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『も。』

●なまえは
『も。』。
 それは、とある異世界の生物である。
 大きさは子猫程度。まん丸でぷにぷにした身体を持ち、飛び跳ねて移動する。手足や鼻、口はなくつぶらな瞳が2つ付いている。
 人を襲うものの、個々の害は小さく、怪我人がでるほどでもない。

 が、その習性に問題がある。

 発生してしばらくすると、際限なしに仲間を呼び寄せ続けるのである。
 塵も積もればなんとやら。数十も集まれば、その質量だけでも被害が生じ始める。
 そして百匹集まると―――合体するのだ。
 合体した『も。』は全長数十メートルにも及ぶ巨体を持つ『キングも。』に進化する。
 最早、居るだけで驚異。動けば被害は鰻登り。
 なんとしても、合体する前に殲滅しなければならない相手なのである。

●ぷにぷにしているらしい
「『も。』が出てくることがわかったの。だから、すぐに倒しに行ってね。場所は――」
 うさぎのぬいぐるみを抱きしめながら、真白イヴは淡々と告げる。
 発生予定は17時間後、郊外のリゾート地であるという。
 数は6匹。キング化するまでにはかなりの余裕があると見ていいだろう。
 個体ごとは弱小と言ってもいい相手である。今から現地に向かえば問題はあるまい。
 それに、仕事だけで行くには少々勿体無い場所でもある。
「終わったら遊んできてもいいよ。でも、仕事はちゃんと終わらせてからね」
 ぬいぐるみに顔をうずめ、彼女は布地と綿に息を吐きかけた。

■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:yakigote
■難易度:EASY ■シナリオタイプ:通常 ■シナリオ納品日:2011年2月8日
こんにちは、yakigoteと申します。
初めての戦闘です。それならやっぱりスライム叩き。

『も。』は戦闘力も低く、苦戦することはないでしょう。
しかし、悠長なことをしていると、あれよあれよという間に仲間を呼び始めるかもしれません。さっさと倒してしまうに限ります。
場所は海のあるリゾート地。終わったあとはホテルで疲れを取るもよし、遊んでしまうもよし。
まあこんな寒空で海に突貫する猛者なんて、ねえ?

※シナリオは戦闘開始時点よりスタートします。


■参加人数8人
朱鷺島・雷音(BNE000003) 世紀末・ハオー・伝説(BNE000301)
氷雨・那雪(BNE000463) 阿野 弐升(BNE001158)
臼間井 美月(BNE001362) アイカ・セルシウス(BNE001503)
柘植 浅葱(BNE001684) ステイシー・スペイシー(BNE001776)
■プレイング
朱鷺島・雷音(BNE000003)
【心情】も。とはどういう生き物なのであろう。
も。 心踊る響きではないか。も。
うむ。めいっぱい楽しむ…いやいや、リベリスタの本懐を
はたしてくるのだぞ!かおはにやけてなどない!

【行動】
メンバーのみなと一緒に。
ボクは体力が低いのもあって後衛だ。
大丈夫とはおもうが念のため結界をはっておく。
怪我をするのはボクたちだけでいい。

「もっ。!!!」
あまりにも可愛いも。に大きな声をあげてしまう。
振り向かれたら「いや、なんでもない、気合の声だ」
焦ってごまかす。
キングも。きっともっとかわいいのであろう。

「かわいそうではあるが、お前たちが大きくなるとこまるのでな」
まずは守護結界でみなに守護を。
その後、式符・鴉で攻撃を。
うう…ぱちゅん!って…かわいそうなのだ。いやボクはリベリスタ。
こんな苦しみを超えて強くなるんだ!
仲間が大きくダメージをうけたら、(40ダメージ以上)
傷を癒すために傷癒術を。
「大丈夫か?バックアップはまかせてくれてかまわない」

