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上X下BLYRA

●俺のターン
「それで、調査はどうなっている?」
 そこ。その場所に。彼等はいた。
「ああ、どうやら本当のようだ。断片のひとつは奴らが手に入れたらしい」
「くっ……リベリスタめ!」
「なに、焦るな。寧ろあのガードの固いあの場所から持ちだしてくれたのだ。感謝してやってもいい」
「だが、どうする?」
「そうだな……いや、明日は早くから用がある。今日はひとまず解散としよう」
「ああ、そうだな」
「ん、どういうことだ?」
「貴様、馬鹿な事を!!」
 そこで、ひとりだけ解散に疑問を持った男が殴りつけられた。
 痛む頬を摩りながら、反論する。
「何をする!?」
「何をだと!? 貴様こそ何を言っている!!」
 殴りつけた男は、それこそ激昂と言っていい剣幕で怒鳴りつけた。
「明日は新パックの発売日だろうが!!」
「その通りだ。新展開で三属性も増えるんだぞ、朝からチェックしなくてそれでも組織の人間か!」
 殴られたひとりをおいて四人は、何パック買うかな。フフ、俺は箱で買う。とかなんとか言いながら去っていった。

「クソ、どうして俺がこんな目に……見てろよ。俺がひとりであれを奪い、奴らを見返してやる!!」

●俺のターン
 その日、ブリーフィングルームのドアをくぐると『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)が彼らを出迎えるはずだった。
「フッ、待ってたぜデュエリスト共!」
 リベリスタです。それだけ心中で突っ込むと踵を返した。おかしい、部屋を間違えたのだろうか。フロア、室名、二度見三度見をして確認するがなにも間違えていない。ではさっきのあれが和泉だとでも言うのだろうか。
 部屋に戻れば、成る程。それは確かに和泉だった。しかし、彼らのよく知る和泉は少なくとも髪が三色ではなかったし紅葉型に逆立ってもいなかったと思うのだ。アーク職員服の上着を肩に羽織ってもなかったと思うし、腰にカードゲームのデッキホルダーをつけてもなかったと思う。
「この場にデュエリストがこんなにも集まるとはな……やはり惹かれあうものなのか」
 いえ、仕事で呼ばれたんです。
「貴様らの任務はこの…………やっぱり無理があると思うんですよこれ」
 挑発的な顔つきはいつもの温和なそれに一変し、何やらインカムに向かって話しだした。全容は聞き取れないが、これ前にもやりましたしとか、いいからやれニャ。シリーズもんの冒頭は天丼って決まってんだニャ。とか聞こえてくる。
 そんなリベリスタ達の視線に気づいたのだろう。彼女はとにかくオーヴァと通信をカットするとこちらに向き直った。心なしか、顔が赤い。
「こほん……えーっと、今回の任務はアーティファクトの回収です」
 そう言うと和泉は一枚の紙切れを置き、腰のデッキケースを開く。そこから現れたのは名刺大のメンコ束であった。
 嫌な予感だけを感じながら、配られた資料に目を通す。それは果たし状だ。
『リベリスタ共、神のメンコを賭けて俺と勝負しろ!』
 神のメンコだそうである。何回か打鍵してるが果てしなく語呂悪いなこれ。
「メンコ王、という流行りのゲームがありまして。それ自体はただの玩具なんですが、三枚だけ存在する神のメンコ。これがアーティファクトであることが確認されています」
 その内の一枚、『神座龍テンペスト』は以前にリベリスタの活躍で確保されている。しかし、外二枚の内一枚はこの果たし状の送り元にあるのだとか。フィクサードの手に渡れば世界に危険が及ぶと言われているアーティファクト。そんなものを回収しないわけにはいくまい。
「アーティファクトの性質上、メンコ王による勝負でしかそれを取得することは出来ません。有名なプレイヤーなのでしょう、よほど自信があるのか九頭龍戦を希望しています」
 九頭龍戦とは、メンコ王における特殊ルールであるのだとか。一対八。圧倒的な人数差。それを自ら申し出るとは相当な実力者に違いない。神のメンコを所持するフィクサード集団。その名を、
「その名を―――」
 妙な迫力に、リベリスタは固唾を飲んで言葉を待った。
 その名を、
「五天王」
 多いなオイ。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:yakigote  
■難易度:EASY ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年12月08日(木)22:44
皆様如何お過ごしでしょう、yakigoteです。

