●三高平⇔彼方のチャンネル 最近は遙かなチャンネルから掛かってくる電話にも慣れてきた。 文字化けの画面、解読不能の電話番号。和気藹々。お菓子の世界のアザーバイドと。 『へぇ、君、もうすぐ誕生日なのかネ。オメデトオメデト!』 「はい。ありがとうございますぞ公爵様」 『それじゃ誕生日プレゼントを用意しなきゃデスネ』 「えっ良いんですか」 『当たり前田のオセンベイー』 「それを言うならクラッカー」 『ハハハ。まぁ、今送っといたから美味しく食べ給エ』 「ありがとうございますぞー! ……って、え、ちょっ、『今』?」 『ウン』 「え」 『モウ届くと思いマスヨ』 なんていう陽気なアザーバイドの声が機械耳に届いたのと、現れた次元の扉から大量過ぎるお菓子が届いたのは、全くの同時。 ●メルクリィからの招待状 ハローモルゲン皆々様、メルクリィですぞ。 という訳でオカシな公爵という『お菓子の世界』に住むとってもフレンドリーなアザーバイドさんからデラ大量のお菓子が送られてきたんですよね。 ちょっと一人じゃ食べ切れないんで、宜しければご一緒に如何ですか? お待ちしておりますぞ! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ガンマ | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年04月13日(金)22:50 |
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●オメルクリィ 出迎えたのは、フォーチュナの笑顔と異界のお菓子の山だった。 「おたんじょうび、おめでとう……はっぴーばーすでーなの」 先ずはお祝いと那雪は眠たげな視線をメルクリィへ向け――きりっ。 「大事なことだから、二回、いうのよ……けっして、言い間違いじゃないのよ……」 「ありがとうございますぞ! 最後視線が逸れた事に関しては何も言いますまい」 そこへ一礼したのはリーゼロット、招待の礼と誕生祝いの言葉を口にすればゴソゴソと手渡すプレゼント。 「大したものでは無いですが」 花屋の袋からラッピングされた掌大の小箱。その中には、 「トゲが柔らかく安全で水をやらないでも大丈夫なインテリア用のミニサボテンです。お気に召せば良いのですが」 「ありがとうございますぞー! お部屋に飾りますね!」 笑顔で受け取った機械男へ、更にエリスがスッと手を差し出した。お守り。アンテナに引っ掛ける。 「誕生日……おめでとう。エリスも……お祝いに……来た」 駆ける。掛ける。アンテナに沢山掛けてゆく。 「健康が……一番。神社で……御守りを……買って……きた」 家内安全から安産祈願まで全種類、果ては破魔矢や自分のひいた大吉おみくじまでアンテナに引っ掛け引っ掛け。 「これで……何が……起きても……大丈夫。きっと……御利益が……有る」 満足気な頷き一つ。感謝の言葉を聞きつつ満足そうに立ち去った。 「うーす。相変わらず元気なんだかどうか分からん顔だな。よく眠れないのか? よく食べてよく眠る。これが健康の基本だからな」 「う~ん、やっぱ睡眠って必要ですよね?」 ディートリッヒの言葉にお守りだらけのメルクリィは首を傾げた。 「今日一日が素晴らしき1日になりますように。今後の健康とご多幸を記念しております」 まずはお祝いの言葉を、と京一は頭を下げる。ご丁寧にどうもとメルクリィも頭を下げる。 「人は一つ年をとるごとに新たなことを学んでいきますが、メルクリィさんはこの年になられてどのようなことを学ばれますか、楽しみですね。私も家庭を持ち、妻や子供との生活の中、1日1日が勉強であることを実感しています。特に子供の視点から見てどう感じるかというのは、私自身が忘れていた何かを思い出すことができますから」 それでは楽しい1日を過ごされますように。 「名古屋さんとは仕事した機会殆ど無いんだが、まあ縁だしな」 あと、異世界の菓子とか興味深いしと冥真はメルクリィへ目を遣った。ハイと手渡すのはお面とかお面とかお面である。 「取り敢えず般若と能面と鬼の面と。まあおどろおどろしいお面フルコースでいこうか!」 「どんな顔をすべきなのでしょう私ァ!」 そして冥真のこの笑顔である。イジメてねーよ祝ってるよ全力で。 「色々な方と交友関係を持っているというか、この場合は相手の方がフレンドリーというべきでしょうか」 お面やらお守りやら、早くもアレげな外見になってきたメルクリィへ茉莉は取り敢えずお祝いの言葉を。 「食べ物関係にしようと思いましたが、随分と溢れかえるくらいに有るみたいですからね。