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__に捧ぐ戦歌――最終楽章

●終わりの歌
「―――♪」
 それは、歌う。
 自分の為の劇場で、特等席で、足を組んで。
 スクリーンから漏れる光が薄暗く仄暗く照らし渡していた。
 無い網膜に映るドラマ。運命。悲劇。喜劇。
「さぁ」
 夥しい数の、夥しい量の、美味なる、甘美なる。
「君はどんなドラマがお好みだい。BGMは何にしようか。喜劇に悲劇にラブロマンス、どれもとっても美味しいよ」
 誰とはなしの言葉か――否。
 それは『視ている者』に気付いていた。スクリーンのドラマを具に眺めながら。

「君達――美味しそうな運命をしているね」

●最終章の第一頁
「サテ」
 事務椅子に座した名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)が僅かな間の後に言葉を吐いた。
「皆々様のジョブに良く似た能力特性を持つノーフェイス『モドキ』達。後宮シンヤ様の精鋭『暴君戦車』ガンヒルト・グンマ様。
 彼等のフェイトを食い尽くし、悲劇を引き起こした存在が……遂に現れました」
 『何か』にフェイトを奪われノーフェイスに堕ちたリベリスタ達とフィクサード。かつて、アークによって打ち倒された者達。
 その『何か』がモニターに映っている。
 それは頭部の無い人型だった。真っ白な外套に身を包み、背中からは掌の様な翼が生え、本来なら頭頂があるだろう所の上に光る輪が浮いている。
 一目見て思う。『異様』。
「アザーバイド『歯の生えた胃袋』。様々なチャンネルを渡り歩く『美食』にして『悪食』のアザーバイドでございます。
 これがフェイトの味を甚く気に入ってしまったようでして……このチャンネルに頻繁に出没し、遂には根城まで創ってしまいました。
 皆々様にはこの根城に赴いて頂き、歯の生えた胃袋を撃退・あわよくば討伐して頂きますぞ!」
 一定量のダメージを与えるか、アザーバイドにとって不利な戦況に追い込めば『空間を渡る力』で撤退するという。
「サテ、フェイトを食べる能力についてですが先ずはご安心あれ。どうやら『対象の同意』が得られないと一気に全ては食べられないそうです。
 そして……ここからはお気を付けを。直撃すればフェイトが僅かに食べられてしまう攻撃方法を持っております。
 厄介な能力はまだありますぞ。これは一度でも100%以上ヒットしたスキル、一度でもかかった状態異常が次からは極端に効き難くなる性質を持っておりまして。更に皆々様の技を模倣したり封印したり、再付与出来なくしたりもしてきますぞ」
 かなり特殊タイプですな。顎に手を添えフォーチュナは眉根を寄せた。
「では現場について」
 モニターに映し出されたのは町の隅、閉鎖された映画館。
「一見ただの廃映画館ですが、中は歯の生えた胃袋によって亜空間化しとりますぞ」
 画面が切り替われば、成程。映画館をベースにした様な、何処か不気味で歪で広い空間。薄暗いのだが何故か妙に明るかった。
 その至る所にペラペラの影みたいなモノが蠢いている。様々な形、見覚えがある形。それはかつてのモドキ達とガンヒルトの形。
「アザーバイド『モドキモドキ』。かつてのモドキ達とガンヒルト様の超劣悪コピーとでも呼びましょうか。これが亜空間中にいますぞ!
 能力は見た目に準じますが、どれも劣悪版です。そこまで警戒する必要はありませんが油断も禁物ですぞ!」
 それから映し出されたのは奇怪な映画館の最奥、『Ω番スクリーン』と描かれたかなり広い劇場客席。巨大なスクリーン。そこから漏れ出す光で、薄暗いが明るかった。
「歯の生えた胃袋はここに居るでしょう。真っ平らではなく階段やら客席やらがあって少し不便かもしれませんな。
 歯の生えた胃袋を倒すか撤退させるかをしたら、この亜空間は消滅するでしょう。皆々様ごと消滅する事はありませんぞ、そこはご安心を」
 サテ、と一間。以上で説明はお終いです、と。
「厳しい戦いとなるでしょう。……私から皆々様に言えるのはこれだけです。
 ――必ず、ご生還を!!」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:ガンマ  
■難易度:HARD ■ ノーマルシナリオ EXタイプ
■参加人数制限: 10人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年03月20日(火)23:26
!DANGER!
 このシナリオはフェイト残量によらない死亡の可能性がございます。
 また、通常以上にフェイトを消耗する可能性もございます。

