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避けて通れる道では無かったでしょう。
アークはどの道、何時か『彼』と対決しない筈は無かった。
今更です。気後れする心算はありませんが……敵は『疾く暴く獣』ディーテリヒです。 |
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バロックナイツ盟主……
神秘界隈において最大に有名な個人の一人だ。
いよいよ、大ボスがお出ましって訳だが。
ま、和泉の言う通り今更だ。名前を考えるなら『黒い太陽』も同じ。
実で見るならラトニャ・ル・テップ以上なんていねえだろうからな。 |
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だが、今回ばかりは状況は甘いとは言えないぞ。
私に言わせれば油断と慢心の塊だったそいつ等の方が余程マシだ。
最強の――まぁ、便宜上の表現だが――個が十分な露払いを用意して動いている事。
つまり、これは連中のアークに対しての『適切な評価』を物語る事実だ。
ディーテリヒが何を考えているかは知らんが、少なくとも彼は計画を本気で遂行しているんだろう。 |
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狙いは当然、『閉じない穴』だ。
この期に及んでアシュレイ等がこれを狙うって事は何か明確な意味があるんだろう。
一人でも未知数の化け物が、油断もせず使徒を三人連れてる。
万華鏡のアドバンテージはアシュレイを前に低下を余儀なくされる……
ま、深春の言う通りこれが正念場になるのは間違いない。 |
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逆を言えば『彼』を打倒すれば少なくともバロックナイツとの抗争は終了しますからね。
『ヴァチカン』としては聖逆戦争以来の対決だが……
是非も無し、とはこの事になりましょう。 |
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感謝します。枢機卿。
『ヴァチカン』の他にも各リベリスタ組織が支援をくれてる状態だ。
中には「恩を売りに着た」と言って憚らない恐山の姿もあるが……
他旧七派についてはそれぞれの事情で『忙しい』ようだから気にしなくて構わない。
しかし、彼等を含めたアークの予備戦力で支えられるのは連中の『数』までだ。
公園に入り込む『質』の方は引き込んで迎撃するしかない。
つまり、お前達エース部隊にかかってるって話になる。 |
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防衛戦の最上はディーテリヒの撃破、そしてバロックナイツの撃退だ。
しかし、それ等全てを達成するのは奇跡の芸当が必要になるだろう。
次善は敵を可能な限り食い止め、その戦力を減らし、生還する事だ。
万が一、公園の防御が困難でも即座の反攻作戦に移る為の流れが必要になる。
例えば……アシュレイの拿捕が可能ならば最良か。非常に困難だとは思うがね。
しかし、どうあれ連中のホームは欧羅巴、此方は日本なのだ。
少なくとも態勢の立て直しは此方が勝る筈だからな。 |
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『オルクス・パラスト』は最高戦力をこの場に傾ける事を決めた。
私も旦那も……今回ばかりは、派手に暴れて手伝うわよ。『楽しみ』ね?
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