● 河原。 川の中に、大きな卵が二つ。とても大きな卵が一つ。 白い殻。 やがてそれは水面に沈んで見えなくなる。 ちゃぷちゃぷちゃぷ。 水音があたりに響く。 ちゃぷちゃぷちゃぷ。 ● 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、テーブルの上にくじらもちを載せた。 茶色のむっちりした蒸しもちに胡桃が入っている。甘味噌味が食欲をそそる匂いがする。 どこかの動物園のオリジナル商品らしい。 「くじらもちなんだけど。ご先祖様つながりで、かばもち。頂き物だけど、よかったらどうぞ」 ご馳走様ですと、リベリスタ達が手を伸ばす。 「今度の敵もそんな感じ」 つまようじに触れる前に、ぴたりと手が止まった。 「敵は、アザーバイドの卵。正確には卵の中身が別の階層とつながっている。卵を割ると中からかばみたいなのが出る。今回の作戦は、卵の粉砕。以前に扱った虎の卵と同じけいとうのD・ホールと断定」 モニターに模式図。 卵の中身はD・ホールだ。 「このまま放置しておけば、かばは出ないけれどアザーバイトを放置しているのと同じ状態になることが確認された。送還するD・ホールは卵の殻の内側。送還は無理。卵を破壊し、出てくるかば型アザーバイドを討伐してもらう」 別のモニターに、かば型アザーバイドの予想図。 「今回の出現場所は、とある河原。かば型生物の特性上、相手のホームグラウンドと言っていい。泳ぎは巧みだし、噛まれたら、アウト。十分陸上にひきつけて攻撃することを推奨する」 チーム編成によって、攻撃の仕方も変わると思う。と、イヴは言う。 「相手は卵だけど、割れば割るほど中のかばがむき出しになって、攻撃してくる。頑強な殻が割れれば、向こうの防御は手薄になるけど、その分威力は強くなるよ。迎撃ポイントはここ。ちょうど川の流れから行くと、この辺に打ち寄せられる」 モニターに参考資料として映し出される、この世界のかば。 「体長4メートル、体重2トン超。象に次ぐ巨体で、短距離なら時速40キロで移動可能。アフリカで最も人を死なせるのはかば。草食だけど、肉も食べるから」 知りたくなかった、そんな動物豆知識。 「アザーバイドは、それに自己治癒能力も持ってる。長丁場も覚悟して」 それから、と付け加える。 「小さいのは、軽やか。大きいのは、肉弾。川に吹き飛ばされないように」 一拍おいて、イヴは、小首をかしげた。 「みんな、くじらもち、嫌い? おいしいよ?」 イヴは率先して、一切れとってもぐもぐと食べだした。こりこりと胡桃の砕ける音がした。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2011年11月17日(木)23:49 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 2人■ | |||||
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● 川の向こうから、白いものがぷかぷか流れてくる。 リベリスタ達はロープや投網、ワイヤーを投げた。 えんやこら~。えんやこら~。 戦ってる最中に、どこかに流れていかれても困るし、そもそも水中戦闘はいやだ。 「そもそもカバの卵というのが、こう、なんというか」 『不屈』神谷 要(BNE002861)は、徐々に引き寄せられてくる巨大な白いものの中からかばが出てくるのが、納得いかない。 「カバって卵から生まれるんだったのですね!! 知らなかったです。メモしておいて後で知識自慢するです。ふふん」 『勇者を目指す少女』真雁 光(BNE002532)、は、目をきらきら。 