●余剰警報 声が、聞こえていた。 泣きじゃくるような声だ。無邪気に笑う声だ。意味を成さない声だ。怒り狂う声だ。それは、可愛い可愛い赤ん坊の声。 可愛らしい。微笑ましい。そう思えていい声だ。だが、今のこの場では違和感しかない。だって、今は月も見えない闇夜なのだから。 不審に思う。心配に思う。まさか、置き去りではなかろうか。これだけの声だ。これだけの数だ。大変だったろう。大変なのだろう。だが、それを苦にして捨てられたのではあるまいか。そう邪険して、声の元を辿ることにした。やめておけば、よかったものを。 走るほど、声は大きくなっていく。つまりは、自分が間違った道を進んでいるのではないのだと実感させてくれる。こっちだ。こっちで正しいのだ。 声が一際大きくなって。目的の場所に辿り着いたのだと気づいた。だが、そこに赤ん坊の姿は見えない。見えるのは、大柄な人影だけだ。蹲っている、声はそこから、聴こえている。なんだ、親御さんが一緒じゃないか。安堵したと同時、それはこちらを振り向いた。 劈いた悲鳴が、始めは誰のものか分からなかった。喉からひきつるような呼気がでたことで、ようやっとそれが自分のものだと悟る。逃げなくては、そう思った時には腰がすくんで立ち上がることも出来なかった。 首を振る。懸命に首を振る。近づいてくるそれに向けて。そうすれば、この現実を否定できるのだとでも信仰しているように。だが、わかっている。そんな風にはいかないのだと。 それには、首がなかった。筋肉質で胸板は異様なまでに広い。身体は青黒く、昨今のアクション洋画でよく見かけるゾンビに近い。そして、そのささくれ立ち変色した胸部には声の元があった。 赤子だ。赤子の顔だ。それがこの大きな胸板に植わっている。無数に植わっている。 「あああぁあぁぁあああぁぁああ」 泣いていたり。笑っていたり。そのどれもが意味を成さない。意味を成さない言葉だ。だが、それが耳に入るほど呆け、何も考えられなくなる。どうして自分がこうであるのか考えられなくなる。大柄なその男の腕が、私に伸びてきていたとしても。 嗚呼、頭が掴まれた。でも、笑っている。ほら、赤子も。私も。よかった。寂しい赤子は居ないのだ。きっと幸せに育つのだろう。そうも思えば、自分がこうして失われることも、どこか救いのあるように思えていた。 暗転。なに、狂っていたのだろう。 ●施錠連絡 「誘拐事件」 集められたリベリスタらに向けた、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)の第一声はそれだった。 「誘拐事件よ。どうにも、エリューションが一般人を狙っておびき寄せ、攫っているようなの」 誘拐。拉致。人攫い。フィクサードであればともかく、エリューションがそれを行なう理由となると見当もつけにくい。大概は、その場で殺されるか。食われるか。ともかくも、遭遇からどうにかなるまでにタイムラグがあることなど滅多にないからだ。 「うん、なにが目的かはわからない。でも、見過ごすわけにはいかないから」 止めてきて、と。つまるところは、その殲滅を。 「攫われた人たちのことは、考えなくても。いいから」 それの、意味するところはひとつしかなく。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:yakigote | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年03月23日(金)22:25 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●悲鳴通報 泣いている。泣き叫んでいる。泣いて泣いて涙している。いつからだろう。いつまでだろう。これが哀しいわけではない。悲しいわけではないのだ。 春先とはいうものの、まだまだ肌寒いものだ。夜にもなると冷え込み、上着がなければ風を引いてしまうだろう。しんしんとして、暗い。それこそ、人攫いには丁度良い夜なのかも知れなかった。 エリューションが誘拐を犯すだなんて、奇妙なものだと『アリアドネの銀弾』不動峰 杏樹(BNE000062)は思う。元来、殺して。殺して。殺して。この世界を崩界に巻き込む存在。それがまたある種知的で狡猾な真似に及ぶものだろうか。そういえば、そんな妖怪が居ると耳にしたことがあるような、ないような。どちらにせよ、見逃す訳にはいかない。ここで確実にその被害を食い止めてしまわねば。 『夜翔け鳩』犬束・うさぎ(BNE000189)にとって、赤ん坊の仕事というのは泣くことと。笑うことと。育つことだ。泣いて、笑う。