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<鬼道驀進>四天豪鬼

●豪一文字
 強さの物差しはそれこそ山程もあるだろう。
 圧倒的な膂力、鮮やかなる技の極み言うに及ばず。
 火花散る鋼の如き精神力然り、他を寄せ付けぬ叡智、膨大な知識も又然り。
 戦いの心得に心・技・体で表される三柱は成る程、人の身が修めるべき『武術』を語るには必要不可欠、何れも欠かす事は出来ぬ要素として特筆する事が出来るだろう。
 寄る辺無き心意気だけでは勇者に至らず。
 如何な力に溢れても技無き武力は余りに無様。
 例え力技兼ね備えたとて心無き刃は容易に曇る――それは道理。
 さりとて、それは人の身が『術』を学ぶならばの話である。
 在り様が人を容易に超えるならば、時に『人の術』は何の説得力も持ち得ぬもの。多くの局面で語られよう常識もそれの前には余りに無力という事だ。

 ――それは、技も心も持ち合わせぬ。力を持っているだけだ。それなのに――

 それは、何時だって災厄そのものだった。
 捩れた角はおどろおどろしく天を衝く。
 見上げる程の青黒き巨体は格別なる威容で、かの地に『それ』在りを知らしめた。
 それを見たという古き人は『本能』の恐れを知っていた。
 真に恐ろしいものが理屈以外で成り立つ事を知っていた。
 だから、それが眠りに引き込まれたその時ですら。
 平和の訪れを誰かが保証してくれたそんな時ですら。
 敗れざる者。永き眠りにつこうとも、滅ばざる者。

 ――四天・豪鬼の名を忘れる事は無かったと云う――

●鬼道驀進ス
 アーク本部は久方振りに蜂の巣を突いたような騒ぎとなっている。
「いやぁ、大変な事態が発生したようで……」
 何時もと同じくブリーフィングルームで緊急招集に駆けつけたリベリスタを出迎えた『塔の魔女』アシュレイ・ヘーゼル・ブラックモア(nBNE001000)は言葉程は逼迫を感じさせない顔で彼等の顔を見回すとそんな風に切り出してきた。
「要するに、例の鬼達が暴れ出しました」
「細かい状況を確認させてくれ」
「はいはい、お任せ下さいな。
 以前より岡山県で『鬼事件』が頻発していたのは御存知かと思います。アークの部隊が鬼のリーダー『禍鬼』と交戦したのも御存知ですね?」
「ああ」
 リベリスタの言葉に応えたアシュレイが端末を操作するとブリーフィングのモニターには奇妙な刺青を全身に入れた鬼の姿が映し出される。それが件の『禍鬼』である事は言うまでも無い。
「この『禍鬼』様――他の鬼の皆さんもですけど――昔の日本のリベリスタ『吉備津彦』さんに封印されていたみたいなんですけどね。どうも、例のジャック様の事件でその封印が弱まったようなのです。まぁ、日本エリアの崩界はかなりの所まで進んでいますから、神秘的な安定が損なわれたから……とそういう訳です。はい」
 無論、ここに到るまでの状況に一枚も二枚も噛んでいるアシュレイに責任が無い筈も無い。リベリスタから向けられた視線に一応は罰の悪さを感じているのか肩を小さくした彼女は言葉を続ける。
「……で、まぁ。封印が緩んだ結果、『禍鬼』様を含む鬼の皆さんは次元幽閉の隙間を潜り、現界に脱出する事が出来た訳ですけど……
 先の交戦で知れた『禍鬼』様の狙いは同胞と鬼の王『温羅』様を復活させ、権勢を復活する事。それにはこの封印が邪魔になる訳です」
「封印は生きているのか」
「はい。封印の本体は綻び始めていますが、それでも『温羅』様を始めとする大物はこのままでは現界出来ません。『禍鬼』様が復活出来たのは運命の悪戯って言うべきなんですかね。偶発的な不運によるものと思われます。『吉備津彦』様や他のリベリスタの皆さんは用意周到だったんですね。岡山県内のあちこちの霊場に封印のバックアップとも呼ぶべき『保険』をかけておいでだったようで。
 何らかの事情で封印の本体が緩んだ時も、封印の地自体が楔となるように準備を万端に整えていた訳です。しかして、内からの突破には滅法強いこの『保険』も外からの物理的攻勢には些か弱い」
「……となると」
「はい。『禍鬼』様の狙いは内側よりこじ開けられない封印を外から破壊する事。未だ復活を果たせぬ王と同胞の為に岡山県内に存在する封印のバックアップを徹底的に破壊する心算……という訳ですね。
 まぁ、暴れているとはそういう事です。彼はリベリスタの皆さんを良くご存知なんでしょうね。封印の破壊を目論むと共に街に配下の鬼を放つという凶行に出たみたいですねぇ」
 リベリスタは想像し得る惨状に言葉を失っていた。昼間の街中を鬼が暴れ回ればどれ程の被害が出るかは……想像するに余りに容易い。
「状況は以上です。本部は緊急招集で皆さんを呼び寄せ、陽動部隊の迎撃と封印の防御、両面の作戦を進めています。
 私が皆さんにお伝えしたい具体的なお話もその辺りにありまして……」
「聞かせてくれ」
 頷いたリベリスタはアシュレイの先を促す。
「ある山奥の廃寺に鬼達が集まっています」
「封印の破壊か?」
「はい。長い時間の流れの中で受け継ぐ者が絶えてしまったのでしょう。
 廃寺は封印の役目を負っていましたが、それを守る者はもう居ません。
 鬼の部隊はこの廃寺の封印を破壊したようなのですが……どうも、この場所はそれだけで済まないみたいなんですね」
「……?」
「鬼達は廃寺の境内に捕まえてきた人間を殺しては積み上げているのです。
 封印を破壊した彼等がその場に留まり、そんな事をする理由は『普通ならば』無い筈ですから、これは当然『普通ではない事』な訳ですけど……
 まぁ、想像はつくと思います。これは『儀式』の類ですね。
 鬼は特別な道具で人間を殺し、その生気を喰らい、無念を溜めそこに在る『何か』に注いでいます。方法が陰惨な程、犠牲者に苦痛を与える程、効率が良いなんていうのは……かなりどうかと思いますけど」
「……」
 胸の悪くなるような話にリベリスタの柳眉が顰められた。
 アシュレイは溜息を吐き、それから少し心配そうな顔で言葉を足した。
「この鬼達の狙いは『儀式』を必要とする程に、厳重に封じられている『大物』の復活です。目覚めてはいけない、目覚めさせてはいけない類の怪物を――寝た子を起こそうとしているんですね。
 皆さん、心して掛かった方が良いですよ。現れる『何か』は出来れば出会わないで済むに越した事は無い――そういう類の『モノ』ですから」





