● それは、全てをなぎ払うもの。 蹂躙し、踏み潰し、前へ前へと進むもの。 鋼の鱗を身に纏い、空を仰いで風の香を捕らえるもの。 虚ろの穴より現れたそれは、高々とその鼻を突き上げた。 ● 「三ツ池公園」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)の一言で、リベリスタの顔が引き締まる。 「アザーバイド。武装した象みたいなもの。どっかのチャンネルの戦象みたいなものが紛れ込んできたらしい。こっちの世界の戦車だと思ってくれればいい。硬くて、速くて、当たるとすごく痛いし、撃ってもくる」 思ってくれればいいって、それに生身で立ち向かえとおっしゃいますか。 「一頭だけだし。それができる人材だと思っている」 ――ったく、仕方ねえな。 「随伴歩兵もいないから、隙はある。確かに外皮は非常に固い上鎧着てるからダメージを与えにくいけど、足の付け根とかの皮膚は柔らかい。足一本使えなくすれば、体を支えられないだろうから、機動力は落ちる」 あ、なんか希望が見えてきた。 「非常に大きい。つまり、非常によけにくい。ぶつかっただけで大打撃。誰かにかばわれたとしても、衝撃を全て殺すことは出来ない。かばった相手が受け止め切れなかった分は、抜けてくる」 一頭でよかった。と、イヴは無表情のまま端的に言った。 「さっきから、しつこく象みたいなものって言ってるけど、実際には三体の獣の融合生物。脳みそも三つ」 なんだって? 「だから、例えばトラップネストに一人が成功したとしても、象の三分の一の動きは止まるけど、残りの三分の二は攻撃してくるってこと」 めんどくせえええぇっ! 「でも、腕が鳴るでしょ?」 ――そりゃね。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 10人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年02月17日(金)23:13 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 10人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
● 三ツ池公園、いこいの広場。 池を挟んだ向こう側に巨大な穴が開いている。 「あの穴は厄介なもんばっかり吐き出すなー」 『輝く蜜色の毛並』虎 牙緑(BNE002333) は、やれやれと声を上げる。 近場の北門から突入したリベリスタ達は、広場の向こうに、点にならない巨大な生き物がいるのが見える。 南からの合流した道のアスファルトがひび割れている。 そこから歩いてここまで移動したのだろう。周囲の倒れた木の跡が生々しい。 (アシュレイは餌って言ってたけど……実際溜まったモンじゃないわねコレは。ネコ型ロボットのドアか。気は進まないけど、こういう状況じゃ仕方ない。……倒すしか、ないか) 『ソリッドガール』アンナ・クロストン(ID BNE00181)としても、できれば無事に帰せるものなら帰したい。 だが、どこにつながるか分からないでたらめな大穴。 元の世界に帰してやれる当てもない。 「皆さん、かぎつけられないように風下から回り込みますよ。移動です」 『夜翔け鳩』犬束・うさぎ(BNE000189)が、早く早くこっちこっちと小心者の繊細さで風下を指差す。 「……ところでうさぎ。あなた大丈夫? 動物好きだったでしょう」 アンナがそんなことを言う。 「生かせたまま還せるなら、言う事はありません。今日は良い日だ」 だが、そのためには余力を残して優勢な状況に持ち込まなければならない。 