●秘密基地の奥に 閑静な細い道に、たたた、と小さな足音が響く。 この辺りは、かつては様々な店が集い活気に満ち溢れていた商店街だった。しかし今は閉じたシャッターが並び、商店街の中心的な存在として建っていた巨大なデパートさえ見る影もなく寂れてしまっている。 ――つまり、ひっそりと行動するにはもってこいの場所なのだ。 「家だと母さんがうるさくて遊べねーしなあ」 軽く息を切らしながら、少年は小さく呟く。デパートの古びた倉庫を心の中で”秘密基地”と名づけた彼は、今日もそこで密かに時間を潰そうと足を運んだ。 施錠の甘い戸を静かに開けて足を踏み入れ、スポーツバッグとランドセルを下ろし、座り込む。ランドセルの奥に隠していた携帯ゲームの電源を入れると、画面は煌々と輝きだした。 薄暗い秘密基地でそれを眺めると、まるで特別な悪戯をしているような気持ちになる。奇妙な高揚感を伴う魅力的な遊びは、年端も行かない子供が容易に堪えられるものではなく、彼はこの場所で幾度も同じことを繰り返していた。 しかし、今日だけは違った。 「……うっ、何だ?」 少年の眉間にぎゅっと皺が寄る。同時に片手で鼻と口元を押さえ、彼はきょろきょろと周囲を見渡した。 初めは、ふんわりと心地良い香りが漂ってきたように感じた。しかしそれは一瞬で、様々な香りを混ぜ合わせ長い年月をかけて熟成したような、凄まじい臭いに変貌したのだからたまったものではない。少年は呼吸したことを後悔した。 彼は小さくえずきながらも、どうにか荷物を小脇に抱えて倉庫の外に走り出した。臭いの元はよく解らないが、それを探す気にはなれない。 倉庫から充分に離れたところで、恐る恐る息を吐き、吸ってみる。流石にここまでは届かないようだ。安堵から大きく息を吐き、吸って、少しづつ呼吸を整える。 「……くっ、せぇ。何だよあれ」 今日はもう、諦めよう。 彼は携帯ゲームの電源を切り、再びランドセルの奥にしまい込んだ。 ●混ぜるな危険 「皆は、香水、好き?」 フォーチュナである真白イヴは、眼前に集まったリベリスタ達に不思議な質問をした。 彼女らが予知する内容は多岐に渡り、陰惨な事件も少なくない。そのような状況を垣間見るのだから、依頼について話す際の彼女の表情には影が差していることも多いのだが――今回は、そうではないらしい。 「現場は朽ちかけのデパートの、倉庫。昔は賑わってた所だけど、今はいわゆるシャッター街。だから人目は気にしなくていいよ。エリューションは1体のみ。あまり強力ではない」 近くにいるものを包んでくるだけで、手強い相手ではない。そう告げた彼女にリベリスタの一人が問うた。 「包んでくる?」 「そう。鼻が曲がらないよう気をつけてね」 「え?」 イヴはその反応に一つ頷いて、淡々と話を続ける。 「相手はエリューション・エレメント。原型は、倉庫にひっそりと置き去られていた様々な香水の、香り。エリューション化した影響か、本体は凝り固まり、さらに目にも見えるよう変異している。香り自体は倉庫内を覆うほど充満していて、特に薔薇をベースにした香水が多かったようだけど……詳細は、形容しがたい。快くないものであることは確実」 それでも大丈夫?と問いかけるように、イヴは首を傾げて見せた。長い銀髪がふわりと揺れる。 「エリューションが消えれば、この異常に強力な香りも収まるはず。難しくはないけどもちろん油断は禁物だし、いずれはより脅威になる存在。特に、嗅覚については強靭な意志を持って臨んで欲しい」 ![]() |
■シナリオの詳細■ | ||||||||||||||||||
■ストーリーテラー:チドリ | ||||||||||||||||||
■難易度:EASY | ■シナリオタイプ:通常 | ■シナリオ納品日:2011年2月8日 | ||||||||||||||||
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■参加人数8人 | ||||||||||||||||||
