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温水プールの魔

●温水には温水の魔が住む
 水は人の生活に欠かせないものであるが、同時に水は多量になれば人に危険を及ぼすものに成り得る。そうした水の特性に対して、人々は折り合いをつけながら生活をしていた。
 時には人の命を育み、時には人の命を奪う。水には魔が住むと昔から言われているのは、そんな理由からだ。
 さて、水はリベリスタにとっても関係があるものだ。本当に魔が住んでいることがあるのだから。

 冬が近づいている今日、開園したばかりの温水プール内には溢れんばかりの人が集まっていた。流れるプールやスライダーなどの施設もあるが、やはり一番の目玉である巨大なプールであり、そこで人々は芋煮のように詰まって遊んでいる。
 なぜその温水プールに人々が集まっているのかといえば、その日は開園記念イベントということで人気アイドルグループのライブや入場料半額などの特典を得られるからだ。つまりは現金な人々なのである。
 そんな場所に、エリューションが現れた。水……正確には温水のエリューション・エレメントであるそれは、フェーズ1らしい小さな力を使って人々にイタズラをし始めた。
 例えば、水しぶきを作って人にかけたり、例えば、水流を操作して水着を脱がせてみたり、例えば、水の温度を急激に下げてみたり。
 水と見分けが付かない体と合わせて、エリューション・エレメントは人々に対して好き放題やっていた。
 しかし、イタズラをする内に「あのプールは何かおかしい」という話になって人々はエリューション・エレメントが居る場所からは離れていく。好き放題にイタズラをしていたのだから、当たり前の話ではある。
 やがて、エリューション・エレメントが居るプールからは人が居なくなった。これを、エリューション・エレメントは寂しいと思うと同時に、悔しいと思った。何故悔しいと思ったかといえば、このエリューション・エレメントは水の外に出られない体をしているのである。もし外に出てしまえば一瞬で体が崩れてしまい、形を保てなくなるだろう。人々の脅威であるエリューションらしくない、脆い体だったのだ。
 イタズラができない内に、エリューション・エレメントはムカムカとした感情を内に抱いていた。若い場所から生まれたエリューション・エレメントは、まるで玩具を取り上げられた子供じみた気持ちの中で、ひとつのことを思いつく。
 自分が大きくなればいいのだと。
 エリューション・エレメントは自分が大きくなるその時――つまりは、フェーズが上がるその日を待ちながら、温水プールの中に潜み始めた。
 やがて、このエリューション・エレメントはフェーズ2となり、改めて人々の脅威となるだろう。
 今はイタズラで済んでいるものも……いつかは。

●イタズラ小僧のような水
 温水プールのチケットを受け取りつつ、リベリスタたちは資料とモニターを見つめていた。
 このエリューション・エレメント、今は実害がほとんどないようなイタズラ小僧であるが、成長してしまえば他のエリューションと同じく人を襲い、危機に陥らせるだろう。
 それが分かっているから、リベリスタたちも仕方ない、という気持ちになった。
「ということで、季節外れだけど水着を用意しておいてね」
 いいなー。と純粋にそんな目線を向けている『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、温水プールに向かうリベリスタたちを羨ましく見ていた。
「初日ほどじゃないけど、場所は人が集まる場所。そのエリューションがいる場所は他に人が居ないみたいだけど……怪しまれない工夫は必要だよ」
 幸い、敵の戦闘力はほとんどないから安心して欲しい。そんな風に、フォーチュナっぽい助言を真白イヴは付け足す。これで仕事はした、と言いたそうでもある。
「後は、温水プール。時間が余ったら、好きなように遊んでもいいよ」
 真白イヴの言葉に、リベリスタたちもワクワクとする。タダで遊ぶ機会ができたのだ。
 とはいえ、イタズラ小僧のようなエリューション・エレメントも居る。もし水着が脱がされたりでもしたら大変だ。そこを頭に入れつつ、リベリスタたちは色々と考えを巡らせることにした。
 さて、どう遊ぼうか?


