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 ソファに浅く腰掛けたミュゼーヌの視線が、じっ……と、傍らの恋人の手元へと注がれます。三千の細い指の向かう先には、ころころと可愛らしいトリュフチョコレート。
 そう、今日はバレンタイン。大切な、乙女の一大イベント。
 丸いチョコを手に取る彼の隣で、お澄まし顔のミュゼーヌですが……実のところ、その内心はもう、どきどきはらはら。何せそのチョコレートは、料理の苦手なミュゼーヌが、ひとかたならぬ苦労と腐心の末、何とかようやく形にすることができたものなのです。正直言って、味にはあまり自信がありません。
 祈るような心持ちのミュゼーヌをよそに、三千はチョコレートを口へと運び……ぱくり、一口。
 途端。彼の顔は、ぱあっ、と明るい色に染まり。
「わ……ミュゼーヌさん、これ、すっごく美味しいです!」
「ほ、本当……? ふ、ふふん、もちろん、私が作ったのだもの。この程度、造作も無いことだわ」
 華やぐ恋人の笑顔に、ミュゼーヌは強がりを言いながらも、思わず、ほうっと安堵のため息を漏らします。

 もちろん、三千は、知っていました。彼女が決して、料理上手ではないこと。これを作るために、彼女がどれほど苦労したか。
 全ては恋人である、自分のため。それが、嬉しくて。愛おしくて。
 口の中で解ける、甘いチョコレート。暖かく寄り添う、彼女の存在に。
 三千の耳と尻尾は、自然、ぴこぴこと踊り出してしまうのでした。
 
ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)
七布施・三千(BNE000346)

 
担当VC:
担当ST:墨谷幽