●ヒーローショーを乱す者 子供たちの集まる遊園地の中でも、一際特殊で人の関心を集めるものがある。現れた作り物の怪人が現れて、子供たちをさらったりしながら場を盛り上げ、ヒーローに倒されることで完了するイベント。いわゆるヒーローショーである。 この遊園地でも、当然そのヒーローショーは行われていた。と、いってもあまり人は集まっていない。というのも、子供たちに人気なテレビの中のヒーローではなく、この遊園地限定のヒーローであり、人の関心も少ないのだ。 そういうヒーローショーだから、当然子供たちも少ない。役者もそんなにやる気はなかった。 さて、このヒーローショーにリベリスタがどう関わるのかと語ると。ヒーローショーを舞台に事件が発生することをカレイドシステムが感知したことに起因する。 ここで起こる事件。それは、怪人と戦闘員に偽装した黄泉ヶ辻の人間がヒーローショーに集まっていた子供たちを捕まえ、そのまま誘拐してしまうという事件だ。 なぜ、フィクサード組織として有名な黄泉ヶ辻がそんな事件を引き起こすのかはわからない。いや、実態のつかめない、理解ができない黄泉ヶ辻だからこそ起こすのだろう。 ともかく、リベリスタが関わることになるその事件の一部始終を紹介しよう。 「大変! ゾクアークのシバイザーが出てきちゃったわ!」 司会のお姉さんが、子供たちに呼びかけている。ちなみに、ゾクアークとはこの怪人組織の総称であり、シバイザーはザリガニめいたこの怪人の名前である。 横から全身タイツのようなコスチュームを着た戦闘員が側転とバック転を駆使しながらやって来る。無駄にアクロバットな動きなのは、黄泉ヶ辻のエージェントだからだ。 「ザーリガッガッガッ」 ザリガニめいた両手のハサミを挙げて、奇声を上げるシバイザー。それにしてもこの黄泉ヶ辻のエージェント、ノリノリである。 「ガッガッガッ。……そぉ~だなぁ~!」 怪人は舞台の上を左右にゆらりと動きながら、悩むようなポーズを取る。というのも、子供たちの中から一人代表を選んで舞台にあげないといけないのだ。お約束として。 「戦闘員共! あの綺麗な子を引っ張ってこい!」 「あらぁ、大変……」 そして、ザリガニめいたハサミを向けて指名されたのは黒いゴスロリに包まれた華奢な少女。流れるような紫色の髪が特徴的だ。この場に似つかわしくないような、綺麗で神秘的な子である。 「ザッザッ、ザッ!!」 戦闘員に連れられてやって来た、綺麗な女の子を腕に抱きながら喜ぶシバイザー。いや、黄泉ヶ辻のエージェント。 「たいへーん。お友達が攫われちゃった! みんなー、リベイザーを呼んでー!」 リベイザーとはこの遊園地特有のヒーローである。一度経営失敗した時にヒーローも潰してしまったため、再生したこのリベイザーはリベンジの意味を込められている。余談であった。 「……」 司会のお姉さんが呼びかけても、無反応な子供たち。どこか冷めた目でヒーローショーを見ている。 「みんなー?」 「……」 焦る司会のお姉さんだが、進行通りに飛び込んでくるリベイザー。 「とう! そこまでだ、ゾクアーク!」 「ザーリッリッ! この世に悪は栄える例あり! しねぇ!」 シバイザーは重そうな見た目とは裏腹に、素早くリベイザー懐まで潜り込んで腹にハサミパンチを食らわせる。その動きは実戦慣れしたエージェントそのもの! 「……おごぉ?! 話が、違……?」 そのままリベイザーは昏倒し、戦闘員たちが素早く司会のお姉さんを薬品で気絶させる。 「……?」 子供たちは、それをただ眺めるだけ。変だと思いながらも、まさか自分たちに危害が及ぶとは、思わなかった。 そして、子供たちは手馴れた戦闘員とシバイザー……いや、黄泉ヶ辻によって攫われた。その後の彼らは、分からない。 ●ヒーローショーに乱入せよ モニターの中に映る活劇を見つめながら、リベリスタは大体の事情を察する。 「つまり、このヒーローショーの怪人と戦闘員を倒せばいいわけだ」 「そういうこと」 説明する手間が省けて助かるわー、『運命演算者』天凛・乃亜(nBNE000214)は豊満な胸を弾ませながら言った。今回の敵は黄泉ヶ辻であるが、その真の目的が不明な以上、ただ野望を打ち砕かねばならない。 