●『Tug of War』 それが元々は何だったのか、もう誰にもわからない。 工事関係者や登山客が投げ捨てた、煙草の吸殻。バーベキューの後に残された、燻ったままの炭。あるいは、大人に隠れて楽しんだ、火遊びの残滓だったのかもしれない。 だが、そんなことはもはやどうでもいいことだ。 森が燃えている。 山が燃えている。 突如、山中の工事現場から上がった火の手は、巨人が手を伸ばすかのように、四方へと領地を広げていった。 その勢いを止めることは、もう誰にも出来ない。 その炎を鎮めることは、もう誰にも出来ない。 麓から不安げに眺める人々は、ただ祈ることしか出来なかった。山の神の祟りだ――そう言って泣き崩れる老婆が、より一層恐怖を煽る。 人々は知らない。 空を赤く染める大火の中心に、青と赤、ふたつのヒトガタが立っていることを。山の神ならぬ邪神のごとく、哄笑を上げていることを。 ●『万華鏡』 「これは、明日には現実になる未来」 そして、貴方達が変えるべき未来。いつになく真剣な面差しで言葉を紡ぐ『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)からは、普段の人をくったような余裕が消えていた。 「山の中の工事現場。そこに、エリューションが現れるの。炎のエリューション・エレメント、フェーズは2」 それは人の形をとった炎。高温のあまり青白く色づいた身体は、触れるもの全てを焼き尽くす、歩く災いといっても過言ではない。 「面倒なことに、このエリューションは厄介な能力を備えているわ。『自分の複製を作り出す』、そんな能力」 作り出された複製は、温度の落ちる赤い炎。とは言っても、流石に同時に生み出すことの出来る複製は一体だけらしい。そうと聞いて、要は本体から倒せばいいんだろう、という声が挙がった。だが、この天才少女は首を横に振る。 「それだけなら、フェイズ2にも満たなかったのかもしれない。けれど、これは違う。貴方達は、この二体を同時に倒さなければならない」 ざわつくリベリスタ達にイヴは告げる。複製を倒されても、本体が健在であればすぐに復活できるのは説明の通り。その上、本体が倒された時に複製が生存していた場合、複製は秘めたエネルギーを開放し、周囲を焼き尽くすのだという。 「多分、どちらを先に倒しても、十秒くらいなら余裕がある。できれば、ううん、絶対にその間に両方を倒して」 もしかしたら巻き込まれても死なないかもしれない。怪我だけで済むかもしれない。けれど、所詮『かもしれない』――。頑張って、と送り出すイヴの声は、僅かに震えていた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:弓月可染 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年05月01日(日)22:06 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 陳腐な形容ではあるが、戦場はまさに火の海と化していた。 石くれまでが爆ぜて燃え上がるほどの獄炎の渦。運命に愛されたリベリスタ達でなければ、この中では生きていられまい。炭になるより先に、蒸発してしまうのがいいところだろう。 「舐めないでくださいよ」 肩から先を無骨な砲塔と成した小柄な少女が、苛烈なる炎の中でなお冷気を保つ視線で敵を射抜く。『デストロイド・メイド』モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150) の息は、荒い。 はぁ、はぁ。 限界。肩で息をする彼女は、既に戦うことの出来る限界を超えている。それでも、倒れるわけにはいかなかった。視線の先にゆらり蠢く、赤い赤い炎――。 「――舐めないでくださいよ」 もう一度繰り返し、彼女は右腕をぴたりと構えた。 ● その少し前のこと。 「洒落にならんよねえ、これ」 あまりの惨状に、『通りすがりの女子大生』レナーテ・イーゲル・廻間(BNE001523) は溜息を漏らす。ひときわ大きい岩陰に隠れたリベリスタ達に、熱波が容赦なく襲い掛かっていた。 「どうせ燃やすなら、重機だけにして頂ければ大御堂重工としては儲かるのですが」 字面は軽口、声色は冷徹、浮かぶ表情は仏頂面。メイド服を着た瀟洒な少女が、身体と一体化した巨大な火気を抱えているさまは、ある種異様ではある。