●目標
 アザーバイド『歯の生えた胃袋』の討伐or撃退

●登場
アザーバイド『歯の生えた胃袋』
 様々なチャンネルを渡り歩くアザーバイド。人より一回りひょろ長い首無し人間。腕が長い。掌の様な翼が生え、本来なら頭頂があるだろう所の上に光る輪が浮いている。白衣めいた外套。
>特殊能力
 解析理解:一度100%以上ヒットしたスキル・一度かかったBSが、次からは極端に効き難くなる
>主な戦法
 歪軋楽章:常時発動。毎ターン残存フェイト分ダメージ
 改造模倣:リベリスタが使用したスキルを改造模倣
 徹底分解:ブレイク。また、ブレイクした付与を再付与出来なくする
 否定宣言:ランダムで選んだスキル(戦闘スキル、一般スキル、非戦スキル)を一定時間使用不可にする
 Ex美食礼讃:回復技。クリーンヒットした場合、フェイトが僅かに削られる
 など。

アザーバイド『モドキモドキ』
 歯の生えた胃袋が作り出したアザーバイド。薄ぺらい影の様な姿。
 外見は12種類(これまでに登場してきたモドキ+ガンヒルト)
 能力や戦法は外見に準じる(本物のモドキやガンヒルトよりとは段違いに弱いです)

●場所
 閉鎖された映画館。内部は歯の生えた胃袋によって亜空間化している。至る所に様々なモドキモドキ。
 映画館最奥『Ω番スクリーン』に歯の生えた胃袋がいる。

>Ω番スクリーン
 かなり広い劇場客席。巨大なスクリーンが映すのは『客席に居る者の記憶』

●その他
 亜空間やモドキモドキは歯の生えた胃袋が居なくなれば消滅します。(亜空間ごとリベリスタが消滅する事はありません)

●STより
 こんにちはガンマです。
 戦歌シリーズ最終話。あらゆる悲劇の始まり。全ての黒幕。
 皆様の本気と覚悟をお待ちしております。
 宜しくお願い致します。
参加NPC
 


■メイン参加者 10人■
インヤンマスター
朱鷺島・雷音(BNE000003)
スターサジタリー
エナーシア・ガトリング(BNE000422)
ソードミラージュ
絢堂・霧香(BNE000618)
クロスイージス
★MVP
ウラジミール・ヴォロシロフ(BNE000680)
覇界闘士
設楽 悠里(BNE001610)
デュランダル
小崎・岬(BNE002119)
ソードミラージュ
レイライン・エレアニック(BNE002137)
スターサジタリー
坂東・仁太(BNE002354)
ホーリーメイガス
エリス・トワイニング(BNE002382)
ホーリーメイガス
ティアリア・フォン・シュッツヒェン(BNE003064)

●××シネマ
 人生はクローズアップで見れば悲劇。ロングショットで見れば喜劇。
 モノクロフィルムのスーパースターが残した言葉
 この先に待つのは悲劇か、喜劇か。

 僕の手は、何かを救えるのだろうか。
 歪んでいるのに何だかコミカルで不気味な廊下、劇場への扉が乱立している亜空間をリベリスタは駆けていた。その内の一人、『百の獣』朱鷺島・雷音(BNE000003)は開いたグリモアールを抱く指に力を込める。自問。この手は何かを救えるか。
「薄っぺらい影ごときが、運命をもった僕達にかなうはずがないのだ!」
 あちらこちらから湧いてくるモドキモドキの薄っぺらい黒い影を見澄まして、放つ魔法で討ち倒して。
 この先に待つのは運命喰らい――嘗て、噂に聴くガンヒルトが運命を食らわれた相手。
 運命を差し出すことで力を得る事。それは、どんな思いで、どんな覚悟だったのだろう。
(少女であるボクにはそれは想像することしかできないけれど)
 碧の瞳に秘めるのは零では無い恐怖、それを隠す様に堅い決意。

