●不良に絡まれた美少女を突如覚醒した奥義を持って叩きのめす 闇という響きに憧れたことはないだろうか。 多色とりどりのファッションよりも、黒一色に固めたほうが素晴らしいと感じたことはないだろうか。 自分が、もしくは自分の生まれ変わりが、世界の異変に巻き込まれ、突如目覚めた最強の力で闘う妄想をしたことはないだろうか。 あげくその妄想をノートに書きため、称号や技名、武器の設定をしたためたことはないだろうか。 そしてその数年後、机の奥から掘り出したそのノートに赤面したことはないだろうか。 世界は混沌に満ちている。この世の何処かに魔法使いがいて、裏の科学研究機関がいて、あらゆる能力者は社会に隠れて生きている。自分にも秘められた能力があり、その力があれば魔界全土と敵対し、世界を救うことができる。 いいじゃあないか。素敵じゃあないか。そうだ、君は選ばれし者だ。君は闇の救世主だ。誰にも太刀打ちできない力が君の体には宿っている。どこだ? 右目か? 左手か? 額か? はたまた体内に救う召喚の悪獣か? 鞄を片手に、学校にいく君は本当の自分じゃあない。パソコンに向かい、書類を作り続ける君は本当の自分じゃあない。 表の自分から目覚める時だ。裏の自分に目覚める時だ。 そう、それでいい。 ただし魔法は一日だけ。それを忘れてはいけないよ? さあ、ようこそ。自由の世界へ。 ●ふと目の前を走り去った黒猫は異世界に迷い込む前触れ 「くっくっく、よく来たなリベリスタ共」 その日の『リンク・カレイド』真白イヴ(ID:nBNE000001)は、何か雰囲気が違った。眼帯をしているし、右手首に包帯が巻かれている。 「諸君らの任務は……フッ、簡単だよ。あるモノを探し、持ってきてもらいたい」 何というべきか、妙に偉そうだ。 「あるモノとは、人を惑わし、狂わせ、魅了する闇の道具……そう、魔導書だ」 おかしい。この少女、口紅が黒だった覚えはないのだが。 「これまで、幾人ものリベリスタがこの任務に失敗した。だが、諸君らには期待している。必ずや魔界の……えと……ひゃあああああああああああああっ!?」 急に奇声を発したかと思えば、イヴは頭を抱えて座り込んでしまった。隠れているが、耳が真っ赤になっている。 「え、えっと……嘘、うん、嘘なの。だからその、忘れて……ね? 任務とは関係が、その、なくもないんだけど、違くて……」 何を言いたいのかわからないが、いつもの彼女に戻ったように見えた。なんというべきか、痛い雰囲気が消えて無くなっている。 それにしても、こうまで感情を表に出す彼女も珍しい。 「に、任務は、魔導書じゃなくて、本。そう、本なの。本型のアーティファクト。それを取ってきて」 若干落ち着いてきたのか、声に余裕が出てきたように聞こえる。それでも、羞恥心を限界までえぐられたような顔をしているが。 ともかくも、書物タイプのアーティファクトを確保し、持ち帰ればよいのだろう。さほど珍しい仕事でもない。むしろ、奇行に走ったイヴの方が気になって仕方がない。 「そ、その本を読むと、強力な暗示にかけられるの。効果期間は二四時間。効力が強すぎて抵抗出来ないから、その、かかりたくなかったら絶対にひらいちゃダメ、絶対だよ?」 話が見えてこない。その本を開けばいったい何がどうなるというのか。 「効果は、その、や、闇とか、黒……とか、魔界とか……そういうのが好きになるの。暗示中は自分の行動に疑問を抱けないから、効果が切れちゃうと……その」 その時、他室から叫び声が聞こえてきた。どうやら、いっそ殺せだとか、ノートを焼却しなきゃとか言っているようだ。心なしか、先程のイヴが聞かせた奇声と同じものを感じる。 「あ、ああなっちゃうから。き、気をつけてっ」 そう言うと資料だけ置いて、銀髪の少女は逃げるように部屋を出て行った。 