全部倒し終えたらリゾートだ。
空にも。とボクの父親がうかんでいるようだ(死んでいません)
せっかくだ。あまり知らない人は得意ではないけど声をかけてみる
「えっと、一緒にあそんでやっていいぞ…じゃないあそんで下さい」
ちいさな声で。
帰り際には、父親におみやげをかっていってやろう。
喜ぶかな?喜ぶといいな。
世紀末・ハオー・伝説(BNE000301)
このハオー様の伝説を刻む時がついにやって来た。
相手は『も。』か。一匹一匹は脆弱だが数が集まると強大な化け物にパワーアップする。合体ロボットのようなエリューションだな。
本来なら合体させてから倒すのがお約束だろうが……合体前に倒すというのもそれはそれで熱いな。フッ、その話ノッたぜ。

『三千世界にあまねく精霊たちよ! 我が元に集え! 我が名は中二病大明神・世紀末ハオー伝説!』(自称)
俺は掛け声と共にこの世に存在するすべての善なる者たちの力を集める(中二的思い込み)
ククッ……集まってきやがった。これが選ばれし者の力か(特に変化無し)
『宇宙の塵となれ! ギャラクシーインフェルノ!』(ヘビースマッシュによる攻撃)

※以下三行は読み飛ばし推奨
真冬の海か。修行にはもってこいだ。
武装解除! ウォークインクローゼット!
インザシー! ファイティングスピリット!


補足:
現場に駆けつけたハオーは我先にと『も。』へと飛び掛ります。
できる限り早く『も。』を倒すために攻撃はヘビースマッシュを選択。
複数を相手にするのではなくとにかく目の前の敵に集中します。
終わった後は真冬に海に飛び込んで寒中水泳を行います。
ハオーは自分がTRPGのキャラクターだと思い込んでいるので冷たさなんかへっちゃらです。
でも肉体が強化されているわけではないので後でちゃんと風邪を引きます。
馬鹿ですか? 馬鹿でした。
氷雨・那雪(BNE000463)
◆戦闘直前
VTS…そう、ここが仮装空間…
何だか普段と変わらないけれど……とても、眠い、の
どこか、眠る場所、ない…かな(周囲を見渡し仲間を発見)
「貴方達が、一緒に、参加する方…。氷雨那雪…よろしく、なの…」

◆戦闘
『も。』を発見し戦闘に突入後
途端に頭の中の霧が晴れたかの様に思考が回転し始める
「想像以上に可愛いけれど…。
害をなす可能性があるものを放っておくことはできない。さぁ、始めよう。」
初手にコンセントレーションを使用し集中力を高める
「頭の中がクリアになっていく…これなら、いける」
その後、ピンポイントを使用し攻撃を開始
その際は仲間と協力し攻撃対象を合わせるよ
「その方が効率的だから」
(基本的には一定に位置からあまり動かずに敵を見据えて攻撃を行う)
「(『も。』を見つめ)最小限の動きで最大限の効果を…なるほど、弱点はそこだね」
前衛の子が体勢を崩したり危険な場合
ピンポイントを使用し援護を行う
「大丈夫か?」

◆戦闘後
戦闘終了後
スイッチが切れたように頭に靄がかかっていく…
まだ…考えたい事は、たくさん…あったの、に……
「眠たい、の……」
ふらふらと毛布に包まりつつ
白昼夢を見ているかのように歩きだし
「大丈夫……毛布一枚あれば、どこでも…寝られる、から」
お日様の当たるポカポカした場所を探し、そのままパタンとお昼寝へ

◆その他
呼称:~さん
口調:平時⇒幼い子供の様なたどたどしい口調/戦闘時⇒きりっとした冷静沈着でクールな口調
阿野 弐升(BNE001158)
仕事は「も。」ことスライム叩きなので、まずはそちらの完遂ですね