難しい話だった。 ● 「わわわ……」 『駆け出し射手』聖鳳院・稲作(BNE003485) が、ひゃっはーっと声を上げる。 「すごく大きいです。ゾウみたいですね! 口を開けて見上げてしまうほどですね。あんなのに踏まれたら、私なんてぺしゃんこです」 でかぁい。説明不要! 超弩級アザーバイド、識別名「ゾウミタイ」だあ! 文字通り、背中にゾウカメが乗っかっているような形のゾウみたいな生き物だ。 問題は、ゾウガメっぽいとこからろくでもないものが飛んでくるという点だ。 自然発生した生き物ではないことは、サーカスの象よろしく、鱗状の鎧皮をかぶせられていることから分かる。 「なんとも面妖な。流石はアザーバイドといったところですか」 『銀騎士』ノエル・ファイニング(BNE003301)は、秀麗な顔を曇らせる。 「やはりアレはエレファントスラッグ……。アレを開発した世界はラクダミタイとかの亜種も開発しているのだろうなっ」 クリスティナ・スタッカート・ワイズマン(BNE003507)は、ポニーテイルを跳ねさせる。 「どこの世界でもトンデモ兵器ってあるんですねー。しかも私たち姉妹と同じ生物兵器(ナマモノ)ぉ」 『夜明けのシューティングスター』ミーシャ・レガート・ワイズマン(BNE002999)は、眼鏡を押し上げながら、のんびりと 言う。 「やはり戦車クラスがないと戦うのが厳しいが……ミーシャよ、せめて対戦車ロケットランチャーとか戦艦並みの威力を持つビームライフルとか用意できなかったのか?」 「対戦車ロケットランチャーとかビームライフルとか高すぎて自分のお小遣いじゃ用意できないよ! 今持ってる武器で何とかするの!」 たとえレーザーがあったとしても、神秘存在にどれだけ有効か疑問だ。 「……そうか、ならばやれるだけのことはやろう。」 救世主の名を持つ少女は、大天使の名を持つ片割れに笑って見せた。 (あんなにかわいらしい外見なんだからどっかの軍広報部とか動物園にとらばーゆ(=転職)すればいいのに。絶対人気者になれると元広報課職員として断言できますね) そんなミーシャの内心の呟きを裏打ちする『紫煙白影』四辻 迷子(BNE003063)のはしゃぎっぷり。 「おお! 象! 初めて見た! 背中になにかついてるが、いやあ、色々変なものが出てきて面白いのう、この穴。そんな事言ってると、いろんな人に怒られそうじゃが」 「異世界の戦車ですか。見るからに強敵ですね。まだまだ未熟なわたしですけど、全力でサポート頑張ります」 『誰かの為に』鈴村・優樹(BNE003245)は、むんっと気合を入れなおす。 「ふと思ったんですが……脳は三つ、口は一つ。食事の時ってどういう思考をするのか知りたいですね」 ミーシャがそんなことを呟く。 あ。 ゾウミタイの懐柔にりんごを用意していた『白詰草の花冠』月杜・とら(BNE002285)が、一瞬凍りついた。 だ、大丈夫。いっぱい持ってきたしっ。 ● ドドドドドと地響き。 「とらさん、ゾウミタイの頭の中は……」 ミーシャが最後の望みをかけて、とらに尋ねる。 「ヤル気満々」 ヤルと書いて、殺ると読む。 自分の体よりはるかに大きなものに敵意を向けられる本能的恐怖を振り払い、リベリスタは動き出す。 前衛が準備行動に入る中、白い十字光が突進してくるゾウの頭にもろに当たる。 それまでただリベリスタ目掛けて駆け込んできていたゾウミタイの殺気が、凝縮されていくのが見て取れる。 撃ったアンナの顔は引きつっている。 乾いた笑いが口ウィついた。緊張で喉がからからだ。 「……は、は……作戦上やむなしとはいえ、こうもヘイト集めると膝もガクガク笑うわね……! 怖いわよ、正直言って死ぬほど怖いわよ! でも私しかいないんでしょうがあ!」 