もっとも、リベリスタには良くあるように、見かけ通りの歳ではないのだが。 「融通を利かせては頂けないようで」 鋼鉄の機材が飴のように溶け、岩の表面は高熱のあまり硝子のように変質していた。建設中の工事現場。休日で無人だったのが、唯一の救いだろう。 「そうそう。山火事はなかなか止まらないし。火の始末は根元から、ってね」 「始末か。その通りだ」 その身に羽織るのは、さながら陣羽織。レナーテの呟きに、『紫電』片桐 文月(BNE001709) が何かを押さえつけるような声で同意を表す。 (ふん、エレメント風情が意思を持つ直前に到っているとはな) 始末。そう、此処で始末すれば、それもどうでも良い事だ。心を平らかにせよ――超重の大剣を手に、彼女は揺れる意識を鎮めてみせる。 「桜も散って、やっと芽吹きの季節ですのに……」 『穢翼の天女』銀咲 嶺(BNE002104)が、いっそ恨めしげなほどに残念がる。人の手で切り開かれてはいるものの、周囲にはまだ森が広がっていたのだ。だが、新緑の季節を迎えて、それらは姿を消した。燃えていなくとも、水分を失って枯れ木と化している。 「あんなものが、祟りでなどあるはずがないのですから」 そう。この岩の向こうに待つ、あれはただのエリューション。萌える緑を奪ったもの。そして人の命を奪うもの。害為すものを倒すこともリベリスタの務めだと、嶺は杖を握り締める。 「でも、祟りと言いたくなるのもわかるよ」 万華鏡が映した未来は、全てを奪いつくす惨状だったから。四条・理央(ID:BNE000319)はカレイド・システムへの感嘆を抑えきれない。ヨーロッパの組織が欲しがったと噂で聞いたのも、納得できる。 「だから、食い止めるよ、絶対に」 手には命綱たる書物。理央の掌が汗ばんでいるのは、暑さのためだけではあるまい。 「なんだか燃える炎の依頼に縁があるような気がするぞ」 炎らぶ、すなわちほのらぶだな! そんな彼女らの決意をぶち壊すかのように、『百の獣』朱鷺島・雷音(BNE000003)が素っ頓狂な台詞を宣った。そのうちボクはほの萌えになりほの嫁となるのだろうか、と続ける雷音。思春期の少女はなにかと複雑らしいが、真顔で言うあたりたちが悪い。 「まあ、それはそうと、戦いは戦いだ」 頑張ろう、と完結する彼女の後ろで、峰と理央が顔を見合わせている。 「同時に倒せ、とは」 八人のうちで唯一の男性、『宵闇に紛れる狩人』仁科 孝平(BNE000933) は苦笑いを浮かべる。いくつかの戦いを経たが、その中でも今回の相手は変り種だ。――しかも、シビア極まりない。 「まるで綱引きですね」 苦笑いであっても、笑えるところは流石というべきだろう。その孝平を鼻で笑う『人間失格』紅涙・りりす(BNE001018) の諧謔は、更に上を行っている。 「首に縄をかけて、お互いに引き合うようなゲームを綱引きとは言わないと思うけどね。僕は」 「むしろ綱渡り、でしょうか」 律儀に返す孝平に、でもまぁ、と咥え煙草のまま囁くりりす。片目の視線を岩向こうに投げ、ちき、とカッターナイフを鳴らせば、現れる赤黒い蛮刀。 「そういうのは嫌いじゃない。『敵』とは言いがたいけどね――」 春の余興にはちょうどいいんじゃないかな。そう彼女が肩をすくめれば、楽しいハイキングで何よりだ、と文月が嘯いた。 ● 迫る者、射る者、守る者。 「さ、くーるにイこうかね」 りりすの姿がぼやけ、次の瞬間には、青紫の炎の相対的『後方』へと距離をおいて現れた。それに続いて戦場を乱舞する、孝平と文月のイリュージョン。 「なんとも、凄まじい速さですね」 嶺の視界には青と赤、二体のエリューション。右手をばっと振ったかと思うと、彼女は杖を頼りに細い細い糸へと念を込める。 「鶴の羽根製の気糸です。織れば高価ですよ」 風に吹かれて舞う糸が、力を得て質量を持つ。蛇がのたうつように宙を這い、青い炎――フレイムシェイドの胸を射抜く。凛として立つ彼女の背中には、灰色の羽根。 「陣を敷きて四方の守りと成す。結界よ、在れ!」 左手で複雑な印を描く理央。彼女を中心に、清浄なる気が戦場へと広がっていく。陰陽の奥義たる守護の領域を展開する彼女を、右手の書が支えている。 青と赤の炎。リベリスタ達はこの二つを同時に打倒する道を選んだ。速さを極限まで高めた軽戦士達が中心となって前衛を務め、強大な火力を備えた後衛達が轟炎を掻き消すほどの矢弾を浴びせる。それが彼らの描いた図式。 「ちょっ、これ気に入ってたのに」 空を舐める炎が爆ぜる音。