●繋 会社員である若い青年は、浮かれる心情を抑えて帰宅を急いでいた。 何せ今日、発売を心待ちにしていた大人気ゲーム『アーク・クエスト』を入手することが出来たのだ。もちろん予約特典付きである。 帰ったら思い切り遊べることが出来るのだと思うと、営業周りで疲れきった足と心も軽くなると言うものだ。 鼻歌を歌いつつ道を急ぎ、安い賃貸アパートへと入る。着替えもそこそこに、薄型テレビに接続されっぱなしだったハードに『アーク・クエスト』のソフトを挿入。わくわくしながら電源を付けた。 途端。 「……?」 青年は突然目を刺した強い光――蛍光灯では有り得ない――に、思わず眉を潜めていた。瞼を強く閉じ、その光が収まるのを待つが、一向に光量が減る様子は無い。 (何だ……?) 青年は訝しく思いながらも、手を頭上にかざしてそろそろと瞳を開けてみる。 すると、そこには―― 広大な大地、平原、まばらに生える木々、そして青い空。青年は思わず絶句する。 「こ、これは……!?」 思わず慌てて周囲を見回すが、つい今しがたまで存在していた自分の部屋の中の物品、例えば薄型テレビであるとか安っぽいテーブルであるとか、そう言ったものが一つも見当たらない。それどころか室内では有り得ないはずのそよ風が髪を撫で、花の香りが鼻腔をくすぐる。 躊躇うばかりの青年は、何が起こったのか分からずおろおろするばかりで、背後から忍び寄る敵意に気付く事は無かった。 ●Darkness Quest 「これはアーティファクト事件」 『リンク・カレイド』真白イヴ(ID:nBNE000001)は、集まったリベリスタ達を見回し、常の無表情な顔で、淡々と事実を口にする。 「発売されたばっかりの人気ゲーム、『アーク・クエスト』のソフトの一つが革醒して、アーティファクトになったの。これをプレイすると、現実の身体ごとゲームの中に引き込まれる。……それで不運にも引き込まれた会社員の男性が、ゲームの中でモンスターに囚われたの。今回の依頼は、その青年を助け出して貰うこと」 つまり、既にアーティファクトとなってしまったゲームソフトは回収されているのだろうか。リベリスタの一人がそう指摘すると、イヴは頷いた。 「そう、アークがもう回収している。けど、既に中に入っている男性の救出をしなくちゃいけない。 別室に保管してあるから、みんなにはそこで実際に『アーク・クエスト』の中に入って貰って、中にいる青年を救出して欲しいの。……でも、注意して。ゲームの中で傷つくと、現実に戻ってからも傷が残る。同じように、ゲームの中で死ぬと……」 そこでイヴは口を噤んだ。リベリスタ達は、その台詞に続けられる言葉を何とはなしに察し、視線だけで話の続きを促す。 頷いたイヴは視線を上げ、きっぱりと言った。 「男性は、最初の地点からすぐ北に行った、小さな洞窟に囚われているみたい。気を失っていて衰弱はしてるけど、急げば間に合うよ。……頑張って」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:水境 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2011年04月27日(水)22:54 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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●Cast 『不退転火薬庫』宮部乃宮 火車(BNE001845):武道家 『影使い』クリス・ハーシェル(BNE001882):魔法使い 