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<クリスマス2011>和風パーティへようこそ!

●ちょっとズレてるお嬢様
 いつもどこか騒がしい三高平市に、クリスマスがやってきた。もちろん三高平市全体は浮かれ始めており、人々もアークもそれぞれパーティの準備をしている。
 そんな中、『相良に咲く乙女』相良 雪花(nBNE000019)はとても張り切っていた。
 というのも、雪花にとってはこの三高平市に来てから始めてのクリスマスであり、パーティをするというのも始めてのことだ。前々から気になっていたクリスマスパーティ……ということもあって、雪花は皆に渡すサンタの衣装を自分で縫うぐらいには準備を進めていた。
「これで、よし」
 しかし、そのサンタの衣装はどういうわけかミニスカである。いわゆるミニスカサンタであり、雪花はそれが正しいものだと信じ込んでいた。
 だから、自信満々に人数分用意したし、自分で着たりもした。
「お、お嬢……」
「どうかしましたか?」
 純粋な顔で首を傾げ、クエスチョンマークを浮かべる雪花。これには雪花の手助けにやって来た関東仁蝮組の人たちもなんとも言えない表情を浮かべるのであった。恐らくは雪花に正しいサンタを教えなかった自分たちの責任だから。
 だからだろうか。組の人たちが進めたクリスマスパーティの用意は一般的なものであり、ハロウィンの時のようなチグハグさはなかった。飾り立てられた大きなツリーに、電灯によるイルミネーション。どこから見ても、立派なクリスマスらしさがある。
「クリスマス。……ああ、とっても楽しみです。ちょっとはしたないかもしれませんが、これほどワクワクするのは始めて。良いお茶を用意しなきゃ」
 ただ、そんな中でも雪花はズレていた。ミニスカサンタ衣装のままお茶を点てる用意をしているし、それに合うようにお茶菓子はお饅頭である。結構なお点前で、といいたくなるような準備である。
 それに対して、組の人たちは何も言えなかった。言い出せなかったのだ。
 だから、彼らは泣きながら準備をしていた。
 クリスマスお茶会パーティの。

●ちょっとあざといお嬢様
 アークに、雪花が主催するクリスマスパーティのお知らせが届いていた。
「よろしければ、是非お付き合いください」
 それを告知しているのは、他ならぬ雪花である。大きな谷間が強調されているミニスカサンタの衣装を着ており、宣伝にも余念がない――わけではなく、これがクリスマスにおける女性の正式な衣装だと信じているのである。
「クリスマスの日に、和風で過ごしませんか?」
 というキャッチフレーズは、あまりにも不憫だと感じた組の人間が考えたものだ。パーティの会場はクリスマスのように飾り付けられているとはいえ、元々純和風な屋敷であるし、畳や日本庭園まである。
 出るお菓子はお饅頭や羊羹が中心だし、お茶は雪花が点てたもの。
 しかし、希望者に渡されるサンタの衣装はミニスカサンタである。アンバランスであるが、雪花の純粋な笑顔の前に、リベリスタたちもなんとも言えない表情になった。
「……楽しみですね」
 ワクワクを抑え切れないという様子の雪花を見て、リベリスタたちは思う。
 これはこれで、いいんじゃないだろうか……?


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:nozoki  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年12月29日(木)00:03
 はーい、雪花お嬢様とのクリスマスイベントです。
 クリスマスといえばミニスカサンタ。雪花といえば和風。
 合わさって和風クリスマスパーティインミニスカサンタというものができました。はい、ミニスカサンタは私の趣味です。
 そういうパーティですが、以下の特徴があります。

●会場
 普段雪花が使っている純和風の屋敷をクリスマス風に飾りつけて開放しています。
 屋敷は広く、何十人が集まっても十分に動けます。
 基本的には畳です。また、日本庭園も存在します(クリスマスツリーが立っていますが)。

●衣装
 雪花が編んだミニスカサンタの衣装を希望者に渡しています。
 キャッチフレーズは「恋人と過ごすクリスマスの衣装に」です。雪花案。

●お茶とお菓子
 希望者には雪花がお茶を点てます。もちろん苦いです。
 また、お茶請けとして、お饅頭や羊羹もふるわれます。

●その他
 プレゼント交換会や合唱会などのイベントも予定されているようです。
 ヤクザな組の人たちもこっそりいます。
参加NPC
相良 雪花 (nBNE000019)
 