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:nozoki  
■難易度:EASY ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年11月30日(水)22:42
 はい。そんなわけで、季節はずれの水着です。nozokiです。
 温水プールというのもいいものですよね。なんたって水着ですから。水着ですから。水着ですから。

●勝利条件
 エリューション・エレメントを黙らせる。

●舞台
 最近できたばかりの温水プール内です。レジャーランドのようになっており、出店も色々と並んでいます。
 巨大なプールに、流れるプール、スライダーなどが目玉です。
 人がたくさん集まっているため、神秘の秘匿には苦労するでしょう。
 しかし、エリューション・エレメントは周囲にほとんど人のいない施設の隅にある小さな温水プールの中にいます。プール内には誰もいません。
 エリューション・エレメントとの戦闘後はこの温水プール内で中で好きに遊んでもいいようです。

●エリューション・エレメント
 温水から生まれたエリューション・エレメントです。フェーズは1で、戦闘能力はほとんど存在せず、水から上がると体が崩れていってしまいます。
 得意技は水鉄砲と水着を外すことです。時々、プールの温度を操作してリベリスタを火傷にしたり凍傷にしたりします(とはいえ、本格的なダメージにはなりません)。
 基本的には人の形をしていますが、ボディは水で作られているため、周囲の水と見分けがつきません。
 イタズラ少年のような心を持っています。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
デュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
インヤンマスター
四条・理央(BNE000319)
マグメイガス
雲野 杏(BNE000582)
ナイトクリーク
五十嵐 真独楽(BNE000967)
★MVP
スターサジタリー
リーゼロット・グランシール(BNE001266)
ソードミラージュ
鴉魔・終(BNE002283)
ソードミラージュ
リンシード・フラックス(BNE002684)
覇界闘士
李 腕鍛(BNE002775)

●温水プールの人ごみにて
 レジャー施設である温水プールへとやって来たリベリスタたちは、怪しまれないようにするためにも皆水着であった。
「ぶっちゃけ、温水プールで遊ぶために来た! 冬にプールなんて超嬉しい。もう全力で遊びまくる!」
 ピンクの髪を揺らしてはしゃぐ『ビタースイート ビースト』五十嵐 真独楽(BNE000967)だが、もちろん、遊びに来たわけではない。依頼で来たのだ。……半分ぐらいは遊びに来たと言っても過言ではないのだが。
「え……敵? ……その、わ、忘れてないよ?」
 うきわと水鉄砲を持ってえへへへ、と笑う。水着は夏に着たもので、かわいらしいビキニトップスとボトムだ。舌をペロッと出して笑う姿はどこか小悪魔的。
「ひゃぁぁぁぁ!! まこにゃん、まこにゃん!!」
 その様子に指を立ててから、鼻血を出してぶっ倒れるのは『重金属姫』雲野 杏(BNE000582)だ。真独楽に対して色々と思うところがあるのだろう。
「ぶひぃ……」
 戦う前なのに色々とダメージを受けている様子で、どこか不安な感じがする。リベリスタなら、そう思う。一般の人も、そう思う。
「神秘を護るために……水着着用は必須なんだそうです……仕方がないですね」
 水着を隠すようにしつつ皆に合流しながら、恥ずかしそうにしている『剣華人形』リンシード・フラックス(BNE002684)は、言われるままに白いツーピースを着ている。
「ど、どうでしょうか……?」
 と、顔を赤くしながら尋ねた先は李 腕鍛(BNE002775)だ。
「リンシード殿。水着似合ってるでござるな」
 その腕鍛はにこにことした表情を浮かべつつ、リンシードの水着を褒めていく。女好きである腕鍛は、目線を逸らすということすらせず、まっすぐに直視をしている。当の腕鍛自身は中世的な容姿を男物の水着で包んでおり、笑顔を見せてみれば女好きとは中々気付かれないだろう。なんという役得。
「みんなを困らせるような悪戯はよくないよね! 悪戯っ子をこらしめにいくよ!」
 水着になってテンション高くなっているのは『ハッピーエンド』鴉魔・終(BNE002283)だ。眼帯の奥に隠されたのか、ネガティブな部分は見えず、ポジティブな姿のみを今は晒している。幻視の力も使い、パーカーも羽織っているので視線対策はばっちりといったところだ。
「これで悪戯されてもきっと何とかなる。なると、信じて……」
 もし敵のエリューションに取られたりしたら、そう思うとお婿に行けない未来が考え付く。だから、大丈夫だろう大丈夫だろうと心の中で繰り返す。
「今回のエリューションは横から見るとやってる事は微笑ましいよね。被害を受けた当人達、特に水着を脱がされた人達はたまったものじゃないだろうけど」
 そんな終の心情を知ってか知らずか、四条・理央(BNE000319)は普段の三つ編みを解き、ストレートとなった髪の毛を手で流している。普段かけている伊達眼鏡も外しているので、いつもとは全く違った印象を与える姿だ。お嬢様然とした印象を与えるパレオの内側に符があるのは、ちゃっかりしているとしか言いようがないけど。
「また妙なエリューション・エレメントもいたものです」
 白ビキニに覆われた巨乳を組んだ腕で持ち上げながら、『ガンランナー』リーゼロット・グランシール(BNE001266)は無表情のまま淡々と言葉を紡いでいる。自身に無頓着な性格なので、モデルのようなその姿が周りから注目を集めていることには気付いていない。正確には人の注目を集めているのは理解しているが、自身が原因とは気付いていないだけだ。
「害を成す前にさっさと始末しておくという上の指令は正しい判断だと思います。いつも通り全力で事に当たりましょう」
 ポニーテールを腕で払ってから、戦闘のために準備体操を始めるリーゼロット。屈伸、前屈とすればもちろん揺れる物もある。巨乳だから。
(……ゆっくりできればさらに良いですね)
 その胸中は、いつもの任務優先のものより穏やかであったという。
(周りには敵しかいねー! なら、それなりに孤軍奮闘をみせつけてやんぜ!)
 さて、そんな皆の様子をビデオカメラに収めようと、望遠のビデオカメラをレジャー内の木々に設置していたのは『原初の混沌』結城 竜一(BNE000210)だ。なんていっても男の子だから、ここで無茶しなければいつ無茶するのだと張り切っている。
(役割をこなしながら、趣味を満たす! 俺のジーニアスな頭脳に限りはねえ!)
 そして、設置を終えたら素知らぬ顔で皆に合流。完璧な作戦だ。
「あと、竜一きゅんはその盗撮グッズを女の子達にあずけようね」
「しらないしー」
 もう設置したから持っていない。終の追及も見事にかわす! やったね!