怒りで我を忘れさせ、強力な近接スキルを封じる作戦。 結果、アンナが比較的軽微な遠距離スキルを一身に受けることとなる。 ゾウの足止めに成功しなくては、この作戦は根底から覆される。 アンナもろとも、脆い後陣が蹂躙されてしまう。 前衛は覚悟をもって前進した。 「まずはどの程度のものか……見せて頂きましょう!」 ノエルの雷をまとった騎士槍が、ゾウミタイの前足付け根にねじ込んだ。 厚い表皮の上を滑って、比較的柔らかい部分に突き刺さる。 「確かに、表皮よりはましですね……」 そこからほとばしる稲光に、ゾウミタイが激しく足踏みした。 宙に浮いた足が風を掻っ切る。 掻っ切られた風は刃と化し、アンナの体を断ち割った。 「このぉっ!」 構えられた巨大な盾とホーリーメイガスには珍しい軽装甲がアンナを守る。 きれいな金髪と眼鏡があふれる血で赤く染まる。 間髪いれずに、振り下ろされる鼻から剣風。 盾で弱められたはずの風が、体を割り裂く。 「一つ二つ食らったくらいで倒れる訳に行かないのよ! この程度なら自分で治すわよ、コンチクショウ。ざまーみろ!」 やせ我慢でも、我慢は我慢だ。 アンナ、健在。 前衛の動きが俄然良くなる。 うさぎの与える死の刻印が、いまだ稲光がはぜる傷口を更にえぐる。 猛毒で皮膚がどす黒く染まり、傷口が腐っていく。 ミーシャのナイフがかろうじてそこをえぐり、更なる流血を強いる。 握りこんだ迷子の大煙管の雁首から火が吹き上がり、ねじ込まれた拳が肉から骨に食い込んで、ゾウミタイの血を燃やす。 「いきます。スターライトシュート!」 稲作も流星の銃弾を放ち、ゾウミタイの全身に降り注ぐ。 そのとき、ゾウミタイの背中のゾウガメが旋回を開始した。 「くるっ――っ!!」 豆粒のような亀の装甲弾。 イツ途切れるともしれない砲火がリベリスタに降り注いだ。 「ミーシャッ!!」 クリスがミーシャに覆いかぶさった。 「クリスッ」 「私は単独でHP回復手段を持っている。焼け石に水かもしれないがないよりはマシだしな」 双子はいまだ神秘の器としては脆弱だ。 打ち込まれた敵性神秘がその命を根こそぎ奪おうとしている。 「敢えて言おう! 同じ生物兵器として負けるわけにはいかないと!!」 運命は立ち上がらんとする者を愛する。 少女の捨て身の行為が、彼女と彼女の片割れを生き残らせる。 「とらは、みんなを治す。ブレイクフィアーは優樹さんに任せるね!」 「わかりました!」 後衛も固まってはいられない。 ゾウの動きに合わせて動く前衛を自分の術の範囲に納めつつ、像の攻撃範囲の外に位置するように気を配らなければならないのだ。 柔らかな凶事払いの光と、福音がリベリスタに今しばらく戦う力を与えた。 ● ゾウミタイの巨躯が斜めにかしぐ。 しかし、倒れる気配はない。 集中攻撃を食らっている足をかばいながらも、その動きにもかげりはない。 「まだマシ」な遠距離スキルを一身に浴びているアンナの体に限界が来た。 「倒れてられないって言ってんでしょうがあ!!」 満身創痍。 踏ん張った足で地面を踏みしめる。 自らを癒す風を呼びながら、口元の血を手の甲でぬぐった。 「まだまだいけるわよ。とっとと潰れろぉっ!!」 機関砲から噴出す小亀がクリスティナを地面に叩きつけた。 片割れの前に立ちふさがって、ミーシャがオートマチックをぶっ放す。 「おまえ、でかすぎるよ。こっちも戦車がほしいくらいだ」 牙緑が、ゾウミタイの腹に垂直に立つ。 虎の牙の名を持つ重たい剣の切っ先が、ゾウミタイの足の付け根に付け込まれる。 バリバリとゾウミタイの肉の奥で焼け焦げる黒い煙が上がる。 バヅンと何かが割れる音がした。 