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「やっ……やぁああああ!?」 突然響いた叫び声と盛大な葉擦れの音に、木々の上に休んでいた鳥たちが一斉に飛び立った。 右の足首が何かに捉えられた瞬間、問答無用の勢いで、体ごと宙に吊り上げられる。 罠だと気付いた時には、柊暮・日響(BNE003235)の世界はぐるりと反転していた。 時は恋の戦国、バレンタインデー。季節は春めき乙女がときめく、特別な日。 そんな日に、チョコレートを渡しに向かう途中だった日響を待ち受けていたのが、甘い恋の罠どころか――まさか非リア忍が仕掛けた、思いっきり物理の罠だなんて。 重力に従って、くノ一装束がひらりと捲れ上がる。 手には大切なチョコレート。両手を使う訳にもいかず、片手で必死に裾を抑えるも、かなりきわどいところまで露わになってしまう、褐色の太もも。はいてるのかはいてないのかは……ご想像にお任せするしかない! 顔は羞恥で赤らみ、もはや半泣き。 お色気の術を体得したいとは思っていたけれど、よりにもよってこんな時に、修行する羽目になるとは聞いていない。 忍びの道は険しき道――それを改めて痛感した(?)日響なのだった。 |
柊暮・日響(BNE003235) |
担当VC:壱 担当ST:鳥栖 京子 |