そこまでは出来ているのだろう。そこまでは完璧なのだろう。あまりにも不自然な形で。あまりにも歪んだ形で。なんという悪辣。心中で歯噛みする。嗚呼、嗚呼。そうだろう。そうだろうとも。きっと、狂っているのだろう。こんなものを作った奴は。 エリューションが一般人を誘拐する。その目的は仔細に分からず、その理由も目下のところ詳しいことは知り得ていない。実に不可解ではある。攫って、どうしようというのか。まさか、貯蓄するほど生命に執着する存在でもあるまいに。分からぬことは幾つもあるのだが、どうであろうと『シスター』カルナ・ラレンティーナ(BNE000562)にも結論は同じ事。いずれにせよ、看過はできぬ。 エリューションによる人攫い。どんな目論見があるのかと思考を巡らせてみるものの、『鋼脚のマスケティア』ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)には答えがでない。ただ、もしも話に聴く赤子の顔が、擬態であるのなら。ただその形であるためだけのものであるのなら。その悪趣味を許さない。もしも連れ去られた人達に関連するのなら、尚の事。必ず、必ず葬り去ってあげる。 ろくでもない、悪趣味な外見のそれが多いこと。視界は世界を個体で認識する最重要デバイスだ。それが生理的嫌悪感を催すものともなれば、そこにあって気分のいいはずもない。ただ、最低限として。敵をぶちのめせばそれでよいというのは素敵な話だ。シンプルで、わかりやすい。裏の何か。そんなものは頭の廻る誰かに任せるとしよう。所詮は群体を形成する一個に過ぎないのだと、『論理決闘者』阿野 弐升(BNE001158)は達観した。 非道。否、外道か。『不屈』神谷 要(BNE002861)はまだ見ぬ敵に感想を吐き捨てた。赤ん坊を何人も何人も植わらせたエリューション。それが崩界に関する半自然的な産物であるのならばともかく、人為的な何かであるのだとすればその評価以外に何を当てはめることができよう。攫っているのが、もしもそのそれだとするのなら。ここで打ち倒そう。これ以上の悲劇を繰り返してはいけない。 「可愛い赤ちゃん……だとっ!?」 『リップ・ヴァン・ウィンクル』天船 ルカ(BNE002998)は、敵の詳細を聴いて驚いたものだった。赤子と同居し、赤子と赤子と同体し、赤子と赤子と赤子と赤子と同意した。させられた、エリューション。もしもそれが人口のそれであるならば、いったいどれほどの赤子を犠牲にしてしまったのか。そんな醜悪な化物の為に、何人を失ってしまったというのか。 静寂。それは夜の音。しんしんと。と。何かが聞こえた気がして、『宿曜師』九曜 計都(BNE003026)はそちらへと振り返った。意味を成さないような言葉。意味を成しているような悲鳴。笑い声。赤ん坊の。そう認識した時には、予め用意していたそれらで耳を塞いでいた。仲間も、同じだ。その声は人を誘う。その声は人を惑わせる。わかっているのなら、聴かなければいいだけだ。そうすればいいだけだ。 意識を確認する。オーケイ。自己活動に不定はない。大丈夫。いまのところ大丈夫。武器を構えて、覚悟を決めて。さあ、その道角を曲がるとしよう。 ●禍災報知 笑っている。私は笑っている。隣のやつは泣いているのに。私は笑っている。別段、加虐的な趣味で笑っているのではない。特に何が楽しいわけでもないのだから。 振り返ったそれは、聴いていた通りのものだった。分厚い胸板。首から上はない。肌の色、質感はまるで動く死体のようだ。そんなものがあればだが。そして、胸に植わったいくつもの。赤ん坊赤ん坊赤ん坊赤赤赤赤あかんぼうあかんぼうあかあかあかあかかかああか。目を背けたい。その思いを懸命にこらえた。 きっと泣いているのだろう。きっと笑っているのだろう。そんな顔だ。そんな顔だらけだ。聞こえないけれど。せめてもそれには胸を撫で下ろし、意識を戦闘へと傾ける。踏み込んだ。駆け出した。終わらせなければ。正気で居られる内に。 ●偶然予鈴 泣いている。笑っている。いつからだろう。いつまでだろう。前はそんなものではなかった気がする。もう思い出すこともできないけれど、そういうものではなかった気がする。どうしてだろう。嗚呼、そういう風に作り変えられてしまったのは。 大音量が夜空に響く。うさぎが置いたラジカセによるものだが、本人にその調べが聞こえることはない。しっかりと閉じられた音の世界は、うさぎに何も届けない。届かせない。岩窟のそれも、赤子のそれも。だから、これだけ近くてもそれは届かない。自分の耳には泣き声も笑い声も侵してこない。 無音の世界は邪魔をしない。自分の形を見つめさせてくれる。