■メイン参加者 31人■
インヤンマスター
朱鷺島・雷音(BNE000003)
覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
デュランダル
鬼蔭 虎鐵(BNE000034)
ホーリーメイガス
霧島 俊介(BNE000082)
覇界闘士
アナスタシア・カシミィル(BNE000102)
デュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
マグメイガス
高原 恵梨香(BNE000234)
ソードミラージュ
司馬 鷲祐(BNE000288)
ホーリーメイガス
七布施・三千(BNE000346)
クロスイージス
新田・快(BNE000439)
プロアデプト
氷雨・那雪(BNE000463)
ソードミラージュ
絢堂・霧香(BNE000618)
クロスイージス
祭 義弘(BNE000763)
インヤンマスター
門真 螢衣(BNE001036)
インヤンマスター
ユーヌ・結城・プロメース(BNE001086)
スターサジタリー
リーゼロット・グランシール(BNE001266)
デュランダル
桔梗・エルム・十文字(BNE001542)
ホーリーメイガス
大石・きなこ(BNE001812)
マグメイガス
丸田 富子(BNE001946)
スターサジタリー
立花・英美(BNE002207)
スターサジタリー
雑賀 木蓮(BNE002229)
ホーリーメイガス
エリス・トワイニング(BNE002382)
デュランダル
ジース・ホワイト(BNE002417)
マグメイガス
百舌鳥 付喪(BNE002443)
ソードミラージュ
イセリア・イシュター(BNE002683)
スターサジタリー
雑賀 龍治(BNE002797)
マグメイガス
染井 吉野(BNE002845)
デュランダル
結城・宗一(BNE002873)
デュランダル
飛鳥 零児(BNE003014)
ソードミラージュ
津布理 瞑(BNE003104)
ホーリーメイガス
氷河・凛子(BNE003330)
   