馬鹿じゃないよ、ちゃんとお勉強はできるんだよ。 世間を知らないだけなんだよ。お願い、信じて。 「卵から生まれるカバなんておもしろいのよ。強いんでしょ? ルカ、そういう子、大好きよ」 『シュレディンガーの羊』ルカルカ・アンダーテイカー(BNE002495)は、せっせかせっせかロープを引く。 波間に理不尽、みっつの不条理 。と卵を指さす。 「かば!! それは、かわのおうじゃ!! ゆーしゃたるもの! かかんに挑むのです!! えいやーーーー!!!」 『あほの子』イーリス・イシュター(BNE002051)は、ハルバードを振り回す要領で、綱を引く。 何とか戦場予定地の端っこに持ってきたいのだ。 「微笑ましい外見とは裏腹に凶暴と聞くよ。これは、中々厳しい戦いになりそうだねえ」 『イエローナイト』百舌鳥 付喪(BNE002443)は、金色の鎧。 引いているのは、投網だ。網の中身は巨大な卵。 言っている内容は戦闘民族臭ぷんぷんだが、見た目がシュール。 「しかし、この年になって漁師の真似事をするとは思わなかったよ。長生きはするもんだね」 (しかし、こいつをフレアバーストで焼けば、カバ焼……何でもないよ!) そして、脳内ではおばあちゃんギャグ。還暦越えだし。 「かばのアザーバイドか……返してやれないのか……かわいそうだけど、倒させてもらう」 と言って、決意を新たにしている『まめつぶヴァンプ』レン・カークランド(BNE002194)も、 「できれば岸にあげちゃいたいですが、この大きさは無理ですねー」 ワイヤーを引いている『蒼輝翠月』石 瑛(BNE002528)も、大きな卵の中身がかばという点にまったく疑問は持っていないようだ。 不思議だよな。と呟くむしろぴよこが本体?』アウラール・オーバル(BNE001406)に、要は若干の希望を見出した。 「卵の内がホールなら、この卵はどうやって最下層まで来たんだろ? パンケーキの上段は次元が違うのか。高次元を自在に操る力があれば、卵を裏返してカバを帰してやれるのに。人って無力だな」 憂いを見せるアウラール。 心は、遥かパンケーキ的多次元世界の成り立ちに飛んでいるのかもしれない。 「――いえ、何でもありません」 要は、小さくそう呟いた。 「ボク……無事に帰ったらイブちゃんと一緒にくじらもちをたべるんだ……!」 要の心を知ってか知らずか、光は高らかに生還率ががた落ちしそうなフラグを打ち立てた。 ● 川岸に引き寄せられた卵は、三個。 直径1メートルのものが二個。直径3メートルの、見上げるばかりの卵が一個。 リベリスタ10人がかり、水の浮力と流れの助けもあって、比較的楽に集める事ができた。 戦っているうちに流れていかないようにロープなどで固定し、準備万端。 七布施・三千(BNE000346)は、十字の加護を仲間に施した。 続けて、フライエンジェの『七つ歌』桃谷 七瀬(BNE003125)以外の背に小さな羽根をはやした。 河岸のため、平らな部分はほとんどなく、足場は赤土で滑りやすい上。緩やかなスロープになっている。 これで、土に足をとられてスッテンコロリンの危機は回避された。 「この場に集う聖なる者よ、僕の声が聞こえたら応えて欲しい。どうか、仲間に堅牢なる守りの加護を―――神護聖歌!!!」 七瀬の詠唱に、上位存在が応える。 五線譜がリベリスタ達の周囲に出現し、ゆっくりと辺りに溶けていく。 空気がリベリスタの味方となった。 七瀬は、周囲を見回す。 「水の精よ、僕の内にあるマナを食らい、僕の内に流れる歌を聞いて欲しい。回れ舞われ。快活な歌と共に僕に力を―――魔素放歌!!!」 辺りにあふれる水の魔力と同調し、七瀬の中にマナがあふれる。準備は整えられた。 「どうしましょうか。