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梅子の極楽ダイエット大作戦!


 3月とはいえ、まだ寒いのである。
 寒いと、ちょっとこってりした食べ物を口にしてしまうのは、もうこれは人情ってものだ。
 寒いから外に出ないのも、ある程度仕方がないことなのだ。
 ――この季節、防寒に着膨れした服の下にちょっぴり肉が増えたからって、誰が責められる?


「……つまりこれは、戦いなのよ!」
 そう言って拳を振り上げたのは、エインズワースの黒い方『深謀浅慮』梅子・エインズワース(nBNE000013)である。彼女の手には、何冊もの春物雑誌が抱えられていた。
「可愛い服を着こなす! それはあたしの権利なのだわ!」
 それはわからなくもないが、どうしてその演説が打たれているのがブリーフィングルームなのだ。
 当然の疑問を口にしたリベリスタを「びし!」と口に出しながら指さして梅子が吠える。
「いいこと? 3月なのよ!」
 3月ですね。
「つまりは、ホワイトデーが待ってるのよ!」
 ああ、そういえばそんな行事もありましたね。
「日本ではバレンタインは主に女性からチョコを送る日なのだわ。
 ホワイトデーはその返礼の日! ならば男の子からプレゼントももらえるはずなのだわ!」
 あなたもバレンタインにもらったもの、返事考えてくださいね。
「それはそれ、これはこれ!」
 はいはい。

「ともかく! その日に向けて、自分を少しでも磨いておくのだわ!」
 はあ、そんな高尚な目的で。
「べ、別にあの服のベルトがきつくなったとか言う訳じゃないのだわ!!」
 そ れ が 本 音 か 。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:ももんが  
■難易度:EASY ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年03月19日(月)23:24
ダイエットなんて明日からでいいよね? ももんがです。
梅子のわがままに付き合ってやってください。

●成功条件
梅子は自分で言い出したくせに、飽きた時点で逃げようとします。
最後まで逃がさないでダイエットをさせることが出来れば成功です。

●方法
え、そのあたり私詳しくないので!
皆様にお任せします。

●梅子について
しごかれると泣きます。おだてると調子に乗ります。
食事については、桃子の手によって管理されています。
参加NPC
梅子・エインズワース (nBNE000013)
 


■メイン参加者 8人■
ソードミラージュ
カルナス・レインフォード(BNE000181)
ナイトクリーク
花咲 冬芽(BNE000265)
インヤンマスター
四条・理央(BNE000319)
デュランダル
一条・永(BNE000821)
★MVP
ナイトクリーク
ジェイド・I・キタムラ(BNE000838)
プロアデプト
如月・達哉(BNE001662)
ナイトクリーク
一堂 愛華(BNE002290)
スターサジタリー
ユウ・バスタード(BNE003137)


「……分かってるさ。この依頼を受けた時点でカッコつけるのは無理だって」
 天を仰いだ『チープクォート』ジェイド・I・キタムラ(BNE000838)の 脳裏に蘇るのは、近くの本屋で売れ筋のダイエット関連書籍をチェックした時のこと。
 そういった本は概ね女性向け雑誌の近くにある。購買層が似通っているのだから、それは仕方ない。
 そんな場所で真剣に本をめくる、明らかにダイエット不要な中年男。――何の罰ゲームだ。
「プラムちゃん居る所にオレあり! カルナス・レインフォードここに参上!」
 元気一杯名乗りを上げて、『プラムLove!』カルナス・レインフォード(BNE000181)は今日も美声の無駄遣い。多分その声で優しくささやいてあげたら落ちる女の子少なくないと思うんだ。
「ダイエットしなくても十分魅力的だがプラムちゃんがお望みとあらば協力させて頂こう!」
 プラムちゃんの為、そしてオレの為にいっちょ頑張ろうじゃないの!」
「あら? カルナスも太ったの? それはよくないのだわ、一緒にがんばろうじゃない!」
 ダイエット仲間ね! と宣言して、梅子がカルナスの前でガッツポーズを作ってみせる。
 ――話をそらしたわけではなく、彼女は本気で言っている。頑張れカルナス。
「まずは各自、体重等基礎データを測る。効果を確かめるためだ」
「そうそう、運動前と運動後の差を確認するためにメジャーでサイズを測っておかないとね」
 体重計を持ってきたジェイドに便乗し、カルナスも持参したメジャーを伸ばしてみせる。
「はーい。実は、お仕事でも使うブーツが入らなくなっちゃって。
 そこで、私も目標! 再びこのブーツを楽々履ける様になるまで、頑張ります!」
 ブーツ片手に返事をしたのは『ミックス』ユウ・バスタード(BNE003137)である。
「冬の間に体重が増えちゃったし、ボクもダイエット!
 詳細なトレーニングメニューを組める知識は無いから、ボクも一緒に他の人が組んでくれたダイエットをこなして行くよ」
「梅子さん、一緒にダイエットしよ~よぉ♪」
 その後ろで四条・理央(BNE000319)、『ラブ ウォリアー』一堂 愛華(BNE002290)も体重計待ち。
「女性の体重だから、俺は見ないでおく」
 そう宣言して顔をそらしたジェイドを見た後、ユウを見て、理央を見て愛華を見て、それからやっとカルナスは梅子の顔を見た。
「? カルナスも体重測る? あ、でもあたしの体重とかは教えてあげないのだわ!」
 先制攻撃(無自覚)。 

