●終わりの歌 「―――♪」 それは、歌う。 自分の為の劇場で、特等席で、足を組んで。 スクリーンから漏れる光が薄暗く仄暗く照らし渡していた。 無い網膜に映るドラマ。運命。悲劇。喜劇。 「さぁ」 夥しい数の、夥しい量の、美味なる、甘美なる。 「君はどんなドラマがお好みだい。BGMは何にしようか。喜劇に悲劇にラブロマンス、どれもとっても美味しいよ」 誰とはなしの言葉か――否。 それは『視ている者』に気付いていた。スクリーンのドラマを具に眺めながら。 「君達――美味しそうな運命をしているね」 ●最終章の第一頁 「サテ」 事務椅子に座した名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)が僅かな間の後に言葉を吐いた。 「皆々様のジョブに良く似た能力特性を持つノーフェイス『モドキ』達。後宮シンヤ様の精鋭『暴君戦車』ガンヒルト・グンマ様。 彼等のフェイトを食い尽くし、悲劇を引き起こした存在が……遂に現れました」 『何か』にフェイトを奪われノーフェイスに堕ちたリベリスタ達とフィクサード。かつて、アークによって打ち倒された者達。 その『何か』がモニターに映っている。 それは頭部の無い人型だった。真っ白な外套に身を包み、背中からは掌の様な翼が生え、本来なら頭頂があるだろう所の上に光る輪が浮いている。 一目見て思う。『異様』。 「アザーバイド『歯の生えた胃袋』。様々なチャンネルを渡り歩く『美食』にして『悪食』のアザーバイドでございます。 これがフェイトの味を甚く気に入ってしまったようでして……このチャンネルに頻繁に出没し、遂には根城まで創ってしまいました。 皆々様にはこの根城に赴いて頂き、歯の生えた胃袋を撃退・あわよくば討伐して頂きますぞ!」 一定量のダメージを与えるか、アザーバイドにとって不利な戦況に追い込めば『空間を渡る力』で撤退するという。 「サテ、フェイトを食べる能力についてですが先ずはご安心あれ。どうやら『対象の同意』が得られないと一気に全ては食べられないそうです。 そして……ここからはお気を付けを。直撃すればフェイトが僅かに食べられてしまう攻撃方法を持っております。 厄介な能力はまだありますぞ。これは一度でも100%以上ヒットしたスキル、一度でもかかった状態異常が次からは極端に効き難くなる性質を持っておりまして。更に皆々様の技を模倣したり封印したり、再付与出来なくしたりもしてきますぞ」 かなり特殊タイプですな。顎に手を添えフォーチュナは眉根を寄せた。 「では現場について」 モニターに映し出されたのは町の隅、閉鎖された映画館。 「一見ただの廃映画館ですが、中は歯の生えた胃袋によって亜空間化しとりますぞ」 画面が切り替われば、成程。映画館をベースにした様な、何処か不気味で歪で広い空間。薄暗いのだが何故か妙に明るかった。 その至る所にペラペラの影みたいなモノが蠢いている。様々な形、見覚えがある形。それはかつてのモドキ達とガンヒルトの形。 「アザーバイド『モドキモドキ』。かつてのモドキ達とガンヒルト様の超劣悪コピーとでも呼びましょうか。これが亜空間中にいますぞ! 能力は見た目に準じますが、どれも劣悪版です。そこまで警戒する必要はありませんが油断も禁物ですぞ!」 それから映し出されたのは奇怪な映画館の最奥、『Ω番スクリーン』と描かれたかなり広い劇場客席。巨大なスクリーン。そこから漏れ出す光で、薄暗いが明るかった。 「歯の生えた胃袋はここに居るでしょう。真っ平らではなく階段やら客席やらがあって少し不便かもしれませんな。 歯の生えた胃袋を倒すか撤退させるかをしたら、この亜空間は消滅するでしょう。皆々様ごと消滅する事はありませんぞ、そこはご安心を」 サテ、と一間。以上で説明はお終いです、と。 「厳しい戦いとなるでしょう。……私から皆々様に言えるのはこれだけです。 ――必ず、ご生還を!!」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ガンマ | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ EXタイプ | |||
■参加人数制限: 10人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年03月20日(火)23:26 |
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■メイン参加者 10人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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