|
「ねえ、綾兎。ほら、こっちを向いてよ?」 「…………(つーん)」 遥紀の二人の養い子たちは、朝からお出かけ中。久しぶりに、のんびりと二人きり、過ごす一日。 それがとても、とても嬉しいはずなのに。素直になれない、寂しがり屋の兎さんは、遥紀の差し出したチョコレート……ハート型の可愛らしいそれを見ても、口をとがらせ、ぷいっ、と顔をそむけてしまいました。 遥紀は、そんな可愛い恋人の反応が微笑ましく、たまらなく愛おしく。 「ふふ……仕方がないなぁ」 ケースからチョコを一つ取り上げると、それをぱくり、口の中へと放り込み。そして……。 「綾兎?」 「あッ、!? …………んっ」 白い壁へ投影される、二つのシルエットが、混ざり合い。 ソファの上、探し合うように惹かれあった手と手は、いつの間にか、きゅ、と結ばれて。 寄せた唇は、チョコレート味。綾兎の口の端からは、つ……と、解けて溶けたチョコが、一筋。伝っていきました。 やがて、名残惜しそうに身を離すと。綾兎は口元を拭いつつ、上目使いに遥紀を睨みながら……でも、潤んだ瞳に、頬を朱に染めながら。 「……まったく。いつも強引なんだから、さ」 「綾兎がつれないからさ……俺の大事な、兎嫁さん?」 恋人たちは視線を絡ませ、再び、吸い寄せられるように……その身を預け合い。 二人きりの特別な一日は、互いの暖かな肌の温もりに包まれながら、ゆったりと過ぎていくのでした。 |
宇賀神・遥紀(BNE003750) 神薙・綾兎(BNE000964) |
担当VC:TsuYama 担当ST:墨谷幽 |