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■プレイング | ||||||||||||||||||
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■リプレイ | ||||||||||||||||||
●かつての栄華の香り そこは抜け殻のような場所だった。 人の気配が消え、形だけを残した商店街。錆の浮く看板、割れた電飾――残されたものたちが、かつて賑わっていた時間があったことを主張しているかのようだ。 「こんなところにも……エリューションは、いるんだね」 きょろきょろと辺りを見回す『スリーピング・イーグル』蘭・羽音(BNE001477)の目に、一際大きな建物が映った。あそこだ、と誰かが呟く。 「せっかくこっそり遊べるいい場所を見つけたってのに……」 災難だよなあ、と同情するように『鉄腕ガキ大将』鯨塚モヨタ(BNE000872)が肩を落とす。色鮮やかに彩られたメタルフレームは特殊な幻影で覆い隠され、もし一般人がいてもごく普通の子供に見えていたことだろう。例えば、例の秘密基地に通っていた少年と同じように。 元より人気がないとは言え、憂いはないに越したことはない。『チェインドカラー』ユート・ノーマン(BNE000829)が結界を張り、寂れた商店街からさらに人を引き離す。 彼らは予め様々な準備を考えていた。現場である倉庫を前に、薄暗い場での戦いに備え何人かが電灯を取り出す。『ぴゅあで可憐』マリル・フロート(BNE001309)は懐中電灯を腰に括り付け、きゅっと唇を結んだ。 「未来の秘密基地の為に頑張るのですぅ」 気合は充分。 その隣では『蒼の覇龍を封ずる者』河西清音(BNE000363)が、マスクを三枚重ねて口元へかけていた。左目は元から眼帯で覆っていたため、右目のみが露わとなる。羽音もマスクを取り出し、モヨタは洗濯バサミで鼻をつまんだ。 今回の相手は、強烈な臭いを漂わせているという。それに耐えるための準備をしてきた者も多かった。『水晶』壬生・瓊花(BNE000936)と『幻月環』羽白・枢(BNE000913)は鼻栓を取り出し、『赤銀の魔弾』ウィールライト・インス・ライトハルト(BNE001509)はその上にマスクも着けて念を入れる。 (……決まらない) しかし気にしない方針で。枢はそう自分に言い聞かせて頭を振り――何かを引きずる音を聞いて、顔を上げた。視線の先には、万が一にも倉庫への出入りを塞ぐようにコーンを並べているユートの姿。 「ドンパチやってる時にガキでも入り込んできたら洒落ンなんねェだろが」 ここはシャッター街だ。コーンなど立ち入りを禁ずるものの類はその辺にいくらでも転がっており、調達にも事欠かない。容易に入手出来るもので、確実に準備が進められていく。 「さて。んじゃ、行きますか」 ウィールライトが片手で眼鏡を調える。銀色のポニーテールが微かに揺れた。 ●秘密基地の香り 暗闇で満たされていた倉庫に僅かな光が差し込む。鉄と鉄の擦れる音と共に。 戸を開けると立候補した枢は、奇襲を受けないよう慎重に様子を伺っていた。ゆっくりと戸を開き、暗闇でも判別がつく目で少しだけ中を覗く。敵がごく近くに居ないことを確認すると、彼は戸の脇で待っていた仲間を中へと促した。 「熟成にもほどがある。酒なら歓迎なんだが」 枢は力なく頭を垂れた。それにつられてか、瓊花もげんなりとした顔で頷く。 「確かに香水を放置すると、碌な事にならない……」 彼女は思い返していた。仕舞い込んだまま忘れてしまった、香水”だった”形容しがたき何かを。今回の相手はまさにそれだ。薔薇を元にした、ふんわりと優しく、あるいは可愛らしく、漂う気品をめいっぱい凝縮し温度管理の行われていない場所に何年も放置させ変質かつ分離したものでそのまま鼻腔を貫かれるような――。 「うぅ、なんですかぁ! この匂いはぁ!」 