●びりびり
 さて、竜一はプールの中にいた。「このリア(※不具合)め☆」と言われながら終に叩き落とされたのだが、別に怒りを買ったわけでも盗撮がバレたわけでもない。エリューション・エレメントを倒すための作戦の一環だ。
「ダイジョブ、竜一強いから! その情熱はカンタンに折れないって信じてるぞ!」
「推定女の敵はここで沈んで下さい」
(一人入らせる、その選択が間違いだと思い知らせてやる……!)
 ひっそり水着を脱がされつつも、耐える。竜一は囮を完遂しようと心を決めているから、これしきの事では堪えない。
「まず、アタシの実験の為に時間を貰うわね」
 さて、V字水着で腕組みというある意味高圧的な格好を見せつつ、杏はプールに近づいていく。入らなければ敵の攻撃は来ないはず。ならば、と手だけを入れてチェインライトニングをしようとしているのだが……。
「ひゃっ」
 プールの中から飛ばされた水が杏の巨乳と顔に引っ被る。水鉄砲攻撃もあったのだ。
「やったわねー!」
 とはいえ、ダメージはさほどない。手を入れて、チェインライトニングの作戦を再開するのだが――これは失敗に終わった。
 というのも、制御が難しい全体攻撃では派手になりすぎてしまうので、人目がある場所では一度しか使えなかったのだ。理央がフラッシュ炊きと説明しようとしたが、それでは説明にならないぐらいの雷撃であったため、不信の目が集まってしまった。
「ちぇー」
「アババババババババババババ」
 なので、竜一とエリューション・エレメントは一度痺れるだけに留まった。
「……おい、温水。おい。獲物は、誘い込むまで耐えろ。耐えた先にこそ、解き放て……!」
 しかも、竜一は痺れながらもそんなことを言っている。もちろん口元は隠し、他のリベリスタに聞こえないように。自分もこのエリューションに協力したいが、そこまで行ったらフィクサードなので、このエリューションが勝手に動いて勝手に眼福シーンを作るのを期待しているのである。
「おれはしらないからな」
 と、一応言っておくのはそういう腹だからだ。
「たぶんエリューションも死んでるでしょうし……一旦ストップで……」
 さて、雷撃でダメージを受けたエリューション・エレメントだが、温水と同化しているそれが本当に倒されたのかどうかは竜一以外のリベリスタ達に確認する術はない。(竜一は水着を引っ張られていたので気付いた)
「入って確認してみましょう……。あ……」
 なので、リンシードが入って確認しようと入ってみたところ。一瞬で水着がはぎ取られてしまった。
「事故でござるし」
 それを見ていたのは事故。武器持っていないリンシードを見守るのは自分のやるべきことで、こうして見えてしまったのは事故だと言い張りつつ腕鍛は見ていた。
「ま、まだ、生きてるみたいです……」
 急いで水着を回収して戻りつつ、手ブラのままリンシードは報告する。このままでは大変なことになってしまう。
 なので、戦いは再開することになった。ちなみに杏は疲れたのでプールサイドでごろごろするようだ。

