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●If物語――うさぎと758の大紀行●

※このおはなしはそれとなくフィクションです。じっさいのじんぶつだんたいとは以下略。

「前回までのあらすじ!
 遂に『カレイドシステム』によってある凶悪フィクサード組織の本部を突きとめたアーク!
 アークに所属する私はフィクサード組織本部壊滅の任務を受け、アークの世界一ィィィな科学力の結晶である戦闘予知兵器漆伍捌號こと名古屋さんと共に夜の街へと繰り出したのであった」
 ナイフの様な三日月が光り、『夜翔け鳩』犬束・うさぎ(BNE000189)と『歪曲芸師』名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)の後ろ姿を煌々と映し出した。
 二人の視線の先に在るのは厳めしい建物――フィクサード組織本部。
「では、名古屋さん」
「ガッテンですぞ」
 うさぎの目配せに頷いたメルクリィが額にV字をした両手指を添えた。カッ、と光る。

 チュィーンどどーん。

 具体的に言うとメルクリィが横薙ぎに放ったビームがどかーんでフィクサード組織本部の玄関が大炎上である。ただしビームは真空管から出る。爆風にうさぎの戦闘用緑布もぶゎっさぁである。
「や、やったか……!?」
 濛々と立ち上る硝煙を構えた手で防ぎつつうさぎは言うが、硝煙+やったか? のコンボはやれてないフラグである。
 そう言う訳でわらわらっとフィクサード達が手に手に武器を持って現れた。殺気。剣呑な雰囲気。
「出てきた出てきた……30人位か」
 11人の鬼(のぞみせんせい)を構え、こちらを取り囲み始めるフィクサードを見遣る。最中で曰く、「さて」と。おさらいです。
「貴方の仕事は敵戦力の引き付け敵最強の副官を引き出せたら私はその間に中に入り込み戦闘が苦手な敵将の首を狩って来る、と。OK?」
「OKですぞ!」
 無表情のまま噛まずに一息で放ったうさぎの言葉にメルクリィが親指をザムンと立てた。
 そう言う訳で、作戦開始。
 わぁっとフィクサード達が雪崩れ込む様に吶喊してくる。
 その様を見、うさぎは浅く息を吐くと共に肩を竦めてみせた。
「やれやれ、平和主義の私達がこんな仕事とは因果な事で……っと、ちょっと」
 フィクサード達は文字通り『問答無用』らしい、踏み込んだフィクサードが振り下ろした刀を11人の鬼の刃で受け止める。刃物と刃物がぶつかり合う玲瓏な音。力と力が拮抗する。刹那の出来事であったが、相変わらず無表情。
「人が話してるのに」
 鋭くしならせ振るう戦闘用緑布(きしめん)。命を得たかの如く空を裂いた緑色が、蔦の様にフィクサードの脚に絡み付いた。ぐい、と。引く。相手の体勢を崩させる。ぐらり。後ろに傾いた相手の首へと『鬼』を振り上げ。
「邪魔しないで下さい」
 一閃。ざくり。涙滴型をした11枚の刃がそれぞれに相手の晒された首筋に喰らい付き、引き裂き、刎ね、飛ばした。
 全く困ったものだ。頬に飛び散った血を手の甲で拭うその傍らでは、メルクリィの腕と肩の凶悪極まる二六本の棘が勢い良く射出され――正確無比に二六人のフィクサードに突き刺さった。
 呻き声の重奏が響き、ドサドサドサリと倒れ伏す。されど驚くべき事に、二六名のフィクサード達は誰一人命を落としていないのである。
 やれやれ。チート臭いその強さを横目に、うさぎは再度の溜息を。
「……もう貴方だけで良いんじゃないですかね」
「何を仰います、ひとりぼっちはさみしいんですぞ!」
「まじですかー」
「まじですぞ!」
 なんて感じにそんなこんなでうさぎが呆れている間にも、「てめぇらよくもやりやがったなー」と怒気を露わにフィクサードが更にぞろぞろと現れる。
 今にも爆発しそうなダイナマイトを思わせる殺気に包まれながら――それらを見渡し、うさぎは油断なく身構える。メルクリィと背中合わせにフィクサードと睨み合う。
「……ざっと100越え。今度は下っ端でもない様で……」
 ちらりと視線を背後のメルクリィへ。
「彼らも気付いたようですよ?」
「ほほう? 一体何にでしょうか」
「とぼけちゃって。刺客が貴方だ、って事ですよ」

 曰く、それはアジアから来た魔神機――メルクリィの右腕から七五八式タクティカルアクスがジャキーンと飛び出し、血風と共に戦場を荒々しく切り開く。そしてうさぎが指先に蕩ける様な甘い毒を乗せ、敵対者に死を刻む。

 曰く、それは戦慄の真空管――メルクリィのメカアームが伸びて縦横無尽に広範囲を切り刻み、うさぎが手にする11人の鬼が悲鳴を手拍子に唸りを上げて舞い踊る。

 曰く、それは箱舟の最終兵器――曲芸師の軽業を以てメルクリィが鮮やかに駆け、飛び、巡り、うさぎが戦闘用緑布を靡かせながらしなやかに翔ける。

 曰く、それは歪曲芸師メルクリィ――ヒュンと刃が振るわれる音を最後に、戦場に立つ者はメルクリィとうさぎの二人だけ。因みにリザルトはメルクリィ9割にうさぎ1割である。

「たかが3桁の戦力で獲れるものか」
 そしてこのドヤ顔(※無表情)である。
「ほ、褒めても無限機関しか出ませんぞ」
「出るもんなんですか無限機関って」
「えぇと、出るというか、フィーリング?」
「そんなことより名古屋さん」
 あれ。促した視線の先。ズン、と響いた足音と、新たな殺気。
 現れたのは、スチームを歯列から立ち上らせるメタルフレームの巨漢。それと、その配下達。
 ただならぬ気配。
「……来ましたね副官」
 彼が展開する数多の兵器を息を飲んで見据え。張り詰めた気配。一触即発。
「アレは流石に格が違う筈……名古屋さん、どうか御武運を」
 ま、いらぬ心配でしょうけど。なんてうさぎが密かに呟いた時には「ガッテンですぞー!」とメルクリィがExロケットパンチをぶっぱした。

 チュドーンどがーんどどどどどど。

 ありえない程の爆発威力。凄まじい爆音。何もかもを包み込み。
 大量の爆炎が、爆煙が、硝煙が、夜空を染める。

 それらを背に、二つの人影が夜の中へと徐に歩を進めていた。
「任務完了、ですね」
「その様ですな。お疲れ様ですぞ!」
「はい、名古屋さんこそ」
 うさぎとメルクリィ。アークのリベリスタ。彼等は互いを労いつつ、夜闇の黒へと消えてゆく。

 だがリベリスタと戦闘予知兵器漆伍捌號の戦いは終わらない。
 世界に不穏な影がある限り、彼等の歩みが止まる事はない。
 うさぎとメルクリィは目を合わせ、頷き合うや地を蹴って飛び出した。

「「私達の戦いはこれからだ!」」


_人人 人_
>  完  <
 ̄Y^Y^Y^ ̄



●あとがき
 こんにちはガンマです。
 そういうわけでオフSSでした。
 当選者の方はおめでとうございます&ありがとうございました!

 またオフの時にお会いできましたら、よろしくしてやって下さいませ。