マリルが涙を浮かべながら鼻をつまんだ。 一行の眼前に奇妙な物体が現れる。電灯に照らされた、煙のようなものが。 「現れたですねぇ、よくわからない物体め! いったい匂いの元はなんですかぁ!」 マリルはふと思った。ネズミのビーストハーフである自分には、これは特に辛い仕事なのではないか。溢れる涙を手で拭い、よくわからない物体へと弓を構える。 そんなマリルに、鷲のビーストハーフである羽音は一瞬だけ視線を留めた。その瞳には微かに本能の色が宿りかけていたが、はっと我に返って頭を振る。すぐさま敵の出現を仲間に伝え、電灯に紐を確りと結わえて腰に括った。 「こんなに、キツいなんて……でも、負けない」 決意を新たに剣を握り、鷲の脚で床を蹴る。近づくからにはきっと攻撃を受けるだろうが、覚悟の上。その後方では瓊花が呪印を展開し、ウィールライトが弓を構えて煙に狙いを定める。 「俺の弓を避けられるか!」 前へ出る者へのカバーを、と考え彼はすぐさま矢を放つ。枢もそれに続くように、空気を切り裂く鋭い蹴りを放った。煙は真っ二つに割れ、しかしもやもやと形を変えてまた一つの塊に戻る。それを見たユートの苦々しい舌打ちが響く。 「エリューションってのも随分とケッタイなシロモンだな」 彼にとって激臭はあまり苦ではないらしい。野良犬のような鋭い眼で睨みつけ、迷わず駆ける。相手が散るまで、ひたすらぶん殴ってやる――手にした武器にはまだ慣れないが、それでも。 「うえぇ、なんだこの臭い……胸がムカムカする!」 戦わなければならないとは言え、近づきたくはないのが正直なところ。モヨタは後方で素早く剣を抜き放った。刃が描いた軌跡はそのまま真空の刃となり、煙を再び二つに割る。 眼帯に覆われた左目が疼く――そこに宿るのは、清音いわく未だ制御のままならない強大な力『蒼の覇龍(ブラオドラッヘ)』。彼女は喉の奥でくつくつと笑い、またも一箇所へ纏まろうとする煙の元へ走り出した。その身から眩い光が発せられ、守りのオーラとして身体を包み込む。 「蒼の覇龍の加護受けし輝き、あなたでは貫けないわよ!」 この程度、私にかかれば容易い事件。化物を前にしてなお、彼女の笑みは崩れなかった。 敵を囲い、先手を打ったリベリスタ達。 彼らに気付いた煙が、彼らに振り返るようにふわりと動いた。 ●許されない香り 日本は湿度が高く、嗅覚をより強く感じやすいと云われている。そのため海外で良い香りだと思って取り寄せた香水であっても、日本では全く印象が変わってしまうこともしばしばあるそうだ。しかし。 枢が、炎を宿した拳で煙を殴りつける。煙は激しい炎に焼かれ身じろぎながらも、風呂敷のように大きく広がって枢の細い身体を包み込んだ。痛烈な香りにも多少は慣れてきた頃だったが、臭気はさらにその凶悪さを増して五感の一つに突き刺さる。 「うう……嗅覚が……逝ってしまう……」 発生したばかりでまだ脅威も薄いとは言っても、存在そのものが異質であるのがエリューションだ。身体が奇妙な力で傷つけられていく感覚も、その香りも、全く無視できないものだった。 「枢さんがピンチですぅ! お助けしに行くですよぅ」 それまで後方で射撃に徹し、小さな硬貨すらも撃ち抜く見事な腕前を披露していたマリル。彼女が枢の危機に気付き、助けようと果敢にも戦線へ飛び込んだ。……が。 「のわぁぁぁ! くちゃいですぅ、くちゃいですぅ! おばちゃんのにおいがするですぅ」 とってもイイ感じにお約束だった。 煙は常に、その時その時で最も近くにいるものに襲い掛かった。運悪く飲み込まれた者はそれぞれが苦悶の表情を浮かべ、傷を負う。まだエリューションとしてあまり力を蓄えていないことを裏付けるように、攻撃自体に大した威力はなかった。さらも集まった者達の多くが仲間を補おうとする意思を持ち、誰か一人が執拗に傷付けられることもなかったため、肉体的に大きな危機に瀕することはなかった――しかし、肉体と精神は別のもの。 羽音が小さな身体をさらに屈ませ剣を構える。