フレイムシェイドの腕がレナーテの肩をかすめる。肉の焼ける音。臭い。だが彼女にとってそれ以上に痛手なのは、お気に入りのヘッドホンが溶けてしまったことらしい。 「黒焦げになって死ぬのは勘弁願いたいね、ホントに」 まとわりつく炎を強引に振り払った彼女は、両手の盾を叩きつけて反撃に転じる。 「……なるほど、大した熱量だ」 青き炎を挟んだ反対側には、眼帯のりりすが回り込んでいた。イイ攻撃だよお嬢さん、と向かいに透けるレナーテに一声くれて、鋭い歯が波打つ剣を右に左に振るえば。鮫が獲物を食いちぎるかのように炎の身体を抉り取る。 「まあ、恰好よく勝とうなんて思っちゃいない。セコくヤるだけさ。相応にね」 鋼板をやすやすと貫通する対戦車ライフルが、低く吠えた。赤いヒトガタの胸を、堅さを極めた徹甲弾が引き裂いていく。質量を持たない存在。だが、リベリスタ達の攻撃は確かにこの炎の塊に通じていた。 「よりによって人の形を取るとは。人型というのは地球上で最も撃ち殺すのが簡単な形状なんですよ」 皮肉げに言い放つモニカの声に見え隠れする、僅かな焦りの色。ダメージコントローラーを自任していた彼女だが、事実上、複製側の専属となっていた。 「押し切れん、か……?」 跳躍。長い長い銀の髪の残影だけを後に残し、文月が奔る。長大なる刀を紅蓮の炎に突き立てれば、牙持つ者の血がもたらす本能が躍動する生命力を吸い上げた。 「――だが」 戦いの中でこそ、心を平らかにせよ。先の言葉をもう一度繰り返し、諸々の膨れ上がる負の感情を押さえつける。それすら意のままにならなければ、どうして復讐を果たすことができようか。 「みんな、偽者の方が薄いのだ!」 後方で戦場を俯瞰していた雷音が声を上げる。ただでさえデュプリケイテッドに対する火力は、青い炎の回復能力を考慮しても、本体側よりかなり薄かった。その上に、理央は赤い炎の猛威を一手に引き受け、自分で自分を癒すのが精一杯。集中に集中を重ね、ありったけの力をこめて生み出した鴉は期待以上の働きを見せていたが、火力の欠落の影響は大きい。 「連携をたいせつにするのだ。大丈夫、後ろはボクが守る」 フレイムシェイドの熱量を受け止めるレナーテの全身が、熱気を裂いて届けられた符を受けてほのかに青く輝く。こんなときにまで眠そうな顔を崩さないレナーテに、あれはただものではないな、と雷音はもっともらしく頷いてみせる。 呼びかけに従い、本体を攻撃していた幾人かが複製へと矛先を変えた。次々と裂き刺さる攻撃。だが、赤い炎は衰える様子を見せない。 「そちらも削っていきましょう!」 まだ余裕があると見て、冷静に観察していた孝平が注意を促す。応援に回った者も、本来の相手へと矛先を戻そうとする。だが、しかし。 「なっ……!」 デュプリケイテッドを中心にして、突然炎の波が沸き立ち、同心円を描いて広がった。たちまち足元をあぶられるリベリスタ達。孝平、そして嶺の瞳が激情に染まる。 「こ……のっ! 炎如き、切り裂いてみせます!」 嶺の気糸が乱舞する中を、孝平の幻影だけが現れては消え、死角へと回り込んでいく。手にした刺突剣を、赤い炎へと突き入れる孝平。そして、その時。 「消えた……?」 あれほど燃え盛っていた紅蓮の炎が、突然煙のように掻き消えた。一瞬、何が起こったか判らず、彼らはその手を止める。そして、しまった、という雷音の声。 慌てて青い炎へと殺到する一行。だが、既に遅く。 にやり、と。 青い炎の揺らぎが、笑みを湛えたように見えた、気がした。 リベリスタ達に走る戦慄。次の瞬間、先と変わらぬ赤い炎の塊が姿を現した。 ● もし直接の原因を求めるならば、目視以外の確たる指標を、彼らが持っていなかったことだろう。斬り付けた手応え、かわされてしまった攻撃。そういった情報こそ必要ではなかったか。一度複製が蘇った今、天秤のバランスを取る方法は失われていた。 「汚名は雪ぎます。銀咲の系譜に賭けて」 故に、彼らは全力で蘇った赤い炎を叩かねばならなかった。す、と嶺が動き、赤い炎の懐へ押し入ったかと思うと、魔力を込めた杖で強かに殴りつけた。既に、精神を支配していた怒りは、レナーテによって解き放たれている。 ソードミラージュほどの速さではない。だが、意外と単調なデュプリケイテッドの動きを読みきった嶺の動きは、追随を許さぬ達人の業にも似ていた。 「ふふん。いいね、少しはましになってきた」 神速のステップを踏みながら、りりすが蛮刀を振るう。