俺としては直接殴れれば結構な威力になると思うんでそれを狙いたい所なんですが……
不器用でいまいち当たりにくいんで、コンセントレイトは必須ですね。戦闘開始と同時に使います
それでも命中率が不安なので、ピンポイントでの遠距離攻撃をメインにいきます
弱小とはいえ、油断はできないので他の皆さんと攻撃目標を合わせます。一体ずつ確実に撃破していきましょう
ああ、それと集まるとデカくなるんでしたっけ。流石に6匹から100匹まで増える事はないと思うんですけど、用心するに越したことはないですよね
で、上手い具合に怒りでこっちに引き寄せられたら、オーララッシュで殴ります
「やっぱり、直接殴る方が性質に合います。戦っている、という気がしますからね」

任務が終わったら、リゾートで寛がさせてもらいますよ
何もせずに帰るなんで、勿体なさ過ぎますから
美味いディナー食べて、マッサージなんかがあれば僥倖ですね
海に突貫?……いや、そこまで考えなしではないですよ
まあ、そんな好き者がいたら激写しますが。あ、携帯のカメラでいいや
臼間井 美月(BNE001362)
ハハッ、やっぱり最初の敵はスライムじゃないとね!
いや、『も。』か…変わった名前だね。
中々愛嬌があるけど、増える前に倒さなきゃね!

と、言いつつ僕は基本的に回復役だよ。
他の人達が攻撃に集中できる様、怪我を負った人に天使の息を掛けて回ろう。

仲間が誰も傷を負ってない場合のみ、マジックアローで一番近くの敵を狙撃だ。
…まあ、『も。』の戦闘力的に実際にはこっちがメインかもね。
中心を撃ち抜いてやる!
…ぬっ、あれ?意外と難しいな…

何れにせよ『も。』には近づかない。
いや別に怖いからじゃないぞ?後衛は前に出ないのが定石だからだよ?
こ、怖い訳じゃないからね!?そこは誤解しないように。

(も。に近寄られた場合)
ちょ、近付くな!近付くんじゃない!?
来るな、やめっ!やだっ!くっ、来るなあ!(クロス振り回してワタワタ)
(※特に攻撃されなくても。涙目で)


▼退治の後
海に突貫は無謀?

ハハッ、そう言われたら逆に挑戦したくなるよね!
と言う訳で水着持参して来て見たよ。折角の機会だし!
(脱ぎ捨てた服の下に水着)
寒……あ、いや何でも無いよ?

なぁに、寒中水泳と言うのもある位だ、リベリスタの僕には楽勝さ。

(ノリノリで飛び込む。準備体操すらしてない)

…ッキャー!?
お、思いの他冷たっ!痛っ!寧ろ痛い!
アワワ冷たい痛い痛い無理!何これ無理死んじゃう戻っ…痛ー!?
つ、攣った!足攣ったいたたたた超痛いギャバ!?ガベバボボボ…
(見事に転倒、水没)
アイカ・セルシウス(BNE001503)
…何よこれ。
こんなスライムみたいなのが相手じゃ、私は満たされない気もするわね。
つまるところただ単純に討伐すれば良いのよね?この変な生物を。

○戦闘
自身の目の前にいるも。とやらに対して斬風脚を近づく前に放つわよ
「私を楽しませてくれるかどうか…お手並み拝見させてもらうわ」
「…期待はしていないけれど」
接近後は蹴りや打撃を中心とした物理攻撃を交え魔氷撃を叩き込んでいくわ
「ったく、ぷにぷにしててやり辛いわね。その表情もなんか腹立つわ」
出来る限り増援が来ないよう早めに潰す為に周りとの連携も意識していくわ
合体前に討伐できれば戦闘後に軽く一言呟くわ
「結局手応えなかったわね。ある意味合体させた方が楽しかったかもしれないわ」

仮に増援撃破が追いつかずにキングも。化してしまった場合は
攻撃や回避をしつつ様子を見ながら斬風脚を放つチャンスをうかがうわ
「ちょっとは…楽しめそうになったわね」
一斉攻撃する場合はそのタイミングで斬風脚を放つわ
「これで…終わりね」