全ての力を武器に籠めて振るい、煙を容赦なく吹き飛ばした。マリルが咳き込みながら小さく礼を告げ、ふと傷ついたはずの身体が軽くなったように感じた。柔らかい光が倉庫いっぱいに広がっていく。 「別に臭くたッて死にゃしねェよ! 根性出せオラッ!」 光はユートが放ったものだった。言葉は荒々しいものの齎す光は温かく、傷ついた仲間達を癒していく。 「ありがとう、……助かる」 表情の変化が少ない羽音の顔にも、安堵の色が浮かんだ。 「……近づいて欲しくない……」 (あんまし近づきたくねえなあ……) 眉根を寄せ、瓊花は素早く印を結んだ。彼女の言葉にモヨタも心の中で大きく頷き、不快感から口を真一文字に引き締める。柔らかい頬がさらに丸みを増して、きゅっと釣りあがった。 ――でも、オイラ達で秘密基地を取り戻してやるんだ! モヨタが剣を振るい、空気と空気を切り裂いた見えない刃を放つ。瓊花が結んだ印からは仲間を守る結界が広がっていった。初めに放った束縛の印は煙の動きを少し止めた後に解けてしまったが、敵は一体。こちらとの手数の差も合間って、敵の動きを少しでも阻害しようとする試みは非常に有利に働いていた。 「喰らえ! 貴様を刺し穿つ我が弓を!」 ウィールライトが矢をつがえ、高らかな宣言と共に放った。矢は言葉通り煙をしかと捉えて突き刺さる。彼らの弓は威力こそ控えめではあるものの、高い命中精度を何よりの強みとしていた。 戦いの中で、小さな、そしてだんだんと大きくなる笑い声がする。 「ふふふ、うふふふ」 最初は口の中で含むのみ、次第に肩を震わせ、金色の長い髪を棚引かせて――。 「……っあははははは!!今日こそ我が覇道を示さんとする時!泣き叫びなさい、エリューション達!我が左目に宿りし『蒼の覇龍』の力、その目に焼き付けるといいわ!覇の牙に砕かれ沈みなさい!」 清音は声を響かせながら、荒れ狂う力の全てを剣に託して煙を裂いた。煙は裂かれたまま霧散しかけてまたひとつの塊に戻っていく。丁度その瞬間をウィールライトが眼に捉え、素早い動きで武器を向けた。 「一撃必中! 貫けぇぇ!!」 放った力は光の弾となり、煙とその周辺へ降り注ぐ。 「狡猾なる黒き陽光の使いよ……!」 雨のように注がれた光の中に、続けて漆黒の鴉が――鴉を模した式符が飛ぶ。その主は、同じく漆黒の髪をなびかせた瓊花。 エリューションは原型が原型だけに、元より一定の形すら留めず知性も感情も感じられない。しかし猛攻の末にその動きは少しづつ鈍っていた。もしこの煙と対話が可能だったなら、発生したばかりで静かに漂っていたところへ何故突然踏み込んできたのかと抗議をするかもしれないが――。 「どこにいようとも……見過ごすわけには、いかない」 既にこの世のものではなくなり、そしてこれからさらにその異質さを極めていく。その事実を前に交わす会話は、これ以外にないのだ。羽音は揺るがぬ意思を小さな声に乗せて、何度目かの剣を振るう。 「殴りゃ散るンなら話は早ェ」 ユートが口の端だけで笑う。黒い髪と浅黒い肌を持つ痩せた野良犬のような少年が、煙の前へ踏み込んだ。難しいことをやるようには出来てないと自負する彼の動きは、まさに”殴りつける”という言葉がよく似合っていた。 「とっととぶん殴って、ケリ付けッぜ!」 最後の一撃とばかりに、渾身の力を込めて煙を貫く。不思議な柔らかさを持った軟質な塊が刺されるままにぐにゃりと変形し、穴を空け、いくつかの破片に割れていく。 破片は一瞬の後に飛散して、霧のように消えていった。 ●懐かしい香り 「……そういや、オイラも前の学校にいた時はよく友達と秘密基地で遊んでたっけ」 モヨタがぽつりと呟く。 彼は倉庫に残されていた崩れた箱を元に戻しながら、かつて林の中にあった秘密基地を思い浮かべていた。友達にろくにお別れも出来ないまま転校することになってしまったのを惜しみ、そして懐かしむ。彼らも元気でやってると良いがと願うばかりだ。 「あたしも久しぶりにお友達と秘密基地つくりたいなぁですぅ」 マリルも楽しげな笑みを浮かべて小さな箱を運ぶ。