●誰にでも出来る簡単なお仕事です。 「仕事としては、すごく簡単。だけど、多分すごくつらい」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、しばらく目を閉じていた。 これからリベリスタが受ける苦しみを、わずかでもわが身に受けようと天に祈るかのように。 これからリベリスタを過酷な現場に送り出す自分に罰を請うように。 やがて、ゆっくり目を開けると、ぺこりと頭を下げた。 「お願い。あなた達にしか頼めない」 苦しそうに訴える幼女、マジエンジェル。 だが、断る。なんて、言えるわけがなかった。 ●お仕事内容は恵方巻きを食べることです。 「エリューションは、恵方巻き」 モニターに太巻きが映し出される。 ごく標準的な、太巻き。 酢飯の中に、卵焼き桜でんぶにかんぴょうきゅうりアナゴにえびとかも入ってる。 「エレメント。特殊能力は持ってないけど、エリューションである以上、一般人が食べると革醒現象を促すことになる」 なに、そのバイオテロ。 「ちなみに存在としては非常に弱い。リベリスタなら胃で消化できる」 うわー、リベリスタの胃液、すごーい。 「たった今、全部買い占めてきた。みんなが独占できる。よかったね」 わーい、やったー。 「ちなみに、これ、齧ると伸びる」 なんだと? 「だから、齧ると伸びる。食べる速度より早く伸びて、きりがない。で、アークも考えた」 いやな予感がするが、言ってみなさい。 「両端から食べたらどうなるかな。と」 で、どうだった。 「大丈夫だった」 てことは、つまり? 「二人一組になって、恵方巻きの両方から食べ尽くしてほしい。そう。いうなれば」 言わないでほしいんですけど。 「ポッキーゲームのように」 無表情で言い放たれたよ。 「スキルは有効。口内粘膜も胃壁もバッドステータスも回復可能。だから、心配しないで」 どっちかというと、心のダメージが心配かなー。 「とにかく、普通の人が食べたら危険。エリューションを増やす訳には行かない。幸い、今回は例の連中は絡んでない」 来るんじゃなかったと顔にありありと描いてあるリベリスタを叱咤するように、イヴがまじめなことを言い始めた。 「純粋に自然発生したエリューション。今回は爆発しない」 しかし、エリューションの芽が小さいうちに摘むのが肝要。 「場所はアークの食堂。幸いアークは、年中無休24時間営業。安心して」 イヴも時限爆弾みたいなヌガーだったり、ニトログリセリンみたいなアイスキャンディではない分、幾分説明も気が楽らしい。 彼女には思いもつかないのだろう。 このポッキゲーム状態で食べると言うことが、一部のリベリスタのハートをほんわかさせたり、ガッツリえぐる、魔性のゲームだということを。 「大丈夫。食堂のあったかいお茶でも味噌汁でも飲み放題」 なんとなく顔色が優れないリベリスタを気遣うようにイヴは言う。 とにかく、ぶっちゃけ、あるだけ食べきるまでは帰れません。 逆に言えば、それ以上は絶対出来ないのがわかっているのだけが救いなのだ。 「戦闘にはならない。ばかばかしいと思うのもわかる。ストレスがたまると思う。でも大事な仕事」 イヴは、もう一度頭を下げた。 「お願い」 もう、イヴちゃんに頼まれたらいやって言えないなぁ。 「いい忘れてたけど、あんまり二人の間に隙間があると、意味ないから。噛み切るのは、お鼻とお鼻がごっつんこしてから。よろしくね」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年02月04日(土)23:24 |
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● 恵方巻き。 関西発祥の立春の風習。 太巻きを丸々一本。 無言の内に、恵方を向いて食べ切れば、今年一年無病息災。 なのに、このエリューション恵方巻き。 一人で齧ると反対側から伸びていく。 そんな恵方巻きには、力を合わせて対抗だ。 両端から、二人で齧れば無問題。 配膳するぜ、リベリスタ。 おなかの準備は十分か。 ● 「しかし…そうか、もうそんな時期なんだな。ここ数年、恵方巻きなどは食べて居なかったが……」 拓真は、しみじみと思い出した。 行事がスムーズに行くように、しっかりと手伝いを行いながら、周りの楽しげな雰囲気を感じながら、平和だな、と笑う。 いや、そんなに平和でもないんだ、これが。 創太は、打ちひしがれていた。 (悪いかよ。