「これは……なかなかに」
「わー! 冬に食べた物がすべてお腹に……むむむ……」
「減量勝負です、梅子さん!」
「プラムなのだわ! その勝負、受けて立つのだわ! 最終的に軽いほうが勝ちね!」
「それは梅子ちゃんが有利すぎない?」
「減った体重、だと多分私が余裕で勝っちゃいますから、相対評価で――」
「マイネームイズ、プーラームー! いいのだわ負けないのだわ!!」

「あ、あの、サイズ……」
 大騒ぎする女性陣の中に突っ込んで行って乙女の秘密を計測するのは、命知らずの所業である。
 ぶっちゃけフェイト残量によらない死亡判定の可能性すら出てくるのである。
 ――かくしてカルナスくんの野望はここに潰えるのであった、まる。
「……おい、もうそっち見ても大丈夫だな?」
「「「「まだダメー!」」」」


「ほう、ダイエットか。
 基本冬は脂肪をため込む季節ゆえに太りやすい。多少は仕方ないが育ちざかりと言うのもあるので基本代謝は高いだろうと推定する」
 言いながら『アーク監視対象者』如月・達哉 【監視】(BNE001662)は万年筆でさらさらと何やらメモを取り始め、それを愛華が覗き込んだ。
「つまり高い代謝と低カロリー摂取戦法を使えば痩せるのはたやすい。
 例えば……油物、トンカツなどは油で揚げるのではなくオイルスプレーを使って焼き上げることやお米ではなく玄米を食べるとかこんにゃくライスを混ぜて食べるとかそういった手法を提示したい。多少の間食は許されるがその分ダイエットは遠のくだろう」
「あのねぇ、3時くらいだったらお菓子とか食べてもそんなに太ったりしないんだってぇ♪」
「とはいえジュースに関してもペットボトル1本飲むだけで一日の砂糖摂取量は簡単にオーバーする。スポーツドリンクや脂肪燃焼を助けるような飲み物などを飲んだりすればいいと思う」
 食事に関する注意事項を、梅子に――は、言っても聞く耳を持たないだろうということで、メモにしているのだ。これをあとで梅子に、保護者に渡せと言って渡す、そういうことである。
「う~……わけがわかんないのだわ!」
 理解が追いつかなくなって唸り声を上げた梅子をジェイドがなだめた。
「殺し屋の映画であったよな、一杯の牛乳と百回の腹筋。……腹筋だけ鍛えてもしょうがねえって話さ」
「百杯の牛乳と一回の腹筋?」
「逆だ、逆」
 ジェイドもまたスケジュール帳にカリカリと万年筆を走らせている。こちらはダイエットのメニューについて、何をするか等のプログラムを作っていのだ。
 愛華が今度はジェイドのスケジュール帳を覗き込んで、ぴっと一本線を引っ張った。
「一緒にちょこっと運動して、お菓子食べちゃおv このへんで、一通り終わったら、お菓子タ~イム♪
 ご飯の前にチョコレートをひとかじりとかしておくと食欲が若干抑えられたりするんだってよぉ♪
 食べ物って不思議だねぇ♪」
「お菓子タイム!! それは外せないのだわ!」
 男二人、一瞬目を合わせて、沈黙した後、頷きあった。
「……寒天素材のゼリーにしてみたり徹底的にカロリーを省いて量を食べられるメニューを作っていよう」
「任せた」
「任された」
 お菓子で釣って動くなら、それもひとつの手かもしれない。


