●遠隔破壊玩具 ステンドグラスとキャンドルライトで飾った教会めいた神秘的な建物の中で、ため息を付くゴスロリの少女が一人。首に下げたロザリオと黒いゴスロリ、それと可愛らしくも大人びた表情はこの場所によく似合っていた。 というのも当然で、この場所はこの少女のために作られたのである。誰が何のために作ったのかを言えば、フィクサード組織黄泉ヶ辻がアジトのために作った場所だ。 「お姉様ったらずるいわ。一人で勝手に楽しそうなことをして、もうっ」 星空を見上げるように、ステンドグラスを眺める少女は頬に手を当ててつまらなさそうにしている。彼女が慕う双子の姉が一人で行ってしまったため、留守番となった彼女は姉に対してぶーたれていた。要するに、お姉ちゃんばかり遊んでずるい、ということである。 「小姫さま、大姫さまは我等黄泉ヶ辻のため、対抗勢力となる者たちを――」 そんな少女に跪くようにしている黒服の男が上を見上げながら意見をする。見上げながら、ということは彼は今少女よりも低い姿勢なのだが、その実少女の足場であった。つまり、少女から見ればマットのようなものなのだ。 「あら、マットが喋ったわね。もっと強く踏まないとダメなのかしら。それとも、死体のほうが……マットとしては、いいかもしらないわね」 強く、遠慮のない足の重みが男を踏みつける。それこそ地面に落ちていたゴミを踏みつけるような、容赦のない力も添えて。 「は、はっ! ですが、面白いアーティファクトを回収したので、それを小姫様に……」 今でこそ少女の素足と罵声で喜ぶマットだが、こう見えても彼は黄泉ヶ辻の凄腕エージェントだ。“面白そうな”アーティファクトの収集を主な任務としており、いくつか収集したものがある。その中のひとつを今、少女に示しているのだ。 「ふーん。言って見るだけ、言ってみなさい……」 「ありがたき幸せ……!! これです……」 差し出されたのはモニターとレトロな感じが漂うコントローラー。それから、アンテナ。 「それを使えば、ある程度の力の者をロボットのように操ることができます。こちらはその者の目と連動するモニター」 「あら、面白そう」 邪悪な笑みを少女は浮かべ、アンテナを男の頭に挿した。その動きに迷いはなく、自分に進言してきたこと男は光悦の表情で果てた。 果てた彼は説明の途中で意識を失ったので言われなかったが、このアンテナを挿したものは必ず廃人となる。そんなシロモノだ。 「じゃあ、遊びましょう。あの人たちも来てくれると嬉しいわ」 ゆったりと男から足を離し、少女は足の指で男に指図をする。 黄泉ヶ辻の少女は、その小さな体を包む闇を隠そうともしていない。 ●操縦された男たち 黄泉ヶ辻のエージェントたちは、まるでちゃちな強盗のように玩具の店に乗り込んで店の商品を奪っていた。監視カメラだって気にしていない。 「このモニターは、カレイドシステムによって未来を撮したものよ。資料に照会したけど、黄泉ヶ辻のエージェントで間違いないみたい」 んー、と指で顎を撫でる『運命演算者』天凛・乃亜(nBNE000214)は首を傾げている。彼らを率いる男の頭にあるアンテナに注目しているのだ。 「これ、たぶん頭と直結しているアーティファクトなんだけど。確か、どこかで見たことが……」 そう言いながら、頭をひねる。すると、何かが引っかかったらしく、ポンと手を叩く。 「思い出したわ。これ、操りのアンテナよ。誰かに操られている……みたいね。その割には周りのエージェントも素直だけど」 これまた頭をひねる乃亜。長くなりそうなのでリベリスタたちは資料を眺めて、とりあえず状況を整理する。 黄泉ヶ辻のエージェントたちは深夜の玩具屋に押し入って強盗を働く。そのリーダーは名の知れたエージェントで、アンテナによって操られている。 「何か裏が有りそうよね。とはいえ、今回はとりあえず倒すしかないわ。被害は少なめだけど、放っておけないものね」 乃亜の言葉に、資料を読む手を止めてリベリスタたちは頷く。