出逢いとかあればいいなとか思ったよ!) 「分かってたよ、コンチクショオオ!」 創太シャウト。肩を落とす夏栖斗。 「なんだろうなー、売り言葉に買い言葉でなんでこんな悲しい出会いしてんだろうな」 女子だったら、夏栖斗、想像もできないほど怖い目に遭うんじゃないか? 「てめーら、暴れることはゆるさねえぜ、さっさとつがいになるんだよぉ!?」 オークは恵方巻きを模した海苔巻きの縫いぐるみから顔を出す。 あら、とんかつ巻き。 今日は、お一人様受付のお手伝いだ。 (特に男同士のつがいを、これを期にどんどん成立させて、あぶれた美少女を後であっしが頂くって寸法よ! さぁ、どんどんカップリングしてっちまうからなぁーーー!) そこに、イーゼリットがお茶のお給仕。今日は特別。 「くすくす。お疲れ様。どうぞ」 (カミサマの導き。どうなるのかしら? ねえ、面白そうだと思わない? どんな組み合わせになるのか) このざまだよ! (私は神秘に興味があるだけだし。ほ、ほら、運命の出会いって、神秘じゃない? 私は神秘に興味があるだけだし。ひたすらお一人様に注目するの。もちろん横目で) 傍観者ですか、イーゼリットさん。 いつまでも、にらみ合ってても仕方ない。のりが乾くだけだ。もぐもぐ。 (こいつ、人が一年位遊び呆けてる間に彼女とか作りやがってリア充満喫しやがって) (創太ほんと目つきわりぃな、人のこといえねえけど) 夏栖斗の腹にも、恵方巻き以外のものがたまる。 お鼻がぷぎゅる寸前に、創太はわずかに頭を後ろに引いた。 ごっちーん! クロスカウンター風味。 「……ってテメェもかああああ!」 二人でデコ抑えてしゃがみ込む。 「マジで僕らなにしにきたんだろうな 」 リスキーは、がっくりしていた。 「トモオ君と一緒です」 と、受付で言われたから。 男確定だよ。 (……やる気のやの字も出てこないだろ。なんでこの仕事引き受けたんだろ。男と食っても美味しいわけないよなぁ。はぁ) 話は十分前にさかのぼる。 「拙者、恵方巻きでポッキーゲームは嫌でござるっ!」 智夫君にプレゼント。ふりふり。 「え? ミラクルナイチンゲール劇場版のコスがある?」 ふらふら、いそいそ。 変身中です。しばらくお待ち下さい。 「この恵方巻きのせいで皆さんが困っておられます。手伝わせていただければ、と」 魔法の看護婦ミラクル☆ナイチンゲール・ハイパーエンジェルモード! 「希望を与えるのも、ミラクルナイチンゲールの勤めです。今、最上級の癒しを!」(劇場版きめ台詞) 「相手が女性なら、おにーさんがんばっちゃうよ。おにーさんに任せておきなさい!」 男の娘は、ぎりぎりOK! 女のかっこなら、いいんかい。 レイラインは、お目目キラキラだった。 「ほほう、これは……黒くて長くて太くて……美味しそうじゃのぉ……じゅるり♪」 無自覚の、危険ワード連発だ。 「あなたが私のペア? がんばろうね。――よろしくお願いします」 ジスは、はしゃぐ少女がおばあちゃんであることを知ると、ちょっと心が和みがち。 外国出身の二人に、お茶くみ兼味噌汁配り兼解説役の猛、登場。 「恵方巻きってのは、節分の日に食べると縁起が良い……って言われてる食べ物だな、具材なんかも七福神……だっけな。神様に因んだ七種類の具を用意するんだ」 お茶くみや、味噌汁を準備するのを手伝いつつ。 「で、今年の恵方…北北西ぐらいだったかな、神様の居る方角に向かいつつ、無病息災とか商売繁盛を願って、あの恵方巻きを食べんのさ」 おーと感心、辺りから猛に拍手。 ジスはメモまで取っている。 「まあ、普通は食べるのはあんな伸びたりする様な変なのじゃないけどな」 と、笑う横顔がリセリアにはまぶしい。 「ペアで食べるの? 日本は変な行事が多いね……」 「しきたりなら、仕方ないのぅ……」 いや、普通はペアでは食べません。ここ重要。赤線引いてください。 「このイセリア、剣一筋! ゆえに、食えるもんは食うぞ! これぞ決戦! 撃滅してくれる!!」 剣一筋から、食えるもんは食うへの繋がりが分からない。 「とりあえず……食べ終わるまでよろしくね?」 テンションあげあげのイセリアに、翠華は若干及び腰。 「両端から食べないといけないと言う事はお互いが向き合わないといけない訳だから……」 顔真っ赤の翠華、懸命の主張。 「1人は、縁起が良い方を向けないと思うのよ?」 (鼻と鼻が触れ合う程度で、ようやく噛み切って良いとのことだ。だが。な。