赤薔薇の花束をお持ちしました」 「ありがとございますぞ!」 花言葉から余計なことを連想しそうな人がいそうですねと茉莉は苦笑、しかし彼女は男性に対し恋愛感情を抱けない。 「ただ、胸に赤薔薇をさしたら、色合いからして映えそうだったものですから」 それではと踵を返す。異界のお菓子、どんなお味でしょうね。 「で、名古屋。なんか欲しいもんあるか?」 こういう稼業やってて他人の誕生日を祝えるってのもめでたい事だとランディはメルクリィへ問う。「そうですねぇ」と考え込むそれを見ながら――正直コイツの好みはさっぱり解らん。見た目アザーバイドだし、うーむ。 「特にこれと言っては」 「そうか、ならこれを護身用にもっときな。きっとお前らとて戦う日が来るかも知れない」 「ランディ様……これは」 「何って斧だよ、斧。色ツヤ、重量感、威力 文句無しの一品だぜ」 「すごく……ハンドアクスです」 「そんな嬉しそうな顔するなって、照れるだろ」 「早速装備させて頂きますね!」 「……しかしアザーバイドからまでお祝いか、なんとも人望があるのかなんとやら」 チャンネルの影響なんて野暮なモンさえなければ素直に付き合えた連中も居るだろうにな、と彼方を見遣る。しかしそれも「悪い」と束の間、しんみりしちまったなと苦笑を浮かべた。 「そうそう 表にお前にバイクくれてやるから好きに使え」 「え、いいんですか?」 「いいから言ってるんだよ、じゃあな」 歩み去るランディと入れ違いにやって来たのは拓真――その道中に横目で見るのは異界のお菓子。なんだろう、これは。普段見ないお菓子が大量に。 「……まあ、これは有難く後で俺もいただくとして」 誕生日。やはり年に一度の祝い事、折角なので。 「誕生日おめでとう。俺からは……まあ、ありきたりだとは思うのだが」 差し出すのは花束。花で色々と形作って売られている物――綺麗な花がかわいい動物を形作っている。 「これは?」 「なんでも、熊を形作った物なのだとか……」 言いながら……しかし、これは普通は女性に贈る物だろうか?困った様子をする様なら、素直に取り下げた方が良さそう、かな? (熊、可愛いと思うのだが) 見遣った。嬉しそうだった。ありがとうございますぞ! 「名古屋は誕生日おめでとう。外見からは分からんが、何歳になるんだ?」 「38ですぞー」 「まあ、何歳でも問題はないがな」 アルトリアとそんなやりとりをしていたメルクリィへ、そあらが贈るのは苺色のLEDである。 「メルクリィさんお誕生日おめでとなのです、よく割られるみたいですからスペアはいっぱいあってもきっと役にたつのです」 「ありがとうございますぞー! でもLEDェ……」 割れたら付けます。 「メルクリィ、誕生日おめっとさん! いつも未来視には助けられちょるけんね、お礼もかねて祝いに来たでー」 「どーもですぞ仁太様! こちらこそ、いつもお疲れ様ですぞ」 「かまへんかまへん、んでせっかくやけん、ちとフォーチュナの真似事してみよかと思ってな」 もよもよ……仁太予報によると…… 「『真空管が割られる』ぜよ」 「デスヨネー」 「……まぁこんな席でも真空管が割れると予想してな、こいつを持って来たで!」 ガラスのコップ×2!(テッテテー) 「ここをこないしてこう肩に置いたらほらそっくりぜよ~! 割られる前でもダミーになるし、割りたい人が仰山おってもこれで解決やね!」 「ありがとうございますぞ、なんかもう濃厚なフラグ臭しか感じませんがありがとうございますぞ!!」 今日も今日とて嫌な予感がしない。 「メルクリィさん、まずは誕生日のお祝いを。これからも皆さんに愛される人でありますように。そして肩の真空管が割られませんようにご祈念申し上げます」 真琴の言葉も力強いんだがフラグのかほり。 「誕生日おめでとう名古屋さん! 甘いものに良く合うデザートワインを見繕ってきたんだ。良かったら一緒に飲まない?」 そこへやって来たのは快、見た目はアレだけど味は確かだからアイスワインと組み合わせれば良いマリアージュになると思うんだ、と栓を開けて。 配るのは彼だけで無い、成人済みの仲間達へも。 「ハッピーバースデイ! 乾杯!」 皆で掲げるグラス、笑顔、祝辞と感謝。 会話の花の絢爛さは食事と酒の素晴らしさに比例する。 「そうそう、名古屋さんに誕生日プレゼント! 肩の真空管の予備! これがあれば、いつ何度割られても安心だね!」 「快様まで……たくさんのお気遣いに私、泣きそうですぞ」 「そういえばなんで肩は真空管なんだろう。電球とかの方が便利そうなのに。