何があろうと、とにかく止めるしかないのだ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:nozoki | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年03月04日(日)23:15 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●怪奇、アンテナ男 今回、黄泉ヶ辻のエージェントが狙っているのは玩具屋だ。不可解なフィクサード集団として有名な黄泉ヶ辻とはいえ、そんなことをするのは滅多にいない。フィクサードが暴れる目的としてはいくらなんでも子供じみているからだ。 「玩具泥棒って、良い大人が何やってるんだい。操られてるんだから仕方ないのかもしれないけど、その割には、何か乗り気な感じするのはどういう事なんだろうね?」 アンテナで操られた敵、というのは確かだ。だから『イエローナイト』百舌鳥 付喪(BNE002443)も難しい所だと考えていたのだが、一緒に行動する部下も乗り気な感じがするのでこれまた付喪が頭を抱える要因になった。顔を隠し、鎧で体を隠す付喪であるが、心の底にある優しさが彼らを理解し気遣おうとしていたのだろう。 「まあ、どんな事情だろうと取りあえず吹っ飛ばせば良いかね」 しかし、仮面を深く被りなおしてやることを確認する。とりあえず倒す。裏で操る者に対して言いたいこともあるが、まずはそこからだ。 件の玩具屋は、すぐそこにある。だから、『レッツゴー!インヤンマスター』九曜 計都(BNE003026)は今の内にと準備を進めている。 「ええと、今必要そうなのは翼の加護ッスね」 内部はクラシカルな玩具屋だけに雑多な商品が並んでおり、足場が不安定という。商品を下手に傷つけるわけも行かないので、計都はとりあえず仲間を飛ばそうと考えた。 「んん~。おにいちゃん♪ ……ごほんッス」 それと、考えている自分の作戦のためにロリ声の発声練習。というのはいいのだけど、突然だったので仲間から白い目で見られて恥ずかしい計都であった。 「おっおっおっ~。丸見えだお」 千里眼の力でそんな計都と玩具屋の内部を様子見している『おっ♪おっ♪お~♪』ガッツリ・モウケール(BNE003224)は子供らしいコロコロとした笑顔を浮かべていた。なんだか無邪気な感じで、計都も釣られて笑ってしまう。 「おもちゃを取っていく何てだめだお。悪いことしたらダメだお。そう言う悪いことする子にはお仕置きが必要だお。でも、あちきはサポートだお。みんなファイトだお」 さて、そんなガッツリが今回負っている役目は本人も言った通りサポートである。今は千里眼を使い、うまく侵入できる場所がないか探っている。見つけたらマスターテレパスを使うつもりなのだ。 「もうちょっとだけ待つおー」 鼻歌混じりに、元気なガッツリは仲間たちにも陽気な印象を与える。それが、心の中では不安を抱えていた『百の獣』朱鷺島・雷音(BNE000003)にとって有難いものだった。 「黄泉ヶ辻……何を考えているのか全くわからなくて。気味が悪い」 不安は言葉にも表れる。黄泉ヶ辻の気味悪さ、それに邪悪さ、それらを小さな体と幼い心で受け止めるのは難しいようだ。 そんな雷音の小さな肩は震えて、小さく息を吐いていた。 「それにしても、こういうのは苦手だな」 ちなみに、そんな雷音の服装はロリータ風だ。今回の依頼で戦うことになるフィクサードがこういう格好が好きだということから、これをチョイスしたわけだが……。ヒラヒラとして動きにくい、というのが雷音の感想だった。 「全くもって気持ちがわるいな」 これを好むという者のことは分かる。しかし、フィクサードの気持ちなどよく分からないし、あまり理解したいとも雷音は思わなかった。 「――黄泉ヶ辻のエージェント、ね? 誰かに操られているリーダーに素直に従う理由は、その“誰か”がリーダーより上の存在だから、かしら?」 