友よ、万全を期すには……分かるな?) アイコンタクトでいきなりそんなこと言われてもっ。 なんか、唇に、やらかいものが、むにっと。 「他意はない。許せ!これもフェイトの導きだ!」 イセリア、豪快だ。 「友よ、また戦場で会おう!」 どんな顔して、会ったらいいの。 小烏の前に現れたのは、今にも倒れそうな夏明だった。 「り、林寝夏明といいます、今日は宜しくお願いします……お腹減りました」 なんだろう、この食わせなきゃいけない衝動。 ガツガツガツガツ! 夏明の口だけ休まず動いてる。 怖いよ。命掛かってるの? 徐々に近付く相手の顔。 相手の吐息が顔を掠め、目と目があう瞬間……。 (特段何の感情も芽生えんな、これ) 純情派じゃなかったら、ぶつかっても事故だよな~とか考えてたけど、そういう感じになりゃしない。 飢えた雛に餌をやってる気分。 十分近付いた所で噛み切り、残りをぱくり。 「あー……これが危険なエリューションでなければ、一家に一本という感じに飼って、毎日食べれるのに……」 と、夏明はしおしおしだした。 「もう一本食うか?」 幸い、小鳥は、腹を減らしてきていた。もうちょっとは、付き合ってやれそうだった。 「一応断っておくね。俺は、ノーマル。断じてノーマルよ」 蓮、青年の主張。 「ええと。宜しくお願いします? さあさ、恵方巻きを食べはじめましょう」 ポルカ、軽く流した。 (これ、例え伸びなくてもこんな長いのひたすら食べるだなんて、辛いんじゃないかしら) 日本文化の深遠さにポルカが心を飛ばしている一方。 (俺は、恵方巻きから口を離さない! 例えその先にどんな悲劇が待っていたとしても、決して離さないよ! 何故ならそれが『この場で求められている覚悟』なんだから! 覚・悟・完・了!) おお、更なる主張。 (と、格好付けてみたけれど) トーンダウン。 上目遣いで、無表情のポルカを見たりして。 (流石にお相手が女の子であれば自重します。うん、その辺は大人のマナーだよね) ポルカ、蓮の視線に気づく余裕がない。 (……流石にその、口の中が、もそもそというかぼそぼそというか、美味しいものだからってずっと食べ続けるのってキツイ、わ) お鼻がごっつんこしたら、噛み千切って相手の口に残りを指で押し込む。 もぐもぐごっくん。 いつも口元に添えている指が、蓮の唇に触れた。 「………ごめんなさい、あの、やっぱり少し恥ずかしくて」 というか、ぷっくらした指の感触が、ちょっとどきどきハプニング。 クルトは、南北問題について思いを馳せていた。 (……これがエリューションじゃなかったら、世界の食糧事情が解決しそうな素晴らしいものなのにねぇ なんと言うか残念) 際限なく増える食料なんて、ろくなもんじゃないよ。 「まぁこうなった以上、がんばって食べる」 (どうせなら女性相手の方が嬉しいなぁ、なんてちょっとは思ってたけど、贅沢を言っていられる状況じゃないしね) 残念。妹至上主義のお兄ちゃんでした。 夜鷹は、とくにこだわりはない。全然ない。 世界は妹とそれ以外と区分されているのかもしれない。 「楽しく励ましあいながら、食べていこうじゃないか」 食べ始めたら、無言になってしまうのは恵方巻きの常。 (多分喋ってる余裕はない。なんせちんたら食べてたら伸びるんだし。胃袋の限界に達する前に何とか食べきらないと……) 珈琲紅茶で生きているお貴族様の胃は、そんなに入るようにできてはいない。 実際、食べきったときには、クルトの胃は限界に達していた。 「ノルマ一本以上とか言わないよね?」 (今回だけは、欧州の存在を忘れましょう) 総縦ロール、金色の蛸足ドリルが豪勢なブリジットは、そう心に決める。 (そう、日本の心を持つ者ならば、きっとこの恵方巻きも美味しく食べられるに違いありませんわ) 「今回はよろしくお願いしますわ、うふふ」 挨拶された辜月は、涙目だった。 (なんか、出会いとか求めてきた方も居るみたいですし……) 滴る冷や汗。 (……ポッキーゲームみたいで緊張しますね。もぐもぐ苦しいですし……) 辜月、真っ赤。 何はともあれ、食べるしかない訳で。 (……顔が近付くと、そのなんか、無性に恥ずかしくて……ぅう……) 「いえ、意識してるとかじゃないですけど、単純に顔が近いのが気になるというか…あああ」 「ああ……お顔が近いですわ。照れますわね……」 初々しいこと、この上なし。 止まって口放したとたんに、にょろっと伸びる恵方巻き。 「ああっ、私、責任持っていただきますわ!」 何度か繰り返し。 