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「やぁ、いらっしゃい」 「お邪魔しますなのだ」 雪がちらつくインクブルーの寒空から舞い降りた天使を自室へと誘うのは快。 ミルクティ色のロングコートにカフェモカのストライプマフラーを巻いた雷音は、頬を染めながらブーツを脱いで快の部屋へと歩を進めた。 「コートとマフラーはこっちに掛けておこうか」 紳士的にハンガーを取り出す快の言葉に雷音はマラカイトグリーンの瞳を逸らす。 「……のだ」 「ん、どうした? 脱がないのか?」 自分のコートを両手で握りしめながら瞳を上げた雷音。 「う、後ろを向くのだ!」 「はい」 雷音の声に快は大人しく従った。 「クリスマスプレゼントなのだ」 背中越しに聞こえる声と温かな腕の感触。 快が振り返れば可愛らしいサンタの衣装を身にまとった雷音。 天使の頬が先程よりもずっと赤い、ローズピンク。 可愛い。可愛くて仕方がないからその先の表情まで見たくなる。 「プレゼントなら、包み紙は開けてもいいのかな?」 悪戯な笑みは少年の様な瞳で。 言いながら手前に回された小さな指を開くように、快は自身の手を重ね合わせた。 「馬鹿者! 馬鹿者なのだ!」 真っ赤にそまった頬が、本物のリンゴの様に膨らんで行く。 |
新田・快(BNE000439) 朱鷺島・雷音(BNE000003) |
担当VC:たぢまよしかづ 担当ST:もみじ |