■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:YAMIDEITEI  
■難易度:HARD ■ ノーマルシナリオ EXタイプ
■参加人数制限: 10人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年03月03日(土)01:01
 YAMIDEITEIっす。
 二月五本目。全体。
 以下詳細。

●任務達成条件
・『何か』を復活させない事

●山奥の廃寺
 長い石段を登り、山門を潜った先にある荒れ果てた山奥の廃寺。
 封印の破壊の為に荒らされ尽くしており元の面影はありません。
 陰気な怨念の渦巻く広い境内には多くの人間の死体が積み上げられています。更に囚われた人間達は無残で残虐な手法で次々と殺されています。
 鬼の主戦力は境内にありますが、山門にも防御が配置されています。
 足場の悪さ、状況に対しての補正は存在します。

●鬼部隊
 鬼の戦力は以下です。

1、剛鬼
 境内に居る鬼の将。身の丈は三メートル以上。
 鉄のような強度を持つ黒い肌は格別の防御力を持っています。
 棘のついた巨大な金棒を装備しており、凄まじい膂力でそれを振るいます。
 余り素早くはありませんが殺傷力と耐久度は高いです。
 以下攻撃能力等詳細。

・一撃(物近単・物防無視・威力大)
・薙ぎ払い(物近範・圧倒)
・大喝(神近範、ショック、麻痺、ノックバック)
・EX 剛一文字

2、道鬼
 境内に居る鬼。数は四体。
 手に鈍く金色に光る魔器を備え人間を殺戮しています。
 儀式担当と思しき鬼。戦闘力はそこそこ以下。

3、大鬼
 山門に四体、境内に四体存在する鬼。
 巨大な体躯に相応しく耐久力が自慢の壁役です。
 剛鬼と同じく巨大な金棒で武装しており、敵を弾き飛ばしたりショックを与えてきたりします。

4、刀鬼
 山門に四体、境内に四体存在する鬼。
 二メートル余りの体躯で鬼にしては比較的小柄ですが刀を装備した彼等は殺傷力に優れます。素早い動きで毒や出血を伴う攻撃をしてきます。

5、弓鬼
 山門の上に三体、壊された廃寺の屋根に三体存在します。
 人間の子供程の大きさの鬼ですが、その外見には似合わない強弓を備えて攻撃してきます。長い射程とブレイクや致命を与える能力を持っています。

●Danger!
 このシナリオはフェイトの残量に拠らない死亡判定の可能性があります。
 参加の際はその点を十分に検討するようにして下さい。


 封印の破壊は防げません。儀式は劇中開始時点で中途段階です。
 恐らくかなり手厳しいシナリオなので頑張って下さい。
 以上、宜しければご参加下さいませ。
参加NPC
 


■メイン参加者 10人■
デュランダル
東雲 未明(BNE000340)
ソードミラージュ
上沢 翔太(BNE000943)
ホーリーメイガス
ニニギア・ドオレ(BNE001291)
覇界闘士
★MVP
設楽 悠里(BNE001610)
ホーリーメイガス
大石・きなこ(BNE001812)
ナイトクリーク
黒部 幸成(BNE002032)
プロアデプト
七星 卯月(BNE002313)
スターサジタリー
坂東・仁太(BNE002354)
覇界闘士
葛木 猛(BNE002455)
覇界闘士
焔 優希(BNE002561)