いっそ付け替えてみる?」 「何ででしょうねぇ……こればっかりは物心ついた頃から生えてたんで何とも」 「そうなんだ。ま、何はともあれ、いつも皆を気遣ってくれてありがとう。これからも、よろしく」 「えぇ、こちらこそ」 交わす笑み、その背後からどしーんとタックルしたのはモノマである。 「名古屋誕生日おめでとー!」 「どーもですぞー!」 腕にぶら下がり楽しげな様子。パーティーだしちょっくらハメはずしても大丈夫だよな、と。 「とげとげかこいい。おめでとうおめでとう真空管もわるぜそれはもう再生したはしからわっていくぜ」 ぱりーん! 「どっこいダミーがございます」 「な、なんだってー」 ドヤ顔758。の下へ、笑顔のツァインがやって来た。フラグの香り。モノマガード。 「メルクリィ誕生日おめでと~うッ……っと、そう警戒しないでくれよ。今日は違うんだぜ、守りにきたんだ! メルクリィを!」 「ダウト」 「何ですかその目は、誕生日ぐらいいい事あって欲しいなっていうささやかな気持ちですよ。さぁ使うがいい、古の聖戦より伝えられし秘奥義! ツァインガードを!」 「なんと! あの伝説のツァインガードですって!」 衝撃のメルクリィ、更に夏栖斗もやって来て。 「誕生日おめでとう! メルクリィ! ってわけでお祝い!」 「あ、どうもですぞ!」 「……いつもいろいろフォーチュナーの仕事やってくれて、笑顔で送り出してくれて、帰ってきたらいつも笑顔で労ってくれるの、すっげー嬉しいんだ。ちゃんとアークに帰ってこれたって実感できてさ、いつもありがとうな!」 こういうタイミングでしか恥ずかしくてお礼いえないけどさ、と照れをはぐらかす様に笑って言う。 「いえいえ、こちらこそいつもありがとうございます。フォーチュナ冥利に尽きますぞ!」 「ありがと! ほんとに誕生日おめでとう! いつものお礼をこめて肩揉みしてやるよ!」 「え、でも私の肩ってフルメッカですぞ」 「まかせろって!」 ぱりーん! 「……あ」 「何故どっさいさいしたのか敢えて聞きませんが、ツァインガード発動ですぞ」 「ふ、ダミーとすり替えておいたのさ!」 なんていうツァインは既に席に着き食べる方に集中。一回ぽっきり。 「メルクリィのパリィンを防ぎきる事など……神とて叶わぬ話ッ!!」(キリッ 「……」 「因みにパリンが無ければ割りたい衝動をクロスジハードによって抑えこんでいるぞ」 (こいつ……) ランディさんから貰った斧でちょっとしばきたくなったとさ。 「ま、祝う気持ちは皆一緒だろ」 銘々を見、宗一は苦笑を浮かべる。視線を戻す。例のお菓子。 「見た目が変てこだが、これ結構いけるな。うん、うめぇうめぇ。見た目がアレでもうまいならいいじゃんね」 たくさん食べてるモノマの姿。うねうねぴょんぴょんした活きがよすぎる不定形の料理も明らかに金属的な質感に見える板状の物も美味しくもぐもぐ。 宗一は何とも言えぬ表情だ。話には聞いてはいたが、見た目がその、アレだな。味は良いらしいが――一先ず機械男へ顔を向けた。 「しかしまあ、メタルフレームも元は人間だから年は取るんだろうが。その身形で誕生日だといわれてもなんか、な。何歳になるんだ?」 「38ですぞー」 「へぇ。なぁ、そういや元々フィクサードだったんだよな。何でアークのフォーチュナになったんだ? 良かったら経緯教えてくれよ。仲間のことは気になるだろ?」 「そう、話せば長いんですけどね――」 あれは暑い夏の日でした…… 「って私一回もフィクサードになった事ァないですぞー!!」 ダウトって言われそうだけども。 「名古屋さん38歳のお誕生日おめでとうございます!」 弾けるクラッカー、亘の笑顔。宜しければ此方にどうぞと座らせて。 用意したのは公爵のお菓子と、亘が独自に作った異世界風お菓子。青色で鳥の形の飴細工っぽい何か。召し上がれ、と言いつつその背へ。肩に手を。 「いつもお仕事頑張っているので肩がこってるんじゃないかと思いまして」 「亘様からはフラグの香りがしません……お願いしても宜しいでしょうか?」 「任せて下さい!」 と言ったものの。 え、これフル機械だし棘だらけだしどう揉めと? (あきら……諦めないで揉むよ!) 「前に相談に乗ってくれてありがとうございます。悩みとしてはあれですが自分はあのアドバイスを貰えて自信がつきました。 ふふ、そのお礼とになればいいのですが、この一時で過ごしでも安らぎを感じていただければ幸いです」 「ありがとうございますね~はぁ電子回路が解れる……」 メタフレって不思議。 「名古屋さんは38歳の御誕生日おめでとうね」 配膳の手は休めずにエナーシアが祝いの言葉を述べる。 