「痩せすぎてもかえって不健康かと存じますが」
 そんな言葉から切り出したのは、スタイル抜群の見た目女学生な78歳(もうすぐ79)、『永御前』一条・永(BNE000821)である。
「けれど女の子としての悩みもわかりますので、健康的に――」
 び、と振り下ろされる木製の薙刀。薙刀の木刀的なものなのだろう。
 白の胴着、翻る紺袴。永の演舞は周囲の目を惹くほど鮮やかなものだ。
「――簡単な型稽古をしてみましょう。全身を動かしますので、よい運動になりますよ」
「ちょっと待って今のソレをやるの!?」
 おー、と気楽に拍手をしていた梅子が、ぎょっとした表情を浮かべる。
 ダイエット用の稽古などしたことがないという永の言葉(と体型)に、梅子は瞳を輝かせて道場までついてきたわけである。きっと楽に違いない! なんて甘い期待を抱きながら。
 そんなわけはないのである。
 永のきりっとした演舞は、毎日毎日繰り返し繰り返し、無意識に動けるようになるまで繰り返された修練の賜物。たとえ一日一時間でも、それを365日休みなく繰り返せば365時間。
 ――仮に永さん8歳からの薙刀としても25550時間+閏年の回数+もうすぐ365。
「はい、それじゃあやってみましょうか」
 にっこり笑って、死刑宣告。

「体傾いてる! まっすぐ立って!」
「勢いだけで振らないで! ゆっくりでいいから全身の動きを意識して!」
「呼吸ずれてる!」
「目泳いでる! しっかり相手に目を付けて!」

 30分が限界でした。


「うーめーこーさんっ、あっそびーましょっ♪」
 次に飛び込んできたのは『枯れ木に花を咲かせましょう』花咲 冬芽(BNE000265)だ。
「プラムなのだわ!」
 ぐったりとした梅子が顔だけ上げて異論を申し立てるが、冬芽はにっこり笑ってスルーした。
「ダイエットダイエットと肩肘張っちゃうから疲れて飽きちゃうんだよね。
 だから皆で楽しく遊びましょっ♪」
 遊ぶと言うフレーズに梅子がぱちくりと目を瞬いて、ごそごそと起き上がり、目尻の涙をぐしぐし拭う。――その梅子の仕草を見て、冬芽は内心少し悶えた。
 今は救いの手になっている彼女だが、しごかれて涙目な梅子もそれはそれで可愛いと思っていたりする。先ほどまでは泣きが入ってる梅子をしっかり堪能していたのだ。思わず梅子の頭を撫でて、問う。
「飴食べますか?」
「食べる!」
「いいの? このままダイエットに力を入れずに居るとぶくぶくに膨れて、出来た妹に駄目な姉のイメージが皆に付いちゃうよ? 逆にダイエットに大成功してナイスバディーになればやっぱりお姉さんは妹さんより出来るって噂になるかも」
「そ、それは……! そうよ、ダイエットなのだわ!」
 思わず飛び付きかけた梅子を、双子の妹への対抗意識をくすぐって理央が制止する。
「……はっ!? あやうく梅子さんの巧妙な罠にひっかかるところでしたっ!
 ご褒美は運動の後で、という事でまずはプール行きましょうプール!」
「プール!?」
 冬芽の提案に梅子が目を輝かせる。お気に召したようだ。
「大賛成だ! オレがお勧めするダイエット法は『水中ウォーキング』だからな!」
「水中ウォーキング? 歩くだけ?」
 カルナスもポップアップして来た。耳慣れない言葉に梅子が小首をかしげる。
「通常のウォーキングより体重の負荷が少なくて済むうえカロリー消費量は約3倍高くなるすぐれものだ。おまけに水着姿もおがめ……げふんげふん」
「3倍! それは凄いのだわ!?」
 自信満々のカルナスの説明に秒で乗せられる梅子。後半の失言には微塵も気付いてない。