●リア充から始まるクリスマス
 その日、日本庭園はイルミネーションによってクリスマス色に染め上げられていた。
「ミニスカサンタとかあざとい。さすが雪花たんあざとい」
 早速撮影せねばとデジカメを取り出しかけているトナカイ姿の竜一が言う。確かにミニスカサンタ衣装ではしゃいでいる今日の雪花はあざとい。
「これは俺のユーヌたんもミニスカサンタになるわけか……」
 ハッとしてデジカメをしまい、ユーヌを探して周りを見る竜一。そこには……、
「しかしこの衣装、少々恥ずかしいが、似合ってるか?」
 ミニスカサンタの衣装に身を包んだユーヌの姿。長い黒髪を指でいじりながら、恥ずかしそうにしていた。
「これは……ええいっ! 悪い虫がつかないように警戒せねば! ユーヌたんは誰にも渡さん!」
「ん、そうか、なら雪花に感謝だな」
 そして、突然興奮した竜一が肩車を始める。頭脳派な彼が導きだした、ユーヌを守るための行動らしい。
「別にぺろぺろとかすりすりは構わないんだが、見られていると少々恥ずかしい。いや、ダメではないんだが。自重ぐらいしろよ?」
 そのままユーヌに足で頭を締め付けられる竜一。リア充らしくパーティで羽目を外してもいいが、常識は大事だ。
 さて、男女ペアでこのパーティへやって来たのはふたりだけではない。
「……まあ、なんだ。絢堂は元が良いからな。似合ってると思うぜ」
「……似合ってるって言うのは嬉しいけど、やっぱり少し恥ずかしいなぁ。足とか、胸元とか……」
 宗一と霧香も男女ペアで参加だ。霧香はミニスカサンタの衣装に見を包んでおり、スカートの中は見えそうだけれども、宗一はあえて見ずに警告だけして自然体な笑みを浮かべた。
(……見られないのも、なんだか、内心ちょっと複雑だけど)
「なんともいえない取り合わせだが……まあ、美味いは美味い。この苦味がわびさびって奴だな」
「……う~ん、結構なお点前で。やっぱりお嬢様って感じだよねぇ」
 それから、二人で用意されたお茶とお菓子を食べる。クリスマス特有の派手さもあるが、流れるのは穏やかな雰囲気。
「こういう落ち着いた雰囲気のクリスマスも良いもんだな?」
「でも、うん。こんなクリスマスも、たまには良いかな?」
 ふたり穏やかに、お茶を飲んで過ごす。
「見て見て龍治、ミニスカサンタ! 雪花って器用だったんだなぁ。あ、ほら、龍治も早く着替え……ッえ! 着ないのか!?」
「お、俺が? 着る訳無いだろう……!」
 驚く木蓮と、慌てて庭を眺める龍治。二人は仲良くこのパーティへやって来ていた。
「むう、仕方ないが俺様だけ衣装を楽しむとするか。せめてイベントを目で見て楽しんでくれると良いんだが……」
「ああ、やはり着たのか……」
 ちらちらと龍治を流し目で見るミニスカサンタの木蓮を見ないようにしつつ、龍治は雪花の元へと向かった。気恥ずかしいのもある。
「作法はさっぱりだが……む、出来るのか、木蓮」
「……ん、ああ。ばーちゃんの趣味で茶道を少しやってたからさ。まぁ折角の茶なんだ、苦いのは我慢しようぜ!
 にこりと笑って、見事にお茶を嗜む木蓮の姿を見て、龍治はホッと暖かい気持ちを意識しながら思う。
(そういう一面を知れただけでも、参加して良かったと言えるかも知れない)
 痺れた足に感じるイタズラも、そういう一面だろうと龍治は思う。
「くりすます。みにすかさんた。どちらも知らない言葉」
 お気に入りのあめ玉のように、口の中で知らない言葉を吉野は転がす。
「それは男のロマンってもんだろ?」
 それに対して、ジースの反応。
「みにすかさんたはジースを喜ばせるもの?」
(ちがう。俺の目的は吉野とのクリスマスパーティだ。決してやましい感情など抱いてはいない!)
 思わず頭を抱えて、自分が残念なイケメンでないと考えていると……吉野の姿が消えていた。ジーズは思わずしまったと舌打ちをして、首を振る。そこには、
「ジースが喜んでくれるなら吉野はみにすかさんたになる。なった」
「吉野……っ! 可愛いな」
 雪花の手製ミニスカサンタに身を包んだ吉野の姿。それは子供らしい可愛らしさと、ぼうっとしたうさぎのようなほわほわさが合わさっていた。
「喜んでくれたら吉野は嬉しい。ジースが喜んでくれる。それが吉野にはとても嬉しいから」
 やはりお気に入りのあめ玉のように、吉野は口の中で転がす。
「ミニスカサンタの衣装。ありがとう、気恥ずかしいものがあるな」
 雷音と虎鐵、親と子のようなふたり。
「雷音その格好は!!? 拙者ついに妄想の具現化を習得し」
「おすわり、ステイ」
 小さく頬をふくらませながら、小さなミニスカサンタの雷音は虎鐵を指で伏せさせていた。犬のように。
 それでも、雷音の目には心配が映っている。先の戦い。それで失われたモノが虎鐵にあるだろうから。
「……あーだ、大丈夫だ……。ござ……」
「虎鐵は、無茶をしすぎです」
「大丈夫だ。あの後一瞬分からなかったが匂いとか声とかで思い出せた。だから大丈夫だ」
 だから、肩を寄せて体を預ける。一緒にいるという証明。
「無事でよかったです」
「拙者も雷音が無事でよかったでござるよ!」
 今日はお茶を飲んで、ゆっくりと過ごす。これからも大変な時が来るだろうけど、今は無事を喜んで……ゆっくりと。
「え!? クリスマス初めてなん!?」
「しーくんが、これがクリスマス作法というので、着て見たけれど……少し、寒いわ、ね……」
 妹のように思っている那雪のミニスカサンタに満足しながら、俊介は頷いていた。でも際どい上に寒いので、自分の上着をかけてあげる。
「やっぱりクリスマスはこうじゃないとな!」
 那雪にしーくんは着ないのかと問われたりもしていたけど、俊介は頭に帽子を被るだけで苦笑いして否定した。
 それから抹茶。だけど、俊介は苦味にむせてしまっていた。だからそこに、那雪がお菓子の饅頭を詰め込む。
「大丈夫? これで、甘くなった……かしら?」
「やー、やっ那雪たんかわあおおおごぼぼ」
 でも、詰め過ぎであった。
「ミニスカサンタ! イイねぃイイねぃ、可愛いしイベントに合ってるよぅ♪」
 恋人の鷲祐に許可をもらい、タイツを付けたミニスカサンタのアナスタシアが飛び出てくる。ふわり、と豊満な体が揺れて柔らかい雰囲気を醸し出す。
「……ミスマッチ……とも思うが、まぁ文化をごった煮にする日本らしいか」
 そう言いながら、鷲祐はアナスタシアと共にお茶を全力で愉しみ、その苦さに挑戦。
 そして、お互いにプレゼントの交換。
「……今年は冷えるからな。使え」
 鷲祐が取り出したのは、赤と黒の模様が描かれた手袋。
「はふふ、多分ちゃんとしたプレゼントはこの後すると思うから、ちょっとしたモノだケド……ハイっ! 銀細工の練習をしててねぃ、その時に作ったの。……貰ってくれる?」
「……どうも最近ちょこちょこ部屋にこもっているようだから、何かしてるのかとは思っていたが……」
 嫁の手から直接手渡されたのは、蝙蝠羽の彫られたシルバーのプレートペンダント。彼を思って作った、入魂の一品。
「……鷲祐、大スキだよぅ。来年もまた聖夜を楽しもうねぃ。今年は、もう楽しめてるから」
 頭と体を鷲祐に寄せて、呟く。
 来年もまた、よい聖夜がやって来ますように。