●とにかく水着を取る
 真独楽の提案により、プールに浮き輪やボールなどを浮かべてその反応を見つつ戦うことになった。もちろん、水の中で戦うことを決めたのだから、後方で支援する予定の理央以外のメンバーは水着が脱げることもリスクに入れつつプールに入る。
「水着……水着……返して」
 反応を見せたところに勢いよく特攻し、ソニックエッジをぶち当てた終であるが、カウンター気味に水着を脱がされてしまい、プールの隅でひたすら我慢をするだけになっていた。そんなところは男女平等。
「……きゃあ! ばかばか、えっちぃ! 男子、見たら怒るからねっ!?」
 やっぱり男女平等。次はパンチを打ち込みに行った真独楽が水着を取られてしまい、腕で胸を隠す破目になった。接近戦を挑んだことも原因の一つだが、終のポロリに照れてしまって隙が生まれたのも取られた要因だろう。
「もう、いい加減にしてください……!」
 パンチやキックを闇雲に連打していたリンシードも、再び水着を取られていた。なので、隠しながらの渾身の回し蹴り。
 これがクリーンヒットしたらしく、温水はゆらりと揺れた。
「……炎出るんでござるかね?」
 取られた部分を手で一応隠すだけ隠しながら、リンシードの方を見ながら腕鍛は水中で業炎撃を試みる。……出た。
「リンシード殿! 今助けるでござる! 見えても事故でござる!」
 何となくできた業炎撃を放ちつつ、ある意味やりたい放題の腕鍛。他にも見たい対象は居るが、ぐっと堪えている腕鍛の姿に竜一は感心したとかしなかったとか。
「すべき事を、歯車のように」
 当て感を頼りに、水中で徒手空拳の構えを取っているリーゼロットはスタイルの良さも相まって絵になる姿であった。まるで映画のポスターのようでもある。
「……」
 そんなリーゼロットの白いビキニが外されて、何も包まれない白い巨乳が晒されそうになる。ポロン、と。
「外されようがどうという事はありません」
 しかし、その瞬間を待ち受けていたかのように、姿の見えないエリューション・エレメントをキャッチ。見えそうな状況であるが、冷静なままボディーブローをエリューション・エレメントに打ち込んでいく。
 これが、決着になった。思いきり打ち込まれた拳は、水で作られた体を打ち砕いたのだ。
「さらば、強敵(とも)よ……。お前の雄姿は、俺のメモリーにしっかりと刻ませてもらったぜ……」
 全力防御をずっとしていた竜一は崩れ落ちていくエリューション・エレメントに心で涙を流しつつ、親指を立てる。眼福眼福。
「ええ、足がつったみたいで。大丈夫です、本人が派手に騒いでいるだけですから」
 その頃、理央は悲鳴に驚いた周りの人々に怪しまれないような説明をしていた。これも、リベリスタの仕事である。