「今回の焦点はふたつ。子供たちをうまく逃すことと、人質になった女の子をうまく助けること」 棒を使ってモニター上の状況を説明しながら、今回の任務状況について乃亜は補足する。曰く、リベイザーと司会のお姉さんは既に昏倒状態、シバイザーがゴスロリの女の子を人質に取っている。 「ふざけたコスプレをしている敵だけど、手馴れのエージェントみたい。油断はしないようにね」 神秘の世界には、作り物のヒーローは無力かもしれない。しかし、神秘の世界にもヒーローはいる。それを証明するためにも、リベリスタたちはこの任務に頷いた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:nozoki | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年02月23日(木)22:58 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●ステージに向かって 遊園地の一角に向かいながら、リベリスタたちはそれぞれの決意を胸に秘める。それはヒーローとしての決意であった。 「何をたくらんでいるかは判りませんが児童誘拐など以ての外。私達の手で全力で叩き潰して見せましょう」 整った涼しい顔のまま、騎士さまこと『祈りに応じるもの』アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)は言う。真面目一直線に子供たちを案ずるその姿は、男らしいとも言える。 「それはそれとして、子供達には夢を見せるのがヒーローと言うもの。関心薄いままと言うのは、残念無念、なにか子供達の心に夢の火を灯したいものです」 しかし、にっこりと優しく微笑むその姿は賢母や姉のような抱擁感をイメージさせ、女性らしい印象を与えた。この揺らぎこそがアラストールだろう。 「子供時代、胸躍る冒険とかが好きだったのは大抵の男の子にとってはごく普通の出来事。ヒーローショーとは子供にとっては憧れの的であるヒーローとの接点」 帽子を抑え、走りながら淡々と語っている『デモンスリンガー』劉・星龍(BNE002481)の瞳は、サングラスに隠れてよく見えない。 「子供たちの夢で楽しいイベントである、ヒーローショーを妨害するなんて、許せないですね」 星龍の手は震えていた。しかし、星龍はそれを強く握ることで震えを止め、自分のやるべきことをやろうという決意を黒手袋に込める。 「何が目的でこんなことを目論んでいるのか分かりませんが、早急に対処しましょう」 タバコを咥えて、ライターを取り出して火をつけた。いつもの癖。だけど、今日は火を消してタバコを仕舞った。この先には子供たちがいるのだから、煙で撒くのはよくない。 「ヒーローショーに乱入するフィクサード……。まぁどうせロクでもない目的だろうけど」 走りながらも両手を大げさに上げてため息をつく『九番目は風の客人』クルト・ノイン(BNE003299)は、今回戦う敵に対して呆れている。 「……やることがセコイ……」 なんといってもこれだ。ロマンチストでどこか自由人な気質があるクルトにそう言われるのだから、相当なものだろう。 クルトはもうひとつため息を付き、敵の戦闘員のデータを見ながら嫌な顔をした。大人もディレッタントも色々あるのだ。 「何のつもりで子供らを攫おうってのかは知らねェし、知りたくもねェけどな。兎にも角にも、子供らには手ェ出させねェぜ」 どうせろくでもないことなのだから、別に聞く趣味はないと断定する『機械鹿』腕押 暖簾(BNE003400)は、くせ毛を整えていた。というのも、これから子供を助けに行くのだ、せっかくだから少しは身だしなみをチェックしようと思ったのだろう。 ともかく、子供が好きな暖簾は気合を入れてヒーローショーに臨もうとしていた。子供を助けることは、彼の正義に反しない。 「ヒーローショーだー!!」 結界が張られたのを確認してから、吠えるのは『神斬りゼノサイド』神楽坂・斬乃(BNE000072)だ。可愛らしい笑顔が特徴の斬乃だが、今は歯をギザギザにして怒りに震えている。