●不動山門
 目前に聳えるのは急勾配。
 崩れかけた石段が百段もそれ以上も――仰げば佇む山門に向けて連なっている。
「最悪だ」
 呟いた『紅蓮の意思』焔 優希(BNE002561)の言葉は短い。短いが――
(最悪だ。だが、最悪だからこそ――この怒りは、戦う為の力に変わる)
 ――短くても。口に出すまでもない万感と、決意とに満ちていた。
 この世の中には得てして『あってはいけない』モノがある。
 そこに確かにあった筈なのに、ある筈なのに。そんな現実に目を背けたくなるようなモノがある。
 寒さの厳しい二月のその日に――十人のリベリスタ達が相対した御伽噺の住人は、確かにそんな風に呼べるモノであった。
 鬼。
 この岡山県内を、常識の世界を突然乱し跋扈し始めた異物(アザーバイド)をリベリスタ達はそう称している。
 身の丈数メートルにも及ぶ巨体と天を衝く角、怪力に人を喰らう裂けた口。
 多くの人が言葉より浮かぶイメージは豪快にして強靭なる怪物のそれだろう。
 そしてその『当たり前』の連想は多少の差異こそあれど、大きく予想を外してはいないのだから、彼等の性質は語るまでも無い所であった。
 太古の昔より『次元の狭間』なる牢獄に幽閉されていた彼等はあのジャック(とアシュレイ)のもたらした事件により混乱した世界に鎌首をもたげた、かの『吉備津彦』が仕掛けたという『封印』の緩みを目ざとく見つけ、この現世へと舞い戻るに到ったのである。
 偶発的な封印の弱体化により復活した一部の鬼達は『禍鬼』と呼ばれる個体をリーダーに仰ぎ、種の権勢の復活を目論んでいるらしい。未だ封印による幽閉状態にある自身の王を、同胞を解き放つために行動を開始したという。『禍鬼』は鬼を封印に縛る岡山県内のバックアップ――霊場や祭器を破壊するという作戦を企てると共に、それを邪魔するリベリスタの動きを縛る為に市街地にも鬼の戦力を放ち、撹乱を図るという凶行に及んでいる。
 それは彼が幾度と無く煮え湯を飲まされたリベリスタへの理解が故の行動で、報復を司るという彼に実に相応しい結論であるとも言えた。
「今だって怖いのだらけなのに、これ以上とか冗談じゃないわ――」
『大食淑女』ニニギア・ドオレ(BNE001291)の声が白い息になって空気の中に弾む。
(出来るだけでも――)
 助けたい。それは言うまでも無い強い想いだ。
 されど、出来るのか。叶うのか。
 大規模な行動を始めた鬼道の驀進に街の中は混乱に満ちているだろう。苔むした石段を駆け上がる彼女の顔色は血の気が引き、白く冴えない。
「どうして、何時も人間は不出来なのかしら」
 敢えて『運命は』と称さずに『薄明』東雲 未明(BNE000340)は言った。
「たまには全部が救えたっていいのに。そんな事があっても、罰は当たらないのにね」
 恨み言では無い。誰に向ける言葉でも無い。強いて責任を負わなければならないのだとすれば、それは。
(今回は救える人皆、は救えない。いえ、救わないと自分で決めるわ。決めたのは状況ではなく、自分――)
 ――ただ、この十人は欠けないように。未明は心の中だけでそれを強く確認する。
 彼女の選択は誰のものでもない。常に彼女のものである。事実が彼女を『強く』する。
 如何に人間から『はみ出そう』とも所詮リベリスタはリベリスタでしかない。如何に超人的な能力を身に着けたとしても、人間のくびきから逃れられる筈も無く、より大きな力――理不尽な運命の全てを覆すに、その武器は余りに不足が有り過ぎる。
 ニニギアにせよ、未明にせよ。格別の緊張感と使命感を漂わせたその真剣な顔は、今日こうしている間にも失われる命を、自身が敗れたらば更に広がる被害を現実として実感しているが故である。
「……心苦しいですが……」
 叶う事と叶わない事がある。救える命と救えぬ命がある。
 低い声を漏らした『鉄壁の艶乙女』大石・きなこ(BNE001812)は意志を秘めた双眸で今は前だけを見つめていた。今だけは。
 諦念に飲み込まれまいと彼女等は不具合な足場を蹴る。そのしなやかな両足に力を、込めて。
 リベリスタ達は往く。崩れた石段を、傍の林の影を急勾配を駆け上がる。
「ああ、ちくしょう……少し位静かにしてられないのか」
「まったくだ。休む暇も無いってのはこの事なんだろうね――」
『やる気のない男』上沢 翔太(BNE000943)の軽口に『ガントレット』設楽 悠里(BNE001610)が答えを返した。
 行く手、彼方には山門、敵影――防御する鬼の姿。程無く始まる戦いはリベリスタ達に大いなる試練を与える事、間違い無い。
 彼等が立ち向かわなければならない任務は実は『街で暴れる鬼の対処』でも『封印の破壊を目論む鬼の阻止』でも無かった。古びたこの廃寺に施された封印は既に存在しない。吶喊してきたリベリスタ達の姿を認め、気配をざわめかせた山門の鬼達の存在が示す通りである。彼等はリベリスタに先着してこの場所を訪れ、封印の破壊に成功している。リベリスタの任務はこの鬼達を散らす事――だけでは無い。
「ただでさえ強力な鬼の中でも『大物』……」
「ああ、そんなもん復活させてたまるかよ」
 今度は翔太の言葉を継ぐように悠里が言った。
 頷き合う彼等の思いは一つであり、言葉は今日この場所に彼等が訪れた最大の意味を告げていた。

