● 桜の木の下には、死体が埋まっている。 桃の木の下には、鬼が埋まっている。 ● 「鬼事件が岡山県で頻発しているのは知っていると思う」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、モニターに岡山県の地図を映し出す。 「あの事件について進展があった。識別名『禍鬼』と接触したんだけど、、気になる情報を入手。どうも鬼達はこの『禍鬼』をリーダーに共通の目的を持って動き出そうとしているらしい」 別のモニターに、神社の縁起などの資料が提示される。 「彼らの王、識別名『温羅』の復活。鬼自体は対処出来ない相手じゃないけど、強敵。王ともなれば唯のアザーバイドのレベルを超える大変な脅威である可能性が高いね」 ちなみに伝承では、身長大体4メートルだって。と、付け加えた。 別のモニターに、これまで出没・討伐された鬼の画像。 「『禍鬼』をはじめとする鬼達はジャック事件で日本の崩界が進んだ事で封印が緩み、復活したものと思われる。だけど『温羅』を含む鬼の大部分は未だ封印状態にあり、活動出来ない状態に留まっている」 岡山県――古より「吉備国」と呼ばれた地域全域を覆い尽くす勢いで、赤い光点がつけられる。 「偶然じゃない。岡山県内に数多く存在する霊場、祭具、神器等が彼等鬼を封印の中に閉じ込めるバックアップとして機能している為。現状も鬼は次々復活しているが、このままならば『大物』が出現する事は無いと思われる」 ああ、なんだ。と、一瞬緩みかける空気。 「『禍鬼』は封印のバックアップをする県内各所の施設を蹂躙し、『温羅』を含む強力な鬼の復活を目論んでいる」 ああ、やっぱりそういう話ね。と、リベリスタ達は、姿勢を正した。 「今回、蘇った鬼達を纏め戦力を編成した『禍鬼』が動き出す姿を万華鏡が感知した。『禍鬼』の狙いは封印の破壊だけど、彼はリベリスタを良く知っている。白昼の街中に鬼を放ち、大惨事を引き起こそうとしている」 赤い光点の上に、岡山の人口分布。更に観光客の多い地域。 算出された「人の多い場所」が特に危険地域として、ポイント表示される。 その数と、分布の広さを見るや、リベリスタ達の何人かは声を荒げ、机に拳を打ちつけ、今この場にもブリーフィングルームを飛び出し、岡山に移動を始めそうな勢いだ。 「アークとしては、人間に害意を持つ危険で強力なアザーバイド達がこれ以上勢力を増す事を見過ごすことは出来ないし、陽動と分かっていても街中の鬼にすき放題なんてさせない」 人が死ぬ。 神秘になど生涯触れることのない、幸せな人たちが死ぬ。 秋の、ジャックに感化された有象無象の殺人鬼達の所業を、あの事件に関わったリベリスタ達は忘れない。 「岡山県内の各霊場に戦力を派遣し、封印の破壊を目論む『禍鬼』の企みを阻止すると共に一般人の命を守らなければならない」 イヴの無表情に揺るぎはない。 「みんなには、粉骨砕身してもらう」 目の前のリベリスタを信じているから。 ● 「みんなには、桃を守りに行ってもらう」 イヴは、リベリスタの顔を見回した。 「桃太郎じゃないけど、桃が魔よけというのは、みんなも知ってることだと思う。今でも桃は岡山の特産。みんなに守ってもらうのは、農家の桃ではないけどね」 ここ。と、イヴは示したのは山間部だ。 「ここに桃林がある。その下に、鬼が埋まっている。鬼達は、斧やまさかりで桃を切り倒し、その霊力を弱め……」 鬼を復活させようとしているというわけだ。 「この地区では、子供が生まれると、ここに桃を植えるんだって。鬼に食われないように身代わりとして。桃の木の寿命は大体五十年。そうやって、代々封印は守られてきた」 最近は観光化して、本数は維持されているようだ。 「鬼の数は八人。頭も悪くない。力も強いけど、みんなならうまくやってくれると思う。桃の木はできる限り傷つけないように。これから花が咲くから」 植樹用の若木も用意しておくけどね。と、イヴは言った。 「今から行けば、先に桃林について、待ち伏せできるよ。桃への影響を考えると先制できるに越したことはないね。こっちも一緒になって暴れたら、封印を壊す手伝いしてるのと一緒になっちゃうから、慎重にね」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年03月02日(金)23:57 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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