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【機獣進撃】狼皇牙剣(ろうおうがけん)フェンリル

●機獣前線
 人を殺すべく動く機獣は、まだ見ぬD・ホールから現れ続けていた。その中でも最も出現数が多いのが、最初期から現れていた小型の機獣――フェンリル・ジュニアだ。狼めいたデザインとコンビネーションを持つこのアザーバイドは実際脅威で、リベリスタたちを苦しめることもあった。
 しかし、このタイプは最初に出現した時に多数がリベリスタによって破壊されたという経緯がある。故に、フェンリル・ジュニアに対する対策法はアークの中で確立されており、それほどの脅威としては認識されなくなっていた。
 このフェンリル・ジュニアが再び多数で現れた。しかも、今度はそれを率いる大型の機獣までもが同時に出現したのである。出現した大型の機獣――アークによってフェンリルと名付けられたそれは、いつの間にか山中に作られていた基地を守っていることが分かった。
 これだけでも問題ではあるが、更に、カレイドシステムが予知した未来によると、フェンリルはこの後フェンリル・ジュニアを率いて街を襲い、街中から機械を集めて基地に運搬を始めるというのだ。そうする意味は分からないが、この基地がこの機械のアザーバイドたちにとって何らかの意味を持つ施設であることは確かだろう。
 街を襲うという未来を止めるためにも、機械のアザーバイドの謎を解くきっかけを手に入れるためにも、アークはここで攻勢に出ることに決めた。つまりは、リベリスタによる突入作戦である。

●機獣基地突入作戦
 用途の分からない機械で構成されたその基地の外観をモニターで眺めながら、リベリスタたちは異質なものを感じた。機械とはいえ、異世界のもの。本来分からなくて当然のものだというのに、不思議と自分たちの周りにある機械と似たイメージを感じてしまう。……それが、逆に怖かった。
「これが、機械のアザーバイドの前線基地。レーダーに対するステルス能力を持っていて、今まで発見できなかった」
 この基地が作られたという山の地図を広げながら、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は状況を説明していく。
「機械のアザーバイドたちに守られている危険な場所だから、調査も進んでいない。だから、今回はみんなに突入してもらって、内部の情報を持ち帰ってきてほしい」
 それが今回の任務のひとつであるらしい。ひとつ、というからにはもちろん他の任務もある。
「ここを守っているのは大型のアザーバイドであるフェンリル。機械の狼だよ」
 前回出現したというフェンリル・ジュニアも数体確認されている。突入する前にこのフェンリルの部隊と交戦することは必至だろう。
「フェンリルは尻尾が剣になっている。これを振り回して攻撃するみたい」
 更には、フェンリル・ジュニアとコンビネーションをして攻撃や防御をするらしい。厄介な相手のようだ。
「相変わらず未知の相手だね。だけど、今回の突入作戦がうまく成功すれば、少しは分かるかも知れないよ」
 アザーバイドが作った前線基地。リベリスタたちはそこに挑戦しようとしていた。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:nozoki  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 2人 ■シナリオ終了日時
 2011年11月20日(日)23:34
 基地といえば番犬。ということで狼がやってきました。
 この凶悪な番犬を叩きのめして、リベリスタたちは無事に基地へとたどり着けるのでしょうか?
 それは、皆さんのプレイングにかかっています。

●勝利条件
 フェンリルの撃破・基地のデータを収集。

●舞台
 山中に作られたアザーバイドの基地周辺です。ある程度開けた場所であり、戦闘する際に問題は発生しません。

●フェンリル
 銀色の装甲を纏った巨大な狼型の機械です。3mほどの大きさを持っており、非常に素早く動きます。
 攻撃能力も持ち合わせており、剣の形を持った尾を振り回すことで近接範囲攻撃を仕掛けてきます。
 全体的に防御能力も高いです。
 基地を守るように動いており、このアザーバイドを破壊しない限り基地に近付くことはできないでしょう。

●フェンリル・ジュニア
 フェンリルの小型版です。1mほどの大きさを持っています。攻撃手段は牙による噛み付きのみであり、攻撃能力はそれほど高くはありません。
 全体的な能力は低めですが、防御力はあります。
 全部で3体存在し、フェンリルを補佐するように動きます。

