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年末武器屋バーゲン大乱闘

●武器屋恒例ハーフプライスセール
 武器屋。
 そうフィクサードたちに呼ばれる店がある。社会の裏に隠れるようにして店を構え、名前通り非合法な武器を販売するような場所だ。
 刀や槍といったものから銃火器やチェーンソーまで取り揃えているこの場所は、フィクサードたちにとっては貴重な武器供給源であり、ここを使って武器を整える者も少なくなかった。
 何のためにそんなことをやっているのかと聞けば「金のためにやっている」と答えるこの武器屋。人を殺めることや傷つけることはしないが、間接的にフィクサードの被害を加速させている場所といえよう。
 さて、そんな武器屋を舞台に事件が起きた。正確には、今後起こるとカレイドシステムが予見した。
 この武器屋には、年末恒例のイベントがある。年の瀬大売り出しバーゲンセールだ。
 武器屋といえども商売。何かと入用な新年を迎える前に、現金を手に入れておきたいのである。
 そのため、バーゲンセールとして、半額シールを張った武器は通常の半額で売りに出されるのだ。
 これに、お金に余裕がないフィクサードたちは大量に集うのである。数十人規模で集まるため、全員分の半額武器は売り出されない。
 そのため、フィクサードたちは毎年この大バーゲンが開催されるたびに武器屋の前で争うのである。情け無用のバトルロイヤルであるが、そこに暗黙のルールはあった。
 武器屋を襲わない。フライングをしない。武器は一人ひとつまで。
 そんなルールで行われている大バーゲンファイトである。この戦いは年々激しさを増しており、毎年このバーゲンセールに力を入れている猛者もやってくるとか。
 アークはこの戦いを利用して、フィクサードたちを一網打尽にしようと企んでいた。そのために、リベリスタたちが集められたのである。
 彼らならこの戦いを制してくれると信じて。

●「どこかで聞いたような話だな」「しーっ!」
 去年行われた大バーゲンの資料を見つつ、リベリスタたちはおばちゃんとバーゲンセールの関係を思い出していた。それから、フィクサードも苦労しているんだな、という気持ちが生まれながらも説明を始めたフォーチュナの声に耳を傾ける。
「今回の作戦内容はこの武器屋のバーゲンセールに乱入して、フィクサードたちを倒して逮捕していくこと。とはいえ、横槍に対して非常に敏感なフィクサードたちみたいだから、大バーゲンの参加者として偽装してもらうわ」
 説明をしている『運命演算者』天凛・乃亜(nBNE000214)がホワイトボードに書いた補足を見るには、大バーゲンに参加するもの誰もが平等、という信念でやっているらしい。いちいち大げさなバーゲンセールである。命がけなのだから仕方ないが。
「といっても偽装は簡単。武器屋が半額シールを張り終わってから一分以内に攻撃を始めなければいいだけよ」
 要するにフライングは禁止ということだ。嫌でも乱戦の中に飛び込んでいかなければならないだろう。
「ルール違反者には全員で私刑にするのが決まりごとみたいね。他のルールも守ったほうがいいかも、って感じ。フィクサードのルールに従うのは癪かもしれないけど、この状況を利用しない手はないわ」
 フフン、と不敵に笑う乃亜の手から渡される作戦書。自信満々なことから、どうも乃亜が作戦立案に一枚噛んでいたようだ。
「ということで、お願いするわ。ここはフィクサード一斉検挙のチャンスだものね」
 乃亜は前かがみになって人指し指を口元に持っていく。かわいらしさをアピールしているのかもしれないが、かわいらしさとは無縁な無意識に豊満な肉体を見せ付けているのは気づいていない。とは閑話休題。
「さて、兎にも角にも気をつけてね。重傷になったら大変だし……。なんてっ、……し、心配してるんじゃないんだからね!」
 ツインテールを振り回して突然ツンデレキャラになった乃亜はともかく、リベリスタたちは気合いを入れた。
 年末大掃除。フィクサードも大掃除だ。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:nozoki  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2012年01月04日(水)21:30
 はい、そんなわけで年末ですしバーゲンセールの話です。
 沢山いるフィクサードを逮捕しまくるボーナスゲーム的な話でもあります。
 ですが、フィクサードも全力で戦っています。お怪我に気をつけてね。

●舞台
 武器屋の前にある空き地です。その中のカゴに突っ込まれた武器が、フィクサードたちが狙う半額武器です。
 フィクサードたちがすでに人払いをしているため、人払いの必要はありません。