 そんな訳で場所を移してアークの温水プール。
「プール! 一番高い台はドコ? あたしの華麗な飛び込みを見せてあげるのだわ!」
「ストッププラムちゃん!まずは準備体操をして体をほぐしてから!」
 先走る梅子をカルナスが慌てて遮り、正面に立って体操をコーチし始める。
 ついでに対面を幸いと梅子の水着姿を目に焼き付けたりもする。
「……言うほどたるんでる様には見えないがな」
 一歩引いた位置からその様子を見ていたジェイドは、スポーティなデザインのビキニに包まれた梅子の腹部を一瞥だけして思わず呟いた。
「その油断が命取りなんだよ」
 そんな男に理央は少し真剣な顔でそう言うと、自分も準備体操に向かう。
 水着姿であらわになった、思いのほか豊満な身体に、中年男は少し眉根を寄せて目を逸らす。
「厳しいこった。まあ、理屈としちゃ分かるが、男の俺には正直ピンと来な……」
 ジェイドの言葉が止まった。目を逸らした先にユウがいたからだ。
 勝負を挑んでいる彼女は準備体操にすら気合と全力を注いでいる。……そしてそのキレのある動きでなされる体操の動作に、ダイナマイトなバディとミートが引きずられてぶるんぶるんと揺れている。めまい起こしそうなくらいに愛があふれてる光景。
「……なるほど、な」
「はい?」
 更に視線を泳がせてから呟いた重々しい言葉に、何も知らないユウは小首を傾げるのみである。

『端から端までの往復を1セットとして、通常歩行・横歩き・つま先歩きと歩行パターンを変えて繰り返しだ』
 カルナスがそう説明した時、梅子は確かに真剣な顔でうんうんと頷いていた。
 ――のだが、あの真剣な顔は何だったんだと言いたくなる位あっさり飽きてドロップアウトし、今は楽しそうに冬芽を追いかける梅子である。
「羽を使うのは禁止で、皆で鬼ごっこだよっ♪」
「よーし! 飛べなくたって直ぐに捕まえてみせるのだわ!」
「2セットしか持ちませんでしたねえ、水中ウォーキング……」
 少し気まずげに声をかけてきたユウに、しかしカルナスはにやりと笑う。
「プラムちゃんのことだから、こうなるのは分かってた。
 でも問題ない。プールでの水遊びはそれはそれでいい運動になるからな」
「おおお……!」
 したり顔で言うカルナスに、ユウが感心の声を上げる
「むしろオレも遊びに加わることが出来るからむしろオッケィ!」
「おおお!!」
 更に続いた言葉に、ユウのボルテージが更に上がった。
「みんなで楽しく運動だねぇ♪」
 そして快哉を上げながら梅子達の方に走りこむ二人に、楽しそうに笑いながら追従する愛華、理央。
 そんな2人の揺れるハート(比喩表現)を観察する視力に全身全霊を篭める達哉も続き、プールは一気に賑やかで楽しい空間になった。

「……俺、どうしてこんな依頼受けてるんだ?」
 海辺で荷物番に居残るパパの如く、作業着姿のままでプールサイドに残ったジェイドが呻く。
(俺が悪いんだよ! 知ってるよ!)
 自業自得という言葉がこれほど身に染みた日はない。
 鬼だの何だのと大騒ぎの昨今、実戦のない依頼を探した結果がこれである。
 プールを見ればきゃあきゃあと騒ぐ若人達。彼の慣れ親しむ、固茹で卵の世界は遥か彼方。
「戦いの日々が続けばダイエットなど必要ないのかもしれません」
 隣から聞こえた言葉に、天を仰いでいた顔を向けなおす。何時の間にかそこに居たのは永だ。
 奥ゆかしさゆえか、それとも全く別の理由か、道着姿のままの永は少し目を細めプールを見つめている。
「けれど、たまにはこうして皆で試行錯誤するのも楽しいですよね」
 老成を感じさせる穏やかで優しい言葉。
「……チ。ざまあねえ」
 男は自虐的に呟いて言葉を止める。
「仕事は仕事、きっちりこなさねえとな……」
 少し遠くに瑞々しい歓声が響く中、気を取り直すように呟かれたその言葉に、喜寿を超える永き齢を経た大和撫子はただふわりと笑った。