●特殊能力
 フェンリルとフェンリル・ジュニアは特殊な能力を幾つか持っています。特殊な能力は以下の通りです。
・白銀の装甲
 あらゆるバッドステータスを無効にし、効果を受け付けません。
・コンビネーションプログラム
 機械のような正確さでお互いの状態を監視し合い、かばう・同時攻撃を仕掛けるなどの行動を取ります。状況によっては、味方を切り捨てることも。
・サーチ機能
 特殊な電波により、生体反応を探し出すことを得意としています。そのため、奇襲は難しいでしょう。

●基地
 アザーバイドが作ったと思われる基地です。用途の分からない機械で構成されており、内部を理解するには時間が必要でしょう。
 内部に侵入者対策はなく、内部で敵と戦闘することはありません。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
マグメイガス
アーデルハイト・フォン・シュピーゲル(BNE000497)

鈴宮・慧架(BNE000666)
ソードミラージュ
天風・亘(BNE001105)
ソードミラージュ
アッシュ・ザ・ライトニング(BNE001789)
デュランダル
神狩・陣兵衛(BNE002153)
ホーリーメイガス
ゼルマ・フォン・ハルトマン(BNE002425)
デュランダル
神守 零六(BNE002500)
プロアデプト
アーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)
■サポート参加者 2人■
ソードミラージュ
ルカルカ・アンダーテイカー(BNE002495)
インヤンマスター
九頭龍 神楽(BNE002703)