ちまたで流行りのメンコ王、というゲームでフィクサードと勝負してきてください。
メンコ王は非常にアバウトなルールと自己解釈のゲーム展開で人気を博している玩具です。
公式大会に置いてもエターナルなんとか系でもなければ大抵の無茶は審判がOKを出します。
その発想があった者勝ち、より気迫があって自分の世界に入り込んだ方が認められることは多いようです。
細かいルールなどございません、何をしようと相手のメンコをひっくり返したら勝者なのです。

※エネミーデータ
・テオドール山田
五天王のひとりにしてメンコの名門山田家の落ちこぼれ。仲間を見返すべく神のメンコ『世界王エクソダス』をデッキに投入してリベリスタに果たし状を出した。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
デュランダル
鯨塚 モヨタ(BNE000872)
デュランダル
歪崎 行方(BNE001422)
スターサジタリー
夜刀神 真弓(BNE002064)
デュランダル
一番合戦 姫乃(BNE002163)
ソードミラージュ
安西 郷(BNE002360)
ソードミラージュ
新堂 愁平(BNE002430)
デュランダル
真雁 光(BNE002532)
マグメイガス
リウビア・イルシオン(BNE003100)

●俺のターン
 メンコへの思い入れが運も実力も跳ね除ける。

 メンコ王。それは子供向け玩具ではあるものの、そのプレイ人口はけして未成年だけにはとどまらない。昨今のサブカルにいちジャンルを築きつつあるそれは。二十代、ところによれば三十代でもそのプレイヤー、デュエリストであるのだと市場アンケートは解答している。
 デュエリストにとって、神のメンコといえば憧れのアイテムだ。だが、それが本当に実在することを知るものは少ない。それはこの戦いが、誰もが渇望しつつも表沙汰になることのない世紀の決戦であることを示唆していた。
 裏メンコ会を支配する闇の組織。その実態こそしれないものの、黒い噂はよく耳にしている。その存在は、デュエリストの一般常識だ。しかし、『鉄腕ガキ大将』鯨塚 モヨタ(BNE000872)もまさかその幹部たる五天王と戦うとは思っても見なかった。
「オイラの炎デッキのパワー、見せてやるぜ!」
 青いジーンズに赤ベルト。袖の敗れたシャツにジャケットを羽織り、赤いサンバイザーを被ったその出で立ち。デュエリストっちゅーかプラモクレイジーフォー。そんな格好で『ゴッド・ウインド』夜刀神 真弓(BNE002064)は腰に木製のデッキケースを下げ、颯爽と登場した。神のメンコ。その言葉に思いを馳せる。
「前回のメンコはアークに渡したが、別に使ってしまっても構わんのだろう?」
 駄目だっつの。
『サムライガール』一番合戦 姫乃(BNE002163)は動物愛デッキの使い手だ。敵はかの悪名高き五天王。その力を知らしめるには格好の相手となろう。その強さ、とくとご照覧あれ。
 メンコ。懐かしい響きだ。『まごころ暴走便』安西 郷(BNE002360)はメンコ王の経験こそ浅いものの、メンコプレイヤーとして一切の無知であるわけではない。メンコの元祖とも言えるギャザメンコ。その思い出、経験が力となるだろう。
 熱きメンコバトル。以前、神のメンコを回収するために戦った記憶は、『パティシエ修行中』新堂 愁平(BNE002430)の中に未だ滾るそれとして根付いている。今回も負けられない。襟立ち服で仁王立ち。風邪もないのに揺れてはためくオプションを付けて、愁平は大きく高笑いをしてみせた。
『勇者を目指す少女』真雁 光(BNE002532)は、その目標のためにいつでも全力投球だ。それはこのメンコバトルであっても変わらない。勇者メンコを集めたこのデッキで、その魂を見せつけてやる。
 非常に多岐に渡る属性があることでも有名なメンコ王だが、『ぺーぱーまじしゃん』リウビア・イルシオン(BNE003100)のそれは中でもマイナーな部類に入るだろう。その名もメガネ属性。極々特定の対象にのみ強力な効果を発揮するタイプではあるが、仲間と共に多様化を極めればきっと勝利への緒が見えてくるはずだ。
『飛常識』歪崎 行方(BNE001422)の脳内でナレーションが広がっている。アークに挑戦を挑んできた五天王のテオドール山田。彼が望むのは九頭龍戦という格上のみが許される手段。その強さ、そのデッキ。いかなるものであろう。
「来たか、リベリスタ……否、デュエリスト共!」
 現れた男に、皆が皆一様にデッキを取り出し始める。口振りからして、彼がテオドール山田なのだろう。何より、その異様な髪型が確実にエキストラではないことを物語っている。
 角刈りでスーツにグラサンの審判が現れると、大きな声で九頭龍戦を宣言。そのルールを再確認させていく。
「来いよ……この俺様が神のメンコの使い方を教えてやるぜ!!」