「プレゼントとして茶葉を持ってきたわ。オカシな公爵さんの出すお菓子の味はハロウィンの時で憶えたから、合う紅茶をね」 曰く、パーティの皆に振舞っても十分に余る良があるので配膳しちゃうわねと。 「残りは公爵がまたお菓子を送ってきた時にでも使うと良いのだわ」 「ありがとうございますね! ……おや? エナーシア様の分は?」 「私の分?あとでちゃんと飲むから大丈夫よ」 猫舌なので直ぐには飲めないのです><。――という心をCOOOLに隠して着席、異界のお菓子へ手を伸ばす。前回は見た目を普通に加工してから食べたけれど、正直そのままの見た目でも悪くないと思ってた。 「むしろ可愛いと思うのです、おもに色味や造形なんかが」 なので今回はそのまま口へ。味は保証付きなのだから。 終にとって公爵さんお菓子を食べるのもこれで3回目。段々感覚がおかしくなってきて見た目なんか全然気にならなくなってきた。 「いや、むしろ、普通に美味しそうに見えてきた気も……」 それはさて置き、今こそ先日本屋さんから交換して貰った本を試す時。 1:お菓子を目に焼き付け 2:記憶したお菓子を元にイメージ膨らませ 3:パチン☆ ……。 「やっぱ無理か……」 異界系誕生日ケーキ制作失敗――そして気が付くメルクリィの視線。 「は、みられてーら☆ ごめんね、異界系誕生日ケーキ失敗したから普通の誕生日ケーキで我慢してね」 すすいと差し出す758とデコられたケーキ。打ち鳴らすクラッカー。 「メルクリィさんハッピバー☆」 ●びみびみ 異界のお菓子。グロテスクお菓子。 「見た目? 安全で美味しければ何も問題はありませんよ」 リーゼロットは躊躇なく食べている。 「お菓子……おか……うわぁ。ちょっと待ってこのカラーリングとかまんまアメリカだろ。欧米。食べる色じゃありませんじゃないですか美味いんですが何故です」 冥真の毒無効さんがウォーミングアップを始めたような気がしたが、全然そんな事無かったぜ。 「取り敢えず美味く見えるように整形できねえもんかなぁこれ。まあ美味しいからいいけど。いいんだけどさ……」 黙々と食べる。複雑な心境。 相変わらず見た目はこの世界基準だと最悪。それに対して味の方は最高。 「世の中のパティシエが知ったら、まず、首吊りそうだよな」 毎度のことだからすっかり慣れきったとディートリッヒは自由気儘に食べまくる。それをじっと見詰めるのは真琴、どこか羨ましげな視線。 お菓子については最近、体重計と睨めっこする機会が増えたものでして。 メタルフレームといえどやはり気になるものでして。 (美味しいと噂のお菓子を食べられないのは、凄く……もとい、少し残念な気がします) エナーシアが配膳した紅茶で誤魔化し誤魔化し。 おめでとう。また一歩死に近づいたね――なんて言葉でメルクリィを何とも言えぬ笑顔にさせた綺沙羅の目前、噂に聞いていたブツ。見た目がマジで食べ物じゃない。周りで食べている人とお菓子を交互に見遣る。 (何であれを美味しそうに食べれるんだろう。美味しいとは聴いているけど) 取り敢えず、ぱくっ。 「マジ見た目詐欺……表現できないけど美味い……」 「本当に美味いのか?」 アルトリアは怪訝な目でそれらを見渡している。手にとって、意を決して、一口。 「……見た目はなんだが、確かに美味い」 料理は見た目ではない、味だ……が、やっぱり見た目も重視したいところではあるけれど。まあいい。手当たり次第頂こう。 (そういえばこれの原材料とかはどうなってるんだろうな。聞かないほうがいい気もするが) 美味いからいいか。 「お菓子がいっぱいだから、きっといちごの何かもあると思ってきたのに、なんですか!! これは!!! こんなの人間が食べる食べ物ではないのです!」 あたし人間じゃないですけれどリベリスタですし、とそあらは尻尾の毛を逆立る、その視界にグロテスク。 見た目はともかく、味は保障っていわれても視覚は大事なのだ。大事なのに、こんな、ヒドイ。でも美味しそうに食べてる人もいる。 「うー……」 勇気を出して一口。 「あれ? 意外といけるです?」 口の中にほんのりスイカ味。ということは。もしかすると。 「いちご味もあるかもです! 探してみるのです!」 ふらふら、那雪の目に目に刺激的なお菓子達。こんなの初めて見る。 どうせ死ぬ気で食べるなら一番見た目がすごいのにチャレンジしたい。きりっ。そんな意気込みで手に取ったのは紫色っぽくてうねうねしてる……こう、見た感じ食べ物って言葉から逸脱した物体である。 「死なばもろとも……えいっ」 もきゅ。 