 ボクには運命を喰らわれる覚悟はない。

 だから、運命喰らいを倒す事でこれ以上の悲劇を止める。止めてみせる。
 翼を、足を、行先は一つ。最短ルート。
「10時の方向。マグメイガスモドキが居るわ」
 エネミースキャン。『BlessOfFireArms』エナーシア・ガトリング(BNE000422)が仲間へ展開するのは撃破優先対象の情報。黒い影へ向けるは大口径の対物ライフル。照準を合わせて引き金を引いた。胸のど真ん中を吹き飛ばす。
 その先にて閃いたのは『禍を斬る剣の道』絢堂・霧香(BNE000618)の剣戟、身体のギアを高めたその身を翻せば残像の白が黒い影を切り裂いた。斬禍之剣の刃に映る、凛と引き結んだ少女の横顔。
「退いて貰うよ!」
 先陣を切る。前衛陣の仲間と共に踏み出そうとして――動きが止まった。新たに現れたインヤンマスターとプロアデプトのモドキモドキが繰り出した呪印と気糸の妨害である。
 しかし、次の瞬間にそれらを焼き払ったのは『嗜虐の殺戮天使』ティアリア・フォン・シュッツヒェン(BNE003064)が放った破魔の光であった。仲間を苛む危機を消し去った指先、それを口元に添えるや嗜虐令嬢はくつりと微笑む。もう片手には禍々しい鉄球を携えて。
「ふふ、偽者風情が邪魔しないで貰いたいわ」
 鎖を唸らせ一振るい、襲い掛かって来たナイトクリークの影を叩き潰した。
 その傍らにて鳴り響くのは癒しの旋律、セファー・ラジエルを両の手に広げたエリス・トワイニング(BNE002382)が紡ぐ祝詞。
 数々のノーフェイス、モドキ達。そして、あのガンヒルト・グンマ。
 それらのフェイトを食い尽くした、この世界にとって最悪の存在。
「そんな……アザーバイドは……絶対に……許さない。彼らの……思いを……忘れないために」
 活性化させた体内魔力、強力に気を錬る力。精神力が枯渇する心配は無い分、思い切り仲間をサポートする事が出来る。
 包まれる旋律。真っ白い篭手の『Brave』と『Borderline』が神秘の光に煌めいた――その拳に纏うは雷撃、『ガントレット』設楽 悠里(BNE001610)の凄まじい武舞が押し寄せる影を薙ぎ払い、仲間が進むべき道を切り開く。
「さぁ行こう!」
 立ち止っている暇は無い。
「ガンガン行くよー」
 強烈な轟閃、漆黒の大火。『吶喊ハルバーダー』小崎・岬(BNE002119)のそのずば抜けた攻撃力は他の追随を許さない。それでいて狙いも鋭く、再度振るわれたアンタレスが立ちはだかるデュランダルの影を弾き飛ばしてぶっ飛ばした。
 展開される怒涛の攻めは正面だけではない。隊列の側面より飛び出した『エア肉食系』レイライン・エレアニック(BNE002137)が振るう超速連撃が魔法を放とうとしていたマグメイガスの影を切り裂き動きを縫い止めた。
「何処からでも湧いてくるのう……!」
 クロスイージスの鉄槌を鮮やかに回避し、レイラインは息を吐く。あちらから。こちらから。モドキのモドキは絶え間ない。溢れだして道を塞ぐ――降り注いだ弾幕。モドキモドキの中に、両腕を喪った翼の少女の面影。
「――……」
 何も言わず。何も言わない。あれは偽物。紛い物――だからこそ『彼女』が冒涜された様な心地を覚えて、偽物を睥睨する『暴君戦車』に静かな怒りが宿る。狙い定めた『人生博徒』坂東・仁太(BNE002354)が引き金を退けば、正に暴力と形容すべき弾丸が偽物の影を跡形も無く吹き飛ばした。
「賭け事や勝負はな、相手がおるから楽しいんや」
 捧げた言葉は誰が為。パンツァーテュランから立ち上る硝煙の奥に双眸は鋭く、見澄ます先には『Ω』の文字。Ω番スクリーン。辿り着いた。
 次のモドキモドキ達が攻め入って来る前にリベリスタ達は目配せし合う。この先に居る。扉に手を掛ける。

「――任務を開始する」

 斯くして、『T-34』ウラジミール・ヴォロシロフ(BNE000680)の静然とした声と共に激情への扉が開かれる。
 目的は『撃退』ではない、『討伐。』
 モノクロシネマの罅割れ音楽が鼓膜に、脳に。

●ショゥタイム
 じーーーー、かたかたかたかた。
 薄暗いけれど妙に明るい。大きな大きなスクリーン。巡るフィルム。記憶の数だけ。
 昔のことなんて今更見たくもないのに――ふんと鼻を鳴らしたティアリアの横顔を照らし出すのは忌まわしいその記憶、気に食わない。一番気に食わない。

「やぁやぁ、良く来たね」

 そしてそれは、客席の真ん中。特等席。深く座して頭部の無い目でスクリ-ンを見詰めて。
 アザーバイド、歯の生えた胃袋。
 上映されていたのはそれの記憶だ――地に倒れ伏し、血に濡れ塗れ、死と敗北と喪失の絶望に苛まれている人々。そしてそれは運命を代価に力を手に入れ、そして全てを喪った。絶望の底へ、崩壊の奈落へ。
「さて君達はどんなドラマを見せてくれるのかな。楽しみだよ、だって」
 クスクス、笑んで。顔も向けずに肩を揺らして楽しげに。
「君達――とっても美味しそうな運命をしているね。
 どうだい。私に君達の運命を食べさせてくれまいか。そうしたらお礼に君達の願いを何でも――」
 その言葉を強制的に終わらせたのは一発の弾丸だった。

「本当は貴方が食べられたモノなど何もないのだわ、自称美食家さん」

 エナーシアが放った弾丸は歯の生えた胃袋の翼に防がれてしまった。が、ライフルの照準を合わせるやもう一発。
「悪魔の誘惑は契約自体は間違いなく執行されるからこそ噺になるのだわ。
 食べたらそれでハイさようならとは無粋の極まり、WPさんにも劣るわね」
 細めた目で解析を試みながら、何でも屋は言い放つ。