 ――他の鬼は封印を破壊する為にその場所に赴いた。しかしてこの場の鬼は封印を破壊した上で『何かの復活』を目論んでいる――

 リベリスタはそこに在る何かを知らない。
 されど、通常の次元幽閉に加え、より厳重に縛り付けられた『何か』が復活して愉快なものであるとは考え難い。
 それは決して目にしてはいけないものなのだ。誰の目にも触れさせず、時代に置き去りにされたままにしなければいけないものなのだった。
『儀式』は境内で行われているという。陰惨に人を殺し、その生き血を捧ぐかのような惨い『儀式』は。
「目的は儀式の阻止で誰かを救う事は二の次、か……」
 やや自嘲めいた『アンサング・ヒーロー』七星 卯月(BNE002313)の声はまず誰ならぬ自身の無力を責めていた。
(無力だな、私は。どうして……私はこんなにも無力なんだ……)
 誰の胸にも蟠る忸怩たる想い、悲しみを、怒りを、喪失感を卯月は無かった事に出来はしない。
「いいや」
『人生博徒』坂東・仁太(BNE002354)が言葉を短く否定した。
「わしは――わし等は昔は何もできんで助けられるだけやった。けど今は助けられる力もある。
 せやったら、やることは一つしかあらへん。出来るかどうかやない。たとえ出来なくてもな……」
 言葉を一端切り、その先に特別な意味を与える。言霊が我が身を助ける、意志を助ける力に、武器になるように。
「……『助ける』で」
「ああ。最悪の趣味、最悪の儀式。こんな気分を押し付けてくれる相手に何も最後まで付き合う義理は無いからね――」
 元よりどれ程の葛藤があろうとも、今のリベリスタ達には感傷に浸る時間さえ許されてはいなかった。
 仁太の言葉を受け、失望の影を振り払った卯月が仲間達に小さな羽をギフトする。
 卯月の加護でふわりと石段より浮き上がった一同は不安定な足場より自由な行動力を手に入れた。
 敵が近付く。
「いよいよ、ですね」
 リベリスタの周囲に特殊な力場が生み出された。きなこの守護結界が面々を覆う。
「さあ、行くのだね――!」
 果たして、凛と響く卯月の声はリベリスタの動きに一層の統制をもたらした。
 澱み無く、流れるように。パーティは打ち合わせ通りにその位置取りを展開する。
「いざ、勝負の時――でござるな」
「さあ、大喧嘩だ。気合い入れて行くぜ!」
 石段の真上を滑る『無形の影刃』黒部 幸成(BNE002032)、気合で応える『蒼き炎』葛木 猛(BNE002455)、悠里、優希、正面突破を目論む四人は敵に苛烈に肉薄するアタッカーであり、意識を引き付ける囮の役も担う形になるだろう。林側に迂回し木々を遮蔽にするように行く卯月、翔太、未明、仁太のような動きあり。回復役のニニギアと彼女をフォロー動きを見せる守り手のきなこも散開の動きを見せた。何れにせよパーティの目標は一つ。かの山門を打ち破り、『儀式』の現場たる境内へ辿り着く事。鬼の儀式を止める事だけである。
 戦闘態勢を整える恐るべき敵の接近を鬼達も唯黙って見ている訳も無い。
 大鬼の合図らしき動きに応え、山門の上に陣取る子供サイズの鬼が小さな身体には不似合いな強弓をぐいと引き絞る。
 その姿を確認し、敢えて加速したのは幸成であった。
「この身こそ無形の影刃、音無く澱み無く忍び寄るが常なれど――この場には矢面を選び取り、柳の技を御覧に入れよう」
 ひゅん、ひゅんと風を切る音。山門の上に陣取った弓鬼がパーティに先んじて攻勢を繰り出した。
 彼等が狙うのはその身を敵前に突出させた――『無謀に忍ばぬ者』である。
 弓鬼の狙いはそれ相応に精密で確かな技量で幸成を襲うが、しかし。
「生憎と、容易く捉わるる自分では御座らんよ……」
 言葉は傲慢では無く、唯の事実であった。宙を行く幸成は迫る二本の矢をその恐るべき身のこなしだけで受け流す。
「ああ。こっちは思い切りやる気なんだ。この程度じゃ――止まれない!」
 後に続く悠里も吠えるように気を吐いた。彼の手を覆うガントレットが白く煌く。
 此方は完全に無傷とはいななかったものの、迫り来る矢を弾き飛ばし、まともな直撃さえ許さない彼の技量は改めて語るまでもあるまい。
「着いた……っ!」
「――しゃあ、行くぜッ!」
 直線的かつ強引な突撃を見せた優希を、猛を、悠里を複数の影が迎撃する。
 壁の大鬼が二体、この陰より刀を備えた鬼が二体。目前を塞ぐ見上げるような巨体に彼等は何ら怯まない。
「一気呵成に――これを撃ち貫く!」
 裂帛の気を吐いた優希のトンファーが青白い火花を空気に散らす。
 肉薄する速力をそのまま生かした動きは強烈。全身の力を練りに練り、溜めに溜め。爆発する時がやって来た。
「壱式――」
 鬼が吠える。得物を振り上げ、目前に立つ彼を叩き潰さんと構えを取るが、鈍重なるその動きに雷光の一時は取り合わぬ。
『迅雷ッ!』
 優希の声を頼もしい仲間達の声が追った。
 全身の膂力を開放し、疾風を捻じ伏せる速度で雷撃の武舞を叩き込む。それも、三連ほぼ同時に。
 それは優希、猛、悠里による――雷華の百花繚乱だった。咲き誇る――では言葉足りず、まさに咲き乱れた彼等の連撃は『この界を統べる闘士』を阻まんとした『無謀な』鬼達の身体に次々と吸い込まれ、彼等を圧倒する威力の下に叩きのめす。