●暗黙のルール
 この戦いには以下のルールがあります。違反者はフィクサード全員から敵対され、集中攻撃を受けるでしょう。
・フライングはしない:武器屋が半額シールを武器に張ってから一分以内に攻撃したり半額武器を奪ったりしてはいけません。
・武器は一人ひとつまで。武器屋を襲わない:文字通りの意味です。

●フィクサードたち
 五十人ほどのフィクサードが存在します。多くは名もない雑魚ですが、以下に挙げる数名は実力者のようです。
・氷の剣士:ソードミラージュであり、幻影剣を得意とする素早い男です。武器は去年半額で購入した「氷月斬」という冷たい刀です。
・ブラックマッチョ:デュランダルであり、タフさと物理防御力・神秘防御力に定評がある男です。未だに武器がないため、己の肉体のみで半額武器を目指します。
・火薬庫:重装備で身を固めたスターサジタリーの女です。ライフルからロケットランチャーまで幅広く使って範囲攻撃をします。
・ビックバディ:ナイトクリークなフィクサードで、豊満な胸を持った女です。普段は用心棒をしており、槍裁きからのダンシングリッパーを得意としています。
・星魂団:十人ほどのフィクサードの集団です。一人の能力は高くありませんが、コンビネーションを得意としています。武器は全員ハンドガンです。
 それぞれ、お互いに潰し合っていますが、隙があれば半額武器を奪おうとしてきます。

●武器屋
 バーゲンが片付いた後にアークが逮捕をする予定です。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
ソードミラージュ
絢堂・霧香(BNE000618)
プロアデプト
オーウェン・ロザイク(BNE000638)
デュランダル
遠野 御龍(BNE000865)
スターサジタリー
モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)
ホーリーメイガス
大石・きなこ(BNE001812)
ソードミラージュ
レイライン・エレアニック(BNE002137)
クロスイージス
セルマ・グリーン(BNE002556)
スターサジタリー
アシュリー・アディ(BNE002834)