○戦闘後
適度な厚手のコートに身を纏って海辺へと向かうわ
そこで一人冬の海風に当たるのも悪くはないわよね
「この季節の風は身に凍みるわね…」
「…そろそろ戻らないと風邪ひきそうね」

○その他
他人は名前で呼び捨て
典型的バトルマニア
柘植 浅葱(BNE001684)
「面倒なことがない依頼は、楽でいい・・・」

気分は簡単な害虫駆除。
さっさと終わらせてリゾートでのんびりするためにやってきた。
「眺めの良い景色を見ながらの一杯は、良いものだ・・・」

戦闘では狙いを外さず断続的・機械的に撃っていく。まるで流れ作業。
遠距離の命中率を高めるためにコンセントレーション
→ピンポイントで狙い撃ち
「・・・これでは作業だな。退屈してきた・・・」
同じ作業に飽きてきたあたりで、近距離に切り替え手当たり次第吸血・通常攻撃
相手の戦闘力が低いと侮って、回避は捨ている
庇われたり回復されたら無言で見返して薄く笑う←これで感謝の意を表しているつもり

仲間との連携は頭にないが
状況把握のためにひととなりと性質は理解しておく
(L:あらゆる情報を手に入れることがプロアデプトっぽさではないかと)

口数はそう多くない。
眠っているようで話を聞いていたりする。
持参の枕は誰にも触らせない。

ホテルでまったり組にはお茶会を提案するかもしれない。
「実は、いい茶葉を持参してきたんだ。君たちの分もなくはないのだが、どうだろう?」
場を乱すモノには容赦がないが、紅茶の味の分かる同好の士にはべた甘。
ステイシー・スペイシー(BNE001776)
金属が露出した体だしぃ、基本はその部分を
誤魔化すように常時幻視を使うわぁん。
むぅ、めんどくさいわねぇ。

■戦闘
あんっ、こんなもぷるぷるだなんて!
一口サイズに切り刻んで、美味しくしてあげるわぁ♪

戦闘開始後、結界を展開。
過度に大きな音を立てないように気をつけるわねぇ。

前衛で、HP回復出来る子の前で壁役よぅっ。
突破されないように、カラダで防ぐ感じねぇん。
回復はまかせたわよぅ!

ヘビースマッシュ一択で、ざっくり斬ってあげるぅっ。
他のリベリスタの子達と連携して、一匹ずつ確実に
ちゃっちゃと撃破していくわぁん。
速度が早い子に合わせるって感じかしらねぇ。
数が減ったら、包囲しちゃってもいいかもっ。
仲間を呼んでそうな兆候をを見つけたら直ぐに知らせ
そっち優先に攻撃よぅっ。
長引きそうなら無限機関でCPチャージしないとねぇ。


■終了後
も。の遺体処理が必要なら適当に埋めるわねぇ。
これって自然に消えないのかしらん?

潮風が金属(おはだ)に染みるのがたまに傷ねぇ。
それもそれで錆びる感覚が堪らないのだけどぉん♪
そうねぇ、海の見えるレストランでも見つけたら
同行した子を誘ってみても楽しそうねぇ。
一仕事した後ってお腹空くでしょぉ?
…ってここ、バーチャルというか過去の話なのよねぇ?
お腹もちゃんと満たされるのかしらん?