「……」 ぱぁ。 何か、ほんのり上品な甘さで、メープルっぽい味わい。おいしい。 「これは、他にも、いっぱい食べるの……だって、甘いものは、別腹っていうものね……」 羞恥心は、どっかに、ぽいしてきたの。 今日の私はイイヒト 今日の私はイイヒト 今日の私は聖人成人超星人 「ハッピーバースデイ! メルクリィ♪」 異界のお菓子をもぐもぐしているエーデルワイスの登場と共にツァインガードなメルクリィ。構わず続ける。 「そういえばメルクリィ、オカシな伯爵に連絡取れますか? お礼がしたいので……あと伯爵の誕生日も聞きたいですね。その日はアークの総戦力でお菓子大会&戦争したいなぁ」 「ふむ……そうなんですが、あの電話って完全に一方通行なんですよね。今度かかって来た時に訊いてみますぞ!」 「やー、そんな便利なホットラインがあるんですねえ。うらやましーなー」 横合いから顔を出したのはユウである。 「あ、お誕生日おめでとうございます! はっぴーめるくりー!」 「どーもですぞー!」 「普段はあんまりご縁がありませんけど、何やらお菓子がいっっっぱい食べられると聞いて馳せ参じましたよー」 で、どれですか? ……えっ? 「た、食べられるんですかね……」 カレーは混ぜちゃう派のユウでもちょい引く位の凄さ。異界のアレ。ごくり。えーい、いてまえー! もぐ。 「こ、これは!」 \うまい/(テーレッテレー 「うん、噂に聞いていたとおり凄い外見ですね」 流石に大抵の人はこれで躊躇する筈と麻衣の思う通りに躊躇している者の姿、しかし最終的にはテーレッテレー。さて、実食の時間。 「……凄く美味しいです」 なんというか、見た目とのギャップが凄すぎて何とも言えない。癖になりそうな味――ただし食べすぎ注意。 「名古屋様お誕生日おめでとうですわ! 噂はお聞きしております……肩の壊れやすいアレとかうっかり粗相して壊しお仕置きしてもらいたいなんてウフフわたくしは何を」 「フフッ」 そんな撫那に対し何とも言えぬメルクリィの微笑み。そうそうと気を取り直す。上位世界のお菓子がメインだった。この世ではありえないお菓子、心が躍る。 「一体どんなステキな……見た目……うわあ……食べなきゃダメかしら」 え、美味しいから食べろ? 「いくら味が良くてもこんな見た目はちょっとんほおおお!?」 しばらくおまちください 「お、おいし、おいしいですわーーーーーーーー!? し、しあわせですわー最高ですわー!?」 もぐむしゃはふちゅる。 「あ、アザーバイドには勝てませんでしたわ……」 OWP(お菓子まみれダブルピース)。 「名古屋さんっていうんか、なんや強そうな人やな!? え、この人オペレーターなん? どう見ても戦闘要員やろ!」 驚愕するあきらにメルクリィは穏やか笑顔。ハンドアクスをドヤ顔で見せ付ける。とりあえず、始めまして誕生日おめでとう。そして見遣った異界のお菓子。 「これって装飾とかじゃなくてお菓子やったんか。三高平はこんなもん食うのかの……色んな意味で俺の住んでた所とは常識を逸しとるな。住んでる人も食いもんも常識外や!」 皆食ってるし多分、食っても大丈夫な物なんやろ。 「これ食べとかんと村八分とかにされるんやないやろか」 ちょっとだけ食べてすぐ吐き出せば大丈夫――なんて一口。驚き。 「これめっちゃうまいな、何事も見た目やないって事なんやろな!」 「そゆ事ですな!」 私も見かけによらず非戦闘員なんですてへぺろ。 メルクリィちゃんのお誕生日?ぜひお祝いしなきゃね! という訳でエレオノーラは異界のアレを見渡した。公爵のお菓子ならきっと美味しい。 さて彼が最近ハマっているのはレモン味のお菓子である。さわやかな味は食が進むものだ……この、黄色いものがそうかしら? 「……メルクリィちゃん! お誕生日だもの、食べさせてあげるわね」 「えっいいんですか」 「いいのよ。さあ、口あけて、嫌とはいわないわよね。はい、あーん」 「はいー♪」 一方で綾兎は辺りを見渡し――視線を逸らした。お菓子がグロイ。想像以上。 「まぁ……味は美味しいなら今後の参考になる、よね?」 じゃなきゃこんな危険なもの食べにこないし、 (……名古屋さんの御祝いにきたってのも、本当だけれど) まぁ、別に、そんなに、本気で、御祝いなわけじゃないけれども。けれども。きたからには、やっぱり言わないと。 「誕生日、おめでと。これ……プレゼント。お菓子……まぁ、ここのお菓子もきっと美味しいだろうけれど……。普通のお菓子も、食べたいかなって……」 「あ、ドーモですぞ綾兎様!」 