『BlessOfFirearm』エナーシア・ガトリング(BNE000422):僧侶 『ミサイルガール』白石 明奈(BNE000717):踊り子 『ニューエイジニンジャ』黒部 幸成(BNE002032):踊り子 『ガンランナー』リーゼロット・グランシール(BNE001266):商人 『イケメンヴァンパイア』御厨・夏栖斗(BNE000004):遊び人 『ナーサリィ・テイル』斬風 糾華(BNE000390):魔物使い 『Digital Lion』英 正宗(BNE000423):戦士 『おじさま好きな幼女』アリステア・ショーゼット(BNE000313):僧侶 『Trompe-l'?il』歪 ぐるぐ(BNE000001):踊り子 『百獣百魔の王』降魔 刃紅郎(BNE002093):踊り子 ●Game Start! 火車の攻撃! スライムに71のダメージ! スライムを倒した! 魔物の群をやっつけた! それぞれ3の経験値を獲得! 3Gを手に入れた! 「Bless You! 来世ではせいぜい幸せになって下さい」 倒した魔物を前に僧侶エナーシアが祈りを捧げる。それを見ながら、止めを刺した火車はぐるりと周囲を見回した。 広大な平原、そよぐ風、まばらに生える木々。全て手に触れ匂いも嗅げるが、ここは現実世界ではない。アーティファクト化した『アーク・クエスト』というゲームの中なのだ。火車は改めてゲームの中に入った喜びを感じていた。 「全く……王道ゲーム好きのオレにはたまらん依頼だ!」 「究極のバーチャルリアリティって奴? ゲー研として見逃す訳にはいかないよなー」 火車の言葉に頷いたのは明奈だ。踊り子らしくひらひらした服を着た彼女もまた、この世界の空気を楽しむかのように深く深呼吸した。 踊り子と言えば、ぐるぐもまた可愛らしい服を着て、糾華にナデナデされている。 「踊り子さんの服って可愛いよねっ」 「ええ……かわいい、かわいいわ」 魔物がなかなか懐かないと唇を尖らせていた糾華だったが、ぐるぐを見てホンワカしたらしい。今は頬を緩めて彼女を見つめている。その傍らで、敵が落とした金を数えるリーゼロット。 「敵がお金を落としてくれるとは良い世界ですね。自分達の世界もこうなら、スーパーの特売に並ばなくて済むのですが……」 「せ、世知辛いでござるよ、リーゼロット殿……!」 たった3Gを大切に数えるリーゼロットの背中を見つめ、赤いド派手なシャツを着た(どちらかと言うとスーパースター風な)幸成が切なげに眉尻を下げる。と、ここで戦闘終了後の空気を途端に引き締める者が現れる。 「みんな、そろそろ行こうぜ。ゲームの世界が面白いのは分かるけれど、私達は青年の救出に来た訳だからな」 そう言って皆を促したのはクリスだ。そう言う彼女の表情は真剣そのものである――が、クリスもやはりゲームの世界を楽しみにしていたのだろう、アホ毛がぴこぴこと楽しげに動いている。 「えぇ、もうちょっと待ってくれよー」 戦闘中から蟻の巣を見つけて木の枝を突っ込んでいた夏栖斗が不満げな声を上げた。遊び人である彼は仲間達の戦闘中も容赦なく遊びに精を出している。 むろん彼の主張は退けられ、一行は前方にうっすらと見える洞窟へと向かったのだった。 ●Cave 幸成の攻撃! 洞窟蝙蝠Aに71のダメージ! 夏栖斗はコインを空高く投げて手の平で受け止めた! 表だった! 夏栖斗はニヤリと笑った! 火車の攻撃! 洞窟蝙蝠Aに71のダメージ! 洞窟蝙蝠Aをやっつけた! 刃紅郎は腰ミノを振って魔物を誘った! 洞窟蝙蝠Bは誘われなかった! リーゼロットの攻撃! 洞窟蝙蝠Bに100のダメージ! 明奈はバールのようなものを振り回した! 洞窟蝙蝠Bに81のダメージ! 洞窟蝙蝠Bをやっつけた! 