なるほど、やはりアーティファクトの放置は危険である。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:yakigote | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年04月17日(日)01:17 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●目が覚めたら知らない天井 君は必然にして世界の中心と言える。 世は必然にして君の脇役者と言える。 よってこうあるべきと渇望するのは当然である。 ~とある黒本より抜粋~ 「私にはよくわかりませんが……魔界とか伝説の力とか、かっこいいですよね?」 他の仲間達に不安げな視線を送りながら、『ネガデレ少女』音更 鬱穂(BNE001949)が切り出した。 たしかにロマンあふれる言葉である。例え一時の間とはいえ、夢に浸れるのは幸せなことかもしれない。しかし、現実に被害が出ている以上、見つけ出し処分せねばならないのだ。 「オレも面白いと思うんだけどな……まあ、コレはちょっと迷惑すぎか」 ラキ・レヴィナス(BNE000216)がぐっと伸びをする。出発前に他室の感染経験者に話を聴こうとしたのだが、断られてしまったようだ。皆が皆、絶対に嫌だと首を横に振ったそうで。 「へえ、イヴちゃんの様子から面白そうだと思ったけど、本当に面白いみたい♪」 紙パックから赤い液体を摂取しつつ、『気ままなる夢魔』神野 柚須(BNE000157)は預言者の少女が残した資料に目を通していた。その詳細については省くとしよう、少女の精神安定のためにも触れてやるべきではない。 『消失者』阿野 弐升(BNE001158)は同じく資料を読み、重要項目を記憶していた。館内という限られた空間とはいえ、対象の特徴も知らずに捜索を行うことは難しいだろう。せめて外観だけでも知っておきたい。 「細かい事ですけど、ちゃんとマナーモードにしときましょうね。図書館ではお静かに、です」 『かっ飛べ跳ね鹿』駒田 竹之介(BNE000091)には多少、厨二病のケがある。そこは彼もお年ごろなのだ。つまらない授業中に突如異界へ旅立つ妄想にふけったり、自室で手のひらに逆十字を書いてはそれを眺めて悦に浸ったり、要望通りの結果をたたき出した愛機(ルビ:ちゃんとググれたマイパソ)に「いい子だ……」と語りかけてみたり。 しかし、そんな思いを臆面にも出さない彼とは違い、全面開放の連中もいる。 「く、う……今日は一段と『蒼き覇流(ぶらお・どらっへ)』が疼く……そう、今回のターゲットに反応しているのね……」 『蒼の覇龍を封ずる者』河西 清音(BNE000363)は間違いなくその一人だ。彼女によれば、件のアーティファクトは間違いなく『奴ら』の秘蔵していた『あの魔導書』であり、流出した経緯は不明だという。 どいつらだ。 「闇、魔界、影。フッ……悪くはない」 『影の継承者』斜堂・影継(BNE000955)は高校生である。つまり、中学生を卒業した身であるのだ。言うなればそう、斜堂・真・影継! 大事なことなのでもう一度言う。真・影継! よって彼は厨二病になど流されはしないのだ。多分もしかしたらきっと。 全員とメールアドレスを交換し終えると、『威風凛然』千早 那美(BNE002169)は出発を促した。これで館内での連絡にも問題はない。さあ、魔道書眠る暗黒の世界へと、いざ参らんや。 ●ピンチで目覚める新能力 症例壱。 天帝正午、陸號の発狂により実験フェーズを参へと進める。 以て折となした癇癪の起伏に伏魔の影が見え始めた。 ここにきて如何。 ここにきて如何。 ~とある黒本より抜粋~ 捜索開始。 清音、影継、弐升、那美の四名は職員を中心に当たってみることにした。