「今までの分。全て清算して行って貰うわよ――食通気取りの食い逃げ犯」

 派手に銃口が火を噴けば、鋭い弾丸が異形の身体に突き刺さる。
「そうか、そうか。いや、楽しみだよ。君達が私に運命を捧げてくれる言葉を囁いてくれるのが。
 君達の運命は本当に美味しいんだ。力があるほど良い、特に燃え尽きる寸前のモノなんて最ッ高に美味なんだよ。舌の上で蕩けて踊るんだ、ヤミツキになっちゃうね。
 ちょっと前の――あの羽が生えた眼鏡の女の子の運命なんて格別に美味しかったね」
「黙れ胃袋!!」
 抑えきれぬ激情のままに仁太が怒鳴る。睨ね付ける視線と共に向けたのはパンツァーテュランの大口径だった。
「希望を与えてから絶望させるなんぞ陰湿な手を使いくさりおって」
 仇をとっても誰も戻って来ないのは分かっているけれど。それでも、それでも。

「それでもな、お前をぶっ倒さなわっしの気が済まんのや!
 あいつを助けた礼と運命を狂わせた礼、両方まとめてきっちりしちゃるわ――この銃でな!!」

 火を吹く暴君が胃袋を強烈に叩き伏せる。一発だけで足るものか。超速にして圧倒的な射撃は彼の背負う運のままに異形のガードすらぶち破って椅子から弾き飛ばした。
「バウンティショット、か」
 ふらりと立ち上がって異形が言う。解析理解。薄笑んでいるのだろう。振り返って宙に浮き上がる。
 ゾッ、と――好奇心が殺意が食欲が向けられているのを生々しく感じては背骨が軋んだ。

「始めようか、最高のドラマを見せておくれ!!」

 最終楽章が幕を開ける。
 歯の生えた胃袋の声と共に始まるのは、リベリスタが背負う運命の大きさだけ歪んで軋む滅びの歌。
 客席に座っていた偽物の影達が腰を上げる。
(報告書だけで見てた……運命を喰らう化け物)
 深呼吸を一つ、霧香は禍を斬る鋭刀を構えて。

 奴は、自分の欲望の為に、運命を喰らい、運命を狂わせた。
 11人のリベリスタと1人のフィクサード、恐らくはそれ以外も、そしてこれからも、ノーフェイスに変えていくんだろう。
 ――運命を貪って。

「此処で止めないと……いや、討ち滅ぼさないと。絶対、逃がさない!」

 翻す白無垢の戦羽織。之を身に纏う時、其即ち己の剣の道を示す時也。鼓膜から滑りこむ苦痛に歯を食い縛りつ繰り出す残像、影が放つ弾丸をそれよりも速いスピードで躱し切り裂く白の刃。接近戦。胃袋への道を塞ぐ影達へ刃を振るう最中、目の無い顔と視線が合った。
「君の人生は正に剣の道なんだね。ところで絶望って何だと思う? 生きているのに二度と剣が握れなくなったら君はどんな絶望をする?」
 胃袋の背後、スクリーン。只管に剣を振るってきた己の姿。剣に生きてきた己の姿。黙れと叫ぶ。刹那、降り注いだのは客席を遮蔽にして放たれたエナーシアと仁太の一斉掃射であった。薙ぎ払う。胃袋は手近な影を羽の手で引っ掴んで盾にする。
「ハニーコムガトリング」
 胃袋の声、直後に放たれたのは凄まじいまでの散弾雨であった。咄嗟に客席に伏せエナーシアは機を窺う。スキャンによって情報習得を試みたが、流石に上位の怪奇生物か、分からない。だが、まぁ良い。
「元より銃を撃つ以外の事等出来ないわ」
 弾幕が止んだ瞬間を見計らい、引き金を引く。

「偽者を統べる王? ふふ、滑稽もいいところね」
 ここで終わらせてあげる――ティアリアの放つブレイクフィアーが偽物達が撒き散らした危険を消し去ってゆく。
「さあ、わたくしと一緒に殺戮を始めましょう?」
 そちらは傷付け、こちらは治す。生死を彷徨い続ける舞踏を輪廻を踏み躙って。
 次いで響く歌はエリスの詠唱、天使の歌が歪軋楽章を押しのけて清らかに響く。傷付ける音楽に全体攻撃、厄介だ――穿たれた肩の傷を抱いて見渡す劇場にモドキモドキ達の姿は既に無い、エナーシアと仁太の強烈無比な一斉射撃の賜物だろう。