糾華の攻撃! 洞窟狼に79のダメージ! 洞窟狼をやっつけた! 魔物の群をやっつけた! 洞窟狼が起き上がって仲間になりたそうにこちらを見ている! 仲間にしますか? 糾華が急いで「はい」と答えると、茶褐色の毛をしたふさふさの狼が嬉しそうに近付いてきた。糾華もまた幸せそうにその毛を撫で、 「うん、良い子ね」 そう言って目を細め、ゆっくりとその狼の上に乗る。どういう仕組みか彼女の視界隅に魔物の名前『ウルフン』というタグが出現する。 「僕に乗ってもいいよ! あざっちゃん!」 コインを仕舞ってそう言う夏栖斗に、糾華は狼の上から蹴りを入れた。 そんなハプニングを除けば、一行は順調に洞窟の中を突き進んで行った。何せ総勢十二人の大パーティである。エナーシアが「四人パーティを想定して出てきた敵を十二人で殴るのって既にイジメよね」と評した通り、遊び人が遊びに精を出しても誰もダメージを負わずに済んでいる。 「数の暴力ですね」 リーゼロットも冷静にそう分析する。 なぜか薄暗い褐色の洞窟内をしばらく進むと、やがて一行の前に一つの木箱が出現した。クリスは好奇心が刺激されたか、アホ毛をぴこぴこと動かしつつ言う。 「あれは宝箱か?」 「むむ、宝箱!?」 サングラスの奥の目を見開く幸成。 「罠の可能性もあるでござるが……それでも開ける! それが宝箱のロマンに御座る!」 「そうだよな! よし、任せろ!」 飛んで行く夏栖斗。しかし一抱えほどの大きさの宝箱に到着し、背後を振り向けば、仲間達はみな遠巻きに見守っている。 「……どうしたんだよ?」 「自分達は、やる気満々の夏栖斗殿に任せて温かく見守っているでござるよ。罠かもしれぬで御座るからな」 「さっき宝箱のロマンがどうのって言ってなかった!?」 少し距離を取りつつ手を振る幸成に、夏栖斗はとりあえずツッコミ返すと、ブツブツ言いながら宝箱を開ける。 なんと! 宝箱は人食い箱だった! 幸成は蝶のように踊った! 回し蹴りが人食い箱に命中する! 人食い箱に73のダメージ! 夏栖斗は鏡を取り出し覗き込んだ! 「やだ、イケメン遊び人過ぎて僕がこわい……」 夏栖斗は鏡に見とれている! エナーシアはリボルバーをぶっ放した! 人食い箱に91のダメージ! クリスの攻撃! 人食い箱に87のダメージ! 人食い箱をやっつけた! 「少し離れて見守っていて良かったわ」 額の汗を拭いながら糾華が言うと、明奈もしっかりと頷いた。 「ああ、宝箱は開ける! でも罠が怖いから開け係に任せる! この作戦で完璧だよな!」 そう話し合う二人をジト目で見る夏栖斗の肩を叩き、火車が「次はオレが開けるぜ!」と意気込みを語った。 そうして数度モンスターとエンカウントし、一行が黙々と洞窟の中を歩く事二十分ほど。火車の心意気を見せる場面がやって来た。 洞窟の隅にぽつんと出現した小さな木箱。 「また宝箱だ」 クリスがやはりぴこぴことアホ毛を動かしつつ言うのに、火車が我先にと宝箱に飛びついた。 「さて……どんなお宝が眠ってっかなあ?」 「神のご加護を」 「お金が入っていたら自分に下さい」 エナーシアが祈りを捧げ、リーゼロットが要求を出しつつ後ろに下がった。リーゼロットの言葉にエナーシアは首をかしげ、肩越しに彼女を振り返る。 「お金は現実世界に戻ったら使えないでしょうし、そこまで執着する事も無いんじゃない?」 「何を言っているんですか」 リーゼロットは眉根を寄せる。 「もし私達が何らかのトラブルでこの世界に閉じ込められたらどうするんです。税金も払っていないし、年金もアテにならない。今からコツコツお金を貯めておきませんと」 「……そんな事を考えないといけないゲームは嫌だわ……」 「おっ!」 