どなたもいなければ、僕割りますけど」 大かばを確実にほふるためにめいっぱい集中している前衛の負担を減らすために三千は申し出た。 ルカルカが、んふ。と、笑みを浮かべて、首を横に振った。 「まかせて。ルカルカの出番なの」 体のギアをトップに叩き込んでいるルカルカは、鉄槌を振り上げ、卵を見据えた。 「カバさん、カバさんこんにちは。理不尽ね、卵から生まれるカバだなんて」 卵が一気に割られる。 中に詰まっているのは卵白でも卵黄でもない。 虚空。 次元のねじれた接点から、巨大なあぎとが割れ目から現れ、ルカルカの頭を飲み込もうとした。 ばくん! 底にあった空間ごと丸呑みしたような音がする。 後少し、頭を引っ込めるのが遅ければ、かばの乱杭歯は今頃ルカルカの頭を咀嚼していたことだろう。 卵に開いた大穴から、 「いきます!」 皆が陣を組んでいるのと逆サイドに要がいた。 力を秘めた十字の光が、かばの後頭部を串刺しにする。 要以外のリベリスタは見た。 かばの目が真っ赤に染まるのを。 「食らうです!! いーりすまっしゃあーーーー!!!」 高らかに自分の名前を冠した必殺技名を叫びながら、バリバリと帯電するヒンメルン・レーヴェをこれでもかと叩き込む。 バリバリと卵の殻が衝撃に巻き込まれて、空に舞い上がる。 細身のハルバートから跳ね上がる雷の粒子に肌を焦がされるのをものともしない。 (土砕掌とか厄介ですし、余裕のあるうちに倒しちゃいたいです) 光は、戦闘になるとクレバー。 (全部纏めて相手にする状態は避けたいですね) 「なので最初から全力でいくです!!」 きらびやかなそうしょくがゆうしゃっぽい、ゆうしゃのつるぎに力を込めて。 「そっちにころがしますよぉぉ!」 ドカンと一発。 更に卵の殻が割れ、丸太のような前足が現れる。 瑛が呪縛の印を結ぶが、荒ぶるかばの気圧が封縛を吹き飛ばす。 上半身だけが卵から突き出し、下半身はいまだ卵の殻に覆われた大かば。 その下半身は卵の殻の中ではなく、遥か異界と繋がっているのだ。 どむっ! 大きく頭を盾に振り、卵がかしいだ反動で更に地面を蹴る。 ぐるん! 旋回。 卵の丸みを利用して、かばは要に向きを変えた。 レンの傍らに、同じ背格好の影が寄り添う。 道化のカードがかばの耳を切り飛ばす。 「ここに流れ着いたのが、運の付きだったな」 大きくえぐられた、川辺のぬかるみ。 かばが、突進を開始した。 ● かばは、その瞬間、前脚二本で全体重を支えた。 反動を付け、中に躍り上がった卵が要めがけてフライングヒップドロップの要領で飛んでくる。 あまりにも、突拍子もない攻撃に、要の防御がわずかに遅れた。 年からしても小柄な要の体が、陣を組んだリベリスタ達からは押しつぶされたように見えた。 卵の流出や、攻撃のとばっちりで小さいほうの卵が破損しないようにと気を配っていたアウラールがかばおうと足を向けかけるが、もはや届く距離ではない。 ラージシールドと鎧を素通しして来る超重量に、ぎりとくい縛った奥歯が悲鳴を上げる。 仮初の翼が、できうる限りと広げられ、要の体をどうにか支えていた。 戦線を守りぬく者。戦場の盾たる者、小柄な体に秘められた驚異的な生命力は、その猛攻にあってもいまだ半分以上の余力を誇っていた。 しかし、体の中を駆け巡った衝撃は計り知れない。 まともに構える事もできない。 指先にかろうじて引っかかった盾を落とさないでいるのが精一杯だ。 「カバさん、カバさん、ルカとも遊ぼう」 この寒空に水着だ。 アークのリベリスタの中には、戦闘の際、頑迷に水着を着続ける者達がいる。 ふざけている訳ではない。 自らの武器に速度を載せる事だけに邁進している、速さの求道者達。 