ゾウミタイの足が、内側に、折りたたみの机の脚のように、折れ曲がっていく。 巨体が大きくかしいで、前足がのめっていく。 前衛達が、小さくガッツポーズを決める。 (あ……) とらの口から小さな声が漏れた。 ゾウミタイの怒りが途切れたら、ハイテレパスで説得しようと思っていた。 自分で穴の中に戻るようにと。 AFの中には説得用のアイテムを用意していた。 でも、ゾウミタイの怒りが切れるということは、ここにいる全員が倒れたまま動けなくなる危険と背中合わせだということだ。 だから、アンナは一身にゾウの怒りを集め続けた。 ゾウの様子が正気に戻りかければ、がちがちと鳴る歯を食いしばって、十字の光を放っていた。 どこか一部位でも沈黙すれば、少し余裕がでるから。 話はそれから。 でも、リベリスタが余裕ということは、ゾウミタイには窮地なのだ。 四肢を先にやるってことは、いや、どこを初めにしたとしても。 その部位の完全沈黙は、ゾウミタイを構成している三匹のうちの一匹を殺すに等しい。 今、この瞬間、ゾウミタイの移動手段は完全に死んでしまったのだ。 回復しても、死んだものは生き返らない。 この先、説得に成功したとしても。 もうゾウミタイは動けなくて。 リベリスタが万策尽くして穴まで連れて行ったとしても、自走できなくなった戦闘生物は、どんな次元に行っても死ぬだけだ。 (……でも今までの経験からして、このタイプの動物の意識はあんまり……) とらの横顔を見ながら、アンナは今まで自分が関わった動物関連の例を思い出す。 アザーバイドの、ましてや制御から外れた生物兵器に、『自主的撤退』という言葉はない。 おそらく説得しても、応じられることはない。 アンナは前方のうさぎの表情に目を凝らす。 その横顔は、いつもの無表情だ。 秋に、アンデッド化したポメラニアンを自分の墓地に埋めていた背中が二重にだぶる。 指の先を赤く染め、ゾウの鼻が吹き飛ばす。 臆病者は、自分だけではなく仲間が傷つくのも恐ろしい臆病者は、ゾウミタイからの脅威を感じ続けている。 余裕はない。倒すしかないのだ。 「かわいそうなぞう、3匹……酷い話だ」 まったく世の中はひどい話で満ち溢れている。 『心を入れ替えたぞうさんは、穴の向こうに幸せに暮らせる世界を見つけ、ひっそり幸せに暮らしましたとさ』 そんな結末を引き寄せるための力が、リベリスタには圧倒的に足りなくて。 とらは。 詠唱を続けた。 仲間を回復させるための、詠唱を続けた。 ● ミーシャが焚いた発煙筒の煙の向こうから、生体機関砲・ゾウガメの甲羅がその背から浮き上がった。 この寒空では、ノエルとミーシャが投げた香水の臭いは拡散しない。 ラジカセの音声では、ゾウミタイの耳はごまかされない。 ミーシャは、効くかどうか分からないかく乱行動を続けている。 倒れたままのクリスティナを守らなければならなかった。 ゾウガメの首の部分が稼動ホースのように延びる。 頭は像の背の中に埋まっている。 詠唱が聞こえる方向に伸び、撒き散らされる小亀の砲弾。 足が止まっても、戦い続けられるように改良された、戦うための生き物。 ヒットアンドアウェイを繰り返していた後衛にまで、砲弾は降り注いだ。 不安定な銃座で、先ほどまでの苛烈がないのが幸いした。 まともに当たれば、一撃昏倒コースだ。 「戦争のために作られたのかな。背中に機関砲なんか乗っけられて、何ていうかかわいそうだよな」 そういう牙緑も、身体中ボロボロだ。 だが、まだ倒れていない。体は動く。上等だ。 「でも、この世界ではペットとして飼ってやる訳にもいかないし」 ゾウミタイへの攻撃をやめる訳にはいかない。 「おとなしく倒されてくれよ」 「この亀、後五発は撃つぞ。結構な硬さじゃ! 