というのも、人を助けずにはいられない斬乃の性格が、悪の誘拐犯を許しては置けないのである。 「悪の怪人は倒して、子供たちも救出! ヒーローの姿を示してあげようじゃないのっ」 ここでやることは、斬乃が言った通りのことだ。言葉にすれば単純なようにも聞こえるが、それをヒーローとして示す、というのは難しいだろう。 だが、それでも斬乃は大きな胸を張っている。自信があるのだ。彼女には。 (ヒーローショー……あれはよいものじゃな……わしも魔法少女の恰好して、あの壇上に登るのが夢じゃったんじゃあー……! まさか、この年になってその夢をかなえられるとは……。ふふふ……気合い入れていくのじゃ) 一方、ぐふふと笑う少女……にしか見えない80歳『暗黒魔法少女ブラック☆レイン』神埼・礼子(BNE003458)は企んでいた。今こそ魔法少女になる絶好の機会、千載一遇のチャンスだと……! 「いきますっ、まじかる☆ブラックチェーンジ!」 だからこそ、まずは物陰に入って変身! 声まで少女らしい高いものに変わるぞ! 「……ん?」 「神聖なヒーローショーを台無しにするなんてこのスーパーサトミが許しません! 天に代わって悪を討つのです!」 しかし、物陰で隠れて変身していた礼子もといレインだけではなかった! 悪を憎むスーパーヒーロー『スーパーサトミ』御剣・カーラ・慧美(BNE001056)もまた、独自のコスチュームに身を包んで変身口上を述べていたのである! 「……」 こういうの、なぜだか気まずいよね……。と、レインは顔を逸らす。 「見なかったことにしよう。うん」 「はいっ!」 「返事するの!?」 人に隠れて変身するヒーローと魔法少女も大変だ。 ●ヒーロー登場! ヒーローショーの舞台上で、戦闘員とシバイザーが高笑いをしていた。もちろん、悪役特有の気味の悪い笑い声である。 「ひーひっひっひー! 次はどの子にしようかなー?」 ゴスロリの少女を胸に抱き、怪しげにハサミを揺らすシバイザー。 怯える子供も出てきて、ヒーローショーは恐怖のボルテージを高めていく。いくら冷めた子供たちと言っても、まっすぐに突き刺してくる悪意には気付くものだ。 「待ちなさい、シバイザー!」 「そ、そのロリロリな声……な、なにやつ!?」 シバイザーが周囲を探っていると、その声の主は空から降りてきた。単に翼の加護なのだけど、シバイザーと戦闘員たちは盛大に驚いた。 「暗黒魔法少女ブラック☆レイン、参上♪」 「ブラックレインだとーっ!?」 「これ以上の悪事は絶対に許さないっ。覚悟しなさい、ボクが成敗してあげる!」 この魔法少女とフィクサード、ノリノリである。 「さぁ、ここはボクに任せて、ジバイザーのはさみに切り刻まれちゃう前に、みんな逃げて!」 「もう大丈夫ッス! 暗黒魔法少女ブラック☆レインちゃんが来てくれたッスよ! さあ、みんな逃げて!!」 そんな風に舞台上の雰囲気が変わったところで、モルぐるみを着込んだ『レッツゴー!インヤンマスター』九曜 計都(BNE003026)が颯爽と舞台袖から登場。拡声器を使って子供たちに呼びかけていく。そうすると、どこか引き腰だった子供たちが少しずつ引いていく。 (さぁて、見極めさせてもらうッスよ!) 同時に、計都は幻想殺しを人質となっているゴスロリの少女に使用する。いくら黄泉ヶ辻がヒーローショーに偽装しているとはいえ、この状況下で落ち着きすぎている。 すると、答えはすぐに分かった。この少女は覚醒している。 「きゃー、怪人に“神秘”的な雰囲気の女の子が捕まってるッスー!? けど、怖がらないで……、正義の“箱舟”が、必ず助けるッスよ!」 少し強引なところがあるが、これで仲間と相手に自分たちの立場と正体は伝わっただろう。ひとつ仕事が終わって、計都はほっとする。少なくとも、人質の少女がシバイザーによって一方的に殺されるということはないだろうことが分かったから。 「ええい、奴は俺が抑える! お前たち! 子供たちをさらえい!」 「キーッ!」 シバイザーの号令に戦闘員たちが答え、シバイザーは片手に少女を抱えながら魔法少女ブラックレインに向けて突撃を開始する。ハサミなのに器用だ! 