「……べ、別に、名古屋さんの為だけに作ってきたわけじゃないから他の人と食べればいいんじゃない?」 ていっと押し付けるのは苺のロールケーキ、踵を返すや早足でお菓子の下へ。 ●よくもこんなry 「よっ、メルクリー! ハッピーバースデーだ!」 「どーもですぞ狄龍様!」 「お菓子、好きかい?」 ~ 「うん、大好きさ!」 「しっかし、お前さんにも誕生日とかあったんだなァ……ついさっきそこで聞いたモンだから、ロクなプレゼントも持たずに悪いな」 「いえ、そんな。お気持ちだけでもありがたいのですぞ!」 「とりあえず、ほれ! 肩のソレを拭く為のタオルだ! 新素材でお肌にも優しいぜーby100円ショップだけど。まあ、今度なんか奢るぜ」 「ドゥンドゥン奢っていいんですよ」 という会話はさて置き、例の異世界のアレ。すっげえなあと思わず漏らした。 「いや、俺はこれで甘い物もイケるクチなんだ。勿論お菓子だって大好きでゲス。だがこの見た目は……うぬぬ……」 エ゛ェーイ! 「あ、意外とって言うか普通にうめぇ」 ~~ ●かしけん! ショスタコーヴィチのヴァイオリンソナタ――友人の誕生日の為に作曲したらしいとか。アンジェリカが紡いだ旋律が終われば、辺りから拍手。 「名古屋さん、お誕生日おめでとうっ! ろうそくもってきたわよ! ケーキに立て……これ、お誕生ケーキ、かしら?」 「これでピカピカになってね……」 ぼかーんとか、ならないかしら?ポコポコプシューとかしてるケーキ()へニニギアはろうそくを立てるか立てまいか首を傾げ、アンジェリカはメルクリィへとプレゼントとしてワックスを差し出した。 さて、と向かうは異界のお菓子。 お菓子研究部【かしけん】の一員として、お菓子と聞いたら放っておけない、研究せねば。 「どんな味がするのか楽しみだな……しっかり研究しようね……」 「えぇ、おいしいお菓子いっぱいいただくわっ」 アンジェリカは期待感から無表情ながら頬が微かに上気して、ニニギアはふんすと意気込みを強く。 だけれども。アレな見た目に一瞬引いちゃう。くらりと蹌踉めいちゃう。 「……チャレンジあるのみ!」 ニニギアの一声で、勇気を出し一口。瞬間に咥内から全身へ満ち満ちるのは至高の美味だった。 「ん、おいしい……サクッとした食感と口の中でふわっと溶けていく上品な甘み。これがあのどす黒くところどころ蛍光グリーンの塊、だなんて」 「……」 驚愕のニニギア、一方で表情に滅多に見せぬ笑顔を咲かせてアンジェリカは夢中になってお菓子を食べていた。が、ハッと我に帰るやサイレントメモリ――味の秘密が分かるかな? ……。 いっそ清々しい程さっぱりわからなかった…… ●めるめる 「メルクリィさ~んっ!!」 「ルア様ー♪」 突撃どっかーん、ないすきゃっちでご挨拶。 「メルクリィさん、お誕生日おめでとうなの!」 「ありがとうございますぞ!」 抱きあげてくれた彼へぎゅっぎゅと、それからほっぺにおめでとうのちゅっ。 それから、あのねあのね、と少しはにかみながらも。 「プレゼントをご用意したのっ」 差し出した箱。上品なリボンと包装。開けてみて、と促して。 そこに収まっていたのは白いティーセットであった。ふんわりとした小さな花の集まり、パステルカラーで陰影をつけて、まるで可憐なブーケの様。 「私のお気に入りなの。ここに描かれているお花はね、アリッサムっていうの。この『アリッサム』で紅茶をどうぞなの♪」 ありがとうございます!笑顔、機械の掌で彼女を撫で撫で。箱の隙間のメッセージカードに嬉しくってちょっとうるってきたのは歳だろうか。 『メルクリィさんにとって素敵な一年でありますように! 大好きをいっぱい詰め込んで』 \ですぞ/ 「もるげんなのです! 誕生日か、製造年月日! おめでとうです! 3月30日は、今日から7月58日なのです! それは! 8月なんにちかなのです」 「何とコメントしたら良いのか迷ったので、ありがとうございますと伝えておきますぞイーリス様! 取り敢えずお菓子でもいかがですか」 「お菓子! はいぱーいっぱいあるのです! ぜんぶ! へんなのなのです! 私! これ! たべるです!」 元気一杯に躊躇せずイーリスが手に取ったのはホルモン的な見た目のお菓子であった。ぐろい。 「ねればねるほど、なんと! いろがかわるのです! なぞなのです……でも! こういうめずらしいのこそ! こうこうせいに、ふさわしいと思うので、これを選ぶです」 「テーレッテレーですな」 「758さん! これ、たべるですぞです! たべると! くちのなかが、あわがいっぱいになるのです!」 これも、なぞなのです。 