 おおおおおおおお……!

 吠える大鬼。耐久に優れぬ刀鬼の一体が脆くも崩れた。
 無傷なる鬼が新手として彼等に向けて寄せてきた。
「さあ、どんどん来いっ!」
 丸太の如き金棒を備える鬼に猛の鋭い視線が飛ぶ。是非も無い。振り下ろされた凶悪無比な一撃が石段を派手に破壊した。
 辛うじてこの直撃を避けたものの、「……ったく、この馬鹿力……」と悪態を吐く猛の態勢が乱れていた。
 金棒を振るい、太刀を抜き放ち、猛襲する鬼達。正面を突いた三人のリベリスタは流石にこれに被害を受ける。
 更なる打撃を与えようと、山門の弓鬼が強弓を再び構えていた。
 しかし、この弓鬼が一撃を見舞うよりも先にその手には輝く糸が巻きついた。
「そちらは自分に付き合って貰うで御座る」
 宙を行けば破壊の矢が邪魔になる。面接着で射手の死角より『門を垂直に駆け上がった』幸成はその技量で弓鬼の動きを翻弄する。
 疾風迅雷の貫通力、そしてその技量による翻弄。
 山門での激戦は続くが、正面を突いた四人の戦いは本来の彼等の役目を十分に果たすものになっていた。
 林側に迂回し、鬼達の注意から逃れた戦力は当然その分到着が遅れたが、左右より鶴翼で包むかのように山門の鬼達を強襲する。
(さて、時間との勝負だね……どれ位で、ここを抜けるか)
 林の陰より支援に徹する卯月は戦場を広く見回した。
 卯月のインスタントチャージを受けた悠里は更にその武威を振るい、指揮を受けたパーティは効率的に戦闘を展開していく。
 パーティの狙いは殺傷力に優れる刀鬼、弓鬼を早い段階で山門より駆逐し、境内に突入する事。撃破が困難な大鬼は山門の残存戦力を引き受ける翔太、きなこ、優希に任せ、七人の主戦力を早く境内内部に送り込むという作戦である。
「駆け抜けるには良い花道よ!」
 大鬼の邪魔をものともせず、その巨体の頭の上を飛び越えて、三次元的に剣の一撃を繰り出すのは未明である。
 高速と跳躍、多角的に展開される彼女のソードエアリアルはこれを受け損ねた刀鬼に混乱を刻み込む。
「邪魔や、どいとき」
 仁太のパンツァーテュランが鉄の咆哮を吐き出した。
『彼女』の独演会は抵抗を見せる鬼達を弾幕(えんぜつ)の中に飲み込んだ。
「そうは――させません!」
 反撃に出た大鬼の金棒をきなこのシールドが、甲冑が受け止める。圧倒的な怪力の前にも叩き潰される事は無い。防御を主体にする前衛にも増して堅牢なきなこは支援者でありながら防御役――稀有な存在である。流石の彼女も集られれば傷みは募る。しかし、体力を減じた彼女の、仲間の態勢を一気に立て直すのは言わずと知れたパーティの要、此方は回復支援に特化したホーリーメイガスのニニギアである。
「頑張って……負けないで……!」
 鬼共の闊歩する地獄に降り注ぐのは清かな一声。
 周囲の魔気を我が身に取り込んだ彼女の奏でる天使の歌はパーティを力強く賦活する。
 左右後背を次々と衝くリベリスタの動きは戦場自体をコントロールし始めていた。彼等は元より意志を一つに束ね、指揮の下で結束して動いている。一方の鬼達はそんな細かい事を得手にしていない。集団戦の趨勢を決めるのは効率の良い連携でもある。
「そこはもう、安全地帯とは言えないぜ」
 山門の上でも乱戦は始まっていた。先んじて牽制に出た幸成に続き、翔太が弓鬼に襲い掛かる。
「空中殺法はお手の物ってね」
 矢を受け、山門への着地を余儀なくされた翔太だが、彼の異常と呼ぶに相応しいバランス感覚は不安定な足場さえモノともしない。
 押し込むパーティ、倒される鬼。リベリスタも消耗こそ余儀なくされてはいたがどちらが有利かは明白だった。
 目安としていた最後の刀鬼が優希の一撃に薙ぎ倒された。
「いい加減、邪魔なのよ!」
「っし、突破ァ……!」
 未明の一撃が前を塞ぐ鬼の巨体を跳ね飛ばす。境内への道が見えていた。駆け抜けた猛が気炎を上げた。
「行け!」
「お願いします――!」
 境内側に降り立った翔太が、きなこが声を張る。
「葛木、この場は預かろう。存分に暴れて来い!」
「――頼んだぜ!」
 優希の言葉に猛が応えた。
 山門の防御は破られた。否、山門の防御はこれより新たに始まった。
 此度の寄せ手は残存する鬼、守り手は境内を――『儀式』の阻止を残る七人のリベリスタに託し、この場を預かる翔太であり、きなこであり、優希である。
「そっちは頼んだぞ、皆!」
 翔太の声を背に受けて七人の戦力は境内に――罪無き人が囚われ、殺戮の儀に饗される許し難き悪の場へと雪崩れ込んだ。
 残る鬼達が吠える。彼等は弱くない。唯三人のリベリスタでは耐え凌げるという確約がある訳では無い。だが、しかし。
「ここから先は行き止まりだ」
 翔太は猛る鬼にクールに告げる。
「倒せるものなら、倒して貰いましょうか」
 抜群の耐久力を誇るきなこは自負のままに道を塞ぐ。
 山門と境内、両方で戦いは始まった。此れより先は、不動山門。鬼如きと、同じにされてなるものか――