●リベリスタたちの夜
 ぎらついた目の男女が、それぞれ抜き身の刃のような危険さを醸し出している。ここが激しい戦場になるだろうと、目と全身のオーラで示していた。
「飢えた獣たちが得物を求めて集っているようですね。はてさてどうなることやら」
 半額武器を求めて戦うことを選んだフィクサードの集団に、リベリスタの『鉄壁の艶乙女』大石・きなこ(BNE001812)は胸を支える形で腕を組んでいる。とはいえ、ヘビーガードで身を包んだきなこの体は、この場所には非常に馴染んでいた。というのも、フィクサードたちはそれぞれ凶暴さを隠してはいない。防具があるのならば、それに越したことはないのだ。
「リベリスタの本分を忘れた訳ではないけど、今回ばかりは半額武器を狙う狼、もとい山羊に」
 にこにこと笑いながらも、心の中で準備を完了させる『畝の後ろを歩くもの』セルマ・グリーン(BNE002556)。心を鬼にして、狙うは半額武器。
「邪魔者は叩いて潰す」
 ライバルたちを獣のような目で威嚇しながら、静かに力を溜める。これから始まる大争奪戦の前にして、気合は十分といったところだ。
「なるほどぉ。こうして飢えた狼たちが集うわけかぁ」
 オオカミのビーストハーフらしく、本物の狼のように目をギラつかせて狩りの準備をする『外道龍』遠野 御龍(BNE000865)は、改造巫女服から伸びる足と手を伸ばして滾る戦いへの情熱を抑えている。まだだ、まだ戦うには早い。
「まぁ本物の狼のあたしが目に物見せてくれるわぁ。くくく……」
 そう言いながら、御龍は胸元からタバコとライターを取り出して火をつける。まずは、この口元の寂しさに突っ込む。バトルへの期待を抑えるためにも。
「でもあれだぁ。バーゲンと聞くとわくわくするのはあたしも年をとったってことかねぇ」
 煙を吐きつつ、髪をぐしゃぐしゃになるぐらい乱暴に撫でる。いつもは猫をかぶっている御龍であるが、この戦いの場ではもう猫をかぶる必要もないのだろう。本来のオッサンらしさを表に出している。
「バーゲンセール、ね。過去世話になったソードオフ・ショットガンも売りに出されているのかしら?」
 タバコを咥え、腕を組みながら『愛煙家』アシュリー・アディ(BNE002834)はちらりと武器の棚を眺めている。色々と並んでいるが、お目当てのものはなさそうだ。
「なんにせよセールよりも任務優先か」
 ため息をひとつしてから、保安官の目に戻ってライフルを手の中で回す。今は逮捕が先決だと、ライフルに軽くキスをして決意する。
「うぅ……最近、というかいつもじゃがお財布がぴんちじゃわい……」
 がま口財布を下にしても、出てくるのは小銭ばかり。泣きの表情で『エア肉食系』レイライン・エレアニック(BNE002137)はこの場にいた。というのも、依頼でいつもゴスロリの服がボロボロになるレイラインはお金がなく、それでも武器が欲しかったのだ。だから、バーゲンセールと聞いた時には、その豊満で大きな胸を弾ませて、
「これは……乗るしかないようじゃな、この“びっくうぇーぶ”にのぅ!!」
 と、意気込んで依頼に入ってきたというわけだ。
「お金おろして来たのに、がっかりじゃのぅ……」
 しかし内容がフィクサードの検挙であったから、レイラインは残念そうにしている。ちなみに下ろしたお金は銀行の紙袋に入れてある。
「む、あのでか乳女の持ってる槍かっこいいのぅ」
 む、とレイラインが横を見るとそこにはレイラインにも負けないほどの乳。もとい、大きな胸を持ったフィクサードらしき女性。その手には赤いラインが特徴的な中華風の槍がある。
「ふふふ……」
 手を口元に持って行き、企むレイライン。妖艶な狐のようだ。
「武器屋の年末バーゲンなんてあるんだねー。そんなことよりも、強い剣士が居るなら、同じ剣士として、あたしは戦いたい」
 腕を胸の前で組みながら、感心するように頷く『禍を斬る剣の道』絢堂・霧香(BNE000618)は、背負った刀の鞘を撫でつつ笑っていた。強敵との斬り合い、このポニーテールと着物の女剣士それを望んでいるのだ。
「お兄さん、良い刀持ってるけど、まだ新しい剣が欲しいのかな?」
 そんな霧香はバーゲン参加者の中でも強そうなオーラを出す剣士を見つけたので、隣に寄って声をかけてみる。
「あたしも良い刀、欲しいんだよね」
 そして、挑発するように笑って言う。氷の剣士という名を持つフィクサードは、それに対して騎士のように剣を顔の前に構えることで答えた。
(そりゃアレですよ。集団で無防備の背中にほぼ無条件で不意打ちさせてくれるなんて最高じゃないですか)
 一方、『デストロイド・メイド』モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)は、体格が小さい故に前に出れない女を演じようとしていたが、その必要もないようだった。フィクサードたちは集団であるものの、ある程度散っている。だから後方に立つことは簡単だったのだが、予想していたよりも攻撃に巻き込めそうもないことにモニカは小さく舌打ちをした。無論、心の中で。
「……あの方のせいですね」
 その視線の先は、火薬庫と呼ばれるフィクサード。モニカのように火器で固めた重装備であり、いかにも範囲攻撃をしそうな感じである。フィクサードたちが散るのも無理はないだろう。
 そんな風に、リベリスタたちがそれぞれの心を秘めながらバーゲン参加への準備を進めていると、半額シールを手に持った武器屋がやって来た。
 武器屋はカゴの中に乱雑に入れてある武器に、ひとつひとつゆっくりとシールを貼っていく。その動きは慣れたもので、次々と半額の値が付いた武器が量産されていった。
(数も力も決定要素ではない。それを、示す時)
 信念を心に秘めながら、『Dr.Faker』オーウェン・ロザイク(BNE000638)はその動きを、ちょっと小太りな背中を見守る。暗黙のルール……今手を出してはいけない、というフィクサード同士の取り決めがあるからだ。
 やがて、武器屋はすべての武器に貼り終わる。
 武器屋はすぐにその場から避難して安全な店内まで行ってしまう。さすがにここで巻き込まれる気はないようだ。
「それでは、1分後」
 フィクサードの誰かが、一分の電子アラームを広場の中に投げた。これが鳴った時が合図なのだろう。
 その間、奇妙な静けさがフィクサードたちとリベリスタたちの間を駆け抜ける。それはまるで、合図で一斉に銃を撃つ西部劇の決闘のようでもあったという。
 タンブルウィードが地面を撫でるように転がっていく。
「……」
 アシュリーは静かに瞑想する。
「……」
 オーウェンは武器を選定しようと超直感を使っている。
「……」
 御龍は拳と拳を合わせて、この緊張感を楽しんでいた。
 やがて、電子アラームが鳴り響く。
 同時に、男と女の怒声と地響きがこの場を襲った。50人ものフィクサードと8人のリベリスタが同時に動き出したからだ。
 半額武器を賭けて。