●狼退治に向けて
 舗装もされていないような獣道を通り、生い茂る木々を払いながらリベリスタたちは山を登っていた。
 目的は山の奥深くにあるという機械の前線基地。今見ている光景だけならば、この世界の自然そのものなのだが、その奥には多世界からの侵略者によって手を加えられた箇所があるというのだ。
 いつの間にか世界に手を加えられていた。それに対する不思議な感覚を覚えながらもリベリスタが更に奥へと進んでいくと、やがて妙に舗装された道が見えてきた。おそらくは、この先に前線基地があるからだろう。
「機械といえども、やはり道は必要なのですね」
 それまでぼうっとしていて、時々木に引っ掛かっていたりしていた『初代大雪崩落』鈴宮・慧架(BNE000666)は、表情と体を引き締めながら感想を漏らす。凛としている、という表現がぴったりと当てはまる感じだ。しかし、その黒髪には木に引っ掛かった時にくっついた葉っぱが付いていたりするため、どこか可愛らしい。
「ただ人を殺す為だけに生み落とされた機械の獣か……」
 そうした慧架と同じく、着崩した着物に葉っぱや木屑などが付いているのは『煉獄夜叉』神狩・陣兵衛(BNE002153)だ。豪快な面がある陣兵衛はここまで先頭になって歩いており、獣道も強引に突破していたりしていた。葉っぱや木屑はその時に付いたものだ。
「この世界の侵略が目的ならば、ここで食い止めねばならぬ。……異界の獣相手には、異界の力を振るわせてもらおうぞ」
 そんな汚れも気にせずに、愛刀を取り出してその輝きを見せつける。今だ敵の姿は見えないが、それが陣兵衛也の宣戦布告である。
 咥えていた煙管も懐に仕舞い、戦う用意は万全だ。
「フンッ」
 そう笑いながら長い髪を梳いているのは、『鋼鉄魔女』ゼルマ・フォン・ハルトマン(BNE002425)だ。陣兵衛と違い、こちらは汚れのない着物を着崩している。その着崩した着物からは女性らしい豊満なスタイルと白い肌が覗いていた。
「大層な名前を冠しているが所詮は機械じかけの犬であろう。終末の狼とは似ても似つかぬわ」
 ゼルマはそれまでの薄笑いから一転し、鋭い眼光で遠くを見つめた。フェンリルという名を持つ機械の狼だが、いくらなんでも過剰評価ではないかと思っているのだ。
「吸血鬼が狼退治とは皮肉なものですが。こちらの庭を荒らすのであれば、狩らせていただかねばなりませんね」
 豊満でスタイルの良い体を包み込む漆黒のマントに漆黒の衣装。まるで夜を体現したかのような服装に、目立つ銀の髪を持つ『銀の月』アーデルハイト・フォン・シュピーゲル(BNE000497)の言だ。狼といえばヴァンパイアの宿敵。そして、アーデルハイトはヴァンパイアだ。
 いつものように温和な令嬢のように振舞いながらも、宿敵ともいえる狼退治に向けて精神を集中させている。
「未知の技術で作られた悪の秘密基地! 胸が高鳴る話だな!」
 サングラス越しに可愛らしい少年のような瞳を揺らしている『人間魚雷』神守 零六(BNE002500)は、興奮しすぎてサングラスがずり落ちそうになったことに気付き、慌ててサングラスの真ん中を指の腹で押してみる。
「まぁ、だがワクワクするとだけは言っていられねぇ。安全に基地を探索するために、狼共を完膚なきまでに屠ってやるよ!」
 そう言ってまとめながら、両手の甲と甲を合わせてポーズをとる。主人公を自称するのだから、まずは恰好からだ。
 今回は探索を優先して動くつもりだが、そのためにはまず敵を倒さないといけない。
「探索と戦闘。両方やらないといけないのが主人公のつらいところだな!」
 へへっ、と指で鼻を擦る。これぞ主人公のような動きだ。
「無事フェンリル達を倒したら……探索だね」
 戦闘の激しい動きにも耐えられるように横ポニーを強く結いなおしつつ、アーリィ・フラン・ベルジュ(BNE003082)はわくわくしている。可愛らしい顔でコロコロと表情を変えながら、前線基地の中を想像しているのは、ゲームのお約束ではそういうところに重要そうなアイテムが転がっているからだろう。もしかすれば、趣味の人間観察に役立つものが置いてあるかもしれない。
「人ならざるものとの縁。未知への探求。ふふ、どちらも心躍りますね」
 基地の中を楽しみにしているのは、『幸せの青い鳥』天風・亘(BNE001105)もだ。不敵な笑みを浮かべているが、再び出会った機獣との戦いにも血をたぎらせている。
「だけど理不尽な不幸を起こすなら。全てを賭けて叩き潰します」
 青い翼を広げ、ナイフで空を切る。
「さぁて以前やりあった奴らの親玉か」
 同じく機獣との戦闘経験がある『雷帝』アッシュ・ザ・ライトニング(BNE001789)は野生的な歯を覗かせながら、狐の耳をピコピコと動かしていた。
「非常に素早いとか聞いた以上は黙っちゃいられねえ。雷帝の名に賭けてここできっちり決着つけてやるぜ!」
 待ち切れずに、リベリスタたちの先端を歩く。とりあえずぶつかってみようの精神で、まずは最初に行ってしまおうと考えているのである。もちろん、皆と歩調は合わせるが。
「今回は狼かぁ、なんや色々せわしなく出てくるなぁ」
 白髪を軽くかきながら、『ゆるリスト』九頭龍 神楽(BNE002703)は苦々しい顔を浮かべる。機獣にそれほどいい思い出はない。
「フェンリル機械の狼さん。ね? 狼さんは最速の羊を食べれるかしら」
 とんとんとん、とステップを軽く踏みながら、『シュレディンガーの羊』ルカルカ・アンダーテイカーは戦闘のために準備運動。準備は万全、といったところだ。
「本日の紅茶はダージリン。スタンダートですね」
 そんな風に準備を終えていたリベリスタたちに振舞われたのは、慧架の紅茶だ。
「そうですね、一杯頂きましょうか」
 その紅茶は皆の心を落ち着かせ、戦いに向けて昂った気を納めるのに役立った。