「それに……なぜか、おいしいのです……」 「テーレッテレーですな」 \ですぞ/ 「お誕生日のプレゼント、色々考えました。手編みのマフラーやセーター……は、もう暑いし。手作りのお菓子……は、私が作るよりもずっと美味しいものが、公爵様から届いてますし」 メルクリィの傍にて多美はもじもじと視線を逸らして呟いた。 だからと続ける。お菓子を一緒に食べましょう、と。 「うん、美味しい、本当にすっごく美味しい!」 メルクリィ見つめ続けて、この色合いと形状は見ないようにして――本当は私を食べて欲ry。 「あ、そうだわ! 公爵様にもう一つ作って頂こう!」 公爵にメールするよう頼んでみる……が、どうやら連絡は一方通行らしいとの事。 「……」 しょんぼり。自分の写真を添付して、多美型バースデーケーキを送って貰いたかったのだが。 機械男は少女の頭をもふりと撫でる。お気持ちだけで私は本当に嬉しいのですよ、と。 「うぅん……ごめんなさい、自分で作らなきゃダメって事ですかね」 なんて、はにかみ笑い。 \ですぞ/ ルカはだいすきなてばさきの誕生日のお祝いにきてるの。だから、 「あーんしなさいよ」 目の前にドッサィとお菓子を置くなりルカルカの一言。 「え、お祝いに来てる……んですよね?」 「あのね、ルカにあーんしてルカのかわいいところみせるのが誕生日プレゼントなの」 「あぁ、そういう……はい、あーん」 「あーん」 食べながら、しかし三高平でいちばんかしこい()ルカルカはお約束のエロだって厭わない。ドドメ色のクリームを胸元とかに落として、セクシー。 「うっふん、目の保養さーびす。ルカ、せくしー三高平いちなの」 「フフ、そうですな。ピンクハインランですな」 なでなでしてくる機械男へ渾身のドヤァ。すこしくらいならあーんしてあげると口にドドメ色のアレを突っ込んだり。楽しいお菓子タイム。 「あのね、おたんじょうびおめでとうてばさき大好きなの」 ぎゅーっとだっこ。大好き、と。 「おぉう 唐突に言われると何だか照れますな、私もルカルカ様が大好きですぞ!」 「ありがとね。あのね。らいねんもね。お祝いするの。やくそくよ。ゆびきりげんまんなの」 「勿論、約束ですぞ」 絡めた小指と、約束の歌。 \ですぞ/ 「こんにちわ、メルクリィ、いつもお世話になってるわね。年はいくつになるの?」 「38ですぞ」 意外と年とってるのね、と久嶺は冗談っぽく笑んだ。それから何とはなし、近くでお菓子でも食べながら語り出す。 「最初、依頼でお世話になるときはフィクサードが紛れ込んでアークを罠に貶めようとしてるのかと疑ったものだわ……。まぁ、何度もお世話になるにつれて本当は紳士的でとても優しい人ってわかったけど、人は見かけによらないってつくづく思うわ……」 「フフ、ありがとうございますぞ。久嶺様は私の思った通り良い人です」 褒めても何も出ないわよ、と返して。 「そうそう、誕生日おめでとうね。アタシからのプレゼント、ハンカチよ」 このハンカチ、材質がいいものだから、眼鏡とか、ガラスとか拭くのにもいいのよ。 「その真空管? たまに指紋ついてるから、丁度いいかと思って? ついでに、ほら、あーん」 差し出すお菓子、頂きますぞと遠慮無く頂くフォーチュナ。 「おいしい? 美少女にあーんして貰えるなんて幸せものね!」 「えぇ、本当。私は幸せ者です」 ありがとうございますね! \ですぞ/ 「皆さんほどほどにしないといけませんよ?」 なんて、あまりハメを外し過ぎぬよう凛子が声をかける。いつも通りの救護班。 「いつもながら怪我が多いのは困りものですね」 「えぇ、ですが今回、なんと私は皆々様のお陰で無傷なんですよ奇跡的に」 いつもありがとうございますね、との言葉に凛子はくすりと笑んだ。傍にて置くのは紅茶とケーキ、かける言葉は誕生日祝い。他愛もない語らい。辺りの楽しげな騒ぎを見守りながら。 「美味しいにも色々とあるんですね」 凛子が食べている異界のお菓子は甘さ以外を特徴としたもの。いやはや、それにしても絶品。 一段落もすれば彼に誕生日プレゼントを差し出した。 「よい歯並びをしているなと思っていましたので……」 「えぇ、自慢の歯です」 実はちょこっと機械化してるのですよ。 ●めるめるめる 「メリクリーさん、お誕生日おめでとう~☆」 とらが打ち鳴らすクラッカーの音が響く、飾り紐が空間を彩る。 「誕生日おめでとうございます。……仕事もいいけど、たまにはゆっくり体を休めなきゃね」 いつも顔色悪いみたいだし、とキリエがとらとともに手渡したのは枕だった――「758」式まくら。先日、依頼でアザーバイドに枕をお持ち帰りされてたので。 