大丈夫。ほら、こんなに近くても。うさぎの刃がエリューションの身体を一線にする。違う方向に散らばった殺意が、一振りでその青白をずたずたに斬り裂いた。肩から、反対側の腰まで。赤子ごと。血は流れない。抜き取られているのか、もともとそういうものなのか。幾層の刃傷で両断されたそれらの顔顔顔も傷口が開くばかりで内側の桃色を見せるばかりで一滴の赤も零すことなく口元は動いているのを見やるに表情が豊かであるのを見やるにその声も止まってはいないようだった。心中でえづくも、顔はいつものままで。 「一点集中。誘う間もなく、今すぐ粉砕してやる」 杏樹の一矢が胸の赤子に突き刺さった。仲間の攻撃が効いているのか、すぐさま回復するなどという様子はない。今のうちだ。矢をつがえ、何度も。何度も何度も引き金を引いた。 目がえぐれ、鼻がひしゃげ、頬に穴が開いている。それでもなお、笑う。笑っているのだと見えている。怖気の走るものだ。赤ん坊の声はよく聴くし、赤ん坊の笑う顔も泣く顔も目にしているが。目に直線の刺さったまま一滴の何もなく無邪気にそれは笑う。笑って泣いて笑い続けるそれは。それらは。恐ろしい。そんなものは。そんなものが集まったものは。本当に本当に恐ろしい。どれそれの効力が消えたのか、エリューションの傷口が盛り上がった。再生の兆候ととった杏樹は再び腕を突き出して。引き金を引く瞬間。再生した赤子の両目が、自分のそれと合わさった気がした。心臓をつかまれたような錯覚。嗚呼、さっさと終わらせてしまいたい。 カルナの詠唱に応じて、魔力が味方の傷を癒していく。敵の一撃は強力だ。声を途切れさせるわけにはいくまい。声。声。赤ん坊の、声。耳を塞いでいる自分には聴こえないけれど。その魅惑の声は効かないけれど。笑っている。泣いている。その表情は見えている。無邪気な顔のままのもの。刃で引き裂かれ歪んでしまったもの。自己修復の為に傷口から肉がせり上がっているもの。 嫌悪と、痛ましさ。思わず顔を背けたくなる光景だが、思わず手を止めたくなる光景ではあるのだが。カルナは回復の手を休めることはない。これに怯んでしまえば、これに囚われてしまえば、それはより多くの被害を出してしまうだろう。もしもこれが、本物の赤ん坊を基にしているというのなら。この先いくつの。幾十の。 感情移入したがる心を、同情に傾きたくなる心を抑えつける。これ以上の悲劇を止めるために。声を張り上げた。届け。癒やせ。笑い声を聞くな。泣き声を聞くな。響け、守るために。 半月の弧を描いて飛来したミュゼーヌのつま先が、エリューションの胸に突き刺さった。潰れてひしゃげたような耳障り。確かに砕いた感触が、フルメタルの脚線美からも伝わって。思わず顔をしかめた。頭骨が割れ、眼窩に刺さり。尾骨が割れて上唇から顔を出している。それでもなお赤子は笑顔で。笑顔で。笑っている。笑っているのだ。笑っているのだろう。聴こえないけれど。聴きたくないけれど。耳に蓋をしているけれど。嗚呼それでも笑っているのだろう。声を上げて笑っているのだろう。 惨たらしい。こみ上げる吐き気を懸命にこらえた。喉元までせり上がった胃液で焼け付くように痛い。だがその不快感が、自分の意識を戦場へと引き戻してくれた。歯を食いしばり、再び脚を振り上げる。目尻に涙を浮かべていても、けして顔を背けたりはしなかった。 「エリューション風情が……私の心を乱さないで!」 踵が打ち込まれる。次のそれはきっと泣いていた。泣いていたのだ。 赤子と泣き声とチェーンソー。ばるばるばるばるぎゃあぎゃあぎゃあ。電光を纏った機械鋸が泣きっぱなしのきかん坊を斬り裂いた。ずたずたに、ずたずたに。飛び散る電熱が自分を焼き焦がすが、気にしない。関係ない。ずたずたに。ずたずたに。それでも、泣いている。最早親とて見分けのつかぬほどぐちゃぐちゃになってずたずたになっているというのに。嗚呼、畜生。 「ああああ、潰す潰す潰す!」 ヒステリックシャウト。メランコリックハイテンション。気持ち悪い。ああもう気持ち悪い。胸を掻き毟りたくなるほど気持ち悪い。畜生。畜生。じゃあ全部ばらばらだ。なにもかもどれもこれもばらばらだ。バラしたらとまれ。とまるまでバラせ。 エリューションに頬を殴りつけられた。首の骨が折れるかと思うほどの衝撃。苛立ちは最高潮。獣みたいな意味不明を叫んで喚いてのたうって。無茶苦茶に、ぐちゃぐちゃに殺意を振り回した。何度も。何度も何度も何度も何度も。 十字に編まれた要の光罰が、エリューションの青い身体を撃ちぬいた。爛れ、ささくれ。死者のそれとしか見れぬ巨漢がいくら傷つこうとも、それ以上の無残さに段階を繰り上げることはない。