突然上がった火車の歓声に、二人は慌ててそちらを見る。火車は宝箱の中に屈み込むと――今度はどうやら人食い箱では無かったらしい――きらきらと輝く物を取り出し、仲間達を振り向いた。 「こんな物が入っていたぜ」 火車の手の平に載っているそれは、球の形をしていた。淡い青い光を放つそれを覗き込む仲間達。 「何かしら、これ」 「まあ、罠って言う感じでも無いみたいだしな。とりあえず持って行こうぜ」 糾華の言葉に夏栖斗が言い、頷いた明奈がアイテムを懐にしまった。 水のオーブを手に入れた! ●Boss 幸成が「モンスターが可哀想な気がするでござるよ」と評するようなザコモンスターエンカウントが続いた後、一行はやや広めの空間へと辿り着いた。奥までは十メートル、天井までの高さも十メートル程といった所だろうか。 しかし、その空間にはぴりぴりと張り詰めた雰囲気が充満していた。いよいよボス戦か……と身構える一行の眼前がふうっと輝き、全長十メートルはあろうかと思えるような石の塊が現れた。 この洞窟のボス、ゴーレムだ。 「これがボスか……。んじゃ、かっこ良く倒しちゃいますか!」 そう言ってトンファーを握る夏栖斗。 「私がいる限り、誰も大怪我なんてさせないよっ。みんな、頑張って!」 アリステアの張り上げた声に皆が頷き、駆け出す。と同時にゴーレムも動き出した。 戦闘開始だ。 幸成は華麗な動きでギャロッププレイを放った! ゴーレムに30のダメージ! 夏栖斗は斬風脚を放った! ゴーレムに84のダメージ! 火車は業炎撃を放った! ゴーレムに53のダメージ! リーゼロットはシューティングスターを使った! リーゼロットの身体に力がみなぎる! 明奈はバールのようなものでヘビースマッシュを放った! ゴーレムに66のダメージ! クリスはシャドウサーヴァントを使った! クリスの身体に力がみなぎる! 糾華はシャドウサーヴァントを使った! 糾華の身体に力がみなぎる! エナーシアはシューティングスターを使った! エナーシアの身体に力がみなぎる! ゴーレムは腕を振り回した! 幸成は110のダメージを受けた! 夏栖斗は108のダメージを受けた! 火車は112のダメージを受けた! 正宗はリーゼロットを庇った! 正宗に115のダメージ! 火車は明奈を庇った! 火車に107のダメージ! クリスは111のダメージを受けた! ウルフンは糾華を庇った! ウルフンに115のダメージ! ウルフンは意識を失った! エナーシアは107のダメージを受けた! 「硬って……!」 夏栖斗が呻く。ゴーレムは硬く、特殊攻撃も効果が無いようだ。遊び人である彼が遊ぶ事を考えないほどちょっと切羽詰っている。背後でぐるぐがぷっぷくぷーと楽器を鳴らしつつ応援しているが、ほとんど耳に入らない。 「くっ、エナーシア、頼む、回復を……」 明奈を庇って二人分のダメージを受けた火車がエナーシアに声をかける。が、リボルバーを構える僧侶・エナーシアは一顧だにしない。 「そんなこと出来ないわ」 「何でだ!?」 「好奇心と経験値に飢えた勇者一行のパーティでは、モンスターの冥福を祈るのに忙しいの。そんな事まで手が回らないわ」 「大丈夫か、火車さん……! あ、そうだ」 自身を庇った火車に手を貸しつつ、明奈は懐に手をやり、先ほど入手したオーブを振りかざした。横では駆け寄って来たアリステアが火車の手当てを行っている。 「もしかしたらボスに効果があるアイテムなのかも……、頼むぜ!」 明奈がかざしたオーブが一際輝く。と同時にオーブがぱちんと真っ二つに割れ、中から現れた鉄砲水がゴーレムを直撃する。 「お、おお?」 水を浴びたゴーレムが咆哮を上げる。が、瞬きの後水の中から現れたのは、先ほどとはほとんど変わらないゴーレムの姿だった。 