「はい、今日はここまで。よく頑張りました、お疲れ様」
「も、もう動けないのだわ……」
 永の朗らかな声がダイエットメニューの終わりを告げる。プール遊びの後、更にスケートやらボーリングやらといった体力を使う遊びをした結果、梅子はすっかりへとへとになってのびていた。
「では、約束どおりの塩キャンディをっ♪」
「塩!? そんな酸っぱいの……あれ。思ったより辛くないのだわ」
 冬芽がじゃーん、と取り出した飴を、ぶーたれつつも梅子は受け取り、口に放り込み、首を傾げる。
 おそらく、本人が思っていた以上に体が塩分を欲していたのだろう。
「ミネラル大事ですっ。特にダイエット中はっ!
 飲み物は烏龍茶か水かなぁ……ダイエットが終わってからもこれを基本にしておけば、若干の抑制効果が期待できるはずっ♪」
 >< な表情で冬芽がたたみかける。なるほど、とふんふん頷く梅子の背中に、ジェイドが声をかけた。
「今日のところはこんなものか……明日は体幹トレーニングだな」
「あした? 今日で終わりじゃないの!?」
 ぎょっとした声で振り向いた梅子の耳元に顔を寄せ、冬芽が笑って言葉を継いだ。
「千里の道も一歩から、ダイエットは一日にして成らずっ!
 何日かかけて一通りこなしたら、最後の仕上げに皆でエステにいきましょうエステっ!
 私も始めてだからそれをご褒美にがんばりますっ♪」
「エステ……(ごくり)」
 ユウがその言葉に反応する。
「それまでは、1に運動2に運動、3、4が無くて5に運動の勢いだね」
 理央も頷いて、笑ってみせる。
「女の子は体はやわらかい方がいいんだってぇ、明日は柔軟、頑張ろうねぇ♪
 梅子さんの柔軟のお手伝いもしますよぉ♪」
 愛華も少しだけ持ってきていたチョコレートを口にして、明日への抱負を口にする。
「体幹トレーニング、となるとレオタード必須ですか?」
「絶対に!俺は!着ないからな!?」
 服の確認をするユウに、ジェイドが取り乱して喚くのを横目に、梅子は涙目でうつむいた。
「もう、いいのだわ。あのベルトは諦めて、新しいのを買うのだわ……」
 一日で済みそうにないということがショックだったのだろう。押し殺した声で、ぐすっ、とか聞こえてくる。
 永が、そっと羽のしょげた肩に触れた。
「梅子ちゃん、素材はよいのですから腐らせたらもったいないですよ」
「素材……? そ、そうよね、あたしが美人じゃなくなるとか、それ多分人類の損失よね!」
「だから、もう少しだけ頑張ってみましょう?」
 おだてるまでもなく立ち直った梅子に、永は笑いかける。
「縄跳び! ランニング! なまたまご!! うおおおお、えいどりあーん! もんじゃりあーん!!
 逃げずに向かって来るがよい、梅子さん! 負けませんよ!」
 ユウの雄叫び(?)が響き渡る。
「敢えて言うが……食いすぎると今までの苦労が水の泡になるのでほどほどにな?」
 達哉が苦笑いを浮かべながら、さて明日は何をつくろうか、と考え始める。
 機嫌を直した梅子に、カルナスがそっとささやいた。
「……そういえば、バレンタインに贈ったブラジャーの効果はどうだった?」
「☆◎?△※○◆@*!!!!!!」
 梅子の声無き悲鳴と同時に、カルナスには雨あられと魔力の矢が降り注いだのであった、まる。

●おまけ
「せっかくですから着てみましょう、レオタード。 ぎゃっ 肉の余り方が ぎょえー!」
 現実は非情である。ユウ、無念。
「やっぱり、大きくなった胸を減らさずに増えた体重だけを落とそうというのがそもそも無理だったみたい」
 理央さん、贅沢すぎます><。

<了>

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
成功です、お疲れ様でした。
梅子はお気に入りの服を買い換える必要がなくなりました。

MVPは、固茹で卵涙目なジェイド・I・キタムラさんに。



……そうか、体幹トレーニングか……よし今度やってみよう。