 音楽。狂った音楽。嘲笑。哄笑。手拍子と一緒に。

 悠里は歯の生えた胃袋との間合いを測る。斬風脚は既に解析されてしまった。ならばと決意の拳に火を灯す。左手に勇気。右手に仲間。胸に誓い。
(こいつが、リベリスタの先輩たちやグンマさんのフェイトを!)
 駆けだした瞬間に放たれる凄まじい早撃ちが悠里に襲い掛かる。次々と脚目掛けて放たれる部位狙い、吹き上がる鮮血、蹌踉めく身体――その腕を咄嗟に掴んだのは翼を広げた雷音だった。同時に放つのは傷癒術、悠里の脚の傷が癒えてゆく。
 先ずは安堵を――そして雷音は飛び下がりつつ歯の生えた胃袋を睨み据えた。鳴り響く歪軋楽章によって一番被害を受けているのは彼女だろう、けれど痛みを恐怖を胸に秘め、獅子の少女は全く苦を見せずに言い放つ。

「ボクたちは君のようなものにはまけない。君に食わせる運命なんて持ち合わせていない!」
「人の命を弄んで、絶対に許さない! 今日ここで倒す!」

 続けて悠里も声を張り上げ、焔を拳に躍り掛かる。信じる仲間を、大切なものを守る為。婦連の拳が歯の生えた胃袋の腹部に突き刺さる!
「うぐっ……!」
 その心を表すかの様に燃え上がる一撃に蹌踉めいたアザーバイド、その背中。
「こいつが黒幕かー。そうじゃなくても色々と気に食わない奴だねー、ボク達もご飯のつもりかよー」
 振り上げ、見澄ます、真紅の睥睨。
 飛び上がった岬が思い切り振り被ったアンタレス。

「……ぶっ殺すよ、アンタレス」

 こいつを殴り切る事だけが自分の役割。それを果たすだけ。
 絶対に退くものか。喰らい付いてでも殴り続けてやる。
 力の限り振るった。巻き起こす漆黒の真空刃で強烈に切り裂き千切る。
「お前の敵はボクだよー」
 客席に片足を掛けて、アンタレスを突き付けた。今の出疾風居合い斬りは解析されたか、だが岬には奥の手が在るのだ――この『攻撃力』という常時発動の最終奥義が。

「運命を喰らうとはの……わらわ達は、貴様らの食料になる為に戦って来たのでは無いぞ!」
 掠めた真空刃に血の跡を引いて、レイラインは宙を舞う。響く音楽は破壊と再生、剣を握り締めて飛び掛かる。
「今まで奪ってきたフェイト、利子付きで返してもらうぞよ。利子は当然、貴様の命じゃ!」
 速度を武器にソニックエッジ。渾身の一撃。胃袋が迎え撃つ技は同じ技――解析?模範?分解?それがどうした!

「ふざけるでないわ! わらわ達が今まで築き上げてきたものは貴様に真似出来る程、安くはない!!
 そんなに飢えているのなら……その胃袋ごと切り裂いてやるわ!!」

 ソードミラージュの誇り。速度の象徴。
 速猫の圧倒的な剣の舞が閃く。煌めく。

 死力を尽くして、必ず倒すと胸に誓って。

「蹂躙せぇ、パンツァーテュラン!!」
「ぶっかますよー、アンタレスー!」
 刃で、拳で、弾丸で、旋律で。
 放つ衝撃に強化術を打ち破られようが、否定の言葉に技を封じられようが、運命を燃やそうが、リベリスタ達は立ち上がる。立ち向かう。

●ライン・ダンスで頬笑みを
 一方のウラジミールはたった一人、Ω番スクリーンの出入口に立っていた。
 モドキシリーズの全ての元凶であり親玉か。背後にて奏でられる音楽はじわりじわりと軍人をも蝕む。それでも仲間が回復の術で支えてくれる限り、彼は不落の城塞が如くいつまでも立つ事が出来るだろう。
 オーラの鎧を纏い、コンバットナイフNW-1-01を構えて見据えるのは劇場内へ立ち入ろうとする偽物の面影達。鋭く放たれたソードミラージュの剣閃をバックラーで受け流し、その咽元にNW-1-01を刺し込み掻っ切った。
「ここからは先は通さぬよ」
 押し寄せる影の攻撃を防ぎ、撥ね返し、斬り伏せて。

 歯の生えた胃袋を『倒す』為にも、ここは絶対に死守せねばならぬ。
 ここでケリを付けねば、異形はまた多くの悲劇を生み出すだろう。
 ここが勝負の境目。
 この境目を越えようとするものは倒さねばならぬ。
 守り続けよう、これは防衛戦。
 敵が押し寄せて来る限り、戦い続けよう。
 振りかざす刃には神聖な力。

「自分のもとに来るなら必ず死ぬだろう!」

 魔を落とす鉄の一撃。正に沈まぬ戦艦。
 出入り口が大きくなかったのも一つの幸いだろう、地形を活かせば幾ら押し寄せてこようとも数で押し切られ負ける事は無い。それに加え、この少佐は耐久力ならパーティの誰よりも秀でていた。模倣の影の攻撃など城塞を撫でる微風に過ぎない。
「絶対に通さん!」
 放たれたマグメイガスの業炎を刃の一閃で斬り払う。インヤンマスターが放った呪印に縛られる事は無く、デュラダルの凄まじい一撃を受け止める。
 その足が下がる事は、無い。
 鉄壁の城塞。不沈艦。
 それは新たにモドキモドキ達が劇場内に入る事を悉く許さず、劇場内には歯の生えた胃袋とリベリスタ達のみ。結果としてリベリスタはその戦力を全て歯の生えた胃袋に向ける事が出来た。