嬲るように。削いでいくように。ちらりと見える鮫肌の痣。ヨゴレサメは狙った獲物を逃がさない。しかし、まだ駄目だね、とりりすは続ける。 「強いだけじゃ僕の心は燃え上がらないのさ」 嘯く台詞に怒ったわけではあるまいが、複製の炎が彼女に迫る。ちり、と前髪を焦がしながら、かろうじてそれを避けるりりす。――僕が焼き魚になったら、あいつらの笑いのネタにされるじゃないか。 「まったく、スカートが焦げちゃったのだ」 直接近接していないと言えど、文字通り戦いの火の粉は後衛にも降り注ぐ。随分風通しの良くなったスカートを見て、まだまだだな、と嘆息する雷音。 「任せてくれと言ったからには、全員無傷でないと意味がないのだ」 とはいえ、彼女の支援は十分なほどの恩恵を前衛達に与えていた。自身のケアを中心にせざるを得ない理央に代わって雷音が放つ符は、力ある霊符となって奮闘する孝平を包む。 「ええ、任せますよ」 後衛を信じなくて、どうして敵の懐に斬り込むことができるだろう。真摯な孝平の声に、雷音は頷きを返した。 そうして、彼らはひたすらに闘争の歯車を回す。 だが、歯が欠けて噛み合わなくなった歯車を回し続けた先には、何があるというのだろう? 「まだかな?」 式神を降ろしたのは、もう何度目か。鋭い鴉の嘴が果敢に赤い炎へと突きかかり、その注意を理央へと誘う。優しげな雰囲気に似合わず、その瞳には不屈の意思。だが、守護結界が和らげてくれるとはいえ、肉を焼く痛みを繰り返せば肉体も精神も磨耗していく。 だから、熱波を浴びたとき、それが何を意味するか彼女は理解できなかった。 「フィクサードも、エレメントも! 全て斬り捨ててみせる!」 突然の絶叫。持ち場を離れた文月がフレイムシェイドに斬りかかり、遮二無二に大太刀を振り回す。 「私の目の前で、こんなやつらを生かしてはおかない!」 ――あの、冷静であろうとしていた文月が。その時、理央は気付く。二体の炎が放つ、憤怒の炎。 「廻間っ!」 「任せて」 短く答えたレナーテの放った光が、文月を狂わせた熱情を祓う。だが、その光は全てをあるべき姿に正したわけではない。神秘の光の恩寵を拒絶した剣士が、炎の化身へと迫る。 「楽して勝てる相手ではありません。ましてや手加減など!」 二度囚われた孝平。決して彼の意思が薄弱だったわけではない。それはもはや運否天賦の問題。だが、傾いた天秤は僅かな不運すら許さない。青い炎の限界点がわからなくなった時から、歯車の瓦解は避けられなかったのかもしれない――。 「全力を!」 青い炎があっけなく姿を消す。理不尽な怒りから開放された孝平は、熱に火照った顔を蒼白に変えて叫ぶ。言われるまでもなく、火力を叩き込むリベリスタ達。 だが、後一歩届かない。 赤い複製が、にやりと笑ったように見えた。そう、オリジナルと同じように。 世界が、白く染まる。 ● かくして場面は冒頭へと戻る。 彼らの視界を埋め尽くした爆炎は、周囲の全てを飲み込もうとしていた。気力一つで立ち上がったのは、レナーテとモニカ、ただ二人のみ。 「私にも、プライドがあるから。微妙にね」 悔しさを堪え、レナーテは二枚の盾を構え、足を踏み出す。モニカを庇ってやりたいところだが、もうそれどころではないことはわかっていた。熱風の中に立つデュプリケイト。あれだけは、何を引き換えにしても倒さなければ。 「無理はしないつもり、だったけどね」 世の為人の為、とは諧謔か。敵の事情も自らの命すらも容赦なく切り捨てて、彼女は大盾を『敵』へと叩きつける。効いているかは判らない。けれど、最後まで諦めはしない。 「学生さんが出しゃばるものじゃないですよ」 憎まれ口は口先だけで。レナーテの背中越しに狙うモニカの砲身が、揺らぐことなくぴたりと狙いを構える。 「――これでも課長ですから」 ドン、と重い音が響く。貫く対戦車弾。胸に大穴を開けられた赤いヒトガタは、熱波の中に溶けて消えていった。 工事現場から出火した山火事は、付近の森を嘗め尽くし、丸二日かけて消火された。 だが、限られた者達は知っている。もしも八人が命を賭して立ち向かわなければ、消防ごときにこの山火事を鎮めることはできなかったのだと。 民間人の犠牲無し。それは、誇っていい勲章だった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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