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『空の舞踏』 |
「ああ、こんなのって……凄すぎるぜ」 焦燥院 フツ(BNE001054)は満天に輝く地上の星を見下ろして小さな嘆息を吐き出した。 「ふふ! 今日は特別だから、ふっくんと二人きりが良かったのよ」 その背に鳥の翼を広げ――愛しい恋人の手を引くのは華やかな笑みを浮かべた翡翠 あひる(BNE002166)だった。 クリスマスの日の一幕。幻想めいたこんな夜には特別な時間こそが相応しい。『空を散歩』する二人は地上で様々な時間を過ごす誰よりも――間違いなくあひるの望んだ『二人きり』に違いなかった。 「寒いな」 「うん」 「でも手を繋いでるから、大丈夫だ」 「うん!」 空に遊ぶ二人の影はまるでワルツを踊っているよう。 ある種、絵画めいた風景(ロマンス)は――写真でも絵でも切り取る事は出来ない位にどうしたって美しい。 「……あっくんと一緒で、嬉しいぜ」 少しだけ照れたように響いたその声に「くわっ」と応えた彼女の頬は成る程、とんでもない高熱を持っている。 風邪を引かないようにね、お二人さん。 |
焦燥院 フツ(BNE001054) 翡翠 あひる(BNE002166) |