。 生まれて始めて、エリューションを殴る。 (同じタイプの人見てて、タクトって殴る人じゃなかったみたいですけど。怖いですけどっ。) それでも。 意表をついて、キイキイ鳴く口の中に拳を突き入れて。 後頭部から腕が突き出すくらい殴ったのに、まだコウモリは死なない。 振り回される鉤爪がごっそりと壱和の腹をえぐっていく。 つかまれたら脱いで逃げようと思っていた長ランと、その下のシャツが、引き千切られた。 赤いしぶきは、壱和の血だ。 「――え?」 このくらい、他の皆も受けていた。 なのに、急に目の前が暗くなっている。 歯の根が合わなくなり、吹きすさぶビル風が氷のように感じられる。 防御力が違う。体力が違う。 受け入れてきた神秘が、リベリスタを成長――変質させていくのだ。 歴戦を重ねた者達に取ってはやり過ごせる傷も、初陣の壱和にとってはそのまま致命傷につながる。 寒い。 なのに、眼球だけが熱くて、血が噴出しそうだ。 こうもりは速い。 「伊呂波さん、しっかり。毒持ってるから、こいつ」 怖いね。そう言って、壱和と鉤爪の間に入った智夫の背中がざっくりと切り裂かれている。 「でも大丈夫。高木さんが治してくれるから。その後、俺が傷を治すからね。 だから、もう少しがんばって」 智夫は、にこと微笑う。 脱走王と呼ばれてはいるが、人の命が懸かっているときはけっして逃げない。 『クロスイージスに似た何か』は、仲間を生かして帰すためにそこにいるのだ。 珠姫がショートボウを打ち込む。 事切れるまでのた打ち回るえ・ビーストにリベリスタは矢継ぎ早に攻撃を加えた。 残り二匹。 ● コウモリは早く、しぶとい。 コウモリ達は散開し、広範囲術式に三匹全てを巻き込むことは難しく、いたずらに手数を重ねることになる。 当たったように見えても、体幹部をたくみにずらし致命傷にならない。 当たり損ねばかりが積み重なる。 自然、万全を期すため、リベリスタ達は集中に入り、自然に攻撃は散発的になった。 それをいいことに、コウモリ達はたっぷり距離をとってからの急降下を繰り返し、リベリスタ達に少なからぬ傷を負わせていた。 それでも戦線が維持されていたのは、効率的な回復体勢。 そして。 降下してくるコウモリにタイミングを合わせて、巨大な刃に肉体から開放した闘気を沿わせ、佳恋は力任せにコウモリをビル風渦巻く空へ追い返す。 「頭上を取られるというのは、本当に厄介な相手、ですね……。とはいえ、前衛を任されている身である以上、退くわけにはいきません!」 佳恋の技では、コウモリに致命傷を負わせることはできながったが、確実に牽制にはなっていた。 「私のこの鎧を持ち上げますか。なかなか力持ちさんですね?」 夜目にも輝く白銀の心がコウモリをひきつけていた。 兜に、鎧の肩甲に、コウモリが何度も爪を立てる。 爪が滑る様子は、まさしくUFOキャッチャー。 「うまく持ち上げられますかね!?」 爪二本。逆側は一本。 下から見上げるものが、声にならない悲鳴をかみ殺す。 ゆらありゆらありと風に吹かれて大きく振れる心の体は、街路樹のはるか上。 がくん! 一本だった方の爪が外れた。 とたんに、ぶちぶちと音がする。 心がそっと首を回すと、こうもりの残った二本の爪が血を流しながら千切れていっている。 心の重装甲が、コウモリの爪に異常な負荷をかけているのだ。 爪が、外れたというよりはがれた。 心が宙に投げ出される。 高層ビルの中ほど。 眼下の仲間は、ミニチュア人形のよう。 「良いでしょう! 私もフライエンジェの端くれ! どこまでうまく飛べるかわかりませんが!!!」 アークのフライエンジェの中で、最も重装備。 ビル風の中、ドラム方洗濯機の中のシャツのようにビルの狭間を撹拌されながら落ちてくる心は、何とか自分の翼を制御する。 心は、羽根を散らしながらも無傷で地上に降り立った。 肩で息をしている。 「1匹ひきつけられたなら、私としては成功でしょう」 そうデスよね? 涙声だったことに関して、誰も追及しなかった。そのくらい見ている方が怖かった。 プラーンってなってた。プラーンって。 つうか、コウモリの生爪、鎧の隙間に引っかかってるし。 「ここは私に任せて先に! いえ、いっちゃダメです!? 倒して倒して!!」 そりゃそうだ。 ここまで囮が体張ってるのに、いつまでも倒さずにいられるものか! 「っの! 落ちろぉ!!」 カルラの絶叫と共に、黒い暗黒の帯がコウモリの皮膜を切り飛ばす。 (……マジでこんな台詞吐きながら戦う日が来るとはなー) 技の反動で体力が削れて行くのを感じながら、きりもみで落ちてくるコウモリが街路樹に突っ込んだのを見送った。 