●乱戦
 朽ちた山寺は鬼達の狼藉で完膚なきまでに叩き壊されている。寂れた広い敷地の中央には拷問の苦しみに血走った目を見開き、舌をだらりとはみ出して動かなくなった『モノ』が、生きたままに臓腑を抉り出されて解体された『モノ』が、そも人間の原型すら留めない有様の『モノ』が、全く悪趣味な冗談のように積み上げられていた。
 死臭、血臭、そのものといったような厭な空気に小さな声を上げたのは誰だったろうか。
 それは大きな問題ではない。その場に到着したリベリスタの誰もが抑え難い怒りと吐き気に胸を悪くしていたのだから。
 山門方向に意識を集中し、狙いを定めていた境内の弓鬼の矢が次々とリベリスタ達を傷付け、纏う力を破壊する。
 流石に無防備とならざるを得ない突入である。今度は強襲したリベリスタにではなく、迎え撃つ鬼に有利があった。
「ここからが正念場に御座る……」
 せめて自分達の戦いが囚われの人の勇気になるように、と。幸成の声に、鬼を倒す人間の姿に歓声が上がる。
「勝てると思うのか、邪魔者め」
 しかし、棘の金棒を備えた黒い鬼――鬼の将・剛鬼は幸成を傲然とせせら笑った。
「何時の世も性懲り無くチョロチョロと顔を出す。鬱陶しい小蟲共め」
 剛鬼は吐き捨て、地面に転がる死体の頭をわざとらしく踏み潰す。
「酷い……」
 呟いたニニギアの目の端に涙が溜まる。悲しみ以上の意志が滾る。
 山門の騒ぎを彼は既に認識していた。彼は『儀式』を遂行する道鬼と『儀式』の材料になる人間達を鬼達の後方に隠し、突入してきたリベリスタを迎え撃ったのである。
 戦いは連戦となって続く。山門に続き、この境内。戦力で軽く二倍する鬼達は万全、一方でリベリスタ達は消耗している。
(ここで初運用とは少し冒険が過ぎるかもしれないが……
 七罪奈落、いや、ナイトメアダウンの犠牲者達。君達の力を貸して頂くのだよ)
 一方で激突する主力と主力の中、早々と動き出したのは『奈落時間』を身につけた卯月だった。
 それは先手を撃たんとする高速展開。卯月のナイフが猛然と前に出かかる剛鬼の姿を指し示す。
「そこで、止まるのだね――」
 応えるように宙空から伸びた気糸が、強靭な鬼に、黒い影に四方八方から襲い掛かる。
「――しゃらくさい!」
 将の怒号に応えて鬼の軍勢が次々と動き出した。道鬼は儀式を遂行せんと呪言を唱え、金色に輝く魔器を一人の子供の眉間に突き立てた。
「こいつ――!」
「おのれ、悪党!」
 悪逆に弾かれたように地面を蹴ったのは悠里であり、幸成であった。
『儀式』の完成を許す訳にはいかない――そう考えた悠里は翼の加護で鬼の頭上を抜けんと試みる。
 一方で幸成は集中攻撃に晒されかかったその悠里を援護するかのように、地上の鬼に技を仕掛ける。
「元よりこの刃でお主等を屠れるとまでは思ってはおらぬ。
 唯、一時、このしがない忍びの相手をして貰うだけ故。さあ、鬼さん――こちらに御座るよ?」
 大鬼が吠える。幸成の暗月が傷を刻む。刀鬼が斬りつける。刀傷を受けた彼は小さく呻く。
 戦い始めたのは彼等だけではない。境内に在る彼我の戦力は乱戦を織り成し、状況を刻一刻と加速させていく。
 戦いの質はすぐに最高潮に変化した。
「この――! 簡単に、倒させないから……!」