 仲間達は自分よりもっと過酷な目に遭っている。戦闘音楽、鳴り響く破壊の旋律――

「負けてたまるか! お前なんかに!」
 歯の生えた胃袋の一撃による凄まじい獄炎を悠里は拳を振るって振り払った――代価は運命、飛び下がれば客席の影から飛び出した雷音が傷癒術にてその傷を癒した。
「大丈夫か……?」
「大丈夫、まだ戦える。ありがとう!」
 Gauntlet of Borderline 弐式を搗ち合わせ、悠里は再び駆けだして往く。歯の生えた胃袋のダメージは確実に蓄積している――それに比例して、アザーバイドは『強く』、こちらは『弱く』なっている。一度でも決まった技はほとんど効かず、見せた技は凶悪に改造され模倣され、否定された技能は一時的とはいえ効力を失ってしまう。攻撃技ならまだしも、能力を底上げする技能が否定され無力化するのは由々しき事であった。鳴り響き続けるこのイカレた音楽も無視できない。

 運命のドラマだけ溢れる音楽。運命が燃え落ちてゆく。勝利への代償。

 遂に倒れる者も――歯の生えた胃袋に模倣されたバウンティショットに撃ち抜かれたエリスが片膝を突いた。そのまま緩やかに頽れた。それでも天使ラジエルの書から手を離さなかったのは彼女の意地か、最後の抵抗か。
 雷音は倒れたエリスを抱き抱えるや客席の影に運び始める。
「絶対に殺させはしないのだ」
 守りたいモノがある。失いたくない。もう何も失いたくない。――そんな少女へ、無情に嘲笑う胃袋が手を伸ばす。
 長く長く伸びる手は、
「…… ッ!」
 咄嗟に庇いに入ったエナーシアの顔を掴んだ。
「エナーシア!」
 雷音が叫んだ瞬間、異形の手首に宛がわれていたのは対物ライフルの大口径。放たれる銃火。弾丸で引き剥がす。
「今の内に」
 冷静な声で雷音へ言い放てば照準を合わせる。表現しようの無い不快感。運命を喰われた。
「いやぁ、中々に素晴らしい味だ!」
「あらどうも。でも、御代がまだよ? 支払って下さらないのかしら」
「何で支払おうか?」
「貴方の命を一括で」
 そもそも、此奴に喰わせる物など何もないけれど――引き金を引いた。威力に見合った反動が肩に伝わる。同時に響いた激しい銃声はパンツァーテュランだが、その暴力の弾丸は狙いを外して歯の生えた胃袋から離れた位置の客席を吹き飛ばす。
「チ――」
 仁太は舌打つ。だがこれも運。確率が零で無いなら何度でも賭けよう。否、いっそ零の確率を百にだって千にだってしてみせよう。
 自分には岬の様な恐ろしい攻撃力も、ウラジミールの様な途轍もない防御力も、エリスの様な治療技術も持ち合わせていない。奈良、自分の武器は何か?――この身に背負う運と、『彼女』の二人きり。
「見とれよ? 人生博徒(ジャンクオブラスベガス)の底力、今に見しちゃるけぇ……!」
 脳を蝕む雑音の楽章を鼓膜の外に追い払い、凄まじい重量を誇る暴君戦車を再度構える。

 スクリーンは膨大な記憶、流れ溢れてまた一つの時間が巡る。

「私は貴方を否定します」
 指を差し響くのは異形の声、全く何処から声を出して居るのか――等と、凍りついた感触を覚えつつも岬は不敵に笑った。
「デュエリストやられちゃったよー」
 先ずは封印された能力を仲間へ告げ、しかし一歩も退く様子を見せずにアンタレスを構えた。
 前へ出て殴る。他は任せる。それしか出来ないけどその程度とは言わせない。放たれた疾風居合い斬り――己が技を模した一撃を邪斧を振るって相殺させた。
「効かないね、形ばかり真似て中身の伴っていない木偶の技だー」
 ぶっ殺す。駆ける。振り上げるは星をも焼き尽くす黒の獄刃。これが本当の『技』、ただシンプルに、分かり易く、只管に、思い切り、全力で、物理的に殴り付けた。

