「ったく――人が本気で寝込んでる時にうるせぇな」 遂に訪れた最後にして最大の決戦は熾烈を極めるものになった。 時間を稼ぎたいアシュレイと、そうはさせじと奮闘するリベリスタ達の戦いは一進一退の攻防を見せていたが…… 状況に風穴を開けんとしたのは聞き慣れた男の一声だった。 ――さあ、俺様が命じるぜ! 敵に回せば結構愉快で、味方にすればこれ程心強い人間はそうはいない。 敵味方の空気を切り裂き、ド派手に登場したのは『バアル』の槍で暗闇を裂いたキース・ソロモンその人だった。 彼はウィルモフ・ペリーシュとの戦いで致命的打撃を負い、姿を消していた筈なのだが…… 「遅いんだよ」 「『レベル上げ』の途中だけど、よ。精々雑魚の露払い位はしてみせるぜ」 ……何故ここに、は余りに愚問が過ぎるだろう。 無事だったか、とは言わず悪態を吐いたリベリスタに赤い目をしたキースは笑う。 「まだ倒してぇ相手が居るのに、勝手に世界を吹っ飛ばされてたまるかよ!」 |