●地に舞う
 奇妙に舗装された街道を進むと、すぐに戦闘になった。フェンリルに率いられたフェンリル・ジュニアが襲いかかってきたからである。
「はいはいー、しゃきっと頑張ってやー」
 それに対してリベリスタたちはそれぞれの武器を構えてエンチャントし、迎撃するためのフォーメーションをとった。
 まず、巨大で俊敏なフェンリルを止めるべく前に出たのは陣兵衛と零六とルカルカだ。情報通りの速さに目を揺らしながらも、その表情は自信に充ち溢れていた。
 しかし、そうして足止めに入ろうとする二人の存在に気付いたのか、フェンリル・ジュニアが目の前に立ち塞がる。
「邪魔じゃ!」
「邪魔だっての!」
 これを、陣兵衛と零六がメガクラッシュを使って吹き飛ばし活路を切り開く。
「此処は俺様の戦場だ、さあ存分に踊りやがれ!」
 更に群がろうとしたフェンリル・ジュニアたちをアッシュが残影剣によって切り裂き、ダメージを蓄積させていった。その指は天を衝くかのように高く上げられ、不敵な笑みを強く印象付けさせていた。
「って、うおっ!? はえぇ!」
 零六が驚いたように、フェンリルは早かった。その素早さを活かし、メガクラッシュをする際に生じた隙にリベリスタたちに接近し、その身を尻尾の剣で薙ぎ払ってきたので前衛に立った者たちは慌てて防御をした。
「やってくれるじゃねぇか……! だけど、俺様の方が早ぇ!」
 しかし、それでもダメージは蓄積する。無視できないほどのダメージを受けてしまった為、後衛に目を回す。
「回復です」
「この程度で音を上げてくれるなよ?」
 アーリィが天使の息を使い、ゼルマが天使の歌を使って味方の傷を癒していく。皮肉気に笑うゼルマであるが、その心には自分たちが負けるはずがないという自信がある。
 そんな二人をターゲットに、フェンリル・ジュニアは動いた。後衛を止めなければいけないと判断したのだろう。
「後ろに来ている! それなら!」
 そこに亘が分断をするように割り込んで、幻影剣を使って出鼻を挫いていく。風のように素早く、青い翼を舞わせながら戦うその姿に、フェンリル・ジュニアも翻弄された。
「今ですね。狼たちよ、この雷撃で……沈みなさい」
 翻弄され、固まったところをアーデルハイトのチェインライトニングが襲う。雷撃はフェンリル・ジュニアたちの体を通電し、それまでにダメージを受けていた一体を機能停止にまで追い込んだ。
 そこで、もう一度フェンリルが動く。素早く尻尾の剣を二回連続で放ち、前衛のリベリスタたちを薙ぎ払おうとしてきたのである。この攻撃に、分断されなかった方のフェンリル・ジュニアも同調、同時に攻撃を仕掛けてきた。
「がっ!? ……だ、だが主人公はここで命を落とすような人間じゃねぇ! もっといいシチュエーションだ!」
「遠からん者は音に聞け、雷帝様のお通りだ。半端な犬っころが邪魔してんじゃねェ!」
 零六とアッシュはまともにダメージを受けてしまい、フェイトを使って立ち上がらざるを得なくなる。しかし、アッシュは残影剣、メガクラッシュをそれぞれ使ってフェンリルとフェンリル・ジュニアに反撃していた。これによって、フェンリル・ジュニアのうち一体はボディがボコボコになり、スクラップへと変わる。
 そんな中、フェンリルの攻撃を剣を使って防御しながら、陣兵衛は不敵に笑った。
「随分とデカい図体じゃが、この剣も負けてはおらぬ。お主等と同じ異界の剣の斬れ味、篤と食らうが良い」
 オーラスラッシュを使いつつ、フェンリルを引きつけるようにして下がる。その身には多くの傷が残っており、無理はできる体力ではない。
 しかし、それでも不敵に笑っていた。
「やれやれ。無茶をする」
 ゼルマはひっそりと天使の歌を使いながら、そんな陣兵衛の様子に肩をすくめた。
 戦いは、過酷であった。