 ニニギアの必死の支援にも、決して止まらず、命と命を削り合い、血で血を洗う激しいものへと姿を変える。
「やらせねぇ。邪魔だって――言ってんだろ!」
 肩で息をする猛が本日幾度目かの壱式迅雷を撃ち出した。
 耐久力を誇る鬼達はこの一撃にも苦悶の声を上げるまでで轟沈する事は無い。
「そういうのは、故郷の地獄で獄卒に就職してからにでもしなさいな!」
 未明の雷撃を帯びた苛烈な一撃が刀鬼の一体を縦に砕いた。しかし彼女の自由を阻むように覆い被さる巨体の影が邪魔をする。
 剛鬼の命令を受ける鬼達の動きは山門での戦いとは見違えていた。数に勝る彼等は自慢の耐久力でパーティを押し込んでくる。容易く倒し切る事叶わない『単純暴力』は――余りに単純であるが故に、力勝負以外の攻略を難しくしているのだ。
「殺された恨みは晴らしちゃる、じゃけんちと応援してくれや――!」
 募る無念に胸が痛む。しかし、悼む暇も無く寄せる鬼に仁太は吠えた。
 果たして彼の声に応えるかのように運命はこの一撃に味方した。ばら撒かれた鋼鉄の弾幕は一度ならず二度。
 嵐のような威力で鬼達の陣を薙ぎ払う。
 しかし、状況は変化しない。鬼は傷みながらもパーティの攻撃に耐久し、道鬼は人を殺す。
 鬼の陣を飛び越えようとした悠里は弓鬼に撃ち落とされ、敵の渦中に飲み込まれた。
「随分と邪魔してくれたな!」
 幸成が遂に剛鬼に倒された。俄然勢いを増し、攻め立てる鬼道達。
 暴力に陶酔する鬼達は暴れに暴れる。前掛かりにパーティを押し戻し、次々と傷付けていく。
「これは……」
 大鬼の存在は、多数の敵がリベリスタに張り付く状態は道鬼を直接狙う状況への難易度を増している。
「……っ!」
 防戦を指揮する卯月、応えて良く凌ぐリベリスタ。
「――この状況が運命だというのなら、私はその愛なんて要らない――」
 血を吐くような卯月の声は運命を求める、呪い歌。
 嗜虐的な運命(かのじょ)は今日も猫のように気まぐれだった。美しく、無慈悲なる者は卯月のみならず、仁太の、猛の声にも応えない。応えようともしないのだ。
「……いったぁ……! やったわね!」
 当然と言うべきか、攻撃を受けぬ立ち回りを心がけたニニギアさえ、既に猛攻に晒され始めている。
 彼女はここが一番の働き所とばかりに奮闘するが、状況は厳しさを増しつつある。
 倒れては運命を燃やすリベリスタ達ではあったが、耐久に優れぬ仁太が倒され。戦線の崩壊は近いようにも――見えた。
「……訳には、いかないんだ……!」
 しかし、それでも。
 状況は、運命はリベリスタを完全に見捨ててはいなかった。
 低く、掠れた声で言ったのは悠里。敵陣に呑まれたかのように見えた彼は――疲れ果て、傷付き。全身を血に染め、汚し。眼鏡を割られ、片腕をへし折られながらも、その闘志を失ってはいなかったのだ。
 暴力と攻勢に歓喜し、『種族柄』前に出過ぎた鬼達はバランスを崩していた。
 弱り始めたリベリスタ達を叩きのめす事を優先し過ぎていた。
 無謀な愚か者を、死に掛けの彼の存在に拘らなかった。『唯一敵陣を切り分け、道鬼に近付いた』悠里の存在を甘く見ていた。
「これ以上、やらせない!」
 最後の力を振り絞り、悠里は吠える。

