|
『だぶるさんた』 |
大きなクリスマスツリーには華やかなイルミネイション。 日常とは隔絶された極上の時間を共に過ごすのは特別な誰かである程、良いものだ。 「……ん、クリーム美味し」 机の上に広げられた大きな苺のショートケーキを銀色のフォークですくい、この上なく幸せ……に溜息を吐いたのは紅顔の美少年――宮藤・玲(BNE001008)その人だった。 「慌てなくてもいっぱいあるぜ」 玲が無防備に、そして素晴らしい笑顔を浮かべている理由はケーキの甘さばかりでは無い。ホールケーキを直接崩す玲の反応に小さく笑って――見守るように一緒に居る桜小路・静(BNE000915)の存在は彼にとってはケーキよりもツリーよりも欠かせないとても大切なものだった。 サンタのコスプレをした二人はクリスマスらしい時間を過ごしている。 「静さん、今、とっても幸せ!」 「ん、俺も……」 聖夜の舞台装置は誰もを『二割増し』にするという。 それがお互い、掛け替え無く想い合っている相手であるならば尚更である。 繰り返す。極上の夜は『あなた』と過ごすから素晴らしいのだ。 ケーキの甘さも、零れる雪も。そっと触れる指先の、その熱も。 |
桜小路・静(BNE000915) 宮藤・玲(BNE001008) |