●満喫中
 いろいろな意味でドタバタしていた戦いが終わり、リベリスタたちはそれぞれ温水プール内で散り散りに動いていた。
「焼きそばと……カレー……買ってきました」
「おお! 約束を覚えていてくれたでござるな!」
 プールサイドにある売店で、リンシードと腕鍛は事前にしていた約束を果たそうとしていた。リンシードが顔を赤く染めつつ足をもじもじと落ち着かなくしているのは、その約束が恥ずかしいものだからだ。
「あーん、も、してあげましょう……一応、約束ですから……」
「では、よろしくおねがいするでござる!」
 対して腕鍛は満面の笑顔だ。このために今回はがんばっていたのだから。
「……あーん」
「あーん」
 スプーンから口元へ、これだけの行動なのだが女性にやってもらうということは男のロマンだ。それを今、腕鍛は味わっている。
「あーんされてる拙者かなり幸せ者でござる。もぐもぐ、おいしいでござるがなんか多い気が……」
「どう、ですか……おいしいですか……まだまだ、いっぱいあります、どんどん食べてください……」
「……あれ、胃の辺りが懐かしい感じになってきたでござるっリンシード殿ストップスッとぷでござるっ」
 かつて、毒を飲まされて死にかけた時のことを思い出しながら、腕鍛は次々に料理を放り込むリンシードに戦慄を覚えて……意識を失っていくのだった。

「……」
 ぷかぷかとビート板と胸のボールで浮かびながら、穏やかな水の流れに身を任せているリーゼロットは温水を背にしながら空を仰ぐ。見えてくるのは人口の天井と、温水プールで遊ぶ人々。この場所の平和を人知れず救ったリベリスタたちは今、それぞれの方法でゆっくりとしていた。
「折角デジカメが手元にあるし……みんなが楽しむ様子を記録に残しちゃおっと」
 ビデオカメラを片手に理央は仲間たちが楽しんでいく様子を記録していく。もちろん、自分自身も撮影の合間に温水プールを満喫する予定だ。
 流れる水流に身を任せ、終と真独楽がウォータースライダーを滑り降りていく。
「ひゃっはー!」
「アトラクションっぽいので片っ端から遊んでくよ。大スキだもんっ!」
 終と真独楽はそれぞれアトラクションを満喫しつつ、他の場所も制覇しようと心に決めていた。せっかく温水プールにまで来たのだ、全部制覇したいよね。
「いやーん」
 そんな真独楽に見せ付けるように、ウォータースライダーの先でわざと水着を外してラッキースケベを演出する杏。これでハートをゲット! と思っていたのだが、まあ結果はお察し。
「……フッフッフ」
 ビデオカメラを回収しながら、妖しく笑う竜一。ここまで完全に味方を欺くことができた。リベリスタとしてどうなのだ、という気はするがそこは男の子なので仕方がない。彼女がいるけど男の子だから仕方がない。
「竜一ー、トロピカルジュースでも奢るよー」
「あ~ん☆してあげるよー」
 真独楽と終の声にそそくさとビデオカメラを隠して、ウキウキ気分で向かう。向かうところ敵なしの気分だ。今終が不吉なこと言ったような気もするが、今の竜一は敵なしだ。
「おごっ!?」
「労いです」
 そんな竜一の口に巨大な肉まんがリーゼロッテの手からねじ込まれる。
「あーん☆」
「うぐっ!?」
 続いて、終のチャーハン大盛り。
「炭酸ビリビリの大人味だよぉ」
「ぐぇー!」
 最後に真独楽のトロピカルジュースが無理矢理ねじ込まれていく竜一。容量オーバーして突っ込まれたそれによって、蟹のように泡を吹く。
(どうして、バレていないはずなのに……)
 と、竜一は心の中で何度も呟いたが、これも真独楽たちなりに、囮をさせた竜一を労おうとした結果なのだとか。
「……まぁ、これも青春ってやつ。なのかな?」
 理央はその光景をビデオカメラに収めつつ、苦笑するのだった。
 そう、きっと青春というものは誰の心にも残っている。今日のような大変ながらも楽しい日は、そんな青春を思い起こすことができる大切なものなのだろう。きっと。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 そんなわけで、ポロリもあるよ的な温水プールでした。やっぱりプールというものは楽しい場所ですね。
 水着というものは、いいものです。はい。
 さて、今回は多少危なげな場面があったものの、楽に敵を撃破することができました。そして、皆で遊ぶことができました。リベリスタの皆さま、お疲れ様です。

 MVPの理由は体を張った対抗策を見事に実施したからですね。中々できないことです。