「そして! 今日はメリクリーさんのお誕生日だからっ、とらがメリクリーさんを高い高いするね☆」 言うなり、がっ!と胴に手を回し!(半分ほどしか手が回ってないけども!) 電話帳を手で引き裂ける覚醒者パワー☆全快!! 「うわ、うわわーー!?」 「天井、ぶつけないように気をつけて」 「任せて☆」 ゴッ。 「ごふっ」 「あ」 「……。」 まぁそんな事もありーの、楽しいお菓子タイムである。 「さっきの、楽しかった?」 「えぇ……高い高いをして貰うなんて幼少期以来でしょうか」 「よかったー! メリクリーさんシャンメリーね、とらがついであげるよ☆それとも、コーヒーがいい?」 「ではシャンメリーを」 そんな二人の一方で、キリエはちょっと青い顔。 (……これが噂の……オカシな……くわしく語るべきでない何かの現場に見える……) 「えーと、とらはぁ……そこの(眼球みたいな)まるいのにしようかなっ♪ ……わー、口の中でぶしゅっとはじけて、中からトロっとしたのが出てきたよ~☆ キリエちゃんも食べなよ、甘酸っぱくておいしいよ?」 「とら……リアルな実況しないで……。口の端から、何か垂れてるよ」 とらの口を拭いつつ――何か、夢に見そう。横でメルクリィも普通にグロイのをニコニコ食べてるし。 美味しいって言うけれども……なんて。 ●ですぞですぞ 「随分と人が集った、メルクリィの人徳故だな」 菓子に惹かれた者も居る様だが、共に楽しむには善哉。と続けた源一郎はメルクリィの横にて頷きを一つ。そうですかね、と貰ったプレゼントを大事に整理しながら彼は応えた。 その横顔を見、訊ねる。 「今宵は暫し付き合って貰えるだろうか、メルクリィ」 「構いませんよ、今日は一日オフなんです」 ならばと選ぶのは分け合って食べる品――美味で、しかし滅多に食べられない代物。その上その世界は平和なのだという。少し、羨ましい。 「此の年に成ると年を重ねた事を祝うよりも、今迄生きていた事を祝う、その様な面を強く感ずる」 今日まで生きていたからこそ、我らは出会えた故。 「誕生日おめでとう、メルクリィよ。此の先の人生も、輝かしい物で在る事を強く願い、その様に成る為に助力しよう」 「えぇ、これからも私を貴方の親友でいさせて下さいね」 ぼっち()な竜一ではあるが、この度はメルクリィを祝いに来た。 「だって名古屋の誕生日だし! 俺は祝うよ! 盛大に! 名古屋尽くしに飾り付けするよ!」 色紙でなんかよくわかんないわっかの飾り付けとか、『名古屋聖誕祭』と書かれた垂れ幕とか、メルクリィの年の数だけ立たされた蝋人形(748ver)とか。 「あとは、誕生日プレゼント! もちろん、758印の真空管だよ! これで割られても大丈夫だよね!」 「ありがとうございますぞ! お陰で残機がモリモリです」 「名古屋の感情に合わせて、青点灯したり赤点灯したりする」 「えっ」 「そんな改造を施してみたい」 「え」 「名古屋魔改造……それを俺は、公爵と相談したい!」 「しゃれにならん☆」 そんな折、遠くから大きな声。レイラインが持ち前の俊足を活かして駆けてきていた。 「メルクリィー! はっぴーばーすでーなのじゃってお菓子ぃー!」 にゃぎゃー! ……… …… … 数分後――意気込んでお菓子ゾーンに突っ込んだは良いものの、味覚以外の全ての感覚が拒否反応を起こした上、近くにあったガスの立ち上るゲル状ジュースが爆発、えらいことになってレイライン帰還。 「あれはお菓子では無い……異次元の何かじゃ……でも舐めちゃったら美味しかった……」 しょんぼり、お洋服がべっとべと。 「うー、メルクリィと記念撮影しようと思ったのにこの有様じゃ……」 「はははっ、いやはや。悪くないと思いますぞ? パーティらしくって」 「ほ、ほんとかえ? それなら、いいんじゃけど……じゃあ撮るぞよ? タイマーセットして――はい、ちーず、じゃ!」 閃くフラッシュ。 記念の一枚。 満面のEWP(えへ顔ダブルピース)なレイライン、その横でメルクリィはちょっと嬉し泣き気味だったり。皆に祝われ、何だか本当に嬉しかったのだとか。 源一郎の手にも記念の一枚、竜一はそんなメルクリィの様子を撮影班として撮影したり。 しかしこんな幸せな誕生日は初めてですぞ、といつもの声音で目尻を拭った。 楽しい宴は、今しばし続く。 『了』 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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