「だーっ、やっぱ駄目じゃーん!」 「――いや、待て」 明奈の言葉にクリスが鋭く応じる。先ほどまでは鉄壁のように硬かったゴーレムの土で出来た装甲が、水に濡れて柔らかくなっているのだ。 「これなら行けるかもしれぬでござる……ギャロッププレイ!」 わざわざステップを踏みつつ幸成が繰り出した技は、土くれとなったゴーレムの右腕にしっかりと絡みついた。 「それなら私も……!」 クリスの発した気糸もゴーレムの左腕に絡みつく。咆哮を上げるゴーレムを見上げ、幸成は振り向いた。 「今でござるよ!」 「よし……確実に削らせて貰いましょう」 とリーゼロットが1$シュートでゴーレムの腹を打ち砕けば、 「斬風脚を使う度あざっちゃんの事思い出す僕一途だよね!」 再度かまいたちを作り出した夏栖斗がダメージを与える。 その傍らでは、糾華が自身を庇って倒れた狼に手を触れていた。 「ウルフン……」 その声に応じるかのように、わずかに意識を取り戻した狼は彼女の手をぺろりと舐めた。糾華はきゅっと唇を引き締める。振り向き、ゴーレムと相対した。 「――食らいなさい」 静かに手を触れたゴーレムの脚部には死の爆弾。それが数瞬後に爆発し、ゴーレムの態勢を崩させる。 「後は任せて」 そして、感覚を研ぎ澄ましたエナーシアの1$シュートが、確実にゴーレムの頭部を打ち抜いたのだった。 ●End ゴーレムを倒すと、出現した時と同じように強い光が溢れ、瞬きの後にその巨体はリベリスタ達の前から消えていた。これでボス戦は終了だ。 しかし、彼らにはまだ一つやらなくてはならない事があった。この世界に来た理由――会社員の青年を救出しなければならないのだ。しかし、見回してもその姿はどこにも見当たらない。――いや。 「……あそこに、また宝箱が」 ぴこっとアホ毛を動かしクリスが示す。空間の奥に、宝箱が忽然と出現していたのだ。その大きさは今まで見た宝箱よりも大きく、まるで人間を入れられる位の―― 「まさか」 リベリスタ達は顔を見合わせ、駆け寄り――そして宝箱を開いた中には、くの字に身体を曲げて眠るスーツ姿の青年の姿があった。 「やっぱ青年はボスを倒したご褒美だったんだな」 夏栖斗が言うのに明奈は頷き、眠る青年の腕を自身の肩に回し、担ぎ上げた。 会社員を手に入れた! 「これで、ひとまず終わったみたいですね」 リーゼロットが軽く息を吐きつつ言うと、正宗が苦笑した。 「なかなか興味深い世界だった。……これゲームで再現すると、開発者何人倒れるかな」 「再現した場合は『王』という職業も加えて欲しいものだ」 正宗の言葉に刃紅郎が真面目くさって頷いた。 「よし、帰るぞ。早く戻って現像したいんでな」 火車は持ち込んだデジカメでこの世界を撮影していた。現像するために我先にとセーブポイント――現実への道――へと飛び込んだ。 「自分も帰還したら『アーク・クエスト』を買って存分に楽しむでござるよ。にんにん」 幸成もそれに続き、続々と仲間達もそれに従った。 糾華は弱々しくこちらを見上げる狼にそっと手を振った。 「さよなら、ゲームの中のお友達」 仲間達が帰還していくのを見、残された明奈は眠りこける男性に目をやり、小さく笑った。 「この人もこれでトラウマにならずに、またゲームで楽しく遊んでくれるといいな!」 自分と同じくゲーム同好の士だ。そう願わずにはいられない。 その思いが届くことを願い、明奈は仲間達の後を追った。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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