何と言ってもそのもの中心にて活動しているのである。何か知っていても不思議ではない。 まずは手がかりになる何かをと受付へ向けて足を踏み入れた矢先、彼らは過程そのものがすっ飛ばされたことを悟る。 だってカウンター越しの男が、片眼鏡と首輪をしていたんだもの。 「くくくく……ようこそ零式機関へ。こんな裏の果てに、何用かな?」 似合わない燕尾服と不恰好な礼が、彼の格好を一朝一夕のものでしかないと思わせる。 見渡せば、どいつもこいつもそんなナリばかりである。眼帯、包帯、黒服、髑髏、仮面、指貫手袋、懐中時計、エトセトラ。 「そんな……まさか……」 それは魅了の禁書である。『読む』という活字に与えられた使命すら媒体とせず、『見る』という『観る』ともせぬ刹那ですら脳へと浸食する一端と為す。 その中心が、その居城が、その原点が。 まさか何も起きていない筈がない。 まして何かで済んでいる筈もない。 「ここに居る全員が、感染している……ッ?」 同時刻。 竹之助、柚須、鬱穂らは感染した、あるいは感染経験のある利用者を探そうと書棚へと足を進めていたのだが、無論館内はご覧の有様である。目的の相手はすぐに見つかった。というか、目的の相手しかいなかった。 「あの……そのですね……ここらへんで『魔界』とか『闇』とかそんなこと口走ってる人見ませんでしたか……?」 コスプレの域を出ないそれらの一人に、鬱穂が勇気を振り絞って話しかける。見ませんでしたかと言うよりは、今現在言ってませんかと伺いたくもなる。 「貴様、何者だ? 何故旧世界の名を知っている」 ギロリと、まるで凄みのない視線を浴びせられてたじろぐ彼女に代わり、鹿耳の少年が声を出す。 「三高平大付属で新規に発足した新聞部の者なんです。そんな話を小耳に挟んだもので、ネタにならないかと思って」 しかし、目前のコスプレ男がそれを信じる筈もなかった。別の意味で。 「新聞……? くくくっ、そうかそうか。今はそう名乗っているのだな。ええ? 『機関』よ」 盛大な勘違い。ちょっと正しいけど。 「貴様らの目的は分かっている。あの魔導書だろう? お笑い種だ。あれほど旧世界の遺物を嫌う貴様らが、今更秘本の魅力に取り憑かれたか」 魔導書。そのワードに、全員が身を乗り出す。 「ねえ、その本の事……詳しく教えて欲しいな」 柚須の言葉に、男は5秒ほど考える仕草を見せると、 「よかろう、ついてこい」 あっさりと道案内を引き受けた。きっと平常時にはいい人なのだろう。 ラキは一人、蔵書を調べていた。 その本の中身も効力と類似するものだと予想される。ならば見た目は黒く、派手さはないもののなにか惹きつけられる装飾であろう。 棚の端から、背表紙に指をそえて念入りにそれらしきものを探していく。右へ右へ。と。 バイブレーション。 携帯電話がメールの着信を告げる。それは仲間からの連絡であった。SUB:『案内人を見つけた』。 集合場所を確認し、そちらへ向かおうと視線を一瞬、指先に戻す。するとそこには題名のない背表紙。 ああ、これか? ●洋画を観た後はぼそぼそとなんかそれっぽいことを言う 真名を答えよ。 時名を讃えよ。 神名を与えよ。 ~とある黒本より抜粋~ 『邪気眼の取扱説明書』。 表表紙にそれだけ書かれた黒い本を見つめ、リベリスタ達は緊張していた。 おそらくこれで間違いないとは思われるが、それでも確認をしなくてはならない。正しくそれであるならば、開いた瞬間に彼らは暗示にかかり、なんというか、解放されるのだ。1日だけの夢。その後には恥辱と苦悩が待っている。 「それじゃあ、本の中身を確認してみようか」 好奇心と不安感。殺猫の思いに耐えたものは、少し離れて成り行きを見守っている。 「怖いわけじゃないわ。むしろ、嫌いじゃないわよ?」 向こう側にたどり着いたことで暴走しないとも限らない。