……それにしても。
昔から楽しいことやってたのねぇ、アークって♪
■リプレイ
●砂利を踏みしめるような音の後に壮大なBGM
 ぽぽぽぽぽぽんっ。
 小気味良い音をたてて、それらはそこに出現した。
 まんまるの体躯。目や鼻、口はなく、つぶらな瞳が二つ付いている。弾力があるのか、砂浜を跳ねて移動している。赤や青と六匹の色はそれぞれ違い、逆に言えば個性らしきものはそれしかない。
 明らかにこの世界の生物ではないものだ。もしも一般人に見つかれば、たちまち写真がインターネット上に流され、一時のニュースになるだろう。CGだ合成だと言われ、すぐに沈下するのだろうが。
 無論、異世界のものである。ひと目で凶暴でないと分かる外見であり、そのとおりではあるのだが、問題は凶暴性とは別のところにあるものだ。
 それを放置してはならない。ともすれば愛らしいとも思える外見に、生存を許してはならない。発見の、討伐の、殲滅の遅れたそれらが起こした災害は、過去に間違いなく存在するのだから。
 しかし、今回についていえば危惧する必要もないだろう。なぜなら、ここにはもう彼らがいる。
「つまるところ、ただ単純に討伐すればいいのよね? このへんな生物を」
 如何にもがっかりだ、という声色で『絶対零度の舞姫』アイカ・セルシウス(BNE001503)は出現したそれらを眺めた。戦いに楽しみを見出す彼女にとって、この程度の相手では満足などできはしないのだろう。
「なに、面倒なことがない依頼は、楽でいい……」
『エッジ・ウォーカー』柘植 浅葱(BNE001684)にとってすれば、単なる害虫駆除に過ぎない。そもそも、主な目的は仕事の後の行楽である。早々に終わらせて、気持ちを遊びに傾けてしまいたいものだ。
「任務が終わったら、寛がせてもらいましょう。何もせずに帰るだなんて、勿体無い」
 そういうものの、『消失者』阿野 弐升(BNE001158)の意識は異界の生物に向いている。先に仕事をと、彼のプロ意識に寄るものだろう。
「あれが『も。』か。『も。』、なんと心踊る響きか」
 語感が気に入ったのか。も、も、と口ずさむ『百の獣』朱鷺島・雷音(BNE000003)。アザーバイドの外見が気に入ったのか、にやける顔を抑えようと必死である。
 そして、ここにもその見た目に魅了された者が一人。
「あんっ。こんなにもぷるぷるだなんて!」
『メタルフィリア』ステイシー・スペイシー(BNE001776)は『も。』の出現と同時に結界を展開させる。アークによる人払いは済んでいるが、念には念を入れるに越したことはない。
「このハオー様の伝説を刻む時がついにやってきた……」
 仁王立ちで腕を組み、『も。』らを睨みつける『中二病大明神』世紀末・ハオー・伝説(BNE000301)。彼からは眼前のぷにぷに共とはまた違う、異世界の匂いがする。
「ハハッ、やっぱり最初の敵はスライムじゃないとね!」
 息子の片目に隠れた妖怪親父ばりに特徴的な高音で笑うは『From dreamland』臼間井 美月(BNE001362)。『も。』はなかなかに愛嬌のある敵だ。しかし、驚異となる前に倒してしまわねばならない。
「とても、眠い、の」
『微睡みの眠り姫』氷雨・那雪(BNE000463)は寝ぼけ眼で周囲を見渡す。花より寝床。彼女の場合、戦闘よりも行楽よりも、睡眠が上位に来てしまうのだ。
「貴方達が、一緒に、参加する方……氷雨那雪……よろしく、なの……」

 さて。
 長々と、堅苦しい文面で誠に申し訳ない。
 ぶっちゃけ、これはスライム叩きだ。ゴブリン狩りだ。棒切れを竹槍に持ち帰る前の小事に過ぎない。
 宿賃程もする草を食いながらであれば、はたまたえらく青い瓶の液体を口にしながらであれば、諸君ら一人でもなんら問題のない相手に過ぎない。
 しかし、冒険の第一歩とは得てしてこういうものだ。群れの長を仕留める偉業も。雑兵との戦から始めるものだ。
 ならばこれも楽しく行こう。物語を加速させ、禍福をおりまぜた輝かしくもどす黒い未来にむけて、はじめの一歩を。
 それこそ、舞い落ちる木の葉を掴みながら。