●俺のターン
 生贄に捧げる系は基本悪いメンコ。

「名門山田家の出来損ないが私たち全員と戦おうだと? 身の程知らずが」
 真弓がひとり、他の仲間よりも一歩先に踏みいでる。口プレイは基本。
「ここは私がやる。この程度のやつは私一人で十分だ」
「真弓さんが出るまでもありません! ここはオレが……!」
「愁平さんは下がっていなさい」
「お前はチームワークをなんだと……はん、まあいい、自分の未熟さを思い知って来い!!」
 あ、この辺に地の文挟むと字数の神様が怒るんで。

「以前の私とは違う。修行を積んだ私の力を見るがいい!」
 ひとり、真弓は走る。仲間などいらぬ。孤独故の強さを信じて。
「これが新たな力! 新ドリルドリッガァァァ!!」
 それは神風のパワー。以前と比べ数倍の威力を持って、山田を沈めんと襲いかかる。だが、彼女は大きなミスを犯した。それはひとりで戦ったことか、否。腐っても山田家の嫡子を侮ったことか、否。五天王相手に属性確認も行わずに攻めに入ったことか、否。どれも違う。どれもこれも違うのだ。その絶対的理由が襲いかかり、真弓はテオドール山田にかすり傷ひとつ負わせることなく地に倒れ伏す。
「馬鹿な! 私が……山田の出来損ないごときに!」
「手前の敗因はただひとつ」
 山田はそれを告げる。勝ち誇り、かくも無慈悲に。
「それは……自分の切り札を『カード』と言ったことだ!」
「真弓さんがっ! そんな!」
 そう、これはメンコの勝負。必要なものは何が何でもメンコなのである。それを、前哨であればいざしらず。使用する段階でまで『カード』と認識してしまったこと。それはメンコバトルにおいて、一番やりがちではあるものの、一番やってはいけないことなのである。
 気持ちはわかるけどな!

●俺のターン
 乗っただけでも融合。

 モヨタのターン。
「真弓……この仇は絶対に討ってやる!」
 仲間はやられたことで、モヨタは激昂した。溶岩巨人マグマグナス、太陽機士ソーラースペリオンと強力なメンコを次々に召喚し、攻撃していく。だがそれは、怒りに身を任せた無謀なものでしかなかった。
「バーサーカーアタック!」
「ふん、貴様もバカなやつだ。わざわざ九頭龍戦にしてやった意味を理解していない!」
 モヨタのメンコは、テオドールの召喚した小型メンコ達にその攻撃を阻まれていく。炎属性の本懐はその攻撃力にあるが、その反面として搦め手に弱いという欠点も併せ持っているのだ。山田家の落ちこぼれといえど、テオドールは五天王のひとりである。ただがむしゃらに突撃するだけで敵う相手ではなかった。
「ドロー! ふ、ふははははは、引いたぞ。見せてやる。圧倒的な力を! 頂点に立つ神の存在を!」
「そんな、まさか!?」
「そのまさかだ。現れろ我が神! 世界王エクソダス!!」
 雷鳴が、轟いた。雲が割れ、大地が隆起し、その存在が降臨する。降誕。ただそれだけで能力が発動し、モヨタのメンコ達が一瞬で消し炭へと変えられた。
「こ、これが世界王エクソダスの力……」

 姫乃のターン。
「ねこちゃんやいぬさんやおおかみさんやとらちゃんやごりらさんやらいおんちゃんやうまさんやわにさんやくまさんやごりらさんやさーべるたいがーちゃんやおおさんしょううおさんやごりらごりらべりんげいさんやみみずさんだっておけらさんだってあめんぼさんだってみんなみんないきているんだともだちなんだでござるです!」
 ゴリラ結構いたな。
「たかが動物メンコ! 神の前には無力だ!!」
 そう、一枚一枚にそれほどの力はない。世界王エクソダスの能力の前で全て消し飛んでしまうだろう。だが、姫乃とてその弱点は熟知している。
「そしてその動物メンコ達をサポートするのはこの動物愛メンコ! TUNAYOSI!」
 まさかの犬将軍、どうしてどうして生類憐れみの令。
「このメンコが生きている場合は、かわいらしい動物には攻撃を加えることは出来なくなるのでござるです!」
「くっ、だがTUNAYOSIを倒してしまえばなんの問題もない!」
「けれどやられたときに特殊能力で、デッキからもののふメンコを一枚仇討ちに出せるのでござるです! いけー! KANETUGUー!!」
 あんまり動物関係ねえな。