「も、もう無理ですわー! こ、こうなったら奥の手を……!」 「ぺ、ペインキラー、だめぇ!?」 どうにか、一本食べきった辜月とブリジットは、その場にうずくまった。 辜月などは胸を抑えるほど、動悸が激しい。 「……うぅ、心臓に悪いです……一本で終わり……」 うん、痛みに耐えて、よくがんばった。感動した! 凛子は、お味噌汁だけだと寂しいという方のために豚汁も作って配っていた。 ついでに、バイタルチェックも忘れない。 「関西と関東だと味が違いますが大丈夫でしょうか」 おなか一杯になるのはまずいけど、しょっぱいモノほしいよね。 明は、驚愕していた。 「え? ダメなの? 明は齧っても伸びないの? 嘘だそんなの」 いや、減るから。伸びないから。間違いない。アーク、嘘つかない。 明は、きっ! と、恵方巻きの山を睨み付けた。 「こんな伸び悩んでる子を睥睨して見下すようなエリューション! 明の胃袋で消化し尽くしてやる!!」 明のペアは、こういう場合もあろうかと志願していた夜鷹兄さんです。 「使命を同じくする仲間だね。頑張ろうね! いただきます!」 ぐ、ぐむむもっ。 そんな慌てるもんじゃない。お茶飲んでお茶飲んで。 「ぷはー。顎痛いよ!」 「大丈夫か? ……ほら、こっちから食べてやるから頑張ろうな?」 「まだまだ頑張る。乙女心を弄んだ罪は重いんだよ」 (……重いって単語で何か過ぎった気がするけど、何だろう?) お兄さんと一緒に食べることは気にならないけど、体重は気になるお年頃。 (まあいっか!) アラストールは、至極冷静だった。 (というか皆は何で悲喜交々なのだろうか、良くわからない) 誰か、こちらの朴念仁に、乙女チック少女マンガを。 「よろしく、おねがいします」 アリステアは、相手がおじ様なら、チューしてやろうとか思ってた暴走系女子ですが、イマイチどっちかよう分からんアラストール相手だと、緊張気味。 「大体分かりました。それでは」 「は、はい」 アリステアが控えめにぱくっと反対側を加えるのを確認するや否や。 それは、豪雪を蹴立てるラッセル車のごとき食べっぷり。 遠慮なくガーっと、高速で食べて飲み込んでいく様は、美形がそんなことすんなよっと悲鳴が上がる有様だった。 「ひゃ、ひゃあっ!」 あっという間に目の前に到達するアラストールの鼻先に、アリステア身を引き気味。 食われる。 危機脅威畏怖。 獅子の前に身を震わせる白兎。 ぷつんとちぎれる恵方巻き。 伸びる前にアリステアもどうにか食べきった。 (ところで全部口の中にほうばって、もぐもぐ一人で食べたら駄目なんだろうか) もっきゅもっきゅとほっぺたパンパンにしてほおばりながら、アラストールはそんなことを考えていた。 ●何もそんな茨の道に分け入らなくてもいいんじゃないかな、かな。 「訓練されたリベリスタ」と自ら称するリベリスタが存在する。 今回の恵方巻きのようなふざけたエリューションが事件を起こす前に未然に防ぐ、水際作戦によく従事するリベリスタ。 ただただ頑健な肉体と不屈の精神を武器に、戦闘ではありえない長さの時間を戦い続ける地味な仕事。 今日も彼らは「彼らの仕事」に邁進する。 「ねぇ~、とらの恵方まき残ってるゥ?」 (簡単なお仕事上級者のとらは、あえて真のお一人様よ♪ いっただきまーす☆) 作戦? ない! ただ、食べ進めるのみ! 数十秒後。 太巻きは着々と伸びていた。 ていうか、はやっ! 食べ飽きるの、はやっ! 「ね~、知ってる……? お魚って冷たい水の中でも、血がドロドロにならないんだよ。お魚の脂のせいなの、動物の脂とは融点が違うの。だからコレステロールとか気にしてる人は、青魚を食べたらいいのよ」 とらには、精神的に追い詰められると、グロ系トリビアをあたり構わず訴えて回る悪い習性があるのだ! 「…………あ゛っーーー!」 そのまま太巻き握り締めたまま、床に突っ伏して喚き出した。 げに恐ろしき、伸びる太巻き。 (訓練されたリベリスタとして愚直に仕事を全うする) 彼女持ちのアウラール、かぶりついてるの見られるなんて恥ずかしいってカップル参加断られちゃった。 (ふふ。かわいいだろ?) 惚気やがった。こいつ。 「訓練されたリベリスタの実力見るがいい!」 二分で食べれば、1.5倍。 というのは簡単だが、かんぴょうにきゅうりにえびに卵にアナゴに――。 食感がばらばらの具材を噛むのに、思いのほか時間が掛かる。 そこで、アウラールは、Uの字に折りたたんで両端もろとも口にねじ込んだ。 