何かあるとすれば、どんなそれに対してもまず植わった赤子らの方だった。笑っている。泣いている。 タフな相手ではあるものの。回復を阻害されている以上、少しずつではあるがダメージは積み重なっている。だが、それに比例して。胸のそれらはなおも痛ましいものに成り果てていた。傷だらけ。そんな表現は生ぬるい。ぐちゃぐちゃで、ざんばらだ。ひしゃげていないところはないし、砕けていないところもない。辛い。罪悪感でいっぱいになる。なる。されてしまう。もしもこれすら狙いだとするのなら、本当に。なんて悪趣味で。ひとでなし。 辛い。苦しい。酷い。それらがぐるぐるぐるぐるないまぜになって渦巻いている。それでも、これはもう起きてしまった悲劇だ。これからのために、それを振り払わなければならない。 喉が枯れそうだと感じたのは、いつ頃前だっただろう。それからずうっとこのままだが、案外持ち堪えるものだ。もしかしたら、もう慣れてしまったせいかもしれないが。戦闘開始からこちら、癒すための文言を口にし続けている傍らに、ルカはそんなことを考えていた。 癒す。癒す。傷つく度に、癒す。癒す。それだけだ。やっていることはそれだけだ。この夜この場所この醜悪を前にして、彼はこれだけを繰り返している。 その恩恵は大きい。相手の膂力を見るに、無茶な突撃こそ叶いそうにないものの。戦闘における安定度を一気に高めていた。エンカウントした初弾から比べて、エリューションも随分と傷だらけになったものだ。何度か再生を行なってはいたものの。物量と阻害に侵され、その生命力を半分も発揮できないでいた。また、仲間の攻撃が入る。カウンター気味にエリューションの一撃を受けたものの、ルカのそれにより癒されていく。いい傾向だ。そう思うも、声を上げ続けるそれを止めようとはしなかった。 ひしゃげて、つぶれて、ささくれて。最早エリューションには見る影もない。否、はじめから見て取れるものではなかったけれど。 それを好機と感じ。計都は弓をその場に置くと、脳にひとつ命令をだした。敵と、繋げと。狙うは無数の赤子らではなく、首無の本体。さて、鬼が出るか蛇が出るか。異物が出た。 楽しい楽しい楽しい楽しい悲しい悲しい悲しい悲しい苦しい苦しい苦しい苦しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しいこれが楽しい故にそれも悲しく何より苦しく狂おしくも嬉しいと感じる僕にあなたにほらほらきっと僕らはそういうものだったからこうあろう泣き続けよう笑い続けようどれもどれもどれもどれも――― 接続を、切り離した。程なくして、息をするのも忘れていたことに苦しさで気づく。何だった。今のは何だった。今のは………嗚呼、そういう。うん。簡単だ。実に簡単だ。狂ってしまえばいい。わからないのなら、いっそ同じに成り落ちてしまえばいい。 彼女の顔が、泣いていて。笑っているようにも見えた。 ●結果伝達 楽しい。悲しい。段々。段々。そういうものに心も変わっていく。染められていく。人工的に狂っていく。 いつからか、ずっと優勢に立っていたこの戦闘において。その異常な掛け合わせがここまで戦ってこれたのはひとえにその高められた生命力によるものだろう。確かに一撃が侮れない相手ではあるものの、恒常的に発せられる魅惑のそれらを遮断してしまえば怖い相手ではなかった。 それは誰の一撃によるものであっただろう。ぐちゃりと、相変わらず目を背けたくなるほどの嫌な音を立てて。エリューションの胸部が、今更こんな表現も愚鈍か。赤子の顔はひしゃげ潰れた。それを境に、エリューションの動きがぴたりと止まる。耳を塞いでいる彼らにはわからないが、赤子らの声も止んでいた。 違和感に剣を下げる。静寂を肌で感じ、彼らが耳のそれを外した時だった。腫れて、潰れて、窪んだはずの目が。赤子らの目が。目が。目が。目が見開かれる。 「あああぁあぁぁあああぁぁあああああぁあぁぁあああぁぁあああああぁあぁぁあああぁぁああ」 危機感と嫌悪感で思わず耳を覆う。だがその声にはもう魅惑する力など無い。聴いた誰もがわかっていた。わかってしまった。これは断末魔だ。ただ悲鳴をあげて死んでいくのだ。 何かをかき混ぜたような音がした。空気の抜けた風船のようにエリューションの身体が崩壊していく。中身をぶちまけて、ぶちまけた中身もただれて溶けて。終わってみれば。違和感としこりと微かな満足が、勝利であることを告げていた。 了。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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