●死ぬまでリベリスタ
 戦いの夜が始まった。フィクサードたちはそれぞれ拳をお互いの頬にぶつけ合い、先に進もうとしたものの背を掴んで地面に叩き落とし、思いきり蹴って外側へ吹き飛ばさせている。ここはバトルロイヤルの最中。勝ち残り、奪い取ったものが勝者。
「これは挨拶代わりっ!」
 ハイスピードによって加速した霧香の刀が、ソニックエッジを纏って隣の氷の剣士へ振り下ろされる。しかし、向こうもハイスピード。これを振り上げた剣によって切り払い、即座に体勢を整え直す。
「やるね! あたしとあんた、どっちの剣が疾く鋭いか……あたしが勝ったら、その刀を貰うよ!」
「ほう……初めからそれが目当てか。面白い。この剣にかけて、その決闘を受けよう!」
 刀と剣、どちらも何度もぶつかり合って火花が散らされる。
 横薙ぎ、これを切り払い。切り払いからの振り下ろし、これを切り払い。溜めを作ってからの大上段、前転回避。前転回避から相手の方向に振り返りつつの足払い、これをジャンプにより回避。
 二人の戦いはアクション映画のような動きを織り交ぜながら、戦いを加熱させていく。お互いにソードミラージュのプライドを賭けて。
「そこのでか乳ー! 武器寄越せなのじゃぁぁぁ!!」
 同じく、フィクサードの武器に狙いをつけていたレイラインが荒ぶりながら、両手を広げてビックバディに飛びかかっていた。
「周りごと吹き飛べなのじゃー!」
 そのまま空中で体を捻り、回転するように幻影剣を放つ。それによって周りのフィクサードたちは一斉にダメージを受けて怯むが、ビックバディは槍を使って後方へ飛んだためダメージを受けなかった。
「……やるのう。だが、殺してでも奪いとるのじゃー!」
「変なやつに目を付けられたね……」
 ビックバディは愚痴りながら、槍を柄で地面を叩きながらのジャンプ。そして、その勢いからのキックをレイラインの体に叩きつける。
 揺れる乳、吹き飛ぶ体、流れる汗。
 腹を抑えて立ち上がり、レイラインは反撃のために再び武器を取ってダッシュする。
「実力は勿論、胸でも負けんのじゃー!!」
 巨乳と巨乳がぶつかり合い、お互いに弾んでからの鍔迫り合い。レイラインの目からは火花が飛び散っており、戦いへの気力が溢れていた。
「フィクサードの皆様には私からも成形炸薬弾の大バーゲンをお送りします。大盤振る舞いの年末大処分、存分に味わって下さい」
 メイドのスカートを持ち上げながら一礼したモニカが、その動きから緩急を付けるように重火器を取り出してハニーコムガトリングによって集まり始めたフィクサードたちを撃ち抜いていく。撃鉄と共に放たれる弾は回避できないレベルのフィクサードたちを次々に貫き、倒して敗者の山を築く。
 同じく、火薬庫と呼ばれている女が放ったロケットランチャーやライフル、ショットガンを一斉に放ってレベルの低いフィクサードの集団を次々に倒していた。
「ですよねー」
 それを見ても仏頂面のまま、とにかく撃ち続けるモニカ。この二人によって、大半のフィクサードはリタイヤをせざるを得なかった。
 ただ、一人で地獄のカーニバル開催する予定だったモニカは少し不機嫌そうである。仏頂面だけど。
「私は生半可な攻撃では沈みませんよ? 全力でかかってきなさい!」
 その砲撃を潜って進み、キリッ、と表情を固めて重要地点を守るきなこは、まさしく壁としての役割を果たしていた。
 その重要地点を突破しようと責めてくる一山いくらのフィクサードに向かって、手を手前に振ることできなこは煽る。その豊満な体を守る鎧と共に、ここが壁であると示す。
「なめんじゃねぇぇぇ!」
 数人のフィクサードが同時にジャンプし、即席の連続攻撃としてジャンプキックをきなこの体に連打する。しかし、きなこの体には傷ひとつ付かない!
「あらあら、手加減してるんですか? もっと本気で攻めていいんですよ?」
 更に挑発。その笑みも人を小馬鹿にしたような感じだ。
「……お、俺は遠回りだ!」
 それに対して、こうして回り道する者も当然でてくる。
「もし私を倒せるほど強いんだったら、私のこと好きにしていいんですよ?」
 そういう者には、流し目と鎧の隙間に見える女を感じさせる肉体を見せつける。モデルをやっているだけあって、そういうのもきなこは得意だ。……いつもと違う、変なスイッチが入っている。
「我は御龍。龍の化身。運が悪かったんだよお前らは。手加減はしねぇ。死にてぇ奴だけかかってこい!」
 手加減無用の全力鬼神。御龍はハンドガンで武装し、集団戦によって武器を確保しようとしていた星魂団の前に立って 月龍丸を振り下ろす。それを察知し、動きを止めて警戒した星魂団にニヤリと笑う。
「くっくっく。皆殺しだ!」
 それから豪快に笑い、地面に突き刺さった月龍丸に手をかけて動き出す。途中ハンドガンで何度か撃たれるが、それをすべて肉体と月龍丸で受けながら得物をぐるりと体を一周させるように振り回し、ギガクラッシュでの叩き斬りによって星魂団を一人ずつ始末していく。
「こ、こいつ……。攻撃を集中しろ!」
「でも、銃とコンビネーションを使うのはあなたたちだけじゃないのよ」
 一斉に銃を構えてからの集中砲火。それをしようとした星魂団の手元を撃ち抜いていくライフルの銃弾。アシュリーのバウンティショットだ。
「さぁて、暴れさせてもらうとするかぁ」
「一斉検挙。行くわよ」
 武器を失い、攻撃のタイミングをずらされた星魂団は御龍が振るった月龍丸とアシュリーのスターライトシュートによって潰されていった。

