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『だが、白石は動かず……!』 |
クリスマス。嗚呼、クリスマス。クリスマス。 世の中は浮つき、人は昂揚し、無宗教じみた生活を送っている割に、(基本的には)仏教徒の癖に、大して興味も無い基督教の一大イベントに全力投球するのは実に宗教的価値観の弱い日本人らしいシーンと言えるのかも知れないが。 「部長、次負けたら又罰ゲームな!」 「な、なななななな何を言っているのかね? し、白石部員! つ、次は僕の得意なアレだよ? 本気を出してしまうよ!? 分かっているの!? ねぇ!」 三高平学園ゲー研部室。白石 明奈(BNE000717)と臼間井 美月(BNE001362)の二人は全くそんな世情とは関係の無い実に『普段通り』の時間を送っていた。レトロなブラウン管のテレビの中で細やかに動くドットのキャラクターは同じく時代を感じさせるものだ。「次は得意なゲーム」とまで言い切った美月の劣勢は明白で、顔面蒼白と化した彼女はヤケクソ気味にボタンを連打している一方でニコニコとした笑顔を貼り付けた明奈の方は余裕綽綽といった感。 「次は何してもらおっかなー?」 「ま、まままままままだ勝負はついて……諦めたら試合は……」 『諦めたら?』 「みにー!?」 式神にさえ裏切られる美月のやられ具合は一つの芸術。 世間ではクリスマス、だが白石は未だ動かず! ――未納品が可哀想なのでオマケDEATH。 |
白石 明奈(BNE000717) 臼間井 美月(BNE001362) |