確実に対象を回収し、アークに送り届けるという役目を負うものが必要なのだ。 そして、頁はめくられ。 「これは……まさか、『天に牙を向けし者の書』!」 ラキに異変あり。 「これならば、これならば高位次元存在でも受肉させることができるッ」 現在を背負いし彼は、11次元よりの侵略者である暗黒機神王ヴォルガニオウスの野望を阻止せねばならない。多大なる犠牲を払い、なんとか機神王の完全召喚は阻止できたものの、超高次元より飛来するそれらとの決着はまだついたわけではないのだ。しかし、この書物に記載された封術を用いれば、奴をこの遥か下位次元である3階層にて固定、こちらのルールで受肉させることができる。それにより高位次元のバックアップを絶たせれば、あのインヴェイダーをも打倒できるかもしれない。 「ぐあっ! ヤツもこの本の存在に気がついたか。ちっ、悪あがきしやがって!」 前戦による影響で機械化した右半身を抱え、侵食を食い止める。こんなところで振って湧いた機会を失うワケにはいかない。 「見える、見えるぞ……! こちらへと繋ぎ止められ、崩れ落ちる貴様の姿が! 待っていろ機神王。オレは絶対に負けはしないッ」 昇化した右目、『箱庭の王』に映るのは、約束された平穏の未来か、はたまた現世の陥落か。 例えどんな未来を見ようと、けして諦めるわけにはいかない。 「私は魔界のお姫様……記憶を封印され、この世界に……」 虚空を見つめ、鬱穂は一人、己の妄想に浸っていた。 「この世界には、私を守る七人の騎士が……」 ルビは『ナイト』で。 「私が覚醒したとき、封印が解かれ、魔界への門が開かれる……」 耳を寄せなければ聞こえないほどの小声で、しいて言えば自転車通学中に歌の練習をする感じ。これはそんな感じ。 「あ、頭が……封印された記憶がっ……!!」 両手で頭を抑え、仰け反る仕草とそれらしき苦悶の表情。なんだか凄く楽しそうだ。 「……魔界の業火に焼かれ、塵と化せばよいのです」 開かれたっぽい。 好奇心の葛藤。それは得てして、打ち勝った方が幸せなケースが多い。しかし、当人はその幸福に気付くことはない。不幸と平常の天秤では、前者への後悔こそあれ、後者への感謝は至難である為だ。 竹之助も、その葛藤に耐えていた。誰も中身の確認をしようとしないのであれば、自分が買って出るつもりではあった。しかし、思いの外勇者は多いものだ。彼らに任せておいてなんの問題もない。それに、様子を見るに確定としてよさそうではあった。 それでも、心惹かれるものがある。ちょっと見てみたい。自分はどのようになってしまうのか。記述はどのようになっているのか。気になって仕方がない。それでも、効力後の恐ろしさを知っている。ああなってしまうことを知っている。 鹿耳の少年は、先に立つ後悔と気付きうる幸福の間で揺れていた。 このアーティファクトは非常に強力なものである。 読む必要はない、見るだけでいい。見てしまうだけでいい。目に入ってしまうだけで侵食し、支配し、魅了する。 加えて言えば、実物である必要すらない。つまり、 「くっ……俺の中のケモノが疼く……こんな面白……いや、危険なアーティファクトのことは皆に知らせなければッ」 なにやらそれっぽいこと言いながら、影継はビデオカメラ越しに本を見ていた。お前それで何をするつもりだ。 「む、莫迦な……この俺が過ちを犯す……だと……!?」 まず確実に犯しそうだが。 「これを見た者は須らく闇の深淵へと追放する他……ん?」 そこで、何かに気づいたように影継は自分の行動を振り返った。 「俺……あんまり変わってない?」 うん。 影継の例にあるように、元からそれである者にはあまり効果がないようだ。いや、効果はあるが変わり様がないのか。 清音も当然、その一人だった。 