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『絡み合う少女達(物理)』
「ああ、もう! 離れなさいよ、へクス! お呼びじゃないのよ!」
 頬を紅潮させ、プリプリと怒った顔を見せているのは宮代・久嶺(BNE002940)だった。何せ十一歳の美少女、何処か特別な専門店で高いお金を払っても下手すれば御用になりそうな実にコスプレライクな格好をした彼女が『何故この部屋に忍び込もうとしたか』は敢えて問い掛ける必要のある内容では無い。
「夜中にうるさいです。用が無いのは此方も同じですよ!」
 絶対鉄壁を自認するヘクス・ピヨン(BNE002689)の場合、その鋭敏なる感覚がある意味での仇となった。間違いなく彼女に用は無い久嶺が『狙って』いたのは彼女と一緒に寝ていたもう一人の方である。久嶺がお姉様と呼び愛して止まない彼女は騒ぎも一切気に留めずスヤスヤと可愛らしい寝息を立てたままであった。
「クリスマスの、このチャンスに! 想いを遂げるのよ!」
「どんな小学生ですか、貴方は。歳相応に生きなさい!」
 その手に大量のリボンを携えた久嶺は何をする心算だったのだろうか。これはあれであろうか、自分リボンというヤツであろーか。しかし、彼女の目論み虚しく赤いリボンは今、二人を接近させる(物理的な)赤い糸となっていた。
「ああ、余計絡まった!?」
「安眠の邪魔です――!」
 ……(物理的に)絡み合う少女達。
 やり取りは絵にならないけれど、『絵になった』のは幸いか――
 
ヘクス・ピヨン(BNE002689)
宮代・久嶺(BNE002940)