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薄暗がりをぼんやりと照らし出す、瞬く極彩色のネオンサイン。空間をじんわりと満たす、上質のテクノポップ。デッキへジャック・インするかのように、明滅するモニタへと没入するギークたち。 自身が経営するカフェのバーカウンターに座るジェイドは、ある種の完成された世界観を擁するこの店において、しかし……少しばかり似つかわしくない光景を前に、思わず一つ、苦笑い。 「はい、こっちが、ジェイドさんの分ですよ。ぜーんぶ、本命チョコですからね?」 そう言ってユウが指し示すのは、ピンクの包装紙に包まれた、可愛らしいチョコレートの箱……の、山。 開いた包みの一つから取り出したチョコをパクつき、口元や頬をべったりと汚しながら、ユウはにっこりご満悦です。 「……なあ、お前。本命の意味、分かってるか?」 「え? 一番美味しい、ってことですよね?」 ジェイドの問いにも、ユウはあっけらかんと、そう答えるのです。 言うなれば、手のかかる姪っ子のような存在。実に幸せそうにチョコをほおばるユウが微笑ましく、ジェイドは目を細めて笑いながら、自身も一つ手に取り、ぱくりと一口。 「ま、たまには……こんな、甘ったるい日も。悪くはないもんさ」 つぶやくジェイドに、子供めいて無邪気に笑うユウ。 ユウが胸に秘めた、淡い想い……彼女自身すら気づいていないその気持ちが、目の前の彼に伝わる日は、果たして。訪れるのでしょうか? |
ユウ・バスタード(BNE003137) ジェイド・I・キタムラ(BNE000838) |
担当VC:藤丸あお 担当ST:墨谷幽 |