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すちーむぷれい


 高温が、水気を、体力を奪って行く。
 ただ只管に熱に耐える。其れは生き様。其れは戦い。
「…………」
 蒸気に満ちた戦場で、男は沈黙を守ったまま己と戦う。
 具体的にはサウナの中で。





「と、言うわけで喜べ諸君。サウナだ。サウナは好きだろう? 好きに違いない。さあ、好きだと心のままに言うと良い」
 軽く息を吸った『老兵』陽立・逆貫(nBNE000208)はリベリスタ達に向かって一気に言い放つ。
「先ずは各地のサウナに現れて只耐えるE・フォースが居る事を想像してもらいたい。そして其のE・フォースを誘き寄せる為、アークは50m四方の、リベリスタが内部で戦える高性能のスチームサウナを、持てる技術の粋を尽くして作り上げた」
 アークなにやっとるん?
「何、何時も通り任務だ。単に場が変わり、装備のほぼ一切が使用不可なだけで、他は何時もどおりの任務だ。ちなみに混浴?らしいので特に討伐任務参加に性別の制限は設けない」
 装備の一切……え、服も?



 資料
 E・フォース:ご立派様
 ヤクザですら思わず目を伏せる棒を持ったE・フォース。体格の素晴らしい中年男性の外見。
 サウナからサウナへと瞬間移動する力を持つ。スチームサウナが特に好み。アークサウナが機能停止した場合は他のサウナへ空間を越えて行ってしまう。
 特に自分から一般人を襲う事はしないがエリューション特性は健在、サウナで耐えた時間により進行性革醒現象を加速させると予測される為に早期の排除が必要となる。

 サウナの中の温度や湿度を自在に操り、全体への攻撃等を行う。
 逞しい肉体で殴る蹴る関節技を決める。ついでにご立派棒でも殴る。
 ノーマナーをした(サウナ内で服や水着を着用してたり、武器を所持してたり、性行為に及ぼうとする)者を巨大化したご立派棒の一撃で重傷送りにする。タオルはOK、戦闘も何故かOK。




「ああ、苦情は受け付けない。名称は私が考えた訳ではない。私がサウナを建てた訳でもない。アーアー聞こえない聞こえない。全ては神秘が悪いのだ。其れを処理するのは君達の役目の筈。つまりは魂の任務だ。さあ諸君、私は君等の健闘を祈るぞ」



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:らると  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年03月02日(金)22:20
 スチームサウナなんで視界はまあまあ悪いです。全裸でも安心……ではないですが、まあほんの少しはマシでしょう。
 敵意を感じるとご立派様は戦闘態勢にはいります。
 サウナ内で戦い続けた場合、ある程度の時間(フィジカルの数字にもよりますが)戦うと倒れたり気分が悪くなったりして戦闘不能になる可能性があります。(皆さんもサウナで激しく動くのはやめましょう)
 サウナ内へ持ち込むのはタオル以外危険です。撮影器具の持込もご遠慮下さい。重傷にされてしまいます。
 ついでにタオルはスチームで重くなってそこそこ邪魔です。
 武器防具の数字は引いて計算しますから別に外さなくて良いですよ。外していただけると計算は楽ですが、他の依頼での事故が怖いですし。
 ただしスキルの装備制限にはご注意下さい。サジタリー涙目ですね。あ、水鉄砲とかは別に良いかも知れません。武器じゃないけど。

 さあ皆さん、老若男女とりまぜて、盛大に全裸で殴り合いましょう。
 おんなのここいおんなのここいおんなのここい
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
デュランダル
鬼蔭 虎鐵(BNE000034)
デュランダル
ジャン・シュアード(BNE001681)
ナイトクリーク
シルキィ・スチーマー(BNE001706)
ホーリーメイガス
大石・きなこ(BNE001812)
ホーリーメイガス
救慈 冥真(BNE002380)
ソードミラージュ
武蔵・吾郎(BNE002461)
覇界闘士
シャルローネ・アクリアノーツ・メイフィールド(BNE002710)
覇界闘士
ジョニー・オートン(BNE003528)