「栄光衰勢、栄えたならば、その悪を我等が滅ぼそう」 しかし、そんなシバイザーの前に放たれたのはジャスティスキャノン。気を逸らさせるその攻撃を放ったのは――。 「ええい、次は何者だ!」 「……名か、私の、名は――ナイトリベイザー」 威風堂々。舞台袖にあったパーツを身に纏、ヒーローを演じるアラストールだ。剣を騎士らしく構え、精一杯格好をつける。 「むぅ……」 「よう、乱暴モンは嫌われちまうぜェ?」 そうやって動揺しているところに、影から飛び出てきた暖簾がシバイザーのハサミを叩き、人質の少女を奪う。 「さて、怪我はねェか? お嬢ちゃん」 「……ふふふ。はい」 抱きかかえながら笑顔を向ければ、なんだか不思議な笑い方を返された。さっきの計都の言葉でこちらの存在に気付いたのかと暖簾は思ったが、とりあえず客席に向かってジャンプ。 「俺はアークの暖簾ってモンだ、お嬢ちゃんは?」 「私は……姫。ナツキですわ」 そう名乗った少女は、暖簾の手から降りてお辞儀をしてからそのまま子供たちを連れて避難していく。チラリとシバイザーと戦闘員たちを見てから去っていく。覚醒した者だからだろうか、鮮やかな引き際であった。 「ごきげんよう。アークの皆様。この件、私は忘れませんわ……」 くすり、と笑う少女の表情に、なにか引っかかりを覚える暖簾であった。 しかし、今はフィクサードを倒す時。まだ子供たちが残っている観客席に、戦闘員たちが迫っているのだ。 「やあやあ正義の味方はここにありー! 正義のチェーンソーでずんばらりんだ!」 大凡子供向けらしくない得物を振り回しながら、ヒーローショーにやってくる女が一人。斬乃はチェーンソーを大上段に構え、戦闘員の一人に向けて振り下ろす。 「殺しはしないけど……吹っ飛べー!」 その宣言通りデッドオアアライブで戦闘員を吹き飛ばし、壁に叩きつける。キビキビと動く赤色の髪と豪快さ、それにライダースーツから覗く巨乳に子供たちは歓声を上げた。ませている。 「そこまでです! シバイザー! スーパーサトミ只今参上! 私が来たからにはもう大丈夫!皆さん安心してくださいね!」 ませているといえば、マントをなびかせて派手に登場したスーパーサトミにも高い完成が上がっていた。もちろんそれがすべてではなく、ヒーローらしい外観や動きが子供たちの心に火を付けたのだろうが。 「スーパーサトミぱぁーんち! スーパーサトミきーっく!」 まずは戦闘員たちと戦うスーパーサトミは、鮮やかに戦闘員たちの攻撃をいなし、こちらの攻撃を当てていく。 「戦闘員ごときにこのスーパーサトミが倒せるとお思いですか!」 そして、一人をその動きのまま撃破。笑顔とピースが輝かしい。 「さぁ、ショウの続きを始めよう。Es ist Showtime!」 子供たちがきちんと逃げていくのを横目で確認しながら、クルトは指を戦闘員たちに向けながら頭をかく。 「あー……戦闘員の……。誰もいいや、そこの。俺の相手して貰おうか」 そして、くいくいと挑発してから拳を構え、格闘技の姿勢を取る。その拳は力んでおり、戦闘員への恨みや対抗心が見て取れた。 「戦闘員の格好してる奴なんかと戦い方が被った俺の気持ちがお前ら戦闘員にわかってたまるか……!」 戦闘員から放たれる斬風脚に対して斬風脚をぶつけ、相殺する。そのまま潜りこむように懐へ入っていって、アッパーカット。縦方向に吹き飛ぶ戦闘員。 「ふー……クールダウンクールダウン」 心を流水で冷やして、クルトはひと息。格闘家も、戦闘員も大変だ。 横目で確かめると、計都やレイン、暖簾の手引きによって子供たちのほとんどは逃げている。あとは倒すだけだろう。 「無頼、機械鹿。推して参る!」 「子供たちはおうち帰ったよ! キミたち! そろそろ引き際だと思わない?」 暖簾の無頼の拳やレインが暗黒で戦闘員を吹き飛ばすものの、タフな戦闘員たちはその勢いを利用して観客席に降りていってしまう。シバイザーの命令を忠実に実行しようとしているのだ。 「子供たちは退場したようですね。では、それを追わせるわけには行きません」 しかし、その戦闘員たちは突如降ってきた銃弾の雨によって倒されていく。星龍が放ったスターライトシュートによるものだ。 