 恋人たちに、絶対無敵の幸せを。
「何者にも負けぬ心意気。ここから生まれるのですね」
 雪花が、そう呟いた。

●寮のみんなとメリークリスマス
 恋人だけでなく、みんなでメリークリスマスを祝う。それもクリスマスのあるべき姿だ。
 特に、家族のように大事と思っている間柄ならばそれも自然なことだろう。
「とても個性的なパーティね」
 自コーポである学生寮の面々と共に、恵梨香はパーティへとやって来ていた。彼女は淡々と先の戦いの感謝と労いをし、やはり淡々と進めるように礼儀正しくお茶を飲んでいる。これが恵梨香なりのパーティ参加方法なのだろう。
「和風パーティとは素敵です!」
 自身がハーフということもあり、日本趣味的な所を父から受け継いだ英美はこの変わったパーティに目を輝かせていた。
「ミニサンタ? 郷に入っては郷に従え、参加するからには着させていただきます」
「仕方ないわね」
「こんなに高級な家は緊張してしまうので、寮の皆さんからあんまり離れないように……。って、僕も着るんですか?」
 ということで、勧める英美の努力もあって恵梨香・三千はミニスカサンタの衣装に着替えた。三千は男性だけど、だからこそ。……とは、英美の談。
「って、恵梨香ちゃんそれ着ちゃうの?!」
 さて、そんな寒そうな格好に恵梨香が着替えたのに一番驚いたのは快だ。恵梨香はいつも通りの表情であるが、小さめの体に赤白のサンタ服はよく似合うので、快はただ頷いていた。
「もちろん、受けとってわたしも着るよ。サンタ帽子も持参して完璧………はっくしゅ」
 英美と同じく着替えに向かっていた桔梗もまた、ミニスカサンタの格好を見事に着こなしていた。
「いやあの太もも全開とか普段の和服と違う趣がだね!」
 そんなミニスカサンタ衣装の雪花や、寮の皆を見て親指を立ててグッジョブと言っているのは夏栖斗だ。鼻の下は全開、顔も緩みきっている。
「蝮原さんも、お嬢可愛さに過保護というか……ズレてるとこは指摘してあげるべきなんじゃないのかな。いや、こういうのはすごく雪花さんらしいけどさ」
「いや、いいものはいいとちゃんと認めろってじっちゃがいってた。だからこれで大丈夫だとボクは思うよ!?」
 快の控えめなツッコミは入るものの、いやこれはこれでと夏栖斗が間に入ってそれを阻止。これからミニスカサンタで居て欲しいから。男の子だから。
「プレゼント交換……僕からはこれです! ロボット掃除機!」
 そんな二人は置いておいてプレゼントの交換に来ていた三千はロボットの掃除機を雪花に渡していた。
「ほら、畳の部屋に置いたら便利かなって思って……一生懸命動いてて、結構かわいいんですよ」
 プレゼントのお返しに雪花から戦国武将なりきりセットを貰って、三千はこんな僕でも喜んでもらえたと、心の中でジャンプした。