「どうしてこうなったでござる? どうしてこうなったでござる!?」
「いやだとてもいやだこんながちむちさうなげきじょうなんていやだ」
 仲間達にずるずると引き摺られ、熱気と湿気に満ちたアークサウナにタオル一枚の、ほぼ全裸姿で放り込まれて呻く『自称・雷音の夫』鬼蔭 虎鐵(BNE000034)と『塵喰憎器』救慈 冥真(BNE002380)。
 ぶっちゃけそれはこっちの台詞である。本当一体どうしてこうなった。
 しかしそんな二人の背中を……いや、虎鐵は背中の刺青を隠す為にタオルを羽織っているので尻を、『鋼鉄の信念』シャルローネ・アクリアノーツ・メイフィールド(BNE002710)の平手が思いっきり叩きつけられる。
 真っ赤に綺麗に咲く紅葉。
「男ならばこのような場面でこそ堂々とするべきだ。全く、少しは私やきなこを見習わないか」
 一糸纏わぬ姿で、威風堂々とポージングをとる姿はまさに漢女。
 話を振られて注がれた視線に、頬を染める『鉄壁の艶乙女』大石・きなこ(BNE001812)もタオルを巻いた其の艶姿を隠すどころか、寧ろ僅かに胸を張る。
 もっとも彼女の場合は寧ろ見られる事に快感を覚えている可能性、要するに性癖交じりである可能性も否定で気はしないのだが、まあむにゃむにゃだ。
「へへっ、困った顔がそそるねェ」
 胸のメーターを上昇させ、平手の痛みに震える虎鐵や冥真の顔、そして彼等の尻と背に咲いた綺麗な紅葉を観賞しながら、満足げに笑顔を浮かべるテンションあげあげの『Steam dynamo Ⅸ』シルキィ・スチーマー(BNE001706)。
 今回の面子は女性陣が非常に濃い。まあ残る男性陣も大概濃いのだけれど。
 其の筆頭が仲間達の様子に腕を組んで笑う『仁狼』武蔵・吾郎(BNE002461)だ。何が濃いかと言うと先ず体毛が濃い。
 邪魔臭いとばかりにタオルを投げ棄て、スチームで胸毛と言うか毛皮を艶やかに光らせながら、吾郎は呻く虎鐵や冥真を助け起こす。
 そんな彼に体毛は完敗しても、個性では負けず劣らぬ『メカニカルオネエ』ジャン・シュアード(BNE001681)。何なのメカニカルオネエって。
 蛍光ピンクに光る瞳を、喜びに更に光らせオネエだけどジェントルなジャンは、成るべく女性に恥ずかしい思いをさせない様にと直視せず、その代わりに男性陣の身体を視線で撫で回す。
「今回はスチームサウナだから視界は悪いけれど、何て目の保養!」
 嬉しそうで何よりです。
 そしてそんな彼等と比較しても、ベクトルは別だが更に濃い、『(自称)正義の忍者』ジョニー・オートン(BNE003528)が最後に続く。
 鍛え抜かれた鋼の身体に闘志を滾らせ、精神と肉体を同時に鍛える修行を好む(とジョニーは勘違いしている)ご立派様との戦いに心を躍らせるジョニー。
 うん。ほんとに濃い。