「対処完了。これで、あなただけですよ。シバイザー」 銃口の硝煙を息で吹きながら、帽子を深く被る。これも星龍なりのカッコ付け方なのかもしれない。 ●ヒーローの決着 アストラールと戦っている間にシバイザーは一人残され、ジリジリと追い詰められていた。ハサミもカチカチ鳴る。 「誇り高き暗黒ガンターイ帝国の怪人が、フィクサードの手下になるなど、言語道断! ええい、誰の命令だ! 何が目的だ! アジトは何処だ! 全てまるっとエブリシング白状せぬか!!」 と、そこでモルぐるみを脱いだ計都がボンテージの女幹部になり、ムチでシバイザーを叩き始めた。これによってノリノリな相手から情報を聞き出すつもりである。 「私が忠誠を誓うのはあの御方のみ! 同じ幹部といえども容赦はせんぞ!」 でも、ノリノリでこう返されたら計都はぐぬぬと言うしかなかった。 「あなたの悪行もここまでです! シバイザー覚悟してください!」 ここで組み付きに行くのはスーパーサトミ。ハサミ相手にがっつりと組み合うのは痛いけれども、がんばって組み付く。シバイザーもまんざらではない様子で、力比べをし始めた。お約束。 しかし、シバイザーのパワーは凄まじく、スーパーサトミの体は吹き飛ばされて壁に激突する。 「シバイザー! 強敵です!でも町の平和を守るため、このスーパーサトミこれしきのことではやられません!」 それでも、スーパーサトミは諦めない。負けるな! スーパーサトミ! 「……隙がないなら作るまで!」 ナイトリベイザーことアストラールも負けない。ジャスティスキャノンを放って、シバイザーの注意を引く。 「背後は卑怯? ヒーローは、やっぱ勝たないと」 そこに、背後からクルトが乱入して魔氷拳。氷の力でシバイザーの体を凍らせ、動きを止める。 「ぬ! 卑怯な! ならば……殻にこもるまでよ!」 すると、硬い殻めいた体を屈めることでパーフェクトガードを発生させるシバイザー。なんとも間抜けっぽい動きだが、実際硬くなったので困る。 「では、解除させてもらいましょうか」 だが、そこに正確無比な一撃――ピアシングシュートが放たれて、その身を殻の中から解放させる。撃ち抜いたのは、子供たちがいなくなったのでタバコを銜えた星龍だ。 「悪が栄えりゃこっちも栄えるってモンだぜ!」 更に、ヘッドショットが追い打ちとなる。シバイザーの甲殻が弾丸によって剥がされ、仕込んでいた火薬によって火花が散る。細かい。 「スーパーサトミパワージャスティススマッシュ!」 悲鳴を上げたところに、何度も何度もシバイザーにぶつかっていたスーパーサトミが帰ってくる! そして必殺のヘビースマッシュ! 今度は逆にシバイザーを吹き飛ばした! 「固い守りだけど……こじ開けてみせる!」 壁に激突したシバイザー。斬乃はそこまでジャンプしてから、ハサミに対してチェーンソーのデッドオアアライブで斬り込んだ。 「切り捨て、御免!」 強烈な火花と共に、ハサミが切り落ちていく。 「ま、まさか幹部のこの俺が……! しかし、リベリスタ……お前たちの力は分かったぞ!!」 そして、最後は……。 「必殺、まじかるブラック☆カリバー!」 「グワーッ!!」 黒を纏った魔法少女の一撃で決まり! 「正義は必ず勝つ☆ やったね、みんな!」 これで勝利だ! ブラックレイン! 決着はついたが、結局何がしたいのかはよく分からなかった。シバイザーが言うには、リベリスタの力を測っていたのかもしれない。少女の姿も、あれから見えなかった。 とはいえ、 「皆無事ならそれでいいさ、俺は」 「よい子のみんなもう安心だよ! それではジュワっ!」 暖簾や慧美がそう言うように、子供たちは確かに救えた。それでいいのだろう。ヒーローなのだから。 「うむ、やっぱりレインちゃんはすごかったのぅ。え、わしは何やってたかって? ……ま、まぁ、任務はちゃんと成功したからよいではないか」 ブラックレイ……礼子もこう言っている。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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