 最後は再びお茶。
「見ていなさい桔梗、これがジャパニーズ土下座です。父がいつも母にしていたのを見ていましたからね。この角度、フォーム……パーフェクトです!」
「けっこうなお手前で……ってえいみー!? なぜいきなりジャパニーズドゲザスタイル!?」
 英美と桔梗、それぞれ作法を知らないようであり、雪花から「ただ楽しめば良いですよ?」と、言われていた。なので、それぞれお互いにお菓子を食べさせたりしながら楽しんだ。
「メリークリスマス!」
 最後はみんなで一緒になって、声をかける。
「はい。メリークリスマス」
 家族のような関係で、いつまでも幸せに暮らせますように。

●それぞれのメリークリスマス
 人と同じでなくても、クリスマスの過ごし方はそれぞれだ。
「お邪魔しますよ~」
 和風パーティと聞いて苺大福片手に駆けつけたきなこは、雪花のお茶とお茶菓子を楽しみにやって来ていた。それと、せっかくだからミニスカサンタ衣装も着る。
「恋人は居ませんが! 居ませんが! えぇ、大事な事なので二回言いました」
 手に力を込めて力説しながら、ミニスカの丈を気にする。やっぱりちらちらと見えてしまいそう。
「雪花さんも大丈夫なんでしょうかねぇ。あぁ、そういうプレイですか」
 一人納得するきなこだった。

 癖で一度見回ってから、リーゼロットはミニスカサンタの衣装を受け取ってどうしようか迷っていた。
「今回は普通に楽しませてもらうとしましょうか」
 迷っていたが、とりあえず着て雪花のお茶を楽しむことにした。作法は知らないが、雪花が「お茶は自分なりに楽しめばよいのです」と言ったので、素直に、自分の心赴くままに。
「……けっこうな、おてまえで」
 でも、苦かった。顔色は変わっていないが、リーゼロットは内心大変である。
(果たして素直になってもいいのでしょうか? あ、でもお菓子おいしい……)
 お茶の妙を一人楽しむリーゼロットを見ながら、雪花はニコニコと笑顔を浮かべていた。

 このミニスカサンタだらけの和風パーティを見ながら、非常にツッコミを入れたい衝動を我慢している螢衣もまた、ミニスカサンタの衣装を着ていた。馴染むためだから仕方ない。
 寒いけど、内部の厚着やニーソックスで防御もしてるし大丈夫。
「わたしのプレゼントは……わたしの力を込めた護符です」
 ずらりと並ぶのは恋愛成就から、豊胸美脚まで様々な効能が書かれた護符。
「あまり確実なものではありませんが、信じることで未来が変わるかもしれません」
 雪花が手に持ったのは豊胸美脚。……これ以上? とやっぱりツッコミを入れたくなった螢衣であった。

 茶と饅頭を楽しみながら、日本庭園を眺めてゆったりとした時間を過ごしているのは義弘だ。クリスマスにやることではないと分かってはいるが、これはこれでいいものだと思う。
「なんだかとてもずれている気がするが、まあそれはそれで構わない。大事なのは楽しもうとする心だ。楽しませようとする心だ」
 目の前で首を傾げてクエスチョンマークを浮かべているミニスカサンタの雪花を見てから、そう納得する。
(しかし、誰だ、このお嬢様にミニスカサンタが普通だなんて教え込んだのは)
 疑問。答えは出ないが、何故か時村室長の顔が思い浮かんだ義弘であった。

 いつもの通りのメイド服で参加したエリスは、苦労しているであろう組の人たちにお土産の和菓子を持ってきていた。
「ちょっと……変わった……クリスマスパーティー……と聞いて……参加した。点茶も……あるらしいので……それを……希望」
 それから、雪花のお茶を楽しむ。羊羹と薄茶を貰い、もぐもぐとしていた。
「……あ」
 そんな風にゆっくりとしていたら、足が痺れて動けない。お約束である。
「あらあら」
「……ピリピリ……来る」
 壮絶な戦いが、エリスの中で始まった。