 雑魚を殴り飛ばしつつ一直線に半額武器へと向かっていたセルマは、同じく雑魚を殴り飛ばしながら走るブラックマッチョと呼ばれている巨漢と並走していた。
「アレは私も狙ってましてね……簡単には行かせませんよ」
 巨漢はパワー任せにセルマの体を吹き飛ばそうとタックルを仕掛けてきており、セルマの体は確かに吹き飛ばされた。だが、それは低めに防御体勢をとっていたセルマの体に大きな影響をあたえることができず、反撃の隙を与えた。
 アッパーカットのように打ち上げられた魔落の鉄槌がブラックマッチョの体を高く吹き飛ばす。
「もういっちょ! そぉい!」
 それをキャッチしてからのジャーマンスープレックス(という名の魔落の鉄槌)。このダブルアクションによって、ブラックマッチョと呼ばれていた男は沈黙した。
「うまく引っかかってくれましたね」
 巨漢に攻撃がうまく通ったのは、人ごみの中に紛れ密かに撃っていたオーウェンの呪印封縛がうまく作用したからだ。だから、オーウェンは勝利を確信して小さく手を握った。

●夜の行方
 火薬庫と呼ばれている女が、雑魚の対処をしていたきなことモニカの弾幕をくぐり抜けて、半額武器を手にしてしまっていた。
 しかし、それ以外の強敵――例えば、氷の剣士は霧香の放った幻影剣によって体を切り裂かれ、地面に倒れ付していた。だが、それは霧香も同じだ。氷の剣士は攻撃を受けると同時に幻影剣を放っており、霧香を切り裂いて倒していた。
「剣士として……負けられ、ないのっ!」
 それでも、霧香はフェイトの力で立ち上がって片手を挙げてガッツポーズ。幻影剣で氷の剣士の武器まで壊してしまったのは、誤算だったが……勝利だ。
「ええいまだ抵抗するのかえ! 大人しくするがよいわー!!」
 武器に気を取られよそ見した隙に攻撃を受け、フェイトの力を使って立ち上がらざるを得なかったとはいえ、レイラインも押していた。
 振り抜くように放たれた幻影剣が、ビックバディの体と服を同時に切り裂いてリタイヤへと追い込む。
「……またつまらぬものを斬ってしまった、のじゃ」
 ただし、ビックバディも最後の抵抗として槍を一振り。これがレイラインの服を切り裂いて……また、服代を出費させる破目になった。
「ギニャー!? こ、これでは買えぬ……」
 それから、雑魚のフィクサードたちはきなこによって進路を防がれ、オーウェンの合図を受けたモニカとアシュリーの射撃攻撃によって殲滅させられていた。
「殲滅完了。ふー」
「後は逮捕ね」
 アシュリーの手によって、敗者として倒れたフィクサードたちの手に手錠がかけられていく。こうして、多くのフィクサードを逮捕することに成功した。
 ただ、半額武器はいくつか取られてしまっており、ちょっと期待していたリベリスタたちはがくりとうなだれるのであった。
「まぁ、こんな時もありますよ」
 手に合わなかった武器を捨てながら、オーウェンは呟いた。
 とはいえ、任務自体は成功。一人逃してしまったものの、四十九人のフィクサードを逮捕という成果は十分である。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 もう年末は過ぎてしまいましたが、年納めの任務でした。物を奪い合うバトルロイヤルということで、ちょっと特殊な任務でしたね。
 ともかく、そんな中でリベリスタの皆さまはお疲れさまでした。今年も色々な任務があると思いますが、よろしくお願いします。