訓練されたリベリスタは時に無謀な賭けをする 「これでだめなら、丸めて飲み込んでやるさ……出来たら、訓練されたリベリスタから現世の神になれる気がするな」 というか、彼女来てなくてよかったね。頬袋パンパンだよ。 「フッ、伸びる恵方巻きだと?面白い。この程度、一人で食らい尽くしてくれるわ!」 優希。何で、口調が魔王かな。 (これは闘い。エリューション。つまりは憎き敵なのだ。この体力尽きぬ限り何本でも。倒しつくしてくれる!!) 「うおおおおおおおお!!!」 いきなり、大食堂で流れるような演舞をかました後、恵方巻きの山に頭突っ込むようにしてかぶりつく。 いっておくが、押し倒す力で恵方巻きが食えれば、苦労はない。 戦闘スキルだけで世の中渡っていけると思うな、リベリスタ。 戦う以外の生きる算段つけとけよ、若人。 (……倒すことで頭が一杯になっていたが、『\ラーメン/』では一人前しか食えずギブしたのだった) 今更そんな小食アッールなんて。 (それでも手に掛けた恵方巻きは必ず食らい尽くす、この命ある限り……もごもご! ) アルトリアは、とりあえず噛み千切ってみた。 (どの位伸びるのかを確かめる。伸びる以上のスピードで食べ進めばいいのだろう?) それほど早くは見えない。 (むしろこれだけ美味ならば食も進むというもの) フードファイターさながらに、数回噛んですぐ飲み込んで次の一口へ。 (元が30cmなら40cmになる前には食べきるだろう) だんだんね。おなかにたまって来るんだよ。 ずっと同じ味だからちょっと食べ疲れしてる間も、みょろみょろ伸びるんだよ。 (もしよければ1本持ち帰っても構わないか? これさえあれば食費には困らないだろう) エンゲル係数高いの? ごめんね、エリューションだから。ここで根絶させないとね!? (……やはりだめか。仕方ない) 食べても減らない食べ物は、みんなエリューションよ。くらい考えとこうよ。 たまにならいいけど、常食するもんじゃないよ、多分。 惟は、自分の本分を知っている。 (これは騎士だ。恵方巻き程度、一人で食べきる事ができる) 恵方巻きに相対する。 (敵の攻撃を無力化する闇のオーラを纏い、己の生命力を暗黒の瘴気に変え) 何、その暗黒テイスト。ものはおいしく食べようよ。 (それは横に置いておいて、恵方巻きを食す) 置いていいけど、置くのかよ! 鏡を置いて恵方巻きを載せ、押し付けつつ食べるという手を試してみるが、うまくいかない。 「大変そうじゃのう。おさえててやろうか?」 特に完全単独チャレンジャーを心配して世話を焼いていた咲夜が、片端を抑えていてくれはしたが、伸びるは伸びる。 臨時パートナーを召喚し、何とか食しきった。 「Oh! 大和魂ファイトデース! 日本の伝統行事は過酷で神秘的なのデスね」 ジュノは応援したり、一人で納得したり、なかなか忙しい。 違うからね。 こういう行事じゃないんだからね!? ●は~い。ここから、お砂糖ですよぉ。 ジュノの勘違いは、アーク職員からのレクチャーを受けても直らない。 「Oh! 日本では愛を育む行事でもあるんデスね」 確かに、カップル参加者たちのいちゃらぶっぷりは尋常じゃない。 みんな隔離だ。 「七緒サン、写真、写真をお願いしま~す!」 「こういうの初めて食うよ。どうやって食うん?え、そうやるん??!」 と驚きまくってる俊介。 「恵方巻きが、食べ放題だなんて……俊介と一緒に……いっぱい、食べさせてもらおっと」 羽音、三割猛禽類。 この場合、「俊介と一緒に、恵方巻きを食べる」ではなく、「俊介と恵方巻きを、いっぺんに食べる」という意味に聞こえるのは、なぜだろう。 「や、俺は食べ物違うからな!?」 さすがの彼氏様、微妙なニュアンスを読み取った。 「え? 俊介を食べるまでが、1セットだよね?」 否定しないよ、この年上彼女!? (羽音より食べる量少なかったらやだかんな!) 彼氏の甲斐性、見せちゃる。 (うぐ……ちょっと、苦しいけど……美味しー……♪) (羽音涙目!?無言で涙拭うよ、泣き虫め) (むぅぅ……な、泣き虫じゃ、ないもん) お鼻がくっついたら噛み切って、もぐもぐごっくん。 「全部食べた、お腹いっぱい!」 俊介も食べ終わったのを確認した羽音。 熱烈にちゅー。 「うんうん、やっぱ俊介、美味しいねっ。じゃあ、もう1本食べよっか……?」 俊介の目が一瞬遠くなった。 (そんな羽音を愛してるよ。羽音) そんな二人を那雪はみていた。 (お兄ちゃんなしーくんとその彼女さんのらぶらぶっぷりをじーっと観察、なの。でばがめーず、なの……よ) 常に眠たげな那雪がキリリ。 (二人がらぶらぶで、今日も……ほわほわ、なの) デジカメパシャしつつ、幸せ一杯に見ていた。 「……どうした、いつもの食いっぷりはどこにいった?」 「はふ、だって……!」 「ほら、もっと大きく開けてみろ。しっかり咥えるんだ」 (や、やっぱりいざやってみると恥ずかしいんだよねぃ……) 「い、いつもと色々違うでしょ。それに、逆に皆が居ると何か……」 鷲祐とアナスタシアの周りはパーテーションで仕切られ、高校生以下のリベリスタは念入りに隔離された。 ガイア、怖い。 「やはり嫁と食べる飯は旨いな。何気ない、が、大切な幸せだ」 いや、幸せならいいんだ。 もう、幸せならそれでいいんだ! (お鼻とお鼻がごっつんこしてから? ハハハハハッ! 思春期の男子高校生をなめるなよ! あわよくば、ユーヌたんの唇にちゅっちゅするっつーの!) 室内で、なぜかグラサン竜一、テンション、天を突く。 (大口開けて食べるのに色気も何もないと思うんだがな? あまり眺めて面白いものではないし) ユーヌさん。夢見がちな彼のため、「普通の」現実を突きつけるのはやめてあげて。 ばりばりむしゃむしゃ…ごくん。 (ユーヌたんちゅっちゅ!) 「ん、どうした?」 ユーヌちゃんはまだ咀嚼中です。もう少し待ちなさい。 (ユーヌたんが丸かぶりする様子は撮影したし。そのためのサングラスです) しかし、盗撮マニアの彼氏を持つユーヌの目はごまかされない。 「あと、そのサングラスは没収だな」 「あ、とっちゃダメ!」 快は、恵梨香に五体投地だった。 (良かった……これ以上ヒュアキントス方面にゲージが振られたらたまらない) どんな方面だろう。さっぱり分からない。 恵梨香としては、食堂の隅っこで体育ずわりしてたのを見かねて援護。 (最近『事故』にあった様なので後遺症なのでしょう。多分) どんな事故だろう、さっぱり分からない。 (しかし、眼前には太い恵方巻きを頬張る恵梨香ちゃんか……いかん。かわいい) あ、フラグの萌芽が。 (良からぬ想像が浮かぶ前に視線逸ら――せないから、眼を閉じておこう) 萌芽が、もやしに。 (慎重に噛み進めて、気配でギリギリの距離を感じ取って止めて、噛み千切ろう) もやしが、枯れた。 (目を瞑ってるから難しいけど、事故が起こらないように、細心の注意を払う) 枯れてるのを、自分で引っこ抜いた。 新田君新田君新田君! 間違ってない。 君は何一つ間違ってないけど、なんだろう、たんすの角に小指ぶつければいいのにと呪いたくなる衝動は。 (何も言わずに、黙々と食す。真面目に。機械的に。次々と) 恵梨香ちゃんにも隙がなかった。 (増殖防止に頬についたご飯粒も残さず食べる。お残し不許可) こっちも任務に忠実だ。もちろん指でもぎ取るのだ。 恵梨香ちゃん恵梨香ちゃん恵梨香ちゃん! 君も何一つ間違ってないけど、なんだろう。この少女漫画雑誌差し入れたくなる衝動は。 「ノルマ達成ですね。他に相方の無い人や苦戦している人がいれば援護にあたってきます」 それでは、と立ち去る姿にも隙がなかった。 「いつも誘ってもろてるし、今は幸せやね♪」 (……とはいうものの……さすがにコレは恥ずかしいって) テレテレしている喜琳。しかし、いつまでもこうしていられない。 「うー、でもしゃーない! 食べるで! 腕鍛さん!」 真っ赤になっていく喜琳の顔を見たいような、それは失礼のような。腕鍛思案のとき。 「喜琳殿、太巻きが長くなる前に食べちゃおうでござるよ?」 こくんと頷く喜琳。お口ごっつんは避けたい。 (拙者は鼻がごっつんこしてもそのまま食べ続けたい系男子でござるから。イケる時に行くでござる) そこは迷いがないんだな!? 軍配は、喜琳に上がった。 (なんとかギリで接触回避や♪) ほんとにちゅうしたら恥ずかしいと思ってたけど、回避されるとさびしい腕鍛です。 (あーもぉ、そんな悲しそぉな顔して) 「腕鍛さーん、こっち向いてー?」 ちゅっと軽く唇に落とされるものがある。 「あんな成り行きで初めてとか、もったいないやん?」 うさ子の視線は、大人気ない大人に注がれていた。 (ヴィンセントさんに誘われて…………食べ方とか詳しい話は全然聞いてなかったのだけどね) わざと言わなかったのかぁと、考えざるを得ない。 (初キスが恵方巻きなのは絶対に回避するのだよ。もしするようなら……) 右手にトラップネスト。