●武器屋付近にて村人のセリフに「わかっとるわ」と胸中で突っ込んだ思い出
 定石。
『も。』がこちらに気づくと同時、前衛は疾く、疾く走る者と、一歩前へ踏み出し構えるものに別れる。後衛は直ちに詠唱を開始。今の自分を、仲間を最大限へと底上げする。
 前衛攻撃、中衛防御、後衛支援及び攻撃と、パーティ戦における理想的な陣形と言えるだろう。全員が連携を念頭に置きながらも、個々の能力を発揮させる。

「お手並み拝見させてもらうわ……期待は、してないけど」
 接敵より先に、アイカの剛脚が風を切る。裂き貫く為に生み出された不可視の刃が、緑色のぷにぷにに命中する。
 緑色、半分になった。
「弱っ!?」
 誰ともなしに誰かが叫ぶ。この生き物。耐久性もへったくれもないのである。
「三千世界にあまねく精霊たちよ! 我が元に集え! 我が名は中二病大明神・世紀末ハオー伝説!」
 いや、ある意味凄い。
 当然ながら、全て彼の妄想である。この辺に特殊な精霊は居ないし、彼に集める能力はないし、っていうか自分で中二病って言っちゃったよ。
 それでもその猛々しい肉体を強ばらせ、ともすれば小さくも見えるその手の剣を力強く叩きつける。
「これが選ばれし者の力か……宇宙の塵となれ! ギャラクシーインフェルノ!!」
 ヘビースマッシュです。
 半分になった緑色に、唐竹割りが突き刺さる。白刃は柔らかいまんまるを切り裂き、二分割を四分の十字へと止めを刺した。
 赤い塵となって、緑色が消滅する。
 まずは一匹。繰り返すが、これはスライム叩きである。

「もっ。!!!」
 突然の大声に、驚いた仲間たちが振り返る。
「い、いや、なんでもない。気合の声だ、うん」
 いけないいけない。あまりの可愛さに声を出してしまった。
 色とりどりのぷにぷにでまんまる、つぶらな瞳で見上げては、怒ったり驚いたりと感情豊かに動き回っている。
 かわいい。話しに聞くキングは、きっともっと可愛いのだろう。しかし悲しきかな、辛きかな。これ、敵なのよね。
「お前たちが大きくなると困るのでな……」
 印を組み、守護結界を発動。リベリスタ達を光の防壁が包みこむ。ただでさえダメージを与えようもないぷにぷに共が、ちくりともさせられなくなった瞬間である。あれ、詰んでね?
 そして防壁に阻まれ、体当たりをしても弾き返されては転がる『も。』を、式神の鴉がつついていく。ちくちく、ちくちくちくと。痛がって涙目になる『も。』。
「か……かわいそう。い、いや、こんな苦しみを超えて強くなるんだ!」
 拳を握り締め、決死の思いで自分に言い聞かせた。

 コンセントレーション。
 脳の伝達処理を飛躍的に向上させることで、集中力を引き上げるプロアデプトの秘技である。
 弐升、浅葱、那雪の三名は、戦闘が始まると同時にこの秘技を用い、己にブーストをかけていた。
 そして一斉に放たれる気糸の精密射撃。それぞれが申し合わせたかのように同じ個体、紫色のそれへと突き刺さる。
「その方が効率的だから」
 戦闘において、極めてロジカルに思考し、行動することを得意とするプロアデプト。その計算されつくした展開の前には、単なる異界の野生生物など敵ではないのだ。
 いや、別に誰からしても『も。』は敵ではないのだけれど。
「これでは作業だな。退屈してきた……」
 ただ撃つだけの流れ作業に飽きだした浅葱は、気糸の射出を止め、走りだす。
「やっぱり、直接殴る方が性に合いますね」
 弐升もそれに続く。前衛としての役割遂行も可能なプロアデプトならではの行動だろう。
 浅葱に鷲掴みにされ、持ち上げられる紫色。爪が食い込み、痛みにもがく。ドクン、と鼓動のような攻撃音。みるみるうちに『も。』の目から精気が失われていく。血を吸う鬼の一撃が、灰は塵にと掻き消した。
 ターン進行。『も。』の攻撃。
 仲間をやられた赤色のぷにぷにが、接敵したヴァンパイアへと突撃する……したかった。
 精確無比の気線。極細の一糸が、赤い個体を貫く。
 勢いをそがれ、虚しくぽてんと落ちるそれを、弐升の連打が迎撃する。四散し、赤霧となっては砂混じりの虚空に消えていった。
「大丈夫か?」
 あくまで後衛として構えていた那雪の射撃が、浅葱の窮地(?)を救ったのだ。
 振り向き、自分を助けた少女に向けて薄く笑う吸血鬼。どう見ても面白い獲物を見つけたぞという顔だが、これ、ありがとうのサインである。
 
