●メイド戦略、しましょうか 豪華な風呂、豪華なキッチン、豪華な机、豪華な椅子。そして、メイド。 この世にあるありとあらゆる財を集めたような、そんな館が街から離れた山奥にあった。 かつて豪邸であったというその館は、今では廃墟としか形容できない姿を晒している。 時の流れというものは残酷であるというが、その豪邸の存在も今ではすっかり忘れされていることから、ある程度は優しいと言えるのかもしれない。誰も知らなければ、誰も傷つかないからだ。 しかし、この館は入るものを傷付ける。何故ならば、エリューションという人ならざる者が主として君臨してしまったのである。 エリューションは人を襲う。不幸にもこの館に迷いこんでしまったものを、己の欲望を満たすための食い物としてしまうのだ。 先ほど、主として君臨といったが正確には正しくない。というのも、このエリューションは主人を待ち続けているメイドの姿をしているからだ。 エリューション・フォースである。この館に込められた思い出から生まれたこのエリューション・フォースはまず、入ってきた人間を主人として認識する。そして、メイドとして奉仕するのである。……その命が尽きるまで、館に閉じ込めて。 もちろん、犠牲者は逃げようとするだろう。しかし、この館自体がエリューション・フォースと同化してしまっている故に、犠牲者はどうあがいても逃げることはできない。その特質は、もしエリューション・フォースを倒そうとする者が現れたとしても、厄介になるだろう。 その特性にも、弱点はある。アークは唯一この館から逃れられた者が居ることに気付いたのだ。 脱出できた者はメイドだった。つまり、メイドならばエリューション・フォースからメイド仲間として認識されるので、閉じ込めて奉仕する対象――主人ではない。故に、逃げることができた。恐らく、執事でも大丈夫だろう。似ているから。 ということで、アークはこのエリューション・フォースを倒す際に有効なのはメイドだと考えた。 だから、メイド服と執事服を大量に用意したのだ。 ●メイドとはなんなのか メイド服と執事服が並ぶ奇妙な空間となったブリーフィングルームで、落ち着かなさそうにしているのはリベリスタだ。目の前の資料から、このメイド服と執事服の理由は分かったが、なんとも妙な依頼だと思う。 そんな中でも、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は落ち着いていた。メイド服を着て、落ち着いていた。 「メイドになれば、戦える。そんな依頼だよ」 エリューション・フォースと一体となった館には、飛び出る酸やオイル地獄、それに熱湯風呂という恐ろしい罠がいくつもあり、それらがすべて侵入者に向けて使われるという。だから、メイド服や執事服を着てメイド仲間だと誤認させることでその罠をくぐり抜けることができる……かもしれないらしい。 「エリューション・フォースのフェーズは2。一体だけだけど、意外と強敵」 モップを使ってソードミラージュのような動きする、油断できない相手のようだ。 「妙なエリューション・フォースだけど、犠牲者を出す以上放っておくわけにはいかないね」 真白イヴの言葉にリベリスタたちは頷く。頷いた後に、メイド服(執事服)を見る。 仕方ない。 と、リベリスタたちは覚悟を決めるのだった。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:nozoki | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年11月28日(月)23:11 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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