「なんだ……この程度……」 彼女にとって、このアーティファクトは意味が無い。これは本物を増やすわけでもなければ新たな知識を植えこむものでもない。単にそれのように振舞う人を一時的に生み出す程度に過ぎないのだ。真実として魔導書と呼べうるものには程遠く、悪意を振りまく小事でしか無い。 ぶっちゃけ、既に中二病患者である彼女に対してなんの効果も上げられないのである。それでも、回収はせねばならない。確認は済んだ。任務完遂の為、眼帯の少女は漆黒の書物を閉じた。 「くすくす……なんだかとても気分が良いですわね?」 高揚する。黒の本は柚須を侵食し、発症させた。だが、彼女の場合はそれにより自分の世界に入ってしまうほどではなかったようだ。個人差があるのだろう。全く効力をなさない者もいるあたり、天然のそれであればあるほど効き目は薄くなるのかもしれない。 「さあ、帰りますわよ? これをイヴへと届けるのが、私達が天より授かった使命なのですからね」 清音が閉じた本を、那美が鋼糸でがんじがらめにし、封印。影継がアタッシュケースに入れ、これをアークに送り届けることで任務は完了した。勿論、この後恐ろしい後遺症が待っているのだが。 余談。 弐升は携帯電話の確定ボタンを押すと、ビデオ機能を終了させ、胸ポケットへしまいこんだ。彼は黒の本へは一切視線を向けていないし、そのレンズもそちらを映してはいなかった。彼が撮影していたのは、仲間たちである。 「えーと、携帯の動画撮影機能ってこれで良かったかな」 やめてやれ。 ●クラスメイトにノート見せてと言われても全力で拒否 灰かぶりの受け売りではないが。 束の間の夢とはきっかけである。 君は今、叡智へと足を踏み入れ。 同時に、暗闇へと放り出された。 ~とある黒本より抜粋~ 『旅に出ます。探さないでください』。 後日談。ラキの姿はアークのどこにも見当たらなかった。哀れにも、原罪を背負うことに耐え切れなかったのだろう。もしくは右半身の侵食にやられてしまったのか。なんにせよ、これで機械王に打ち勝つチャンスは露と消えたのだ。 とまあ、それくらいにしておいて。 本部にてラキの書置きを見つけた弐升は、黙って端末内のデータフォルダを削除した。フォルダ名には昨日の日付が記載されている。 「これ以上苦しめることもないでしょう……」 流石に、追い打ちをかけるには良心がいたんだか。 本部内は、地獄絵図であった。 どっかの誰かが内部ネットで黒本の動画を流したために、ついさっきまで感染者だらけであったのだ。感染者だらけであったということは、今は阿鼻叫喚の後悔地獄であるわけで。 ノートを燃やせ。忘れてくれ。もう嫌だ。死にたい。いっそ殺せ。そんな魂の叫びが本部ではとびかっていた。 無論、任務にあたったリベリスタ達も例外ではない、筈なのだが。 「ふ、所詮は紛い物を生み出すだけの代物、大した物ではなかったわね。しかし『奴ら』が動き出したのは事実……ええ、そちらも気を付けて、我らに龍の加護があらんことを」 治ってないんじゃないぞ。元からこうなんだぞ。 ともあれ、被害はある意味最小に抑えることができた。アーク本部内はこんなことになってはいるものの、一般社会に損害を与える前に回収できたことは成果と言っていいだろう。莫迦な道具に見えるこれも、市井を脅かすきっかけにならないとは限らないのだから。 さて、後日の後日などありはしないのだが、動画データを垂れ流した犯人はきちんと特定された。当然のこと、真・影継が呼び出され、こっぴどく叱られたのだが……それ以上は本件に関係はなし。 以下略。それではまた何れ。 了。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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