「皆が新技だーとか言ってる裏で只アンタレスを振り続けてきたんだ。
 この一年で何十万回振って来たと思うんだよ、技なんかなくても届かせるし撃ち抜いてみせるよー!」

 曰く、無駄に洗練された無駄の無い無駄な成長。全力のスイング。赤の睥睨が歯の生えた胃袋を切り伏せる。
「ぐふっ……トンデモ無い威力だなぁ」
「まだまだ行くよー」
 燃え上がる運命と共に邪斧の瞳が赤く紅く赫く輝く。吶喊ハルバーダー。
 迎え撃つ歯の生えた胃袋の手に巨大な焔が宿る――爆風に靡く銀の髪、模倣はもう仕方がないとティアリアは思う。前衛陣へ紡ぎ放つのは浄化の鎧。否定された歌は、紡げない。回復技を模倣されると厄介かもしれないが、
「支えるほうが大事だもの」
 浄化の鎧。それは白無垢の戦羽織の至る所を赤に染めた霧香の傷を強力に癒し去る。肩を弾ませていた剣道少女はフーッと肺から空気を追い出し深呼吸、息を集中を整える。頬を伝うは血混じりの汗。顎から落ちる。
 歯の生えた胃袋に与えた傷を代償に、攻撃技は全て解析されてしまった。あとは、もう、己の剣を信じて斬って斬って斬りまくるのみ。
「はァッ!」
 裂帛の意志と共に一閃、エナーシアが弾丸を撃ち込んだ腕の傷を深く切り裂き――撥ね飛ばした。歯の生えた胃袋から血は出ない。が、浅くは無い傷になった事は確か。
「うわ手がっ。ヒドイじゃないか!」
「あらあら、貴方の言えた台詞かしら?」
 ふふっと笑んで、飛ばされた手を踏み潰したのはティアリア。跡形も残らぬよう踏み躙りつつ鮮紅の唇で紡ぐのは美しい旋律、祝福の歌。

 徐々に。

 徐々に追い詰めている。こちらの被害に相応して。
(後少し――!)
 斬禍之剣を構えて、刹那。頬を撫でた異形の手。一瞬。膝から力が抜ける。踏み止まる。今のが、これが、運命を喰われる感触か。嫌な汗が背中を伝った。だがこれを使い始めてきたと云う事はしれだけ歯の生えた胃袋が消耗している事に他ならない。
「頑張ろう! 絶対に皆で、生きて帰ろう!!」
 悠里の声が仲間に届く。
 負けられない。絶対に倒す。
 自分達の為だけでは無い――無念と絶望のままに散って逝った者達の為にも。
「越えてみせよ」
 孤軍奮闘のウラジミールも何撃もの攻撃を受け止めて傷だらけになった盾を構えた。ここは絶対に通さない――睨み据えるは影の津波。

 更に改造強化されたハニーコムガトリングが強烈にリベリスタ達の身体を引き裂いてゆく。
 降り注ぐ一つ一つが暴力で殺意だった。耐え切れずに倒れた者は雷音が急いで安全な場所へ運んで行く。

「……っく」
 岬を庇ったレイラインの全身から鮮血が滴り落ちる。突いた剣で辛うじて立ち、ふらつく足は既に運命を焼いている為に力が戻らない――霞む意識を振り絞って振り返る。最強火力を持つからこそ、技を封じられてからは護り続けた少女。心配そうな岬の頭をポンと撫で、痛みを堪えてニッと笑った。
「まだまだ、わらわ達は負ける訳にはいかんのじゃ。こちらの事は気にするでない、ぶちかましてやれなのじゃ!」
 ずるり、岬の頭から落ちる手。ここまでか。仲間を信じて――レイラインの視界は暗転する。

「クソ――下層民の分際で」
 まだ立ち上がるのか、とリベリスタを見渡す歯の生えた胃袋は忌々しげに呻い手半歩下がった。そんな異形へ、自身へ傷癒術を施しつつ雷音は言い放つ。

「ここにいる皆さんの想いと、君に食われた運命の持ち主のためにも。
 そして、君を放っておいたら喰われてしまうだろう運命の持ち主のためにも。
 ボクらは簡単に負けるわけにはいかないのだ――倒れるわけにはいかないのだ!」

 待っている人が居る。
 大切な人が居る。
 ――『彼等』にだって、居たのだ。
 だからこそ力を望んで、その希望を絶望に塗り替えられた!

「鴉よ、彼の者を穿て!」
 少女の気迫に更に下がった異形へ、獅子は符術の鴉を放つ。一直線に飛んだそれは異形の皮膚を穿ち、毟る。歯の生えた胃袋が悪態を吐いた。撤退するつもりか――異次元を渡る扉を創り出して。
 だが、
「逃がすもんか!!」
 この時の為に。飛び出した悠里の『Brave』と『Borderline』に激しい稲妻が宿った。
「誰も死なせるもんか!!」
 あの時みたいな想いは二度とゴメンなんだ――繰り出す閃華は圧倒の武舞、全てを込めた怒涛の一撃で扉から引き離す。追い詰める。脱出口へ伸ばした異形の手は、落ちる硬貨すらぶち抜く弾丸が貫き飛ばした。
「喰い逃げだなんて、性格の悪い奴ね」
 エナーシアが構えた銃口から硝煙が立ち上る。
「……畜生め」
 翼を広げて飛び立った。先ずはリベリスタから距離を取らねば――と、それに迫るウラジミールには気が付かず。