「ここが! 僕が! 境界線だ――!」

 その動きは素晴らしい技量に裏打ちされた設楽悠里のものではない。
 獣の如く、四足で這うように、無様に、不恰好に――しかし、その癖尚疾い。
「……チッ!」
 敵の接近に慌てる道鬼、舌を打つ剛鬼。
 彼は後背に意識を向けかかるが、彼のその隙を猛は逃さない。
「絶対、やらせねぇって言っただろうが……!」
 一撃が剛鬼の強靭な肉体を抉る。さしもの彼もこれによろめく。
 この一瞬に勝機が掛かっている事をその場の全員が知っていた。卯月のトラップネストが未明を阻む大鬼の動きを失わせる。
 大きく移動した未明は悠里を阻まんとする別の大鬼目掛けて高く跳ぶ。
「邪魔は――させない――!」
 クールな少女の美貌さえ、土に血に汗に汚れている。
 果たして混乱状態に陥った大鬼を悠里がかわし、遂に道鬼へと肉薄した。
 抵抗無き人を殺すは容易くとも、戦士を前には余りに矮小。
「ヒ、ヒィ……!」
 魔器を手にした弱き『鬼』が青白い鬼気を纏う『人』に恐怖する。
 遂に辿り着いた『正義の味方』に囚われの人は歓喜した。
「おおおおおおおおおお……!」
 鬼もかくや、凄絶な叫びと共に繰り出されるのは負傷すら気に留めぬ悠里の迅雷、それも二連。
 無数の突きが蹴撃が暴風の如き威力で木っ端の如きそれ等を破壊し、薙ぎ倒す。
 倒れる道鬼、黄金の煌きを宙にばら撒く魔器。
「やるわね」
 嘯いた未明が唇の端を持ち上げる。
 猛烈に攻め立てていた鬼達の間に動揺が広がった。
 時、同じくして山門より増援に来たのは――鬼、ではなく。山門を不動のままに守り抜いたリベリスタ達だった。
「押し返しましょう!」
 きなこの声が、天使の歌が傷付いたパーティを激励する。
「まだまだ、いけるぞ――!」
 言葉は強がり。しかし、事実でもある。境内に飛び込んできた優希が土砕の掌打で堅牢な大鬼を突き崩す。
 最も遅く、殿を務めた翔太は特に傷付いている。しかしその目に宿る闘志は些かも衰えては居なかった。
「次は、こっちの番だろ?」
 やる気の無い男が見せた『熱』は特別なもの。
 勢いを取り戻したリベリスタ達に、やがて――剛鬼が大喝した。
「覚えていろ、蟲共め!」
「一昨日来なさい、負け犬さん」
「幾夜眠ろうとも、この屈辱は忘れ得ぬ。必ず――必ず復讐してやるぞ!」

 鼻で笑う未明に憎々しげな声を上げ、剛鬼が、鬼達が波のように退いて行く。
 これを追う余力はどのリベリスタにも無く……しかしそれでも戦いが終わったのは間違いない。
 生き残った人間は囚われた内の僅か三割程度に過ぎなかった。
 しかして、四天豪鬼の眠る場所。勝利を収めたのは確かにリベリスタ達の『正義』の方だった。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 YAMIDEITEIっす。
 折角なのでシーン毎にちょっとコメントを添えてみます。

●不動山門
 良かったです。戦力を削る経緯(攻撃力高いのを散らして耐久力高いのは後回し)も理に叶っていますし、戦力を減らした後の突破、逆に山門を利用して守備するという考え方もグッドです。
 ついでに言うならリプレイ映えもする連携ですし、私もハッピーでした。

●乱戦
 逆にこちらは厳しかったです。
 山門で派手に戦えばリベリスタの到着はまず知れています。
 戦力を三人残して境内に到着しているのですから、この時の戦力比は数の問題で敵に有利です。(大鬼4、刀鬼4、剛鬼)
 直接ブロックしてこない弓鬼、道鬼を捨て置くとしてもまず前衛の数で大きく負けています。更に鬼達のサイズは非常に大きく、道鬼が後衛ならば簡単に狙う事は難しいです。『とりあえず突撃で後衛を叩く!』というプレイングが無条件に通じるケースはそもそもリベリスタ側が戦力数で上回っている場合であり、敵も同じように前衛後衛を形成するシーンでは厳しいです。

 総じての判定の理由は前半の貯金を後半で消耗するも、命知らずの行動で私にマジで死亡判定を検討させたMVPの勇気に敬意を表して、といった感じで。

 総じて皆頑張ったと思います。
 シナリオ、お疲れ様でした。