対して、その気持ちについて理解をしているのは同じくゴスロリを着た『運命狂』宵咲 氷璃(BNE002401)だ。もっとも、氷璃はされる側ではなく“する”側として、その気持を理解しているのだが。何を“する”のかといえば、氷璃もよくする悪戯の類なのだが。 「人を操って自分は高みの見物だなんて良い趣味だわ」 片手でくるりと日傘を回し、もう片方の手で巻いている髪の指で叩く。理解しているとはいえ、このフィクサードの行動を容認するわけではない。運命に抗うことに美しさを感じている氷璃にとって、人を操る機械などは無粋なのだろう。 「玩具強盗だなんて三流以下ね。黄泉ヶ辻――」 フッ、と見下すように冷笑する。実際見下しているのだが。 「ロリコンで踏まれて喜ぶとか変態ばっかだわ……。なんで玩具を盗んでるのかとか首を傾げる点もあるけどそこは確実ね」 たはー、と額に手を重ねてため息をつく『黒姫』レイチェル・ブラッドストーン(BNE003442)は、そんなロリコンな体型とは無縁のナイスバディを黒装束で隠して戦闘準備を終えている。とりあえず手に入った情報といえば、まずそれが最初に出てくるので、それと戦うことになったレイチェルは頭を抱えていたのだ。 「どうしようもない変態にお仕置きしてあげないとね」 しかし、リベリスタとしてやることは何も変わらない。それに、あの変態をぶちのめしたいという欲求もある。 いつも履いているヒールに、力が篭る。もし、機会があればこれで……と、レイチェルは思っているのだろう。レイチェルもまた、恐ろしい女である。ロリではなく巨乳だが。 「昼間に来て買えばいいじゃないそんな物」 玩具を奪う、という非生産的で意味のなさそうな行動に呆れているのは『鉄鎖』ティセラ・イーリアス(BNE003564)だ。ティセラはセミロングの髪をちょんと触りつつ、今回の敵について合理的に考える。 「それとも用事は私達にあったのかしら」 そして、考えればそういう結論があることに気付く。もし、それが本当だとするならば、こちらも迎え撃たねばならない。 「いいわ、迎え撃ってあげる。来なさい、黄泉ヶ辻」 キッ、ときつめの目を細くして、強気な表情を見せるティセラは不敵で無敵だ。何者にも折れない心、という彼女の一片なのだろう。 「まさに“新しいおもちゃを貰った子供”のような振る舞い」 カソックを着た神父、バゼット・モーズもまた、玩具を奪うという敵について考えている。その動きはまるで子供だと、バゼットは思う。勝手のわからぬ日本だが、元神父というバゼットは経験から、そういう人間を今までも見てきたことがある。 「一見純真だが……。いや、あれもまた純真なのだろう、負の方向に」 そして、そこにバゼットは純真さを見出す。純真、といえば聞こえはいいが、バゼットにはそれが恐ろしくも思える。いき過ぎた純真というものは、周囲を巻き込んで大きなうねりを作ってしまうのだ。良くも悪くも。 「人を人として扱えぬ物は、私は許容できない。隣人への愛が足りないな」 元神父らしく愛を説きながら、バゼットは懐中電灯を手に戦う決意を固める。子供たちの夢を奪う相手も許せぬが、純真な者を正すのもまた、神父の役目だと思っているのだ。 「神ではない、我々が救うのだ」 救いは今、ここで始まる。神が教えたものを、人間でありリベリスタであるバゼットが実行するのだ。 「だいたいOKだおー」 さて、そんなリベリスタたちの心にマスターテレパスでガッツリの声が聞こえてくる。それに続いて伝わってくるのは、敵の状況、生の情報であった。このガッチリの見つけてきた情報を元に、リベリスタたちは突入を始める。 「……よし、がんばる」 震えが止まらない雷音は、虚勢と共に行く。普段ならば子供たちが集い、遊びの場であるはずの玩具屋の中へ。 扉は開かれた。 ●闇を撃つ 件のアンテナ男は一言も言葉を発せずに、淡々とした動きで玩具を漁っていた。アーティファクトによって操られている、という情報の通りなのだろう。とはいえ、操られていない部下も同じような動きをしていることから、これは彼ら自身の意志でもあるのは確かだ。 