 郷のターン。
 パーミッション。郷が使うデッキは召喚獣のぶつけ合いを主体とするメンコ王のデッキにおいて特殊な部類に入るだろう。
「カウンターサモン」
 一枚のメンコを引き換えにしたものの、その効果でテオドールの召喚したメンコを無効にする。あとはこれを構えている素振りを見せ、相手の行動を阻害すればいい。
 厄介な点を言えば、既に神のメンコ。世界王エクソダスが場に出てしまっていることだろう。郷のデッキは魚や人魚などの状況を有利にする特殊な効果を持つメンコが主体であり、神の攻撃を耐え切るようなパワーのあるメンコは投入されていない。
 だが、郷にも奥の手が存在する。賄賂のメンコ。これがあればテオドール山田のデッキからメンコを一枚掠めとることができる。まずは相手のデッキに召喚獣を戻す効果のあるメンコを使い、この賄賂を構えるだけだ。しかし、それは大きな誤算であった。
「バウンスメンコ!」
「ふはははは、神に特殊効果など効くか!!」
 そう、神は他メンコよりも上位の存在。下位メンコの効力など受け付けないのである。そいや昔、速攻相手には良く泣いたもんだ。

 愁平のターン。
「オレのデッキはスイーツデッキ~☆ 判定はオレにあまあま! 仲間にもあまあま!」
 以前、神のメンコを巡って大会に参加した際にも使用したものだが。このデッキの強力な面は、メンコ王においてただでさえ緩い審判のジャッジをさらに緩いものにする点にある。レッツ不平等。ビバ肩入れ判定。
 スイーツデッキの効果で周囲のフィールドそのものがチョコレートのように変化する。
「チョコレートラップらぶあっぷホワイトバージョン! もうすぐクリスマスだから!」
 ああ、あの儀式な。爆発すればいいのに。
「くらえー! ビスケットくらんち!!!」
 大きなビスケットが二枚現れ、エクソダスを包み込んだ。本来は相手のメンコを身動きできぬようにするものであるが。
「だが、神に特殊効果は通用しない」
 それでもクリームがベタベタしてなんか鬱陶しそうである。白いものでべたべたのかみさま……あんま萌えねえな。

 光のターン。
「お前の相手はこのボクだ!」
 勇者と呼ばれるもの。自己犠牲の精神。この二枚のメンコが、他の仲間を攻撃する世界王エクソダスの正面へとその身を割りこませた。ダメージを肩代わりするインターセプト系能力が発動したのである。他メンコとの協調性を重視する光属性ならではの能力といえよう。
 神のメンコに対して通常メンコの特殊効果は通用しないが、仲間・自分自身に対しては別の話だ。自身の強化、味方とのコンボ。メンコ単体のパワーでは神にかなわない以上、そういった連携要素の積み重ねが勝利への階段となるのである。
 仲間を庇う光のメンコが裏返った。二枚、三枚のコンボでは神の力に届かないのだ。これは九頭龍戦。八人全員の協力が必要となる。

 リウビアのターン。
「さぁ、メガネの気持ちになるのよ! 『こんな美少女の眼と鼻の先に居ることが出来て幸せですぞー!』ってね! この褒め上手!」
 なんか758風。リウビアがメガネを叩きつけ、テオドール山田のメンコを一枚ひっくり返した。フレームが跳ねる。跳ねる。
「オイ待て! それメンコじゃねえだろ!!」
 もっともな意見である。今も衝撃で飛び出したレンズがあちこちに飛び散って。あ、罅が入った。
「……メンコの定義、それは貴方が決めていい物なのかしら? 私がメンコだと信じているのよ。だから、このメガ……メンコはメンコなの」
「審判! 今こいつメガネって言いかけたぞ!!」
 ここでジャッジ。軍配をリウビアに上げる。言ったもん勝ちだ。