左手にライアークラウン。コンセントレーションで臨戦態勢。 ヴィンセントさんがやなんじゃないよ。恵方巻きのついでなのがやなんだよ。 (恵方巻きは、シンクロでヴィンセントさんに合わせるのだよ。同じタイミング同じ量なら、防げるはずなのだよね) そんなうさ子のどきどきを、ヴィンセントは知ってか知らずか。 「恵方とは縁起のよい方角だと聞きました。僕にとって恵方とはうさ子さんのいる方角に他ありません。つまり完璧にあってる。こいつは春から縁起がいいですね」 本気で言っている。憎めない実直さだ。 (最後まで食べ切れる気がしないのだよ。食べ切る前に死んじゃう) うさ子は根を上げてしまいそうだ。胸の鼓動が耳に響く。 もうだめと思った瞬間、ヴィンセントによって、恵方巻きが噛み千切られた。 (恥ずかしがるうさ子さんが見られただけで眼福です) 熱を持つ自分の額に手を当てる。 (まあ僕も今人のことを言えた顔ではないのでしょうね……恥ずかしいです) 「米粒」 うさ子がぽそっと言った。 「ついてる」 る、の音と一緒に、柔らかな感触がヴィンセントの頬に触れた。 「ん。美味しい」 食べ終わったら、お茶を飲みながら口直しのチョコレートを上げようとか考えていた頭が真っ白になる。 その様子とうさ子の笑顔を、七緒はちゃんと写真に収めていた。 「第22回! チキチキ☆ベネ研恵方巻早食い大会ー!! どんどんぱふぱふ♪」 戦場と日常のギャップが激しすぎる舞姫に、食欲魔人の洋子だ。 この色気のなさ、清涼感。 一枚のがりのようだ。 舞姫は、恵方巻の真ん中に、お子さまランチ風の旗を立てた。 (半分以上たべたいですー) じゅるり。洋子の唾液の分泌は十分だ。 両者、恵方巻にかぶりついて、レディ、セット、ゴー!! (唸れハイスピード! 咀嚼筋のギアを一気にトップへ。速さを競う、この勝負、ソードミラージュの名にかけ、絶対に負けはしない!) 舞姫の速度もさることながら。 (洋子さん、早いよ!! 一口のサイズが大きすぎるよ!?) 物理法則を捻じ曲げる咀嚼力。 (恐るべし食欲魔人……くぅ、人類では彼女の腹ペコ力に勝てないの……? 全てを飲み込む、暗黒の胃袋め……! って、だから、洋子さん勢いつきすぎだよ!?) (思考の全てをただ食べるためだけに、邪魔なモノは全て排除はいじょハイジョ……) 雑念の分、舞姫の目算より洋子の一口が勝る。 「ふがー!」 凄い勢いで、顔がごっつんこ。前歯、大丈夫ですか。 「うーまーいーぞおおおおおお!!」 バックで火山がどーん。勝利の雄たけび、うほほ~。 「あれ? なんで舞姫さんはたおれてるんですかー? 美味しさのあまり失神したんですかねー? もう一本たべたいのでおきてくださーい」 ランディは、当初冗談だろと笑っていた。 「おいおいポッキーゲームみてーな恵方巻きとか誰が行くん……えっ? ニニも行くのか……よし解った 俺も行く!」 一人でやったら、ID順に強制カップリングだ。 (どうせ食べ物に釣られてだろうが、悪い虫が近寄らない様に始末する!) という本音を、 「俺はプロアルバイターだしな」 建前に、ランディ・益母はクールに食うぜ。 「恵方巻き! おいしそう! いっぱい! たべるわ!」 と豪語していたニニギアの口が止まっている。 満腹? ありえない。 あと一口、というところで、いたずらっぽく、食べるの止めちゃってるのだ。 (そこの一口は、ランディからきて?) (後一口って、ニニなんだよその目は……はいはい) 笑って最後の一口食べて、口にこつんと。 誰か。こちらのお二方のためにパーテーションを! 「オレサマ、エホウマキ、マルノミー!」 モノマのテンションは高い。 おーと応じる、壱也のテンションは迷走中。 (あれ、なんだか壱也の様子がおかしいな。恵方巻きあんまり好きじゃなかったかな? まぁ、でも、依頼を受けたからには食べきらなきゃな) 壱也の脳は、煮えたぎっていた。 (先輩とポッキーゲーム先輩とポッキーゲーム先輩とポッキーゲーム先輩とポッキーゲーム先輩とポッキーゲーム先輩とポッキーゲーム――わたしの心臓がぽっくり逝ってしまいそう) 腐女子標準搭載妄想エンジンは、こういう時本人を追い詰める諸刃の刃なにそれ怖い。 壱也の頭から血がしぶく前に、モノマがお鼻ごっつんこタイミングで噛み切った。 魂抜けた目で、壱也残りをもぐもぐごっくん。ばたり。 「壱也!?」 結果的にキスしてもいいんじゃなかろうかなんて悠長に構えていたモノマの声が遠くに聞こえる。 (恵方巻き、おいしかった、おいしかった、でも先輩とお鼻ごっつんこの方が、もっと、お、おいしかった。 お鼻ごっつんこ、ちゅ、ちゅーより、は、恥ずかしい――) 壱也、聞きとれないうわごとを繰り返す。 (でも、ごちそうさま) 恋人は、壱也がどれくらいの幸福アタックを受けたのかを知らない。 龍治は、乙女のようにためらっていた。 (……その、なんだ。ここまで来て今更悪足掻きをするつもりも無いが、いざ目の前にしてみると、だな……) 恵方巻きから目を逸らす。 「て、照れられるとこっちも照れるだろっ……!」 そういうのは、木蓮の役割です。 余裕見せろよ、成人男子。 (エリューション討伐の為、エリューション討伐の為……) せめてもの抵抗で、手で口元を隠しながら、サボらない程度のペースで、じりじり。 木蓮は、確実に食べ進む。 時々、苦しさに鹿耳ピコピコ。 木蓮が無理をしていないか、たまに目を向ける。 目が合う……逸らす。 食べ終えた木蓮の背をさすってやりながら、龍治はあたりの様子を伺い。 誰も見てないタイミングで口付けた。 と思ったら、味噌汁ごくごく。 「……は、恥ずかしかった。龍治、今度は普通のポッキーゲームやろうな?」 「ま、まあ、機会があるなら……考えなくもない」 (鼻ぶつけんまで食べきゃいけねぇとか下手すると口ぶつかんじゃねぇかよ。至近距離まで相手と顔近づけちゃうじゃねぇかよ! はっずい! 恥ずかしすぎるわ、クソッタレ!) テンパる鋼児。 横を見ると、なんだか嬉しそうな櫂がニコニコしている。 太巻き食べるの初めてだから、というのをどうして裏切れようか。 (……ちくしょう、やるしかねぇのか) エリューションはやっつけなくちゃね! (鉄心で全ての誘惑を遮断だ。ただ食べる、それだけに精神を集中させんだ。目を閉じろ、心の眼で食べ続けりゃ恥ずくねぇ) と、鋼児は目をつぶる。 (あ、鋼児くんと顔が近いわ…そうよね、うん……このまま近づけば、キスとかできるかな) と、櫂が鋼児の顔を見ながら考えてるなんて、思いもつかない。 (ギリギリまでもぐもぐ……鋼児くんともぐもぐ……) くっつきそうになった所で、櫂自ら噛み切り。 (初めてのキスの味が太巻きじゃ、あんまり嬉しくないものね) 「鋼児くん、ごちそうさま」 「ニート脳を拗らせすぎて、参加の注意書きも読めなかったッスね……よっし、あたしが相方になるッスよ! 友達じゃないッスか這い蹲って感謝して、この恩義を返すことに生涯を費やすだけで十分ッスよ!」 と、計都がまくし立てれば、 「マジでぼっちでかわいそうだから、くんであげる。あーかわいそ。泣いて喜んでいいわよ、うちがお前の恵方巻きの反対側担当してあげるから!」 と、瞑が逆襲する。 (さってと、頬張るとしますか…、よっと……ん、あ……、ふわ……、おっきぃ……) 頬を染めながら、もごもご言う瞑から、計都は目をそらす。 (……なんか、反対側のつぶつぶが、発情したようなエロ顔してるけど、目を合わせないようにするッス。 やっぱ、ネット中毒は、青少年の健全育成に良くない影響を与えるッスね) そこに生じた隙に、瞑の目がきらんと光った。 ガツガツガツガツガツ! (なんでそんな勢いで喰ってるッスか!? なんだよー、そんなに、あたしの唇を奪いたいのかよー) 瞑の歯が恵方巻きを噛み切るわずか前に計都はぎりぎりに回避し、カウンターで渾身の腹パン。 「ちっ、躱したか。だが、計都、うちはいつでもお前を倒せる。覚えとけよ!! ばーかばーか、ぺちゃぱい!!」 「うっさい、自称「脱ぐとすごい」! 脱いでみろよ、ばーかばーか!」 最後まで、子供のけんかに終始した。 「……手伝いが終わったらさ、俺らも普通の奴食べようぜ?」 説明だけってのも寂しいしさ、と猛は笑みを浮かべ、 リセリアは、頷いて笑顔を返した。 「眺めて終わるだけというのも、確かにあれですね……ゆっくり食べましょうか、後で」 これから続く新たな一年の、無病息災を願いながら……。 ● そんなこんなで、エリューション恵方巻きは、みんなリベリスタの腹に収まった。 お茶も味噌汁も収まった。 ありがとう、リベリスタ。 さすがだ、リベリスタ。 またこんなエリューションが出てきたら、よろしく頼むね! |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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