長期戦になるぞえ!」 ゾウガメの戦力を分析した迷子が全員に注意を促す。 とにかく、愚直といわれようが同じことを繰り返すしかない。 逆に考えろ。五発耐え切れば、撃ち止めなのだ。 ゾウの鼻を割り裂き、牙をへし折り、目をつぶし。 「怒りを途切れさせるな。アンナ、済まぬが耐えてくれ。こやつ、生死を賭けてきおる! くろうたら終わりじゃ!」 迷子の声に、とらは目をぎゅっとつぶった。 毒を塗りつけ、炎で焼いて、血を流させ、雷で爆ぜさせろ。 最大限の力を以って、目の前の敵を討ち果たせ。 さもなければ、仲間が危ない。 ● 根元から鼻が切り離された。 ゾウミタイの黒目がちなだった目が、赤く血走った白目をむく。 口から血泡が吹き上がり、ぼたぼたと地面に垂れた。 ゾウミタイのを構成する要素は、後一つ。 機関砲・ゾウガメだけになった。 リベリスタに甚大な被害を及ぼした機関砲は、頭が陥落した直後に打ち止めとなり、散発的な射撃のみになった。 牙緑が、ゾウミタイの背に登り、長く伸びたゾウガメの稼動ホースのような首を叩ききった。 ガトリング状の穴の開いたゾウガメの体が、地面に落ちた。 こうして、ゾウミタイは完全に沈黙した。 ● 優樹は、肩で息をしていた。 クロスを握った指が震えて、うまく解けない。 気をつけていたのに、死に掛けた。 後衛だからといって、無傷で済むとは限らない。 昏倒しなかったのは、分厚い回復詠唱があってこそだ。 まだまだ技を磨く必要があった。 「息は……」 「死んどる。死ぬまで、諦めんかった」 モニタリングを続けていた迷子が、首を横に振った。 (自分から帰る気になったならまぁ追わずにおこう。とは、思っておったのじゃがのう) 迷子も浮かない顔だ。 戦勝のカタルシスはない。 「さらばです。不運な異邦人よ」 ノエルは、礼儀正しく葬礼を取る。 そうだ。このゾウミタイは不幸だ。 不幸だから、リベリスタに倒されなくてはならなかった。 この世界を守るために。 「回収しなくちゃ」 完全に沈黙するまで戦うことをやめなかったゾウミタイ。 もっともその怒りを浴び、攻撃を浴び、それでも最後まで立っていたアンナは、叫んだ。 「牙、ラメラー、機関砲を可能な範囲で削り取ってアークに……。何一つ、無駄にしてたまるか――!」 自分達の都合で殺したのだから。 ならば、全てを無駄にしない。 「りんご、あげようと思って。傷も、向かい傷だけで帰ってきたら、敵を倒して戻ったとご主人様も思ってくれるはず。強くて勇敢だって、褒めてもらえるといいね……って……」 とらはのどを詰まらせた。 「……私達が私達の都合で殺したんです。独善だろうと偽善だろうと、せめて自分に出来る事位は……と」 うさぎは以前も出したことがある、自分所有の動物墓地への埋葬許可申請をAFに打ち込み始めた。 ノーフェイスならば女子供、生まれたての赤ん坊でも狩るのが、リベリスタの仕事だ。 どんなに、いとけなく、罪なく思える存在でも、世界を壊すなら、どんなに嫌でも、泣きながらでも倒さなくてはならない。 立ち向かえといわれたけれど、倒せとは言われていない。だから、帰すことにした。 だけど、倒すより、帰す方がずっと難しい。 それを実行できるほど、リベリスタ達は強くなかっただけのこと。 だから、今日の彼らは、「正しいリベリスタ」像からすれば、話にならないくらい甘い。 だが。 この心があるから、戦える。 こんな心だから、戦える。 他の命を踏みつけにして、生きている。 だから、泣く暇はあっても、歩みを止める暇はない。 明日の自分を信じて。 ろくでもない今日を生きろ。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|