 行方のターン。
「彼女の犠牲、決して無駄にはしないのデス」
 7VS1。当初の予定よりも辛い戦いを強いられることになったリベリスタ。だが、何よりも辛いのは正直八頭龍戦ってなったらどう発音していいのかわかんないとこである。
「さあ光さん。英雄たる者が闇の力を備えて最強に見えるのデス!」
 行方のデッキは闇属性。相反する光属性と組み合わさることで、その強さを何倍にも引き立てる。だがそれでも光明はさしてこない。世界王エクソダスの力はもとより、テオドール山田という実力者がその性能を最大限に引き出している点が大きいのだ。神のメンコの能力に頼りきらず、逆にそれを制御してみせる腕前。圧倒的火力の前に、行方のメンコが裏返る。だが、行方の顔からは笑みが消えない。秘策あり。その内心が風貌から読み取れるようだ。
 何か嫌な予感がする。

●俺のターン
 読み返してもダメージ計算がいまいち理解出来ない。

 お前らのターン。
 強い。絶対に強い。このままでは負けてしまうだろう。希望を失いかけたモヨタに光の言葉が突き刺さった。協力せねば勝てぬのだと。その時モヨタに電流走る。そう、自分達は運命に導かれ共に戦う仲間。力を合わせればどんな相手でも勝てるはず。
「ここからはオイラ『たち』のターンだ!」
 投げるは仲間より託された都市伝説のメンコ。このメンコが作ってくれた隙を、仲間の誰もが逃さない。
「皆と力をあわせて世界王エクソダスをひっくりかえせー!」
「いくよっ! これでもっくらえええええええええええ! みんなの奥義を一つに! オレの奥義! レモネードサイダーグレートキャンディーソード!!」
 同時、光が勇者達の覚醒メンコを発動。これにより味方全体の能力を一気に上昇させる。
「見えるんだけど見えないモノって、なーんだ? 答えはね……メガネっ娘の素顔よ! 想像しなさい妄想しなさい空想しなさい。これが私の切り札……眼鏡幻想! 貴方はもう、メガネっ娘に目がねーわ! メガネだけに!」
 そして。今再び空が、割れる。
「皆さんが持ちこたえてくれたおかげでこの切り札をようやく発動できるようデス―――神を殺せるのはやはり神のみ。さあ降臨せよ! ボクの神座龍!」
 雷鳴と共に現れる。三柱がひとつ。メンコの頂点。生物が究極。神座龍テンペスト。ちゅーかコイツ勝手に持ってきやがった。
「ハッ、神を出そうと所詮は付け焼刃! そんなものでこの世界王を倒せると思うな!」
 まだだ。まだ届かない。あと一歩なのだが、その一歩が果て無く遠い。だがそこで、ひとりの手が添えられる。倒れたはずの仲間。共に戦うことを拒否したはずの仲間。真弓の姿がそこにはあった。
「く! 貴方達のことを仲間だと認めた訳じゃないからな!」
 ……風が……くる! デュエリスト達の切り札が光り輝いた。これぞ想いがひとつになった証。究極合体の前触れ。
「いけええええ!! アルティメット・エイト!!」
「馬鹿な!? 俺の世界王が! クソッ、エクソダス! 畜生ォオオオオオオ!!」
 ついに、ついに神が裏返った。膝をつくテオドール山田。
「いくら一人の力が強くたって、仲間の絆には敵わないよ!」
「お前には過ぎたおもちゃだ」
 神のメンコを回収する。これで、世界は滅亡の危機からまた救われたのだ。
 だが、デュエルが終われば戦いあった同士である。モヨタは互いの健闘を称え、がっしりと握手を交わす。
 顔をあげた山田へと、リウビアが操作したメガネをかけた。
「……良い顔になったわ。もう教える事は何も無い。貴方がこれから、メガネの素晴らしさを広めるの」
 なんか色々台無しだが、一件落着である。

「テオドール山田が敗れたそうです」
「ふん……やはり、山田家と言えど落ちこぼれだな。奴は五天王の中でも最弱。というか間に合わせ」
「語呂悪かったですしね。しかし、これで山田家とのパイプを失いました」
「問題ない。エクソダスを失ったこともな」
「!! では……まさかアレの場所を」
「そうだ。ついに見つけた……最後の神のメンコ」
 そこでその影は立ち上がる。
「ストロングホールドの原典!! 待っていろリベリスタ共! メンコ王における本当の戦いを見せてくれる!!」
 了。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
カードって打ち込んでないかだけ念入りにチェックする。