「そこまでだ、子供たちの夢を台無しにするような真似は私が許さない」 店の通路を使い、リベリスタたちはこの集団に対して攻撃を仕掛け始めた。ガッツリの情報もあって、先制攻撃をしかけることができたのだ。 「闇の中からいでしものどもよ、闇の力によって沈みなさい」 まず、先に啖呵を切ったバゼットが部下エージェントたちを暗黒で攻撃し始める。作られた暗黒の空間は三体のエージェントを巻き込んで、黒い衝撃を与えていく。 「じゃ、私も行こうか」 そのバゼットの上、翼の加護によって低空飛行を行っている付喪は上から見下ろしながらマジックミサイルを使ってバゼットが作り出した闇を撃つ。その魔力の弾丸は吸い込まれるようにして、部下エージェント一体の体に激突し、一人目を始末することに成功する。 「少しは、勘が戻ってきたかね?」 そんな風に攻撃成功した付喪の表情は仮面に隠されて見えない。喜んでいるのか、それとも哀れんでいるのか、悲しんでいるのか。 「少女に踏まれたいとはなかなかのご趣味をお持ちのようだな」 ふりふりとした服を揺らしながら雷音は部下エージェントたちの前に立つ。相手に見えるように。これは雷音の作戦であり、虚勢だ。 「……」 ロリータで少し気弱そうな女の子が、一生懸命そうに前に出ている。これを前にして、ロリコンなエージェントたちは思わずそちらを見てしまう。大剣を持つ手にも、緩みが見える。 アンテナ男だけは、変わらずこちらに攻撃を仕掛けているが。 「少女のためにセコイ盗みを働くなどとは御大層だな。君たちの少女はソレほどまでに君たちに何をしてくれるのかな?」 その言葉の前に飛び込んできたアンテナ男の幻影剣を受けながらも、雷音は言葉を紡ぎ、式符・鴉によって部下エージェントたちの注意をひく。 「ボクとて君達を踏むのは吝かではないぞ」 「……おおっ」 思わず、部下エージェントたちの中から歓喜の声が上がる。ダメそうな人たちだ、と雷音はソードミラージュの剣戟を受けながら思う。 「ごきげんよう。遥奈を裏で操っていたのも貴女かしら?」 剣戟を受けながら言葉を続けるのは、雷音だけではない。後ろで構えていた氷璃もまた、飛び込んでからの剣の一撃を受けながら言葉を部下エージェントたちとアンテナ男に向けていた。 「下僕につまらない事をさせるなんてお里が知れるわね」 こちらは、アンテナ男……いや、アンテナ男を操っているという黄泉ヶ辻の小姫に対しての言葉。やはり、見下すように言っている。低空飛行をしているので実際見下しているのだが。 「私の下僕になりなさい。一生飼い殺して上げるわ」 そしてこちらが、部下エージェントに対して。この言葉に部下エージェントたちは何もしていないというのに前かがみの姿勢になって動きが鈍くなった。よくわからないが興奮しすぎてしまっているらしい。 「お、おお……!!」 「返事は“ワン”よ。私、喋って良いと言ったかしら?」 そこに、魔曲・四重奏を叩きこむ。氷璃にとってこれはお仕置きであるらしい。というのも、この部下エージェントたちに対してアンテナの副作用を教え、勧誘するための行動であるから、お仕置きなのだ。……二体ほど幸せそうな顔でぶっ倒れたが。 「あなたは攻撃を続ける、つまりそういうことね。アンテナさん」 こちらもダメージを受けているティセラだ。しかし、先の二人と違って攻撃が致命的な所に命中してしまったらしく、出血している腹を抑えていた。 「私もこんなところで負けて、立ち止まるつもりはないの」 しかし、ティセラは心を震わせて立ち上がる。フェイトの力だ。 「アンテナの中のあなた、お前が妹の方? この間アークと接触したのはナツキと名乗っていたわね。私は報告書を読んだだけだから顔も声色も知らないけれど、知ってる人もいるわよね」 そして不敵に笑いながら、アンテナの向う側にいる者へ話しかけていた。この黄泉ヶ辻は、色んなところで迷惑をかけているのを、ティセラは知っている。 