 だが何時までも身内同士で遊んでいる訳にも行かない。
 彼等の目的はあくまでご立派様の討伐であり、身内の裸を見てきゃっきゃする事では決してないのだ。
 此れは任務だからと言い聞かせ、重い足を引き摺る虎鐵や冥真を含めた、サウナを進む一行の前に、ご立派様は居た。
 威風堂々と、全身から汗を滝の様に流し、己が身体を一片たりとも隠さずにサウナの熱気、たまに落ちてくる熱い水滴と戦う其の姿はまさに漢。
 そんな彼にも敵意さえ持たなければ近づく事は難しくない。
 ご立派様の姿に、と言うよりもそのぶら下げたご立派棒の威容にごくりと喉を鳴らす吾郎や、
「やだわ、何て立派な……棒」
 思わず言葉を漏らすジャン。
 けれどもそんなご立派様のお姿は、虎鐵の中の何かを刺激したのだろう。
「ふん、まだまだでござるな! 拙者も大きさは多少負けるでござるが拙者は真珠い……ごほん! ええい! 成敗でござ……ぎゃーーーー!?」
 思わず敵意を露わにしてしまった虎鐵の身体が、ぬるりと動いたご立派様の隆々かつしなやかな肉体に絡め取られあらぬ方向に捻じ曲げられる。
 首に腕を回し、体を密着させて完全な関節技を決めるご立派様に、サウナ中に虎鐵の悲鳴が響き渡る。
「痛い痛い痛い。やめるでござる。ぎゃー、本当にやめろでござる。せめて棒をくっつけるなぎゃーーーー……ごふっ……ござぁ」
 そう、この技の何が辛いかと言うと、丁度太腿の辺りにご立派様のぶら下げる灼熱の棒が密着してしまう事に在る。
 そして其の関節技は、虎鐵が白目を剥き、慌てたきなこが己の体のタオルを脱いで投げ込むまで続けられた。
 ちなみにきなこは絆創膏を用意しており、タオルがなくとも恥ずかしさ対策はばっちりらしい。湿気で絆創膏が剥がれかかっているのは勿論気のせいだ。
 無論他の仲間達とて虎鐵を助けようと思わないでもなかったのだが、あまりに見事な関節技に、或いは其の肉体に見蕩れる者(関節技に感じ入ったのはシャルローネ、肉体に見入ったのがシルキィとジャン、そして絡む肉体に唇を緩めていたのが吾郎である)や、ご立派様と虎鐵の様子を肉体言語のやり取りと勘違いして己のプライドに賭けて筋肉を隆起させて対抗する者(ジョニー)、更には、
「ミエテナイヨ、ナニモミエテナイ」
 必死に目を逸らして自分にあの関節技が、むしろあの棒が向けられる事を恐れる者(冥真くん)と、虎鐵を助ける為の行動に出れる者が居なかったのだ。
「ちょっとタイム」
 リベリスタの申し出に頷くご立派様。敵意さえ向けなければ、彼は特に危険な存在ではないのである。敵意さえ向けなければだが。
 ジョニーが次は自分と鍛え抜かれた肉体での勝負、或いはコミュニケーションをご立派様に持ちかけて間をつないである間にと、ずるずると後方へ輸送された虎鐵に、冥真ときなこが癒しを施し復調させる。
 虎鐵も一応は戦闘不能に陥りかけたのだが、運命を、フェイトを対価に其の意識を無理矢理踏み止まらせていた。何故なら、この戦闘で倒れてしまえば、主に味方から何をされるかわかった物ではないからである。


 さてでは改めて戦闘と行こう。
 そう、繰り返す事になるが彼等の目的はあくまでご立派様の討伐であり、身内の裸やご立派様を見てきゃっきゃする事ではないのだ。
 真っ先に繰り出されたのは、飛び込んだ虎鐵のオーラを纏ったマシンガンジャブ。並みのボクサーならば其の光の軌跡を見る事すら難しい其れを、けれども向けられた敵意に敏感に反応したご立派様はスウェーで拳の弾幕を回避し、其の拳が途切れた瞬間を狙って組み付きを試みる。
 虎鐵の脳裏を過ぎる先程の悪夢。だが彼等は、リベリスタ達は、同じ寸劇を何度も観賞する程暇ではないのだ! ぶっちゃけ暑いし。
 ご立派様の腕が虎鐵の身体を捉える其の直前、横合いから組み付いた吾郎の手によりご立派様の攻撃は阻止される。
 女性陣をご立派様の目の毒から守る為等と言いつつご立派様の身体を押さえ込もうとする吾郎。だが其の目を見ればそんなお題目より別の目的がある事は丸分かりである。
 その間にとリベリスタ達を覆う光はシルキィのクロスジハード。光でポロリ対策と言う彼女だが、寧ろ光に照らされ其の身体が煙の中でもはっきりと見える様になった気がするのはきっと気のせい。
 更にはシャルローネの自らに対するオートキュアー、きなこの守護結界等、次々と準備を整えるリベリスタ。
「忍法かまいたちの術ッ!」
 湯気を切り裂くジョニーの斬風脚と、ジャンのメガクラッシュパンチが吾郎に捕らわれ身動きの取れぬご立派様に突き刺さる。
 ご立派様の身動きが封じられた為、初手を完全に優位に進めるリベリスタ達。
「みんなげんきー? 俺やばい。倫理的に」
 回復の為に待機していた冥真に至っては咽返る熱気と男臭さになにやら幻覚を見る余裕すらある始末だ。
 確かに今まで様々なトラウマを抱えながらも健気に生きて来た冥真なら、この状況で呼び覚まされる幻覚のネタには事欠かないだろう。
 
 しかしご立派様とてむざむざ集団リンチの確殺パターンに付き合う程に愚かではない。
 するりと持ち手を組み替え、吾郎との攻守を逆にするご立派様。其のお姿はまるでベテランのレスリング選手の風格すら漂い、複雑に吾郎の腕を極めたご立派様は、非道にもそのまま彼の体をバックドロップの要領で地面に、硬い床にと叩きつける。しかもまるだしで。
 床に広がる赤い染みは、この戦いが決して容易ならざる物になる事を、改めてリベリスタ達に知らしめる。