両手で握った巨大な鉄槌をありえない早さでとり回し、桃色の羊娘は大かばに殴るための鉄槌から放たれたとは思えぬ鋭利な裂傷を与えた。 肩口から背を通り、卵の殻をことごとく粉砕する。 ついにカバの全身が現れた。 生きている装甲車。 異形だ。 「僕は祈る。僕は歌う。眼前に傷付いた仲間がいる限り癒しの旋律をのせて、僕は歌う。僕は祈る。――優癒祈歌!!!」 七瀬が傷ついた仲間のために、高位存在より福音を賜った。 ● 付喪が放った雷電の鎖に、大カバの白目が濁る。 これにて大カバには打ち止めだ。 まだ二体小さいのを控えさせている以上、無駄遣いはできない。 「やれやれ、もっと私に力があれば、こんなチマチマ節約しなくて良いんだけどね」 ここから先は、魔力の矢に切り替えなくては。 要に何度も踊りかかる。 そのたびに七瀬か三千、場合によっては二人がかりで癒しの微風が癒しにかかる。 無防備にさらした背中に、リベリスタ達は襲い掛かった。 ばりっばりっと、剣で、魔法で、幾度も雷撃を食らわされたカバの体表面から、どろっと赤い液体が流れ出した。 カバの体表面を暴れ回っていた放電がやんだ。 体のあちこちにできた裂傷が癒されていく。 「かば! さすがなのです! つよく、たくましいのです!」 イーリスが感極まったように声を上げた。 短期決戦を心がけての各個撃破だったが、大カバが予想以上に頑丈だった。 「燃費がきついのです! オーララッシュも織り交ぜていくのです! いーりすらっしゅ!!」 やはり、オリジナル技名を叫びながら、刃に闘気をまとわせて、イーリスは嬉々としてカバの硬い表皮に叩き込んだ。 今まで何度もリベリスタによって切り込まれた箇所。 傷を治した粘液も入り込みきらなかった場所。 底に、えぐり込まれた刃から、イーリスの闘気がほとばしる。 それが、大カバの限界だった。 ● 次の一個が地面に置かれ、回復、付与する加護、集中をすませ、満を持して、殻が叩き割られる。 小カバは、恐るべき身のこなしで川の中に飛び込んだ。 波間に消えかかる小かば目掛け、アウラールが、正義の名を冠した一撃を放った。 まともに食らわなければ、そのまま逃げる事もできただろう。 しかし、小カバの胸はアウラールへの怒りにたぎっている。 この生き物を蹂躙しないではおけない渇望で満たされている。 猛然と岸に戻ろうとする小かば目掛け、リベリスタ達は魔法の矢を射掛ける。 癒し役として待機していた三千までもが、十字の光を撃ち出した。 アウラールが波間に浮き沈みするカバの熱を感知し、あの辺、あの辺と指をさす。 そこ目掛けて、瑛が釣り糸の先に人参を結びつけて投げ込む。 「これで、おびき寄せてみたりして……?」 うん、たぶん。 怒りが効いてる今は、餌はアウラールが一番だと思う。 イーリスや光たちは、手をうずうずさせながら集中を重ねている。 手を出したいのは山々だが、届く技がない。 ざぶざぶと自らあがってくる小カバは、満身創痍。 「ルカも速いの。競争」 先ほど、ルカルカよりも先に動いた小カバに踊りかかるルカルカ。 バックリと皮が裂け、生々しい肉が露出する。 それでも怒りに駆られた小カバの足は止まらない。 大きく開かれた巨大な口。乱杭歯がアウラールの胴を噛みつぶした。 血が溢れ出す。 その生気を吸いとるように小カバの傷が癒え、気力が充填していく。 「ちっちゃいほうも同じです。全力で倒すです」 光がアウラールから引き剥がすように、小カバを土手の方向に吹き飛ばし、 「これが、出し惜しみの二発目だ! かば焼二匹目、食えないけどね!」 付喪が放つ雷電の鎖が、小かば目掛けて荒ぶる。 ここが押し時。 「光集。聖なる光は神秘を帯びて一矢に集約される。突貫。悪しき存在を根源から破壊する。聖性の光歌。―――閃光聖矢!!!」 