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 ナチュラルテイストに統一されたキッチンの窓から見える空は、グリーン・ヘイズの曇り空と葉っぱを落とした庭の樹木だ。
 外の寒さとは対照的に甘いチョコレートの香りが漂う室内。
 焼き上げたショコラケーキの上に絞り出すクリームも甘くて美味しいチョコ味。
 日々の戦闘が苛烈さを増す一方で、お菓子を作る時間は至高の一時なのだ。
「ふふ……」
 双葉のアザレアの花色をした瞳が小さく細められた。同時に艶やかな黒髪がローズ・ピンクのエプロンへと流れて行く。
 姉の絶壁とは違い彼女の胸は乙女サイズであった。加えて腰のくびれ具合がスタイルの良さを引き立てている。
 可憐な乙女が恋する彼に想いを伝える為に作る様なスイートなケーキだが、あげる相手は断崖絶壁の姉である。
 色々な方面に迷惑を掛けている困った姉ではあるが、彼女にとっては大切で大好きな存在なのだ。
「喜んでくれるかな?」
 チョコや甘いものが好物の姉の事だからきっと、喜んでくれるに違いない。
 最後の一絞りをくるんと上手く型どってようやく出来たチョコレートケーキを眺める双葉。
「よし! 完成だよ!」
 ラッピングはもちろん双葉の好きなローズ・ピンクのリボンを掛けて渡すのだ。
 
羽柴 双葉(BNE003837)
 
担当VC:dam/dam
担当ST:もみじ