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屋外のネオンにも負けないくらい。程よく、そして温かい赤色の光に包まれて。 今日はクリスマスだから―――此の、一日くらいは世界中の誰しもが幸せであれば良いと願う。 教会の中はまるで異世界の様であった。 本当の意味で異世界の住人であるシィンが居るから。 本当の意味でお話の中だけの存在かと思われたヴァンパイアである杏樹が居るから。 ……と、言う訳では無いのだが。 傍から見れば、疑いも無く美少女である彼女等二人が背中合わせになるだけでも絵に成る。正に其れこそが文字で表せば『神秘的』という文字が当てはまるであろう。 作り上げたキャンドルナイトに達成感でも感じている所か、はたまた、宝石のような彼女等も、其の美しさに見とれている所か。更に更に、炎に目を奪われるシィンを満足気に杏樹は見ていた。 彼女が笑えば、彼女も嬉しく思う。満たされていく、たった、キャンドルに火を灯しただけ――其の小さな幸せに。 少しずつで良いから。 異世界の友人に、最下層の美しさのお裾分け。 きっと、此の光景こそが。忘れられない彼女等のクリスマスプレゼント。 |
不動峰 杏樹(BNE000062) シィン・アーパーウィル(BNE004479) |
担当VC:流聖飛鳥 担当ST:夕影 |