「さて、剣を持っているのにただの射手だとでも思ったかしら」 そんなティセラは辛抱たまらず雷音に向かっている部下エージェントの一体をアーリースナイプでシュート。体を連続で撃ち抜き、串刺しにしてしまう。 「こっちに来たね。かかって来なさい」 さて、とはいえやられっぱなしの部下エージェントではない。狭い通路を抜けて前衛のレイチェルに詰めかけ、大剣を振り下ろして攻撃を仕掛けてくる。 「さあ、踏まれたい人はこっちに来なさい。踏んであげるわ」 それに対して、レイチェルはフェイトの力を使って無理矢理に立ち上がり、踵を上げて商品棚の上に振り上げた足に載せる。ハイヒールを見せつけた挑発なのだ。 「ババァ無理すんな」 「!?」 それに対して、部下エージェントの反応はこうだった。生粋のロリコンの前に、この揺れる巨乳はため息しか出ないらしい。ロリ巨乳派ではなかったのだ。 「このっ……!」 かかと落としをかましてからのソウルバーン。更にそこから踏み倒して、体をぐりぐりと痛めつける。 「……結構楽しいわね、これ」 涙を流しながら、部下エージェントの一人は倒れるのであった。 「ふええ、おにいちゃん、こわいよぉ……」 そして、最後の部下エージェントはこの声に反応してそれを探る。すると……、 「かわいいようじょだと思った? 残念、計都ちゃんでした!」 声帯変化させていた計都が見つかった。がくりと肩を落として、剣を使って攻撃をする部下エージェント。幼女じゃない……。 「……」 「えっ。……胸だけはロリ? ははははは、ぶっ殺すッ!!」 そして式符・鴉の反撃を受けて、派手に吹き飛ぶ部下エージェントであった。 最後に残ったアンテナ男は、それでも戦う気力を衰えさせずに立ち向かってくる。操られているのだから、当たり前といえば当たり前なのだが。 「……!」 飛び込み、踏み込んでからの連続攻撃。ソードミラージュの技、ソードエリアルの連撃だ。 「……ボクの手は何も救えない。でも、こんなところで……」 これにはリベリスタたちも大きなダメージを受けていくが、それをフェイトの力で耐えぬいて立ちがある雷音。それは虚勢か、それとも維持か。 「こぼれ落とすわけには、いかない」 そこから、反撃の式符・鴉を使ってその身を削っていく。雷音は震える体を必死に動かして、敵と戦っているのである。 「自らの目で物を見たまえ、君たちのそれは盲目と言う」 「さあ、悪い子はお仕置きの時間よ」 そして、リベリスタたちも連続攻撃だ。バゼットとレイチェルのソウルバーンが合わさり、暗黒の双剣となって叩き込まれる。 「お助けするおー」 そこにガッツリのバウンティショットが飛んで行き、アンテナ男の体にダメージを蓄積させた。ガッツリの明るくかわいらしいウインクも付いてくる。 「……多分戦わせるために操るアーティファクトじゃないわよ、これ」 そうして溜まったダメージでよろめいたところに、アンテナを狙ってティセラの1$シュートと氷璃の魔曲・四重奏が次に飛んでいき、アンテナを破損させた。すると、アンテナ男の動きは鈍くなる。 「あら、御免なさい。それ、見て操るだけの玩具だったわ。それじゃあ、悔しくても言い返せないわよね? ふふっ♪」 「さて、聞こえてるかいプレイヤー? あんたは、ゲームしてるつもりかもしれないけど、こっちには良い迷惑なんだよ。二度とこんな下らない事はしないで欲しいね」 そうして鈍くなった所に、付喪のマジックミサイルが飛んでいき……アンテナ男の体を貫いた。 こうして、アンテナ男との決着は付いたのだ。 「黄泉ヶ辻に七派が大きく動いてなんだか恐ろしいです」 メールを送った携帯電話を閉じて、雷音はひと息。 これからの不安もある。だけど、リベリスタもフィクサードも止まらない。 「運命は既に動いている。そういうことね」 氷璃がくるりと、日傘を回した。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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