その木の下には。 「アーデルハイトさん、上……!!」 街路樹を背に立っていたアーデルハイトの頭上。 小梢をかきわけ、コウモリのあぎとがアーデルハイトに迫る。 驚異的な視界を保っていた珠姫が声を上げたが、かばうにはアーデルハイトは遠すぎる。 三次元で動くコウモリにとって、リベリスタの前衛後衛など意味を成さない。 自分から見て、右にいるか左にいるか、瑣末なことでしかない。 木の下で移動可能域が狭められていれば、尚のこと。 どちらにしても、その頭上はがら空きだ。 珠姫は、とっさに手の中に出現する閃光弾を投げ込む。 (ぎりぎり……っ!!) 少しでも遅れたら、アーデルハイトも巻き込む。 巻き込んだら、アーデルハイトが危ない。 だが、投げなければ、もっと危ない! (間に合って……っ!) ぎゃああああっ!! 空飛ぶケダモノの悲鳴が上がる。 アーデルハイトを巻き込まずにすんだ。 それでも、獲物への終着を失っていない。 アーデルハイトの両肩に鋭い痛みが走る。 脚が浮いた。 平衡感覚が狂う揚力。 だが、傷つけられた皮膜で高みに登りきることは出来ない。 じゅくっと言ういやな音と共になくなる肩の圧迫感。 落下。 が、その速度は物理法則を無視した、緩慢なものだ。 両肩から飾り房のように血を流しながら、シュピーゲルの奥方様は優雅に地面に降り立った。 そのまま、引き千切れかけている肩の傷もいとわず、頭上に向けて魔法の砲弾を叩き込む。 獲物の殻が割れるのをいまや遅しと待っていたコウモリは、己の頭蓋を叩き割られることになった。 残り一匹。 空から滴る赤い鮮血。 残るは、心を持ち上げ損ねた一匹のみ。 「降りて来いやゴルァァ!! 腰引けてんのか? 蝙蝠なのにチキンかおい!?」 中性的な容貌に反して、カルラは見事な巻き舌でコウモリを挑発する。 「降りてこねーなら、こっちからぶち込んだらぁっ!」 ぶち込まれるのは、カルラの命だ。 命が暗黒の瘴気に変わり、扇状に広がって上空のコウモリの行く手を染め上げる。 瘴気に飲まれたコウモリが、突発的に起こったビル風の渦に巻き込まれ、急に体勢を崩した。 「不吉だなぁ」 リベリスタ達は得物を構える。 最後の獲物を地面に落とすために。 弓を番え、気糸を放ち、魔砲を編み、ナイフを投げ、鴉の式神がけしかけられる。 最後のコウモリが力尽き、地面にまっさかさまに落ちた。 「任務完了。皆さん、お疲れ様でした」 ミリィの頬に、安堵の笑みが思わず浮かんだ。 ● 三高平に無事に帰るまでが任務です。 「――で。仕事終わったら、本部に連絡入れて。重症のやつがいたらすぐ搬送してもらわなきゃならねーから、誰がどうなったか説明して。そうすっとすぐに待機してた別働隊が、怪我人搬送してくれたり、エリューションの死体の回収とかしてくれっから――」 カルラは、無事に初陣を潜り抜けた三人に、作戦終了後の本部への連絡や事後処理以来の段取りを教え始めた。 (……俺も、周りから教わって身に付けたしな。借りと思ったら次の連中に返せ、だ) カルラの場合、執念深いというよりは、行き届いた性格なのだろう。 本人は、首肯しないだろうが。 「なかなかに厄介な相手でしたね……。自由に空を飛べるというのは……」 頭の上に肉薄してくるコウモリを思い出して、佳恋の語尾が曖昧になる。 「今度からUFOキャッチャーするときは丁寧に遊びますのデス」 応じる心の顔色がこころなしか青い。 戦いが終わったとたんに、乗り物酔いのような感覚が襲っていた。 小さく呟かれる言葉は、決意に満ち溢れている。 もう、UFOキャッチャーでわっか通しとかしない。 「気持ち悪い? ブレイクフィアーしようか? 効くかどうか分からないけど」 おろおろと智夫が声をかけるのに、 「お願いするデス」 心は小さく頷いた。 アーデルハイトは十字を切り、祈る。 (吸血鬼が蝙蝠狩りとは皮肉なもの) それでも、アーデルハイトはコウモリを倒した。 彼女はリベリスタであるから。 互いに代名詞のような存在でありながら、立場は対極だった。 恩寵を得られる帰られないかで、世界はそのありようを変える。 「獣と鳥の間を飛ぶ蝙蝠と、魔物と人間の間を飛ぶ吸血鬼。半端者の謗りも受けましょう。それでも、裏切り裏切られるのではなく一緒に飛べれば、とても素晴らしいことですもの」 願わずにいられない。 いつか、そんな優しい世界になりますように。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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