七瀬が放った魔法の矢が、小かばの喉元を貫き、土手に磔にした。 ● 最後の一個は、念入りに場所を選んで置かれた。 先程のように川に逃げられたら面倒だ。 これが最後と、大小一体づつ倒して要領を得たリベリスタ達は、残った魔力の在庫一掃セールとばかりに大技を連発する。 近接して来た前衛の目の前で、小かばが両手の指では足りない数に分裂する。 一人に複数の小かばが体当たりしてくる。 かけ離れた部位を攻撃され、リベリスタはどこに敵がいるのか混乱する。 四方八方、気配を感じたらそいつが敵だ。 前衛全員が殺気立った。 その時、三千から、心を落ち着かせる清浄な光がほとばしる。 ふと気が付くと、今刃を撃ち下ろそうとしていたのが、仲間だったことに愕然とした。 負った傷を癒すため、七瀬が歌う。 それに天から降る妙なる調べが重なり、束の間の二重唱を奏でた。 ダメージもさることながら、同士討ちが怖ろしい小かばの軽やかなステップソニックも、分厚い回復陣の支えられ、即時に陣が整えられる。 そんな中。 小かばに勇者の剣で挑みながら、光には、野望というか、美学があった。 (トドメは必殺技で決めたいです。カッコよく!! S・フィニッシャーで乱舞です!!) 必殺技だが、威力はスキル無しで切りつけるのと大差ない。 しかし、必殺技である限りは、そこで戦闘は終了させなくてはならない。 なぜならば、それが必殺技の定義であるから。 ならば不幸な事故を回避するため、徹底的に集中しておくべきなのだ。 より確実な勝利のために! 勇者に、倒しそこねは許されない! しかし、機を逸してはならない。集中している間に倒されてしまっては、ただ黙って見てたのと変わらないのだ。 ルカルカなどは、しれっとした顔で集中しながら攻撃を加えたりするのだ。 そして。 勝利の女神は。 否、お約束の女神は。 光に味方した。 すばらしく格好いいアクションを続けざまに繰り出しながら、ついでに集中効果でフラッシュ効果もプラスされ、それはもう勇者らしく、小かばを倒したのだ。 カッコいい~!! ● 「くじらもち! くじらもち、食べるですよ!」 勝利の余韻に浸りながら、光は戦勝くじらもちをイヴと食べる気満々である。 「この内側がDホールになってたの?」 七瀬はまじまじと見つめ、内側を触ってみる。 レンも興味深げに殻を見ている。 だが、そこにあるのはやたらと頑丈な卵の殻だ。 D・ホールは卵の内側にあったのだから。 レンは、何か手がかりがと思って探し回っていたが、拾ったはしから別働班の人が「ありがとう」と言いつつ、回収して行く。 「突然大きな手が現れて卵を拾い上げてくれたら良かったのに、ああ、でもそんな事が起こったら、この一帯が破壊されちゃうのかな?」 アウラールが、辺りを見回しながら言う。 宗教画かシュールレアリズムとしたら、なかなか見ごたえがあるモチーフかもしれない。 ただ、そんな高位存在がホイホイ介入してくるようでは、この世界の崩界自体が危うい。 まずい、それはまずいと、聞き及んだ別働班の面々はぶんぶんと首を横に振った。 「四の五の言わず、世界を守るために働けって話だな。微力だけど無力ではない、そう考えよう……」 そうそう。と、首を縦に振る別働班の面々。 「しかし、この卵は何処から来たのかねえ。卵な位だから誰かが生んでるとか……まさかね」 付喪が自分の考えを打ち消す。 虚空を内包した卵を生み出す存在とは、如何なる者なのか。 それも、ただの推論のひとつでしかない。 今は。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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