「境目は何も前だけとは言ってなかったな!」

 少佐が振り上げたNW-1-01が一点の曇りなく輝いた。破魔の力。振り払う一撃は光の刃となって歯の生えた胃袋を怯ませる。衝撃で揺さぶる。くぐもった悲鳴、刹那に歯の生えた胃袋の両手から溢れだしたのは凄まじい竜巻だった。疾風居合い斬り。切り刻まれて赤が散る。
 しかし――霧香はその暴風の中を駆け抜けていた。

 あたし一人の運命くらい、遠慮なく燃えてしまえ。

「逃がさない。お前を逃がして、またノーフェイスを生ませるくらいなら……此処で討ち滅ぼしてやる!」
 霧香の姿がぶれる。次々とぶれるそれは多重の幻影、幾つもの剣閃。

「絢堂は剣道、霧香は斬禍。剣の道の下、禍を斬る。――これが奥の手。逃がしはしないよ!!」

 この剣で、今できる事を――幾つもの刃が神速を以て駆け抜けた。それは逃れ得ぬ一撃、相手の認識を乱す程の美事な剣戟。
 暇は与えぬ。一切与えぬ。

「うらーーギガじゃないけど最終奥義ー! ぶっ殺す!!」

 骨が筋肉が軋むほど。持てる力の全てを注いで、岬は全身のエネルギーを込めたアンタレスを振り抜いた。
 重い衝撃。確かな手応え。
 吹き飛ばされた歯の生えた胃袋がスクリーンに激突する。

 乱れたスクリーンから溢れ出すのはノイズ。

 ひび割れる世界。歪む空間。
 再び扉が現れる。
「……」
 仁太は静かに忍ばせていた眼鏡を取り出した。欠けた瓶底眼鏡、それは暴君戦車が――少しだけ好きだった彼女が身に着けていたもの。
 眼鏡をそっと握り閉める。

 食われた者は皆、フェイトを犠牲にしてでも護りたかったものがあった。
 それは自分も同じ。今ここでフェイトを削りながら戦っている仲間を、未来にフェイトを食われる者を守りたい。
 運命に遊ばれて悲しむ奴をこれ以上増やさせない。
 だからこそ。

「あいつを倒すための力、少し貸してくれや」

 眼鏡を掛けた。彼女の視界、彼女の世界。
 パンツァーテュランの銃身をそっと撫でる。グリップを握り締める。引き金に指を乗せる。銃口を向ける。
 引き金を引く――刹那。確かに、感じた様な気がした。
『ぶっかましたろーや、坂東!!』
 それは彼女の声だった。銃を構える手に手を重ねて。
 嗚呼――そこに居るのか。ここに居るのか。
 二人なら、出来ない事なんて何も無い。

「逃がさん、お前だけは!!」

 共に引き金を引いた。
 放たれた弾丸は――偶然か。必然か。運命の祝福か。
 歯の生えた胃袋の胸を貫き、巨大な風穴を生み出した。

 悲鳴。歪む。雑音。
 歯の生えた胃袋の身体がボロボロになって砕けてゆく。
 空間が砕け散る。

 砕け散って、暗転。

●閉幕レートショゥ
 気が付いたら、廃墟の劇場内にて倒れていた。
 亜空間ではない。ボトムチャンネル。
 崩れた天井から差し込む月の光を見上げて――全てが終わったのだと悟った。

 長きに渡った戦いは、リベリスタの勝利というエンドロール。カーテンコール。
 鼓膜の裏で聴いた気がした。

『ありがとう』

 それは月明かりだけが知って居る。
 やがてリベリスタ達も廃墟から立ち去れば、月は太陽に取って代わられるのだろう。
 また新しい一日がやって来る。


     ――ともあれ、全ては、これにて閉幕。




『了』

■シナリオ結果■
大成功
■あとがき■
メルクリィ:
「お疲れ様です皆々様、ご無事で何よりですぞ! ゆっくり休んで体の疲れを取って下さいね」

 だそうです。お疲れ様でした。

 見事、討伐。
 当初は撃退のつもりでしたが、討伐に至ったのは皆様の熱い心と堅実な作戦の他に無いでしょう。素晴らしい。故の大成功です。
 MVPはウラジミールさんへ。
 モドキモドキが戦場へ無限に入り込むのを見事防いだその功績は素晴らしいです。
 その行動が無ければ、被害がもっと出ていたかもしれません。

 これにてモドキシリーズこと戦歌シリーズは完全閉幕となります。
 長きに渡るストーリー、如何だったでしょうか。
 参加して下さった全ての方に感謝を、ハッピーエンドに拍手を。
 皆様、本当にお疲れ様でした!!これからの依頼も頑張って下さいね。