 激しい戦いは続く。
「こんな時に寝てられるかー!」
 寝てていいよ吾郎さん。
「あたいのご立派様を喰らえーっ!」
 股間から放たれる漆黒のオーラ。まるでシルキィさんの股間を隠す黒色ぼかし。
「こいつこいつでござる!」
 リミットオフ付きの虎鐵のマシンガンジャブは、やっぱりスウェーで避けられる。
「嫌ァァァァ後ろから羽交い締めは! 羽交い締めは勘弁して下さいぃぃぃぃィ!?」
 響き渡るは冥真くんの絶叫。あーあ、捕まった。太腿に押し付けられるは戦闘で更に熱を増すご立派様の灼熱棒。
「うふふ、皆のご立派も素敵よ!」
 ジャンちゃんどさくさで何言ってるの……?
「なにがご立派様だ。その程度で私は倒れんぞ!!」
 熱い鋼鉄の信念で鍛え上げたシャルローネさまの分厚い身体が、ご立派棒の一撃を受け止める。絵面が酷い。
「着飾るものを捨てて、あるがままの自分を昇華したい。わかるぜその気持ち!」
 再びシルキィさんのターン。勿論壮絶な誤解である。ご立派様は別に露出趣味な訳じゃないよ。多分。
「ほら、こんなにたくさんのリベリスタが、お前の裸体と対峙してる。全身で受け止めてやるよ。来いよご立派!」
 全裸で! 両腕を広げて! ご立派棒を迎える! シルキィさん。ぐしゃー。
「隙あり! 今だご立派様を触診チェーーーック!!」
 叫ぶ吾郎さんもぐしゃー。良く考えたら色々アウトっぽいので更に念入りに巨大化棒でぐしゃー。
「うわぁ……あれに殴られたら何か一生もののトラウマになりそうでござる……」
 虎鐵さんドン引き。でも貴方の真珠も大概です。誰に使うの其の真珠。

 はげしくきびしい(笑)たたかいはつづく。

「もったいないじゃない! も っ た い な い じ ゃ な い !」
 何が勿体無いのかはさっぱり判らないが凄まじい気合でジャンちゃんが、
「正義の忍者はへこたれない……ッッ! でゴザル!」
 忍者のアライメントは悪ですよ。な、ジョニーくんが、フェイトを対価に滝の様な汗を流しながら立ち上がる。
 ね、ねててもいいのよ? いやまじで。
「あいしゃるりたーん! まだまだぁっ、全力でイッちまいなああああああああああああアァアアアアアンッ!」
 お帰りシルキィさん。
 ちなみにきなこさんは無謀な皆を必死に天使の歌で支えていました。周りが先にボケるとボケる暇無いよね。


 長く、激しい戦いの果てに、地に、とは言ってもサウナの床に倒れ伏したのはご立派様だった。
 正直この濃すぎる面子の相手はご立派様をもってしても厳しかったのだろう。
 安らかな、解放されたかの様な表情で消えて行くご立派様。ご苦労様でした。
 無論リベリスタ達とて無傷とは行かない。むしろ死屍累々と言う言葉が良く似合う惨状。
 と言うよりも、サウナで暴れりゃそりゃ倒れる。
 だが漸くこの灼熱の世界から解放されると、外に出たら先ずは冷たい飲み物を心行くまで楽しもうと、思う彼等の前に最後の敵が立ちはだかる。
「さて、サウナを本来の目的で楽しもうじゃないか。折角アークが作り上げたサウナだ。戦闘が終わったから出ます……では勿体ない。そうは思わないか? 思うだろ?」
 そう言いリベリスタ達の前に立ちはだかったのは、乳も、尻も、腹直筋も、ハムストリングも、僧帽筋も広背筋も上腕二頭筋も、全てが全てがご立派なシャルローネさま、もといご立派様二号。

 高温が、水気を、体力を奪って行く。
 ただ只管に熱に耐える。其れは生き様。其れは戦い。 
 サウナ、其れは己との戦い。
 けれどもリベリスタ達は、出入り口を巡ってサウナの中で、激しく醜く、全てを丸出しにして殴り合う。


 それではサウナは使用上の注意、マナー等をしっかり守り、無理の無い範囲で楽しく健康的にご利用下さい。
 兎に角終われ。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 あっはっは。
 特に何も言うことは御座いません。言葉も出ません。
 ご参加有難う御座いました。
 お気に召したら幸いです。