 魔弾の射手。美月の放つ光陰が、近くにいた『も。』の一部を削ぎ落した。
「ぬっ? 意外と難しいな……」
 中心を打ちぬきたかった美月だが、外してしまったようだ。それを見た『も。』が、仕返しとばかりに近づいてくる。
「ちょ、近付くな! 来るな、来るな、やだぁ! く、来るなぁ!!」
 涙目でクロスを振り回すネズミの少女。どうやら、このぷにぷにが恐ろしいようで。
「こ、怖いわけじゃないからね!? でも来るなぁ!」
 あたふたする美月を守るため、ステイシーが『も。』の前に立ちふさがる。
「一口サイズに切り刻んで、美味しくしてあげるわぁ♪」
 重音。
 振り下ろされた剣戟が、身を減らした青いそれを両断する。反撃の意志もむなしく、異界の珍獣は消滅した。
 あと、一匹。

●おや? 『も。』のようすが……?
 ぽんっ。
 小気味良い音。でもこれ今一番聞きたくない。
 残るアザーバイトは黄色だけである。そう、黄色が二匹。
 ……二匹?
 ぽぽんっ。
 いいえ、四匹。
「はじま……った?」
 増殖。増殖。一は二へ。二は四へ。目指すは百匹。高みは王へ。
 ぞくりと、嫌なものが背筋を駆け上る。リベリスタとしての本能が告げるのだ。恐ろしいことが起きると。
「た、たおせえええええええええっ!!」
 殺到する。殴りつける、斬りつける。倒せ倒せ倒せ倒せ。
 疾く速く、増えるよりも早く、弾けるような音に危機感を感じながら。
 幸いにして、開始数は少ない。ねずみ算に増えたとしても、こちらの殲滅速度がそれを上回っている。
 渾身の一撃。それは誰が放ったものだったのか。
 最後の一匹が増える素振りを見せた刹那、可愛くも恐ろしい黄色のぷにぷにを必殺のそれが元の世界へと送り返した。一瞬の静寂、安堵の吐息。
 戦闘終了、お疲れさまでした。
 さあ、遊んで帰ろうか。

●勇気がある者を略して勇者と呼ぶのなら
「辛く苦しい戦いだった……」
 可愛らしい『も。』に対し、涙を飲んで戦った勝利の余韻に浸りながら、雷音は空を見上げた。ああ見よ、まるで自分の功績を祝福するかのように、あの高き空にも父の顔が浮かんでみえるではないか。(ご存命です。)
 しかし、倒しきったのだから遊ぶ時間である。せっかくだ、誰かに声をかけてみようかと、楽しみと期待に寒さも忘れ、獅子名の少女はあたりを見渡した。