 戦いは続いている。残った二体のフェンリル・ジュニアは後方を狙うべく前衛を突破しようとしていた。
「来ましたね。私がお相手します!」
 たぷん、と揺れる慧架の胸。爪を持って飛びかかったフェンリル・ジュニアの勢いに合わせて動いた証拠である。
 そこからすれ違いざまに、フェンリル・ジュニアの一体を大雪崩落を使って崩してダメージを与えた慧架であったが、二体の牙を受けてしまい、防御と衣服を貫かれて倒れてしまう。
「……くっ!」
「後は任せなさい」
 ダメージを受けて崩れたフェンリル・ジュニアに向かって、アーデルハイトのマジックミサイルが飛ぶ。先から続く戦闘によってダメージが蓄積していたフェンリル・ジュニアはそれを耐えられず、爆発する。
「はよ寝てもらわんと、わしの昼寝の時間がなくなるやろ」
 残り一体のフェンリル・ジュニアも神楽の式符・鴉を受けてダメージを受けた。
「これでおしまい。ゲームオーバーです!」
 ダメージを受けたその個体にアーリィのピンポイントが入る。高速演算された鋭い糸の軌道は傷の隙間に入り込んで、その身の破壊を促した。
「後は……お前をぶち崩す! それが主人公だ!」
 フェンリル・ジュニアを撃破したことを確認すると、リベリスタたちは終局に向けて一気に動き出した。零六のギガクラッシュがフェンリルに入り、その強力な攻撃によって生まれた隙にアッシュ・亘・ルカルカが突撃してく。
「ルカ、天風、遅れんなよ……行くぜ、最速で駆け抜ける――!」
「はは、御二人と一緒なら限界なんて感じませんね。天翔ける疾風の刃は……誰にも止められませんよ
!」
「迷い羊は夢見て嘆く。罪のとばりを追いかけて」
 全力で走り、飛び、跳ぶ。そうして風を感じてからの連携攻撃。
 フェンリルはそれを迎撃しようと剣を振り回すが、正面、後ろ、上から同時に飛んできたその攻撃には対応しきれない。
「遅ェ! 遅ェ! 遅ェ!! 俺を――俺達を、誰だと思ってやがる――!!」
 つまりは、直撃だ。
 三連続のソニックエッジを受けて、機械の体は大きくよろめく。
「所詮は心無き偽りの獣、機械で制御されては闘争本能と呼ぶには程遠い」
 そして、陣兵衛がゆっくりとその前に仁王立ちし、それから剣を振り上げる。フェンリルはそんな陣兵衛に向かって突撃しようと動き始めるものの――ダメージが蓄積した体では鈍い。
「面倒じゃ……その目障りな尻尾諸共、纏めて斬り伏せようぞ!」」
 一閃! 振り下ろされるギガクラッシュは、向かってきた尻尾ごとフェンリルの体を叩き切った!
 真っ二つに叩き斬られたフェンリルの体は爆発四散! それによって発生した爆炎に陣兵衛たちリベリスタの誇らしげな姿が照らされた。

●探索
 戦闘に勝利をしたリベリスタたちは前線基地に侵入し、それぞれの方法や考え方から内部を探っていた。
 まず、どのような基地であるかを探索していたゼルマが見つけたのはバッテリーが抜き取られた機械や、使用済みの電池。
「ふむ……やつらは電気を食らって生きているようじゃな」
 機械故に、燃料は電気。だから都市から機械を奪っていたのだろう。
「とりあえず機械とかよく分らないんで、なるべく触らないようにしないとね……」
 そういうことだから、アーリィは棚に書類などがないかを探していた。しかし、書類は見つからない。代わりにデータディスクらしきものは見つかったから、紙を使うという発想が彼らにはないのだろう。
 アーリィは見つかったデータディスクらしきものカバンに詰め込む。これが後になにかの役に立つかもしれない。
 アーデルハイトと亘は管制室らしきモニターの多い場所を見つけたので、アークのパソコンを持ち込んでいた。
「そういえば……データのチップを探していましたけど、見つかりませんでしたね」
 ふと気付いたように亘が呟く。戦闘後、亘はフェンリルのチップを探したが見つからなかった。爆発の際に失われたのかもしれないと思っていたが、何か引っかかる。
「ええ、引っかかりますね。……繋がりました」
 アーデルハイトがパソコンのキーを叩くと、そこに映し出されたのは機獣のデータ。こちらの世界でいう設計図のようなものだった。
「これは……」
 ふたりはそのデータを見て気付く。あの機械のアザーバイドは、機械の体を持った生命体であったのだ。
「なるほど、キミは……」
 亘は前回の戦いで回収したエンジンを触りながら、呟く。この機械は、生きているのだ。
「うおー!! なんじゃこりゃぁぁぁ!!」
 そこに、零六の大きな声が響く。迂闊にスイッチや仕掛けに触ってしまい、とんでもないことになっているらしい。
 アーデルハイトたちリベリスタはその声に肩をすくめつつ、助けに向かうのであった。

 機獣との戦いはこれからも続くだろう。
 未知の生命体への疑念は尽きない。だが、それを心に抱えながらも今は行くしかないのだ。
 仲間を、人々を助けるために。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 フェンリルはリベリスタたちとよく戦いましたが、狼を上回るコンビネーションによって敗れましたね。お疲れ様でした。
 そういうわけで、アザーバイドたちの設定を少し出しながら基地の探索は終わりました。これから先もこのシリーズは続きますので、そちらもよろしくお願いします。

 お送りしたのは、nozokiでした。