 ミニスカサンタの衣装でお茶を貰いながら、ハイテンションに言葉を重ねているのはイセリアだ。
「お茶を頂こう。んーーーー! 苦い! だが、それがいい! 和菓子の甘みを、すっとおさめ、両者を引き立たせる! これだ相良殿! まさに人間関係の極意だな! おそれいった!」
「ありがとうございます」
 それから、組の人に絡み始めるイセリア。
「最近どうだ? アークは決戦なんぞというものをやってな。なんと! 南にいらっしゃっていたのか! それは失礼した!」
 そして、嵐のように去っていく。

 ミニスカ、ミニスカということは見せてもいいんだ? 的な考えを持ちながら、瞑はミニスカサンタの衣装を着ていた。
「勿論うちも着るぜ! うちも美少女なんだし、なんでも似合うに決まってんじゃん!」
 どーよ、とセクシーポーズ(自称)を取ったりする瞑はその脱ぐとすごい体も相まって確かに似合っている。
「え? 恋人と過ごすクリスマスの衣装に? 一人ものには脱げってか? つーか、そんなんだったら雪花ちゃん彼氏居るのかよ?」
 やんわりと困る雪花。頬を人差し指でかく瞑。
「……まあ、細かいことはいいんだよ!」
 ということで、ヤクザな人の中にイケメンが居ないか探しに出かける瞑であった。

 依頼なので、いつも通りのスーツという格好で見を包んでいる凛子は、やはりお茶を楽しみに来ていた。
「新参ものですがどうぞ。よろしくお願いします」
 ちょっと硬いけれども、それでもしっかりとお茶の作法を身につけた凛子は様になっている。
「日本のお菓子は……美味しいですね」
 お茶菓子に笑みを浮かべる凛子の姿からは、硬さがゆっくりと抜けていた。これも甘いものの力だろう。

 調度良い機会だからと、挨拶にやって来ている付喪。
「今晩は、雪花のお嬢さん。今日はお招き頂き光栄だよ。今日は、何と言うか……他に類を見ないクリスマスパーティだねえ。いや、個性的で良いんじゃないかい? 多分」
 苦笑い。
「それはともかく、今日は色々と世話になってる礼に来たんだよ。ありがとうね」
 その言葉に、色々なものが込められている。そう感じた雪花は、ゆっくりと頭を下げてお礼を言って、ミニスカサンタを勧める。
「いやいや、私は要らないよ! あんた還暦過ぎてる婆に何着せようとしてるんだい! それに恋人と過ごすって、何して過ごさせる気だい、全く……」
 愉快な人だと、付喪は思う。

 雪花を始めとしたミニスカサンタの集団、これを見ながら零児は心の中で語る。
(なんていうかだな。普段コスプレだとかに興味はまったくないんだ。しかし、しかしだ。なぜかミニスカサンタ、あれだけは例外だ。元々俺の一番好きな色は赤ってのもあるかもしれない。だがあの扇情的なクリスマスレッド、あれはちょっと反則すぎる。……ミニスカサンタは色白の和風美人にこそ似合う!)
 そんな風に思いながら、お茶を楽しむ。クリスマスケーキも土産に持ってきたので、薦めながら。
(ようはみんなが楽しめるのが一番だ。勘違いしたままでもいいんじゃないか? 和風は和風で、例年とは違った面白さがあると思う)
 心の中で、総括する。みんな楽しんでいるのだ、これはこれでよいことだろう。

 パーティに食べ物がないと聞き、思わず台所を借りて料理を作る富子は、パーティで笑顔を浮かべる若い命を見て思う。
(花子、光、アンタ達の分もアタシは、これからの人生楽しんで楽しんで楽しみ尽くしてみせるよっ。だから先に行って待ってておくれよ)
 それは、どこかに向けての言葉。
「アタシがそっちに行く時はたくさんの土産話と。おいしい料理をもっていくからね」
 いつかに向けての言葉。
「せっかくのパーティだ、アタシもいっちょ腕を振るおうじゃないか」
 色々な思いを乗せて、パーティは豪華になっていく。
 雪花を中心に、和が広がっていた。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 ということで、クリスマスの和風パーティでした。
 ミニスカサンタというお題に皆さんも食いついてきて、私の中の男の子が頷いていました。いいものですね。
 さて、書いている方も楽しいパーティでした。雪花お嬢様も喜んで、これからもミニスカサンタが本物のサンタだと思い続けるでしょう。
 お疲れ様でした。いいお年を。