 そう、寒いのだ。冬だもの。この寒気の中、まさか海に入ろうなどと、それは無謀に過ぎない。
「ハハッ、そう言われたら逆に挑戦したくなるよね!」
 罰ゲームをふられてモノマネに逃げたやつがよくやる顎を突き出したものではない方のような高音で、美月は誰かに買い言葉を返した。
 ばさりと、服を脱ぎ捨てる。その下に現れる水着。どうやら衣服の下に着ていたらしい。
「寒ッ……あ、いやなんでもないよ? ハハッ、なぁに、リベリスタの僕には楽勝さ!」
 意気揚々と海へダッシュしていく美月。たとえ訓練や健康のための寒中水泳と言えど、準備運動すらせずに泳ぎ始めれば、
「……ッキャー!!? お、お、思いのほか冷たッ、痛ッ、ちょ、寧ろ痛い!?」
 こうなるわけで。
「ああ、素敵な好き者がいますね。大丈夫なんでしょうか、アレ」
 言いながら、携帯電話のカメラ機能で何枚も写真を撮る弐枡。そりゃあこの寒さで泳いでいる猛者がいれば、記録に残したくもなるだろう。

「嗚呼嗚呼突っ込んでいったわねぇ、なにしてるのかしらん?」
 その光景を、近くのレストランで窓辺の席からステイシーが見ていた。潮風は、金属でできた彼女の肌には良い影響を与えない。早々にこの場所へ避難していたのだ。
「それはそれで、錆びる感覚がたまらないのだけどぉん♪」
 その正面の席では、浅葱がウェイターに持参の包みを手渡し、何かを伝えている。
「実は、良い茶葉を持ってきたんだ。君たちの分もなくはないのだが、どうだろう?」
「あら、いいわねぇん。でもぉ……二人分でいいわぁん。そっと、静かにねぇん♪」
 唇に人差し指をあてたステイシーが眼を移したもう一席。そこでは、どこから持ってきたのか、一枚の毛布にくるまった那雪が可愛らしい寝息を立てていた。戦闘の最中はあれほど強く張り巡らせていた意識も、平時には眠気で保つことができないようだ。
「確かに、睡眠の邪魔をするわけにもいかんな。しかし……あれ、溺れてないか?」

 ぴきーん。
「つ、つった! 足つったたたたたたたた痛い超痛いギャバ!? ガベボボボボ……」
 地上に出た海老のようにきっかいな動きでしばらくの間もがいていた美月だったが、ほどなくして動きに力がなくなり、ぴくりともしなくなる。完璧な溺死体のポーズで、波に攫われていった。
「ウォークインクローゼット!」
 ぐったりとした美月を抱え上げ、美しいバタフライのフォームで筋骨隆々の男が水面から顔を出した。
「インザシー! ファイティングスピリット!」
 失神した濡れ鼠と同じく、寒中水泳へと洒落込んでいたハオーである。弾ける水飛沫。吹き付ける風。だがしかし、彼はこの極寒の地獄で肌に汗すら浮かべている。これが心頭滅却のなせる業なのか、思い込みとはかくも激しいものなのか。
 美月を肩に担いだまま、岸に戻ると、ハオーは明後日の方向に向けてニヤリと笑い、大きなくしゃみをした。
 あ、風邪ひいた。

「この季節の風は、身に凍みるわね……」
 勇ましくも夏の格好で突貫した二名と違い、アイカは正しくコートを身に纏い、一人海風に当たっていた。細波の音に思うのは、過去の強敵か、未だ見ぬ先に住む猛者か。
「……そろそろ戻らないと、風邪ひきそうね」
 冬の海に背を向け、ホテルへと歩き出す。その先で、土産物選びに悩む雷音と弐枡の姿が見えた。
 
 了。

■シナリオの結果
結果:成功
重傷:なし
死亡:なし
■あとがき
 モデルは四つひっつけて消すアレだったりします。

■プレイング評価
臼間井 美月(BNE001362)
組み立てた物語の中で勝手に動き回ってくれたので、非常に書きやすく、また楽しませていただきました。
どうにも、私は積極的に自分らしく動いていただければ筆がのりやすいようで。
今後も、このキャラクターを貫いていただければと存じます。
追伸。これ本当に怒られないんだろうな?