倉庫の中はほとんど空だったため散らばったものも少なく、片付けもすぐ終わりそうだ。 (これじゃあ美味しい苺の匂いも嗅分けられないですぅ……) すっかり麻痺してしまった鼻をごしごしと擦り、マリルが皆を見た。 「他の皆さんはお鼻、無事ですかぁ?」 「NYの下水道の臭いにくらべりゃこんなモン屁でもねェつーンだよ」 ユートはそう言い捨てて、ふいと顔を背ける。薄暗かった倉庫の中は、日が傾いてさらに影を強めていた。彼の言葉そのものは穏やかでないにしろ、強い影に隠れたその表情までは窺い知れない。 物陰から、ころんと小瓶が転がってきた。ラベルには薔薇のイラストが描かれている。これが元凶かと瓊花が肩を落とし、小瓶を拾い上げて近くの箱へ入れた。 「香水の使用は計画的に、控えめに……ってところ?」 もう全て終わったのだ。彼女はマスクを外し、静かに空気を吸ってみる。しばらくの間は麻痺しているだろうが、特に問題はないようだ。他の面々も、それぞれが持ち込んだ道具を外す。 羽音も少し躊躇った後、すっと息を吸った。鼻腔をくすぐるのは少々埃っぽい、けれど静かな空気そのもの。のんびりとした時間の流れを感じ、彼女は僅かに顔を綻ばせた。 「やれやれ……酒の香りでこの匂い、忘れられるのか?」 味や喉越しは勿論のこと、風味も酒の楽しみの一つ。酒好きな枢にとってはその点は特に重要な問題だった。強烈な香りに晒され続けて酒の香りが判らなくなった、なんてことにならなければ良いが。 「ふふふ、『蒼の覇龍』の力を持ってすればこの程度の敵、物の数ではないわ」 髪をかきあげて清音が微笑む。しかしあの香りは耐え難いものだった。早く帰ってシャワーを浴びたい――もしくは、すぐに消臭剤でも被ってやりたい。 思いつく対処を一通り終え一行は外へ出る。ゆっくりと戸を閉めると、倉庫の中は再び静かな暗闇に包まれた。 ウィールライトが小さく溜息をつき、”秘密基地”から背を向ける。その眼鏡が沈みゆく陽光を反射してきらりと光った。オレンジ色の夕日が無人の街を優しく包み込む様は、どこか懐かしさを感じさせるようで、彼もまた穏やかな声で呟く。 「これであのちびっ子も此処でまた遊べるようになるかな……?」 ――秘密基地。大人には明かされない、子供だけの内緒の縄張り。 きっと誰しも、一つはそういう場所があるものなのかもしれない。 |
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■シナリオの結果 | ||||||||||||||||||
結果:成功 重傷:なし 死亡:なし |
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■あとがき | ||||||||||||||||||
多くの方が様々な準備や工夫を考えて下さって、なるほどと目を見張りました。その時の状況に応じて簡単・確実に用意出来る範囲で考えるというのも、とても大切です。 香りについてはコメントさせて頂いた通り、このせいで戦闘面で不利になることはなく、ただすごく臭いだけで文字通りのフレーバー程度だったのです、が、……。可哀想な目に遭われたりあまり格好がつきにくかったりで、ごめんなさい。キャラクター作りの一環にして頂いたり、リアクションを楽しんで頂けたらと思います。 ご参加ありがとうございました。また機会がありましたら宜しくお願い致します。 |
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■プレイング評価 | ||||||||||||||||||
そのキャラクターが何を思ってどう動くのかはとても大切だと思います。特に動機と行動を良く絡められていると感じて選抜させて頂きました。 動く際も「どうしてそう動くのか」「何を優先するのか」等、ある程度シンプルな範囲での条件付けがあると対応の幅も広がりやすくなると思います。 |